JP2532115B2 - 電動パワ―ステアリング装置 - Google Patents

電動パワ―ステアリング装置

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JP2532115B2
JP2532115B2 JP31583187A JP31583187A JP2532115B2 JP 2532115 B2 JP2532115 B2 JP 2532115B2 JP 31583187 A JP31583187 A JP 31583187A JP 31583187 A JP31583187 A JP 31583187A JP 2532115 B2 JP2532115 B2 JP 2532115B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電動機の出力で操舵力を補助するように
した電動パワーステアリング装置に関する。
〔従来の技術〕
この種の電動パワーステアリング装置の従来の技術と
しては、例えば、この出願人が先に出願したもので、特
開昭62−218266号公報に記載されているようなものがあ
る。
このものは、操舵トルク検出値に基づいて据切相当の
操舵トルクに対応した基準電流値を算出し、走行状態に
対応した補正係数を求め、前記基準電流値をこの補正係
数で補正して、最終的に出力される目標電流値を決定す
ることにより、スケール変換を行わず且つ演算回数を少
なくして、計算結果のバラツキを小さくし、操舵力に生
じる変動を極力無くして操舵感覚を向上させるようにし
たものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、このような従来技術の電動パワーステ
アリング装置にあっては、第8図に示すように、電動機
が実質的に駆動を開始する電流値であるモータ暗電流I
Aを起点とすると共に、車速の増減に伴いアシスト特性
を変化させるようになっていたため、据切時のステアリ
ング操作を軽くするには、基本特性の傾きをより立てる
か、又はモータ暗電流IAに対応する操舵トルクTSを小
さくする必要があった。ところが、基本特性の傾きを立
てると、アシストゲインが高すぎて自励振動を引き起こ
すようになり、モータ暗電流IAに対応する操舵トルク
TSを小さくすると、高速時におけるアシスト開始が早
くなるのでステアリング操作の安定感が得られなくなる
と共に、車両の安定性が減少するという問題があった。
この発明は、このような従来技術の問題点に着目して
なされたものであり、据え切りを含む低速時にはステア
リングを軽く操作することができる一方、安定性の求め
られる高速時には安定したステアリング操作を行える電
動パワースエアリング装置を提供することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、この発明は第1図の基本構
成図に示すように、車両の操舵系に連結された操舵補助
トルクを発生する電動機と、前記操舵系の操舵トルクを
検出してその操舵トルク検出信号を出力する操舵トルク
検出手段と、前記車両の速度を検出してその車速検出手
段を出力する車速検出手段と、据切相当の操舵トルクに
対応し且つ操舵トルクが所定設定値以上であるときに操
舵トルクの増加に伴って大きな増加率で増加する第1の
基準電流値設定曲線に従い、前記操舵トルク検出信号か
ら第1の基準電流値を算出する第1の基準電流値算出手
段と、低速領域と高速領域との境界となる設定車速にお
ける操舵トルクに対応し且つ操舵トルクが前記所定設定
値以上であるときに操舵トルクの増加に伴って前記第1
の基準電流値設定曲線より小さな増加率で増加する第2
の基準電流値設定曲線に従い、前記操舵トルク検出信号
から第2の基準電流値を算出する第2の基準電流値算出
手段と、車速零からの車速の増加に伴って増加する補正
電流値設定曲線に従い、前記車速検出信号から補正電流
値を算出する補正電流値算出手段と、車速零からの前記
設定車速からの車速の増加に伴って低下する補正係数設
定曲線に従い、前記車速検出信号から補正係数を決定す
る補正係数決定手段と、前記車速検出信号が、前記低速
領域と高速領域との境界となる設定車速より小さいとき
には、少なくとも前記第1の基準電流値から前記補正電
流値算出手段により算出された補正電流値を減じた電流
値に前記補正係数を乗じた電流値を用い、且つ前記車速
検出信号が前記設定車速以上であるときには、少なくと
も前記第2の基準電流値に前記補正係数を乗じた電流値
を用いて、夫々前記電動機への目標電流値を算出設定す
る目標電流値算出手段と、前記目標電流値を前記電動機
の駆動電流値として当該電動機に出力する駆動手段と、
を備えたことを特徴とする。
〔作用〕
上記構成を有する本発明では、車速が零のときに前記
所定設定値より大きな操舵トルクで操舵、即ち据切を行
う場合には、車速検出信号は少なくとも前記高低速領域
の境界となる設定車速より小さいから前記第1の基準電
流値設定曲線に従って操舵トルク検出信号に応じた大き
な増加率の第1の基準電流値が設定される。一方、車速
は零であるから前記補正電流値設定曲線に従って算出設
定される補正電流値は小さな値となり、同じく前記補正
係数設定曲線に従って決定される補正係数は大きな値と
なる。そこで、例えばこの補正電流値を“0"とし、補正
係数“1"とすると、前記第1の基準電流値から補正電流
値を減じた電流値に補正係数を乗じた電流値とは即ち第
1の基準電流値になる。従って、この第1の基準電流値
が前記操舵系に自励振動を発生しない程度の電流値と
し、少なくともこの第1の基準電流値を目標電流値に設
定することにより、電動機による操舵補助トルクが速や
かに且つ大きく発生されて据切操舵(ステアリング操
作)は速やかに且つ大幅に軽くなる。
次に、前記設定車速より小さい低速で走行している状
態で操舵を行った場合には、車速検出信号の増加に伴っ
て次第に大きな補正電流値が算出設定され、同時に次第
に小さな補正係数が決定される。従って、少なくとも前
記第1の基準電流値から補正電流値を減じた電流値に補
正係数を乗じた電流値を用いて算出設定される目標電流
値によれば、少なくとも電動機の暗電流値を越える目標
電流値領域で、車速の増加に伴って操舵補助トルクが増
加し始める操舵トルクが大きくなり且つその操舵補助ト
ルクの増加率が小さくなるから、前記電動機の暗電流値
に係わらず、操舵トルクに対する操舵補助トルクの特性
を車速に応じて最適に設定出力させることが可能とな
る。
また、車速が前記設定車速を越える高速領域では、車
速検出信号の増加に伴って次第に小さな補正係数が決定
されるため、少なくとも前記第2の基準電流値に前記補
正係数を乗じた電流値を用いて算出設定される目標電流
値によれば、前記電動機の暗電流値を越える目標電流値
による操舵補助トルクを車速の増加と共に小さくするこ
とにより、この高速領域における走行安定性が確保又は
向上される。
また、何れの場合にあっても操舵トルクが前記所定設
定値より小さい場合には、前記第1の基準電流値を用い
ようとも第2の基準電流値を用いようとも、目標電流値
は設定されないことになるから或いは零に設定されるこ
とになるから、ステアリング操作の中立状態の近傍で余
分な操舵補助トルクが発生されることはなく、当該ステ
アリング操作中立状態での安定性が確保される。
このように、各車速や操舵トルクに応じた適切な目標
電流値の設定により適切な操舵補助トルクが発生されて
的確な操舵が可能となるとともに、各車速や操舵トルク
に要求される操縦性と安定性との両立が可能となる。
〔実施例〕
以下、この発明を図示実施例に基づいて説明する。
第2図乃至第7図は、この発明の一実施例を示す図で
ある。
まず、構成を説明すると、第2図に示す1がステアリ
ングシャフトであり、このステアリングシャフト1は、
自在継手2を介して連結されたアッパシャフト1aとロア
シャフト1bとから構成している。アッパシャフト1aの上
端にはステアリングホイール3が固定されていると共
に、ロアシャフト1bの下端には、自在継手4を介してピ
ニオンシャフト5が連結されていて、このピニオンシャ
フト5の下端に設けたピニオンがステアリングギヤボッ
クス6の内部でラック軸7のラックと噛合している。上
記ステアリングホイール3、ステアリングシャフト1、
自在継手2,4、ピニオンシャフト5及びラック軸7によ
って操舵系を構成している。
上記ピニオンシャフト5は、減速ギヤ機構8を介して
電動機9の回転軸9aに連結している。この減速ギヤ機構
8は、ケーシング8a内で互いに噛合する駆動ギヤ8bと従
動ギヤ8cとからなり、従動ギヤ8cがピニオンシャフト5
に固定されていると共に、駆動ギヤ8bが回転軸9aに固定
されている。電動機9は、例えば直流サーボ電動機で構
成され、電磁クラッチ9b及び回転軸9aを介して、その回
転力が減速ギヤ機構8へと伝達される。
また、ステアリングシャフト1には、このステアリン
グシャフト1に入力される操舵トルクを検出する操舵ト
ルク検出手段としての操舵トルクセンサ10を設けてい
る。この操舵トルクセンサ10は、例えばステアリングシ
ャフト1に固着したストレインゲージで構成され、運転
者がステアリングホイール3を転舵操作することによっ
てステアリングシャフト1に生じる捩れの大きさと方向
とに応じたアナログ電圧からなる操舵トルク検出信号DT
を出力する。
11は、車速検出手段としての車速センサであり、例え
ば変速機の出力軸の回転数を検出して、これに対応した
周期のパネル信号からなる車速検出信号DVを出力する。
12は、制御装置であり、バッテリー等の電源13に接続
されている。この制御装置12は、第3図に示すように、
前記操舵トルクセンサ10からの操舵トルク検出信号DTと
車速センサ11からの車速検出信号DVとが供給され、これ
らに基づき前記電動機9を制御する制御信号S1〜S3及び
電磁クラッチ9bを制御する制御信号S4を出力する制御回
路20と、その制御信号S1〜S3が供給され、これに基づき
電動機9を駆動するモータ駆動回路30とから構成されて
いる。
制御回路20は、A/D変換器21と、マイクロコンピュー
タ22と、D/A変換器23を備えている。
マイクロコンピュータ22は、インタフェース回路とし
ての入力回路22a及び出力回路22bと、演算処理装置22c
と、記憶装置22dとを少なくとも有し、入力回路22aには
上記操舵トルクセンサ10の操舵トルク検出信号DTがA/D
変換器21を介して供給されると共に、車速センサ11の車
速検出信号DVが直接供給され、また、出力回路22bから
は操舵補助トルクに応じたモータ電流制御信号S1がD/A
変換器23を介して出力されると共に、制御信号S2〜S4が
直接出力される。
演算処理装置22cは、入力回路22aに供給される操舵ト
ルク検出信号DTに基づき操舵トルクTが所定設定値α以
上であるときに、所定の演算処理を実行して、当該操舵
トルクTから据切相当の操舵トルクに対応する第1の基
準電流値I1と、設定車速の操舵トルクに対応する第2の
基準電流値I2とを算出すると共に、車速検出信号DVに基
づき車速Vから補正電流値IV及び補正係数KVをそれぞ
れ決定し、これら第1の基準電流値I1,第2の基準電流
値I2,補正電流値IV及び補正係数KVに基づいて目標電
流値Ioを算出し、これによって電動機9を制御するモ
ータ制御信号S1を出力する一方、操舵トルクTが所定設
定値α未満であるときには、電動機9による操舵補助ト
ルクの発生を停止させる。
なお、上記設定車速とは、低速領域と高速領域との境
目となる車速であり、予め記憶装置22dに記憶されてい
る値である。
また、記憶装置22dは、上記演算処理装置22cの演算処
理に必要な処理プログラムと、据切相当の操舵トルクT
と第1の基準電流値I1との関係を表す記憶テーブル(第
5図L1参照)と、設定車速における操舵トルクTと第2
の基準電流値I2との関係を表す記憶テーブル(第5図L2
参照)と、車速Vと補正電流値IVとの関係を表す記憶
テーブル(第6図参照)と、車速Vと補正係数KVとの
関係を表す記憶テーブル(第7図参照)等を記憶してい
ると共に、演算処理装置22cの演算結果等を逐次記憶す
る。
モータ駆動回路30は、制御回路20から出力されるモー
タ制御信号S1と電動機9の負荷電流を検出する電流検出
器31からの電流フィードバック信号とが入力されるパネ
ル幅変調回路32と、その変調出力と前記制御回路20から
の右回転信号S2及び左回転信号S3が個別に供給されるAN
Dゲート33及び34と、これらANDゲート33,34の出力が供
給される正逆転駆動回路35とから構成されている。
上記パルス幅変調回路32は、例えば差動増幅器と鋸歯
状波発生回路と比較回路とから構成され、前記モータ制
御信号S1と電流フィードバック信号とが差動増幅器に供
給されると共に、その差動増幅出力と鋸歯状波発生回路
からの鋸歯状波信号とが比較回路に供給され、その比較
出力がパルス幅変調回路32の出力として出力される。ま
た、正逆転駆動回路35は、例えば2個のスイッチングト
ランジスタで構成され、各スイッチングトランジスタに
は前記2個のANDゲート33,34の出力が個別に供給される
と共に、各スイッチングトランジスタのコレクタが電動
機9に右回転用端子及び左回転用端子にそれぞれ個別に
接続されて、モータ駆動電流をチョッパ制御する。
次に、上記実施例の動作を、演算処理装置22cでの処
理手順を示す第4図に従って説明する。
この第4図に示す処理は、例えば予め設定された所定
のメインプログラムに対して所定時間(例えば50msec)
の間隔毎にタイマ割込処理として実行される。
まず、ステップでは、操舵トルクセンサ10からの操
舵トルク検出信号DTを読み込み、これを操舵トルク検出
値Tとして記憶装置22dの所定記憶領域に一次記憶す
る。
次に、ステップに移行して、車速センサ11からの車
速検出信号DVを読み込み、単位時間当たりのパルス数又
はパルス間隔を計測して車速を算出し、これを車速検出
値Vとして記憶装置22dの所定記憶領域に一時記憶す
る。
次いで、ステップに移行して、ステップで記憶し
た操舵トルク検出値Tが所定設定値α以上であるか否か
を判定する。この場合の判定は、操舵系に電動機9によ
る操舵補助トルクを作用させる必要があるか否かを判定
するものであり、T<αであるときには、操舵補助トル
クが不要であるものと判定してステップに移行する。
このステップでは、出力回路22bからの電磁クラッ
チ9bをオフ状態とする論理値“0"の制御信号S4を該電磁
クラッチ9bに出力すると共に、論理値“0"の操舵方向制
御信号S2,S3をモータ駆動回路30に出力し、これで割込
処理を終了する。
このように、電磁クラッチ9bに論理値“0"の制御信号
S4が供給されると、電磁クラッチ9bがオフ状態となって
電動機9と操舵系の減速ギヤ機構8との間の連結状態が
解放され、操舵系に対する電動機9による操舵補助トル
クが非伝達状態となり、運転者によるステアリングホイ
ール3を操舵する操舵力のみによって車輪が転舵され
る。このとき、モータ駆動回路30では、操舵方向制御信
号S2,S3が論理値“0"であるので、そのANDゲート33,34
の出力が論理値“0"を維持し、このため、正逆転駆動回
路35がオフ状態を維持するので、電動機9の電流供給回
路が遮断状態となり、電動機9は停止状態に保持され
る。
一方、ステップの判定結果がT≧αであるときに
は、電動機9による操舵補助トルクが必要であると判定
され、次のステップに移行する。
このステップでは、論理値“1"の制御信号S4を電磁
クラッチ9bに供給する。これにより、電磁クラッチ9bが
オン状態となり、電動機9と減速ギヤ機構8とが連結状
態となり、操舵系に電動機9による操舵補助トルクが付
加される。
次いで、ステップに移行して、操舵トルク検出値T
に基づいて、操舵が右切りであるか左切りであるかを判
定する。このとき、右切りである場合にはステップに
移行して、出力回路22bからの右回転制御信号S2を論理
値“1"とし、左切りである場合にはステップに移行し
て、左回転制御信号S3を論理値“1"とする。
そして、ステップ又はステップからステップに
移行して、ステップで記憶して操舵トルク検出値Tに
基づいて記憶装置22dに記憶されている第5図の直線L1
に対応する記憶テーブルを参照することにより第1の基
準電流値I1を算出し、続いてステップに移行して、操
舵トルク検出値Tに基づいて第5図の曲線L2に対応する
記憶テーブルを参照して第2の基準電流値I2を算出す
る。
次いで、ステップに移行して、車速Vが、低速領域
にあるか高速領域にあるかを判定する。つまり、車速V
と設定車速Vsetとを比較して、車速Vの方が大きければ
高速領域とし、車速Vの方が小さければ低速領域とす
る。
そして、高速領域にあると判定された場合には、ステ
ップに移行し、演算変数Aに第2の基準電流値I2を代
入し、続いてステップにおいて演算変数Bにモータ暗
電流IAを代入して、ステップに移行する。
一方、ステップにおいて、低速領域にあると判定さ
れた場合には、ステップに移行し、車速検出値Vに基
づいて第6図に対応する記憶テーブルを参照して補正電
流値IVを算出する。そして、ステップに移行して、
演算変数Aに第1の基準電流値I1から補正電流値IVを
減算した値を代入し、ステップで、演算変数Bに第2
の基準電流値I2を代入して、ステップに移行する。
ステップでは、上記ステップ,又はステップ
,で求めた演算変数A,Bを比較し、A≧Bであれば
ステップに移行して、車速検出値Vに基づいて第7図
に対応する記憶テーブルを参照して補正係数KVを決定
する。そして、ステップに移行し、補正係数KV及び
演算変数A,Bを用い、下記の(1)式に基づいて、目標
電流値Ioを算出する。
Io=B+KV×(A−B) ……(1) また、ステップにおいてA<Bであれば、ステップ
に移行して、目標電流値Ioを第2の基準電流値I2とす
る。
そして、ステップ又はステップからステップに
移行して、目標電流値Ioをモータ制御信号S1として出力
回路22bからD/A変換器23に出力する。
このように、モータ制御信号S1が出力されると、これ
たD/A変換器23でアナログ電流に変換され、これがモー
タ駆動回路30に供給される。このため、モータ駆動回路
30では、電動機9が停止状態にあるものとすると、その
負荷電流を検出する負荷電流検出器31の検出信号が0で
あるので、パルス幅変調回路32からデューティ比の大き
い(オン状態の幅がオフ状態の幅に比較して大きい)パ
ルス変調信号が出力されることになり、これがANDゲー
ト33,34に供給される。
このとき、運転者がステアリングホイール3を右切り
(又は左切り)しているものとすると、出力回路22bか
ら右回転制御信号S2(又は左回転制御信号S3)が出力さ
れているので、ANDゲート33(又は34)からパルス変調
信号い応じた出力が得られ、これにより正逆転駆動回路
35の作動を介して、電動機9が右(又は左)回転を開始
する。その結果、電動機9の回転トルクが電磁クラッチ
9b、減速ギヤ機構8を介して操舵系のピニオンシャフト
5に伝達される。
このように、電動機9が回転を開始すると、負荷電流
検出器31の負荷電流検出値が増加するので、パルス幅変
調回路32からのパルス変調信号のデューティ比が小さく
なり、結局、電動機9が制御回路20から出力される操舵
トルクTに対応した操舵補助トルクを操舵系に付加する
ように回転駆動される。
なお、上記ステップの処理で第1の基準電流値算出
手段を、ステップの処理で第2の基準電流値算出手段
を、ステップの処理で補正電流値算出手段を、ステッ
プの処理で補正係数決定手段を、ステップ及びの
処理で目標電流値算出手段を夫々構成し、さらに、ステ
ップの処理及びモータ駆動回路30で駆動手段を構成し
ている。
次に、第4図乃至第7図を伴って、種々のステアリン
グ操作を車速とに対応する目標電流値Ioの算出経過を具
体的に説明する。
まず、速度が零のときの操舵、即ち据切を行う場合に
おいて、その時の操舵トルクを設定値αを越える値T1と
すると、ステップでYESと判定され、また、ステップ
でNOと判定されるため、ステップ〜に移行する。
すると、車速が零であるから、ステップでは、補正電
流値IVは第6図から零となり、ステップで演算変数
Aは第1の補正電流値I1となる。次いでステップで
は、YESと判定されるから、ステップに移行して、補
正係数KVを決定するが、車速が零であるから、この補
正係数KVは1となる。したがって、ステップにおい
て、目標電流値Ioは{I2+(I1+I2)}、即ちI1とな
る。
このように、据切りの場合には、第1の基準電流値I1
が直接目標電流値Ioとなるため、第1の基準電流値I1を
傾きが大きすぎると、アシストゲインが高すぎて自励振
動を生ずるおそれがあるので、この実施例では、自励振
動が生じない程度の傾きとなるように第1の基準電流値
I1を設定している。
次に、設定車速Vset未満の低速で走行している状態で
操舵トルクT1によりステアリング操作を行った場合に
は、第4図のステップからステップ〜に移行し
て、まず、ステップにおいて車速検出値Vに基づいて
補正電流値IV(第6図)が求められる。次いでステッ
プにおいて、演算変数Aを(I1−IV)とし、ステッ
プを経てステップに移行する。このステップでON
と判定された場合、即ち、第5図の直線L3とT1を通る垂
線との交点が、曲線L2よりも下に位置するときには、ス
テップに移行して、目標電流値Ioを曲線L2から求めら
れる電流値I2とする。
一方、ステップでYES、即ち、第5図の直線L3とT1
を通る垂線との交点が、曲線L2よりも上に位置するとき
は、ステップに移行して、補正係数KV(第7図)が
求められる。そして、ステップに移行し、第5図に示
される直線L3{=I1−IV}が、L3とL2との交点を起点Q
1として補正係数KVに基づいて変換されて直線L4{=
(L1−L2−LV)×KV+L2}が求められ、この直線L4と
T1を通る垂線との交点P2に対応した電流値が目標電流値
Ioとなる。
そして、車速が上昇すると、直線L3が直線L1から離れ
ると共に直線L4の傾きが小さくなるため、交点P2は徐々
に曲線L2、即ち第2の基準電流値I2に近づいていく。
つまり、車速が零又は低速で走行中の低速領域におい
ては、比較的傾きが大きな第1の基準電流値I1を表す直
線L1を基本特性とし、この基本特性を、補正電流値IV
により平行移動させて、その移動させた後の傾き、即ち
直線L3の傾きを、補正係数KV,起点Q1により小さくす
るようにしているから、L3の傾きの変化率を決める補正
係数KVの変化を、それほど大きくする必要がない。そ
のため、車速が零付近においては、略基本特性に近い目
標電流値Ioを得られるから、ステアリング操作を軽くす
ることができる。一方、車速Vが設定車速Vsetに近づい
ても、起点Q1がそれに伴い移動するので、この場合にお
ける目標電流値Ioに対応する直線L4の傾きがさほど小さ
くならないから、操舵トルクTに的確に対応する目標電
流値Ioを得ることができる。
さらに車速Vが上昇して設定車速Vsetになると、目標
電流値Ioは略第2の基準電流値I2、即ち曲線L2と同一の
値となる。つまり、第4図において、ステップでYES
と判定され、ステップ〜を実行し、ステップに移
行する。ステップでは、演算変数A,Bを比較している
が、この場合は、第2の基準電流値I2とモータ暗電流I
Aとを比較しているのであって、第2の基準電流値の方
が大きければステップに移行し、モータ暗電流の方が
大きければステップに移行する。ステップでは、目
標電流値Ioを第2の基準電流値I2としてステップに移
行する。一方、ステップでは、補正係数KVを決定す
るが、このときは、車速が設定車速Vsetであるため、補
正係数KVは1となる。したがって、ステップにおい
ては、目標電流値Ioは{IA+(I2−IA)}、即ちI2と
なり、ステップに移行する。そのため、車速が低速領
域から高速領域に変化しても、操舵補助トルクは滑らか
に変化するため、操舵に違和感が生じることはない。
また、さらに車速が上昇して高速領域になったとす
る。そのときの操舵トルクをT1とすると、この操舵トル
クT1に対応する第2の基準電流値I2、つまり交点P3は、
モータ暗電流IAよりも小さいため、ステップにおい
て、目標電流値Ioは交点P3に示される第2の基準電流値
I2となる。
そして、車速Vが高速領域(V≧Vset)であるとき
に、T2という操舵トルクが生じた場合には、ステップ
及びステップで共にYESとなり、曲線L2を、モータ暗
電流IAとL2との交点を起点Q2(起点Q2は固定点)とし
て、補正係数KVに基づいて変換して曲線L5{=(L2−
LA)×KV+LA}が求められ、この曲線L5と操舵トル
クT2を通る垂線との交点P4に対応する電流値が、目標電
流値Ioとなる。
このように、高速領域では、傾きの小さい第2の基準
電流値I2を表す曲線L2を基本特性とし、この基本特性を
補正係数KV及び固定された起点Q2に基づいて変換し
て、この場合の目標電流値Ioに対応する曲線L5を求めて
いる。そのため、高速領域においてさらに車速Vが上昇
すると、目標電流値Ioの立ち上がりは車速Vの上昇に伴
い小さくなるので、高速時における操舵の安定性が損な
われることがなく車両の安定性は向上する一方、第2の
基準電流値I2の曲率を適宜に調整すれば、好適な目標電
流値Ioを得ることができる。
なお、上記実施例においては、制御回路20としてマイ
クロコンピュータ22を適用した場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、論理回路、比較回
路、関数発生回路等の電子回路を組み合わせて構成する
こともできる。
さらに、減速ギヤ機構として平歯車を適用した例につ
いて説明したが、ウォームギヤとウォームホイール、は
すば歯車等の減速ギヤを適用し得ることは勿論である。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明によれば、車速零の据
切時には、操舵系に自励振動を発生しない程度に大きな
増加率(傾き)で増加する前記第1の基準電流値が目標
電流値に設定されて、電動機による操舵補助トルクが速
やかに且つ大きく発生されて据切操舵(ステアリング操
作)は速やかに且つ大幅に軽くなる。
また、前記設定車速より小さい低速走行時には、少な
くとも前記第1の基準電流値から前記補正電流値を減じ
た電流値に補正係数を乗じた電流値を用いて目標電流値
を設定することにより、操舵トルクに対する操舵補助ト
ルクを、電動機の暗電流値に係わらず、車速の増加に応
じてきめ細かく設定出力することができ、これにより、
この低速領域における操縦性と安定性とが両立される。
また、車速が前記設定車速を越える高速領域では、前
記第2の基準電流値に前記補正係数を乗じた電流値を用
いて目標電流値を設定することにより、電動機の暗電流
値を越える目標電流値による操舵補助トルクを小さく抑
制して、こうした高速領域で要求される走行安定性が確
保又は向上される。
また、何れの場合にあっても操舵トルクが前記所定設
定値より小さい場合には、目標電流値は設定されないこ
とになるから或いは零に設定されることになるから、ス
テアリング操作の中立状態の近傍で余分な操舵補助トル
クが発生されることはなく、当該ステアリング操作中立
状態での安定性が確保される。
このように、本発明の電動パワーステアリング装置に
よれば、各車速や操舵トルクに応じた適切な目標電流値
の設定により適切な操舵補助トルクが発生されて的確な
操舵が可能となるとともに、各車速や操舵トルクに要求
される操縦性と安定性との両立が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の基本構成を示すブロック図、第2図
はこの発明の一実施例を示す概略構成図、第3図はこの
発明に係わる制御装置の一例を示すブロック図、第4図
は演算処理装置の処理手順の一例を示すフローチャー
ト、第5図は操舵トルクと電流値との関係を示すグラ
フ、第6図は車速と補正電流値との関係を示すグラフ、
第7図は車速と補正係数との関係を示すグラフ、第8図
は従来例の操舵トルクとモータ駆動電流値との関係を示
すグラフである。 1……ステアリングシャフト、5……ピニオンシャフ
ト、8……減速ギヤ機構、9……電動機、9b……電磁ク
ラッチ、10……操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手
段)、11……車速センサ(車速検出手段)、12……制御
装置、20……制御回路、22……マイクロコンピュータ、
30……モータ駆動回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の操舵系に連結された操舵補助トルク
    を発生する電動機と、前記操舵系の操舵トルクを検出し
    てその操舵トルク検出信号を出力する操舵トルク検出手
    段と、前記車両の速度を検出してその車速検出手段を出
    力する車速検出手段と、据切相当の操舵トルクに対応し
    且つ操舵トルクが所定設定値以上であるときに操舵トル
    クの増加に伴って大きな増加率で増加する第1の基準電
    流値設定曲線に従い、前記操舵トルク検出信号から第1
    の基準電流値を算出する第1の基準電流値算出手段と、
    低速領域と高速領域との境界となる設定車速における操
    舵トルクに対応し且つ操舵トルクが前記所定設定値以上
    であるときに操舵トルクの増加に伴って前記第1の基準
    電流値設定曲線より小さな増加率で増加する第2の基準
    電流値設定曲線に従い、前記操舵トルク検出信号から第
    2の基準電流値を算出する第2の基準電流値算出手段
    と、車速零からの車速の増加に伴って増加する補正電流
    値設定曲線に従い、前記車速検出信号から補正電流値を
    算出する補正電流値算出手段と、車速零からの前記設定
    車速からの車速の増加に伴って低下する補正係数設定曲
    線に従い、前記車速検出信号から補正係数を決定する補
    正係数決定手段と、前記車速検出信号が、前記低速領域
    と高速領域との境界となる設定車速より小さいときに
    は、少なくとも前記第1の基準電流値から前記補正電流
    値算出手段により算出された補正電流値を減じた電流値
    に前記補正係数を乗じた電流値を用い、且つ前記車速検
    出信号が前記設定車速以上であるときには、少なくとも
    前記第2の基準電流値に前記補正係数を乗じた電流値を
    用いて、夫々前記電動機への目標電流値を算出設定する
    目標電流値算出手段と、前記目標電流値を前記電動機の
    駆動電流値として当該電動機に出力する駆動手段と、を
    備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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