JP2532696Y2

JP2532696Y2 - 組立式インバート

Info

Publication number: JP2532696Y2
Application number: JP1992036236U
Authority: JP
Inventors: 良樹石田; 晃次郎結城; 昭本間
Original assignee: Asahi Concrete Works Co Ltd
Current assignee: Asahi Concrete Works Co Ltd
Priority date: 1992-04-30
Filing date: 1992-04-30
Publication date: 1997-04-16
Anticipated expiration: 2007-04-16
Also published as: JPH0587035U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、各種のィンバート用セ
グメントを組立ててなるマンホールの底部に形成される
組立式インバートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、下水道用マンホールはその全体を
現場打ちすることによって築造されていた。このため、
現場作業が煩雑となり、多くの築造時間がかかるという
不具合を有していた。そこで、近年は築造時間の短縮化
を図り、現場作業員の不足を補うべくプレキャストコン
クリート製の組立式マンホールが多く用いられるように
なってきている。

【０００３】しかしながら、このようなマンホールの底
部には、下水の流下を円滑にするための導水路を有する
インバートが設けられ、該インバートは、流出入管の大
きさ、流出入角度および流出入管の落差などにより形状
が多岐に亘るので、マンホール本体と一体化してプレキ
ャスト製品とすることは難しく、多くは現場打作業が中
心で築造されている結果、従来の欠点を十分に解消する
ことができなかった。

【０００４】このような問題を解決するための先願技術
として、例えば、特開平３−２９３４３０号公報にマン
ホール用インバートブロック及びインバートの施工方法
が示されている。この技術は、インバートブロックが対
称形状に形成され、相互に回転等により相対位置姿勢を
変更できるように形成されたもの、または総て同一形状
の流路溝を形成した複数のブロック群と補助ブロック群
の種々の組み合わせにより、流入口と流出口とに対応す
るように構成したものが示されている。

【０００５】しかしながら、この技術はインバートブロ
ックが分割されていることからマンホール内への搬入が
容易であるものの、複数のブロックを現場の状況にあわ
せて回転させ、位置決めし、更に、複数のブロックの間
を多くのコンクリート又はモルタル等の充填材を充填す
る必要がある。

【０００６】その結果、現場での施工作業量が多く、か
つ作業者の高い施工技術が要求されるという問題があ
り、また流入口と流出口の多岐にわたる状況に対応でき
ないという問題があり、更に現場施工のための資材を多
く必要とする問題がある。

【０００７】更に、従来技術として、特開平３−１９４
０２６号公報には、１本の連続的な溝を形成した３ブロ
ックからなるインバートブロックであって、両端のブロ
ックを中央のブロックに対して接続角度の変更を可能に
するための間隙を設けた技術が示されている。

【０００８】しかしながら、この技術についても上記の
従来技術と同様にセグメント部分の一部を３個のブロッ
クから形成していることから、上記従来技術同様のメリ
ット、即ちマンホール内への搬入が容易であるというメ
リットがあるものの、現場での施工作業量か多くかつ作
業者の現場施工技術が必要であるという問題があり、ま
た流入口と流出口の多様な状況に対応できないという問
題があり、更に施工のための現場資材を多く必要とする
という同様の欠点を有していた。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】本考案はこのような実
状に鑑みて考案されたものであって、その課題は、マン
ホール内の施工作業性の向上を図り、現場において築造
する多様な導水路の形状に簡単に対応できると共に、最
少限の現場作業量と最少限の充填接合材により施工を行
うことができ、併せて複数のインバート形状に対応する
に当たって、より少ない数のインバートセグメントで済
むような組立式インバートを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本考案は上記課題を達成
するために、マンホールの底部に、組み合わせて設置し
た状態において上面中央に導水路が形成される組合せ用
のインバート用セグメントからなり、インバート用セグ
メントを組み合せて接合したとき、接合部の少なくとも
一部が溝部内に形成されてインバートの略全体形状を構
成するようにした組立式インバートにおいて、上記導水
路から少なくとも一つの分岐した溝部を少なくとも一方
のインバート用セグメントに形成し、且つインバート用
セグメントとして溝閉ブロックを加えたたことを特徴と
する。

【００１１】

【作用】本考案に係る組立式インバートでは、要求され
る導水路の形状に応じて、対応する溝部を有する組み合
わせ可能な、例えば２個のセグメントを選択し施工現場
に搬入する。施工現場では単に導水路の方向等に合わせ
て予定されている配置でセグメントを並べ、当接面の隙
間を充填材で充填する。そして、セグメントに溝閉ブロ
ックを含ませた構成とすることにより、対応する溝部を
有するセグメントが存在しない場合であっても、セグメ
ントに形成されている溝部の一部分に該溝閉ブロツクを
載置し、溝を閉鎖することによって溝部の形状を変更す
る。即ち、セグメントとセグメントに搭載する溝閉ブロ
ックの組合せにより、必要とする溝部形状を有するセグ
メントの数を少なくする。

【００１２】

【実施例】以下、本考案を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。図１〜図３は本考案に係る組立式インバー
トの前提となる組立マンホールを示している。図におい
て、１は検査または清掃などのために人が出入りするた
めの下水道用組立マンホールであって、この組立マンホ
ール１は、下水管きよの方向、こう配または管径の変化
する個所や下水管きよ連絡・接合する個所に設けられる
設備である。

【００１３】上記組立マンホール１は、底版２などの上
部に設けられる円筒状のマンホール本体３、このマンホ
ール本体３の上部開口を閉塞するふた４、マンホール本
体３の底部に築造される組立式インバート５等によって
構成されており、マンホール本体３の下部外周壁にはこ
れとほぼ直交する方向に延びる流入管６および流出管７
が貫通して配置されている。

【００１４】また、マンホール本体３は、管取付壁８、
直壁９、斜壁１０および調整リング１１を下から上に向
かって順に連結することによって組み立てられ、その内
壁面には複数の昇降用ステップ１２が上下方向に一定の
間隔を置いて取り付けられている。一方、上記組立式イ
ンバート５は、マンホール本体３の底部に設置される２
個のインバート用セグメント１３、１４を備えており、
これらセグメント１３、１４をマンホール本体３内で組
み立てて互いに接合することにより円盤状に築造される
ようになっている。

【００１５】インバート用セグメント１３、１４は、プ
レキャスト製品として平面半円形状に一体成形され、各
上面１３ａ、１４ａには導水路１５の一部をなす種種の
形状の溝部１６、１７が形成されている。上記の種種の
形状の溝部１６、１７の形成に当たっては、セグメント
１３、１４の接合部が溝部１６、１７の最低部となるよ
うに形成する。このように構成することにより、接合部
及び接合部近傍に溝部を構成する凹部が形成される。即
ち、セグメント角部が欠損された形状となる。

【００１６】このことは、セグメントを並置させるとき
にお互いにその角部が邪魔にならず、且つ凹部が形成さ
れている分当接面が少なくなり、その分だけ現場資材・
作業量が減少する。更に、このようにセグメントを形成
することにより、各セグメントの接合部の隙間を僅かに
調整することによって溝部形状、特にその幅を変更し、
導水路の管径に適合させることも可能である。

【００１７】しかして、導水路１５は、インバート用セ
グメント１３、１４の溝部１６、１７を組み合わせるこ
とによって、図４に示すような平面Ｙ形、図５に示すよ
うな平面矢印形、その他図６〜図８に示すような各種の
平面形状に形成されることが可能となる。このため、組
立マンホール１の底部には、築造するインバート形状に
対応させて各種形状の溝部１６、１７を選んでインバー
ト用セグメント１３、１４を組立てることにより所定形
状の導水路１５が設けられている。

【００１８】組み立てたインバート用セグメント１３、
１４の溝部１６、１７の一部が現場の事情などによって
不要な場合に、図９に示す溝閉ブロック１８、１９を溝
部１６、１７に嵌め込んで閉塞する。この溝閉ブロック
１８、１９の活用により組合せ用のセグメントの種類を
少なくすることができる。

【００１９】次に、施工方法について説明する。本実施
例の組立式インバート５をマンホール本体３内の底部に
築造するには、まず図３に示す如く流入管６と流出管７
の落差に対応させて組立マンホール１の底版２の上部に
ドライモルタル（高さ調整モルタル）又は防蝕性パッキ
ン２０等で傾斜面を築く。

【００２０】次いで、インバート用セグメント１３、１
４を築造するインバート形状に対応させて組合せ、これ
ら組合せたインバート用セグメント１３、１４をマンホ
ール本体３の上部開口から昇降用ステップ１２を避けな
がら吊り降ろす。そして、インバート用セグメント１
３、１４の溝部１６、１７を流入管６および流出管７の
管口と合致させて設置し、マンホール本体３内で組立て
れば、組立マンホール１の底部には平面Ｙ形、平面十字
形等の所定形状の導水路１５が設けられることになる。

【００２１】このようにして、組立マンホール１を構成
する全部の部材の設置作業を終わらせたら、各部材間の
僅かな隙間にバックアップ材（スポンジ系の材料）を押
し込んで漏れ止めを行う。その後、モルタルなどの充填
接合材２１を流し込むことによりインバート用セグメン
ト１３、１４の間を含む互いに隣接する各部材を接合す
る。そして不要な溝部は溝閉ブロック１８、１９を配置
して閉止する。以上、本考案の一実施例につき述べた
が、本考案は既述の実施例に限定されるものではなく、
本考案の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が
可能である。

【００２２】

【考案の効果】本考案は、上記の構成により、各種溝部
が形成されたセグメントの組合わせを変えることによっ
て多種のインバート形状が簡単に得られる。しかも、イ
ンバートを構成する大部分を工場生産とすることができ
るから、施工前後のインバートの品質が一定し、したが
ってインバートの耐久性を向上させ、以て施工の信頼性
を高めることができる。特に、セグメントに溝閉ブロッ
クを含ませた構成とすることにより、セグメントに形成
された不必要な溝を閉鎖することによって溝部の形状を
変更することができるから、セグメントとセグメントに
搭載する溝閉ブロックの組合せにより必要とする溝部形
状を有するセグメントの種類を少なくすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の前提となる組立式インバート
を設けた組立マンホールを示す横断面図。

【図２】上記組立マンホールを示す縦断面図。

【図３】図２の要部拡大断面図。

【図４】上記組立式インバートの導水路を構成するイン
バート用セグメントの溝部を示す平面図。

【図５】上記インバート用セグメントの他の溝部を示す
平面図。

【図６】上記インバート用セグメントの他の溝部を示す
平面図。

【図７】上記インバート用セグメントの他の溝部を示す
平面図。

【図８】上記インバート用セグメントの他の溝部を示す
平面図。

【図９】上記組立式インバートを示す斜視図。

【符号の説明】

１・・・下水道用組立マンホール２・・・底版３・・・マンホール本体４・・・ふた５・・・組立式インバート６・・・流入管７・・・流出管８・・・管取付壁９・・・直壁１０・・斜壁１１・・調整リング１２・・昇降用ステップ１３、１４・・・インバート用セグメント１５・・・導水路１６、１７・・・溝部１８、１９・・・溝閉ブロック２０・・・防蝕性パッキン２１・・・充填接合材

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】マンホールの底部に、組み合わせて設置し
た状態において上面中央に導水路が形成される組合せ用
のインバート用セグメントからなり、インバート用セグメントを組み合せて接合したとき、接
合部の少なくとも一部が溝部内に形成されてインバート
の略全体形状を構成するようにした組立式インバートに
おいて、上記導水路から少なくとも一つの分岐した溝部
を少なくとも一方のインバート用セグメントに形成し、
且つインバート用セグメントとして溝閉ブロックを加え
たことを特徴とする組立式インバート。