JP3945776B2 - 電動パワーステアリング装置の制御方法および電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御方法および電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、電動パワーステアリング装置の制御方法および電動パワーステアリング装置に関し、詳しくは、操舵フィーリングの向上を図る技術に関する。
近年、乗用車等では、旧来の油圧パワーステアリング装置に代えて、電動パワーステアリング装置を搭載するものが増加している。電動パワーステアリング装置には、電動モータの電源に車載バッテリを用いるために直接的なエンジンの駆動損失が無く、電動モータが操舵アシスト時にのみに起動されるために走行燃費の低下も抑えられる他、ECU(電子制御装置)による制御が極めて容易に行える等の特長がある。
電動パワーステアリング装置において、ECUは、先ず操舵入力や車速等に応じて目標電流値を設定し、この目標電流値と電動モータに供給された実電流値とを比較した後、その比較結果(偏差)に応じて電動モータを駆動制御する。ECUは電動パワーステアリング装置の制御を司るIC(マイコン)を有しており、マイコンは、操舵入力に応じた目標電流値と電動モータに供給された実電流値とが一致するように、換言すると両者の偏差がゼロになるように、電流フィードバックを行う。ECUを含んで構成される電流フィードバックループ内には、前記した偏差の値を素早くゼロにして応答性を高めるべく、例えばPI機能等が備えられており、目標電流値に対する実電流値の追従性が高められている。
しかしながら、このようなフィードバック制御だけでは、実電流値の変化の応答性は必ずしも充分とはいえない。そのため、近年の電動パワーステアリング装置においては、フィードバック制御に加えてフィードフォワード制御を行い、操舵アシスト力の応答性を向上させる手法が一般に採られている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。フィードフォワード制御は、目標電流値に基づいてフィードフォワード制御量を生成するもので、例えば、目標電流値がごく小さい領域では、目標電流値に比例した値を電動モータの駆動信号として生成して駆動回路に出力する。
通常、電動モータへの電流供給には、H型ブリッジ回路のパワーFET(電界効果トランジスタ)やIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等の出力スイッチング素子が一般に用いられている。この種の出力スイッチング素子は、そのスイッチングパターンを上下アーム同時スイッチング方式とし、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)による制御を行った場合、スイッチングのデューティ(%)に対するモータ電流Im(A)が図4に示すように非線形となる出力特性を有する。そのため、デューティの変化に対するモータ電流Imの変化が極端に小さくなる領域(図4中でA’−0−Aで示す範囲)では、フィードバック制御だけでは応答性が非常に悪くなる。そこで、従来の電動パワーステアリング装置では、ECUが、任意のフィードフォワードゲインKffを用いて、目標電流値Itrgに比例したフィードフォワードデューティDffを得るようにしている。通常、フィードフォワードゲインKffは単一の値に設定されており、これと目標電流Itrgとの積(Kff・Itrg)がフィードフォワード制御量(すなわち、フィードフォワードデューティDff)として算出されていた。
特開2002−234457号公報(第2−3頁、第1図) 特開2001−287658号公報(第4−5頁、第2図)
ところで、前記の出力スイッチング素子は、A’−0−Aの範囲を厳密に描くと、図5(縦軸を拡大して図4の要部を示した図)に線Xで示すように、湾曲した出力特性を有している。出力特性の湾曲は、電動モータのインダクタンスや抵抗値で決定される時定数に起因しており、電動モータのインダクタンスや抵抗値の大小によってその度合いも変化する。ところが、前記のように、従来のフィードフォワード制御では、A’−0−Aの範囲におけるフィードフォワードゲインKffが単一の値に設定されていたため、その制御量(フィードフォワードデューティDff)は、図5に線Yで示すように点B’,Bで線Xと交差する直線となる。そして、A’−0−Aの範囲ではフィードバックデューティDfbよりフィードフォワードデューティDffの方が支配的であるため、目標電流Itrgとモータ電流Imとが乖離してしまう。
その結果、図9(目標電流値Itrgに対するモータ電流Imの変化を表す図)から判るように、点a以下の領域ではフィードフォワードデューティDffの不足により目標電流値Itrgに対してモータ電流Imが低くなり、点a〜点b間の領域ではフィードフォワードデューティDffの過剰により目標電流値Itrgに対してモータ電流Imが逆に高くなる。更に、フィードフォワード制御においては、フィードフォワードデューティDffにリミットを設定し、出力特性の急変点以上のデューティ範囲でフィードフォワード制御を行わないように制限しているため、フィードフォワードデューティDffがリミットに達する点b〜点c間の領域では目標電流値Itrgに対してモータ電流Imが再び低くなってしまう。
これにより、操舵入力の小さい領域(ステアリングホイールの切り始め時や切り返し時等)で操舵入力や車速に応じた適切な操舵アシストが行われず、運転者は、ステアリングホイールを切り始めた直後にアシスト不足を感じ、次いでアシスト過多を感じ、再びアシスト不足を感じることになる。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたもので、操舵フィーリングの向上を図った電動パワーステアリング装置の制御方法と電動パワーステアリング装置とを提供することを目的とする。
請求項1の発明に係る電動パワーステアリング装置の制御方法は、電動モータへの電流供給に供されるH型ブリッジ回路を有して、当該H型ブリッジ回路を構成する上側スイッチと下側スイッチとを共にPWM制御する電動パワーステアリング装置を制御する方法であって、前記電動モータの目標電流値と当該電動モータへ供給された実電流との偏差に応じたフィードバック制御を行うと共に、当該目標電流値が増加するにつれて前記電動モータに供給される実電流を増加するフィードフォワード制御を行い、当該フィードフォワード制御においては、前記目標電流値が小さい領域のフィードフォワードゲインを当該目標電流値が大きい領域のフィードフォワードゲインより大きくしたことを特徴とする。
この構成によれば、H型ブリッジ回路の出力特性に起因する実電流値の目標電流値からの乖離が抑えられ、目標電流値とモータ電流とのずれを小さくすることができる。
また、請求項2の発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリング系への操舵入力を検出する操舵入力検出手段と、前記ステアリング系に対する操舵アシストに供される電動モータと、この電動モータに供給された実電流を検出するモータ電流検出手段と、前記操舵入力検出手段の検出結果に基づき、前記電動モータに供給する目標電流値を設定する目標電流設定手段と、前記目標電流値と前記実電流との偏差に応じてフィードバック制御を行うフィードバック制御手段と、前記目標電流値に応じてフィードフォワード制御を行うフィードフォワード制御手段と、前記電動モータへの電流供給に供されるH型ブリッジ回路と、を有して、当該H型ブリッジ回路を構成する上側スイッチと下側スイッチとを共にPWM制御する電動パワーステアリング装置において、前記フィードフォワード制御手段は、当該目標電流値が増加するにつれて前記電動モータに供給される実電流を増加するフィードフォワード制御を行い、前記目標電流値が小さい領域のフィードフォワードゲインを当該目標電流値が大きい領域のフィードフォワードゲインより大きくすることを特徴とする。
この構成によれば、H型ブリッジ回路の出力特性に起因する実電流値の目標電流値からの乖離が抑えられ、目標電流値とモータ電流とのずれを小さくすることができる。
請求項3の発明に係る電動パワーステアリング装置は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記フィードフォワード制御手段は、前記フィードフォワード制御に際して多項式近似法を用いることを特徴とする。
この構成によれば、例えば、出力スイッチング素子がある領域で湾曲した出力特性を有していた場合においても、実験等により多項式の定数を適宜決定することで、その出力特性に対応したフィードフォワード制御量が得られ、目標電流値とモータ電流とのずれを小さくすることができる。
このような電動パワーステアリング装置の制御方法や電動パワーステアリング装置によれば、目標電流値に対するモータ電流のリニアリティが著しく向上し、操舵入力が小さいステアリングホイールの切り始め時や切り返し時等にも、アシスト力の不要な変動の発生が抑えられ、操舵フィーリングの向上が実現できる。
以下、本発明をラックアシスト式の電動パワーステアリング装置に適用した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は実施形態に係る電動パワーステアリング装置の全体を示す概略構成図であり、図2は実施形態に係る制御装置のブロック構成図である。
先ず、図1を参照して、電動パワーステアリング装置1の全体構成について説明する。
電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール3から操舵車輪W,Wに至るステアリング系Sを始め、ステアリング系Sの手動操舵機構2にアシスト力を付与する電動モータ8やボールねじ機構11、電動モータ8を制御する制御装置12等から構成されている。電動パワーステアリング装置1では、制御装置12からの目標デューティDtrgに応じてモータ駆動手段13がモータ電圧Vmを発生し、このモータ電圧Vmによって電動モータ8が駆動される。
手動操舵機構2は、運転者に操舵されるステアリングホイール3と、ステアリングホイール3に一体となったステアリング軸4と、ステアリング軸4に連結軸5を介して連結されたラック&ピニオン機構7とから構成されている。ラック&ピニオン機構7は、ステアリング・ギアボックス6に内装されており、そのピニオン7aが前記の連結軸5と一体的に回転する。尚、連結軸5は、ステアリング軸4やピニオン7aとの角度位相のずれを吸収するべく、その両端に自在継ぎ手5a,5bを備えている。ラック&ピニオン機構7では、ピニオン7aに噛み合うラック歯7bがラック軸9に形成され、ピニオン7aとラック歯7bの噛み合いにより、ピニオン7aの回転運動がラック軸9の横方向(車幅方向)の往復運動に変換される。ラック軸9には、その両端にタイロッド10,10を介して、操舵車輪としての左右の前輪W,Wが連結される。
電動パワーステアリング装置1では、アシスト力(補助操舵力)を発生させるため、電動モータ8がラック軸9と同軸に配設されている。電動モータ8の回転力は、ラック軸9と同軸に設けられたボールねじ機構11により推力に変換され、この推力がアシスト力としてラック軸9(ボールねじ軸11a)に作用する。
制御装置12には、車速センサVSや操舵トルクセンサTS、モータ電流検出手段14の検出値V,T,Imが入力される。そして、制御装置12は、これら検出値V,T,Imに応じて電動モータ8に供給するモータ電流Imの大きさと方向とを決定し、モータ駆動手段13に目標デューティDtrgを出力する。
車速センサVSは、車速を単位時間当たりのパルス数として検出し、検出したパルス数に対応した電気信号を車速検出値Vとして制御装置12に送信する。尚、車速センサVSは、電動パワーステアリング装置1の専用センサであってもよいし、例えばブレーキロックを制御する装置や駆動輪のトラクションを制御する装置等、他のシステム用の車速センサを利用してもよい。
操舵トルクセンサTSは、ステアリング・ギアボックス6内に配設され、運転者によるステアリングホイール3への操舵トルク(操舵入力)の大きさおよび方向を検出する。そして、操舵トルクセンサTSは、検出した操舵トルクに対応した電気信号をトルク検出値Tとして制御装置12に送信する。尚、トルク検出値Tは、大きさを示す操舵トルクとトルクの向きを示すトルク方向の情報を含み、トルク方向は操舵トルクのプラス値/マイナス値で表され、プラス値は操舵トルク方向が右方向であり、マイナス値は操舵トルク方向が左方向である。このトルク検出値Tは制御装置12内では、デジタル信号として処理される。
モータ電流検出手段14は、電動モータ8に対して直列に接続された抵抗又はホール素子等を備え、電動モータ8に実際に供給されるモータ電流Imの大きさおよび方向を検出する。そして、モータ電流検出手段14は、モータ電流Im(アナログ値)に対応したモータ電流値Imo(デジタル値)を制御装置12にフィードバック(負帰還)する。尚、モータ電流値Imoは、電流の大きさと電流の向き(補助アシストの方向)を示す情報を含み、電流の向きはモータ電流値Imoのプラス値/マイナス値で表され、例えば、プラス値は補助アシスト方向が右方向であり、マイナス値は補助アシスト方向が左方向である。
モータ駆動手段13は、目標デューティDtrgに応じてモータ電圧Vmを電動モータ8に印加して、電動モータ8を駆動する。モータ駆動手段13は、例えば、図3に示すように4個のパワーFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)13a,13b,13c,13dのスイッチング素子からなるブリッジ回路および電源(車載バッテリ)13eで構成される。パワーFET13a,13b,13c,13dの各ゲートG1,G2,G3,G4に目標デューティDtrgが入力されると、目標デューティDtrgに応じて電動モータ8にモータ電圧Vmが印加される。すると、電動モータ8にはモータ電流Imが流れ、電動モータ8はモータ電流Imに比例した補助操舵トルクを発生する。
次に、図2を参照して、制御装置12の構成について詳細に説明する。
制御装置12は図示しないIC(マイコン)および周辺回路から構成され、マイコンが図示しないROMに書き込まれたプログラムを読み出すことにより該プログラムの各モジュール(後記する目標電流設定手段21、偏差演算手段22、フィードフォワードデューティ算出手段23等)を実行して、電動パワーステアリング装置1の制御を行う。また、制御装置12は、電動パワーステアリング装置1の制御を行うため、各種信号・情報・指令等を入出力する入出力ポート、アナログ信号をデジタル信号に変換してマイコンでデジタル処理するためのAD変換器、マイコンが処理したデジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換器等を備えている。
制御装置12について、さらに詳細に説明する。制御装置12は、主に、目標電流設定手段21、偏差演算手段22、フィードフォワードデューティ算出手段23、比例・積分制御手段24、フィードバックデューティ算出手段25、加算手段26、を含んで構成される。尚、制御装置12は、補助操舵トルクを発生させるために、電動モータ8をフィードバックおよびフィードフォワード制御する構成を有している。
目標電流設定手段21は、操舵トルクセンサTSからのトルク検出値Tおよび車速センサVSからの車速検出値Vを入力して、これらトルク検出値Tおよび車速検出値Vに対応した目標電流値Itrgを設定する機能を有する。尚、目標電流値Itrgは、電動モータ8に供給する目標のモータ電流を設定する上で基準となる電流の情報を含む値である。ちなみに、この目標電流値Itrgは、トルク検出値Tに対して、トルク検出値Tが0近傍では0が対応づけられ(不感帯の設定)、所定のトルク検出値T以上になるとトルク検出値Tの増加に従って増加する値が対応づけられる。かつ、目標電流値Itrgは、車速検出値Vに対して、路面反力の大きい低車速時には大きい値が対応づけられ、高車速時には走行時の安定性を確保するべく小さい値が対応づけられている。尚、電動モータ8に供給することができる最大電流値が規定されているので、目標電流値Itrgは、最大電流値以下に設定される。
偏差演算手段22は、目標電流設定手段21からの目標電流値Itrgおよびモータ電流検出手段14からの電流検出値(モータ電流値)Imoを入力して、この目標電流値Itrgとモータ電流値Imoの偏差ΔIを演算する機能を有する。
フィードフォワードデューティ算出手段23は、フィードフォワードデューティ演算部23aとフィードフォワードデューティリミット部23bとからなっている。フィードフォワードデューティ演算部23aは、目標電流値Itrgを入力し、多項式近似法を用いてフィードフォワードデューティ演算値Dffoを算出する。また、フィードフォワードデューティリミット部23bは、フィードフォワードデューティ演算値Dffoと後記の目標デューティDtrgと目標電流値Itrgとを入力し、フィードフォワードデューティ演算値Dffoが規定の限界デューティ(後記の図4における出力特性の急変点A,A’)に達したら、演算をサチュレーションさせてモータ電流Imのオーバシュートを防止する。
比例・積分制御手段24は、偏差K・ΔIに対して比例処理を行って比例信号Ipを演算する比例要素(比例制御手段)24a、同じく偏差K・ΔIに対して積分処理を行って積分信号Iiを演算する積分要素(積分制御手段)24b、比例信号Ipと積分信号Iiを加算して比例・積分信号Ipiとする加算器24cとを含んで構成される。尚、偏差K・ΔIに対して微分制御を行う微分制御手段を備えるようにし、比例・積分制御手段24をPID制御手段としてもよい。
フィードバックデューティ算出手段25は、比例・積分信号Ipiに応じてフィードバックデューティDfbを生成する。また、加算手段26は、フィードバックデューティ算出手段25が生成したフィードバックデューティDfbにフィードフォワードデューティ算出手段23が生成したフィードフォワードデューティDffを加算し、目標デューティDtrgを生成する。
続いて、図3を参照して、モータ駆動手段13の働きについて説明する。
モータ駆動手段13は、4個のパワーFET13a,13b,13c,13dでブリッジ回路が構成され、電源(車載バッテリ)13eから12Vの電圧が供給される。更に、モータ駆動手段13は、電動モータ8がパワーFET13aとパワーFET13dの間に直列にかつパワーFET13bとパワーFET13cの間に直列に接続される。パワーFET13a,13bは、各ゲートG1,G2に目標デューティDtrg(PWM信号又はオフ信号)が入力され、PWM信号が入力されて論理レベル1の時にオンする。パワーFET13c,13dは、各ゲートG3,G4にオン信号又はオフ信号が入力され、オン信号が入力されたときにオンする。そして、モータ駆動手段13では、パワーFET13aとパワーFET13dによって電動モータ8を正回転方向(発生する補助操舵トルクが右方向)にPWM駆動し、パワーFET13bとパワーFET13cによって電動モータ8を逆回転方向(発生する補助操舵トルクが左方向)にPWM駆動する。尚、電動モータ8に印加されるモータ電圧Vmは、PWM信号のデューティ比によって決定される。そして、電動モータ8に供給されるモータ電流Imは、モータ電圧Vmに対応する。例えば、PWM信号のデューティ比が7(論理レベル1):3(論理レベル0)の場合、12V×(7/10)=8.4Vがモータ電圧Vmとなり、電動モータ8に平均して8.4Vが印加されていることになる。
次に、本実施形態でフィードフォワードデューティDffを得る手順を述べる。
電動パワーステアリング装置1の開発にあたり、開発担当者は、出力軸を固定した電動モータ8にデューティ比が0〜100%(あるいは、電動モータ8に最大許容電流が流れるまでのデューティ比)の範囲でPWM信号を印可し、先ず図4に示すような出力特性(デューティ−モータ電流特性)を得る。図4においては、右方向が正のデューティを示し、左方向が負のデューティを示す。ここで、フィードバック制御は、図4中のA’点以下のデューティ範囲とA点以上のデューティ範囲とで略マッチングしたゲインを有するが、システムのゲインが著しく低いA’−0−Aのデューティ範囲ではフィードバック制御のみでは制御性が悪くなる。図5は、縦軸を拡大して図4におけるA’−0−Aのデューティ範囲を示した図である。
次に、開発担当者は、図4のデューティ−モータ電流特性の縦軸と横軸とを入れ替え、図6に示すモータ電流−デューティ曲線を得る。図6では、記号Imが電動モータ8の実電流を示すが、これを目標電流値Itrgと見なせば、目標電流値Itrgを得るためのデューティ比が求められることになる。そこで、開発担当者は、A’−0−Aの電流範囲において、図6のモータ電流−デューティ曲線に近似するように、目標電流値Itrgをパラメータとする多項式関数の定数を決定し、これをフィードフォワードデューティ演算部23aに組み込む。
例えば、3次の多項式を採用した場合には、
Dffo=Kff1・Itrg3+Kff2・Itrg2+Kff3・Itrg
において、3つの定数(Kff1,Kff2,Kff3)を決定すればよく、
4次の多項式を採用した場合には、
Dffo=Kff1・Itrg4+Kff2・Itrg3+Kff3・Itrg2+Kff4・Itrg
において、4つの定数(Kff1,Kff2,Kff3,Kff4)を決定すればよい。
尚、制御精度を向上させるには、多項式の次数を大きくすればよいが、制御装置12におけるマイコンの処理能力や処理時間を勘案し、必要十分な次数とすればよい。
本発明者等が3次の多項式関数による近似を行ったところ、図7に示すような目標電流値−デューティ曲線が得られ、この多項式関数をフィードフォワードデューティ演算部23aに組み込んで実機でのベンチテストを行った結果、図8にそのグラフを示すように、目標電流値Itrgに対するモータ電流Imのリニアリティが著しく向上することが確認できた。更に、電動パワーステアリング装置1においては、操舵入力が小さいステアリングホイールの切り始め時や切り返し時等にも、アシスト力の不要な変動の発生が抑えられ、操舵フィーリングの向上が実現できた。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限られるものではない。例えば、前記実施形態は、本発明をラックアシスト式の電動パワーステアリング装置に適用したものであるが、コラムアシスト式やピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置にも適用可能である。また、上記実施形態では、フィードフォワード制御に際して多項式近似法を用いたが、目標電流値が小さい領域のフィードフォワードゲインを大きくする方法はこれに限られるものではない。更に、電動パワーステアリング装置の具体的構造や制御装置の具体的構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
実施形態に係る電動パワーステアリング装置の全体を示す概略構成図である。 実施形態に係る制御装置のブロック構成図である。 実施形態に係るモータ駆動手段の構成を示す回路図である。 実施形態でのデューティ−モータ電流特性を示すグラフである。 縦軸を拡大して図4におけるA’−0−Aのデューティ範囲を示した図である。 実施形態でのモータ電流−デューティ曲線を示す図である。 実施形態での目標電流値−デューティ曲線を示す図である。 実施形態での目標電流値Itrgに対するモータ電流Imの変化を示す図である。 従来装置での目標電流値Itrgに対するモータ電流Imの変化を表す図である。
符号の説明
1 電動パワーステアリング装置
8 電動モータ
21 目標電流設定手段
23 フィードフォワードデューティ算出手段(フィードフォワード制御手段)
25 フィードバックデューティ算出手段(フィードバック制御手段)
S ステアリング系
TS トルクセンサ(操舵入力検出手段)

Claims (3)

  1. 電動モータへの電流供給に供されるH型ブリッジ回路を有して、当該H型ブリッジ回路を構成する上側スイッチと下側スイッチとを共にPWM制御する電動パワーステアリング装置を制御する方法であって、
    前記電動モータの目標電流値と当該電動モータへ供給された実電流との偏差に応じたフィードバック制御を行うと共に、
    当該目標電流値が増加するにつれて前記電動モータに供給される実電流を増加するフィードフォワード制御を行い、
    当該フィードフォワード制御においては、前記目標電流値が小さい領域のフィードフォワードゲインを当該目標電流値が大きい領域のフィードフォワードゲインより大きくしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御方法。
  2. ステアリング系への操舵入力を検出する操舵入力検出手段と、
    前記ステアリング系に対する操舵アシストに供される電動モータと、
    この電動モータに供給された実電流を検出するモータ電流検出手段と、
    前記操舵入力検出手段の検出結果に基づき、前記電動モータに供給する目標電流値を設定する目標電流設定手段と、
    前記目標電流値と前記実電流との偏差に応じてフィードバック制御を行うフィードバック制御手段と、
    前記目標電流値に応じてフィードフォワード制御を行うフィードフォワード制御手段と、
    前記電動モータへの電流供給に供されるH型ブリッジ回路と、を有して、
    当該H型ブリッジ回路を構成する上側スイッチと下側スイッチとを共にPWM制御する電動パワーステアリング装置において、
    前記フィードフォワード制御手段は、当該目標電流値が増加するにつれて前記電動モータに供給される実電流を増加するフィードフォワード制御を行い、前記目標電流値が小さい領域のフィードフォワードゲインを当該目標電流値が大きい領域のフィードフォワードゲインより大きくすることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 前記フィードフォワード制御手段は、前記フィードフォワード制御に際して多項式近似法を用いることを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
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