JP2531731B2 - 塩素化エチレン系共重合体混合物 - Google Patents

塩素化エチレン系共重合体混合物

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JP2531731B2 JP6167888A JP6167888A JP2531731B2 JP 2531731 B2 JP2531731 B2 JP 2531731B2 JP 6167888 A JP6167888 A JP 6167888A JP 6167888 A JP6167888 A JP 6167888A JP 2531731 B2 JP2531731 B2 JP 2531731B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は加硫性がすぐれた塩素化エチレン系共重合体
混合物に関する。さらにくわしくは、加硫性がすぐれて
いるばかりでなく、柔軟性および圧縮永久歪性も良好で
あり、かつ金属や合成繊維の基材との接着性もすぐれて
おり、しかも耐熱性がすぐれている塩素化エチレン系共
重合体混合物に関する。
〔従来の技術〕
塩素化ポリエチレン、とりわけ非晶性塩素化ポリエチ
レンゴム状物は化学的に飽和構造であり、かつ塩素含有
高分子物質であることに基いて、その架橋物(加硫物)
は、耐候性、難燃性、耐薬品性、電気的特性および耐熱
性のごとき物性が良好であるため、電線被覆、電気部
品、ホース、建材、自動車部品、パッキン、シートなど
に成形されて広範囲の産業分野において利用されてい
る。
しかし、この塩素化ポリエチレンは汎用ゴム(たとえ
ば、ブタジエンを主成分とするゴム)と異なり、前記し
たごとく化学的に飽和構造であるために硫黄または硫黄
供与体を加硫剤として加硫させることが困難である。そ
のため、架橋剤として一般には、有機過酸化物を使って
架橋させる方法が行なわれている。しかし、ホース、シ
ート、チューブなどを押出成形後、一般にゴム業界で使
われている加硫かんを用いて架橋した場合、得られる架
橋物を適正に架橋させることは難しい。そのために得ら
れる架橋物の引張強度、耐熱性などが劣る。さらに、金
属や合成繊維(たとえば、ナイロン、ポリエステル)の
基材との接着性もよくない。
そのため、硫黄または硫黄供与体を使用して加硫させ
ることが提案されている(たとえば、特開昭55-71742号
公報明細書)。また、本発明者の一部らは、硫黄および
/または硫黄供与体にさらにチオウレア系化合物、ジチ
オカーバメートの金属塩ならびに受酸剤として酸化マグ
ネシウムおよび/または酸化鉛を配合させることによ
り、加硫が可能であり、さらに種々の機械的特性(たと
えば、引張強度)もすぐれている加硫性塩素化ポリエチ
レン系組成物を提案した(特開昭61-209244号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、この組成物は、第1図を比較することによっ
て明らかなごとく、加硫性はかならずしも満足すべきも
のではなく、したがって柔軟性および圧縮永久歪性が充
分でなく、しかも耐熱性についても劣るという欠点があ
る。
以上のことから、本発明はこれらの欠点(問題点)が
なく、すなわち塩素化ポリエチレンの分野において要望
されている加硫性が極めて良好であるばかりでなく、耐
引張性および圧縮永久歪性のごとき機械的特性もすぐれ
ており、かつ金属や合成繊維の基材との接着性も良好で
あり、さらに耐熱性、耐湯性、耐酸性および耐アルカリ
性についてもすぐれている塩素化されたエチレン系重合
体混合物を得ることである。
〔課題点を解決するための手段および作用〕
本発明にしたがえば、これらの問題点は、 (A)メルトフローインデックス〔JIS K7210にしたが
い、条件が4で測定、以下「MFR」と云う〕が0.1〜100g
/10分であり、かつα、β−不飽和ジカルボン酸および
その無水物の共重合割合が合計量として0.5〜25モル%
である少なくともエチレンとα、β−不飽和ジカルボン
酸および/またはその無水物とのエチレン系共重合体の
塩素化物であり、該塩素化物の塩素含有率は5〜40重量
%であり、かつムーニー粘度(ML1+4、100℃)が5以上
である塩素化エチレン系共重合体 100重量部、 (B)「一般式が(I)式で示される二級アミンのベン
ゾチアジルスルフェンアミド」(以下「スルフェンアミ
ド系化合物」と云う) 1.0〜10.0重量部、 ただし、R1およびR2は同一でも異種でもよく、炭素数が
多くとも18個の炭化水素基であるが、ヘテロ原子を含む
置換基を有しない基であるか、あるいはR1とR2とが互い
に結合して炭化水素環を形成してもよく、さらにヘテロ
原子を介して結合して異節環を形成していてもよい (C)一般式が(II)式で表わされるメルカプトトリア
ジン系化合物0.01〜5.0重量部、 (ただし、R3はメルカプト基およびアミノ基からなる群
からえらばれる) (D)受酸剤となる金属化合物 1.0〜15.0重量部 からなる塩素化エチレン系共重合体組成物、 によって解決することができる。以下、本発明を具体的
に説明する。
(A)塩素化エチレン系共重合体 本発明において使われる塩素化エチレン系共重合体を
製造するにあたり、原料であるエチレン系共重合体は少
なくともエチレンと「α、β−不飽和ジカルボン酸およ
び/またはその無水物」〔以下「コモノマー(1)」と
云う〕との共重合体である。該共重合体はエチレンとコ
モノマー(1)との共重合体でもよく、エチレンおよび
コモノマー(1)のほかに、第三共重合成分として「不
飽和カルボン酸エステル、アルコキシアルキルアクリレ
ートおよびビニルエステルからなる群からえらばれた少
なくとも一種の二重結合を有するモノマー」〔以下「コ
モノマー(2)」と云う〕とからなる多元共重合体でも
よい。
コモノマー(1)のうち、α、β−不飽和ジカルボン
酸の炭素数は通常多くとも20個であり、とりわけ4〜16
個のものが好適である。該ジカルボン酸の代表例として
は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ−シ
ス−フタル酸(ナディック酸 )があげられる。
本願のα、β−不飽和ジカルボン酸成分のうち、前記
α、β−不飽和ジカルボン酸の無水物が望ましく、なか
でも無水マレイン酸が好適である。
コモノマー(2)のうち、不飽和カルボン酸エステル
の炭素数は通常4〜40個であり、特に4〜20個のものが
好ましい。代表例としては、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレートなどの熱安定性のよい
ものが好ましい。
さらに、アルコキシアルキルアクリレートの炭素数は
通常多くとも20個である。また、アルキル基の炭素数が
1〜8個(好適には、1〜4個)のものが好ましく、さ
らにアルコキシ基の炭素数が1〜8個(好適には、1〜
4個)のものが望ましい。好ましいアルコキシアルキル
アクリレートの代表例としては、メトキシエチルアクリ
レート、エトキシエチルアクリレートおよびブトキシエ
チルアクリレートがあげられる。
また、ビニルエステルの炭素数は、一般には多くとも
20個(好適には、4〜16個)である。好適なビニルエス
テルの代表例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ビニルブチレート、ビニルピパレートなどがあげら
れる。
本発明のエチレン系共重合体において、コモノマー
(1)の共重合割合は0.5〜25モル%であり、1.0〜25モ
ル%が好ましく、特に1.0〜20モル%が好適である。コ
モノマー(1)の共重合割合が0.1モル%未満のエチレ
ン系共重合体を用いると、得られる塩素化物の効果を発
揮しない。一方、25モル%を超えたエチレン系共重合体
は工業的に製造するさいにコストおよび製造上問題があ
る。
本発明において、エチレン、コモノマー(1)および
コモノマー(2)からなる三元共重合体は塩素化させる
さいにブロッキングがなく、反応を容易に実施すること
ができる。さらに、得られる塩素化エチレン系共重合体
はゴム弾性および耐熱性がすぐれているために好まし
い。
また、コモノマー(2)の共重合割合は製造的にも、
コスト的にも一般には多くとも25モル%であり、0.5〜2
5モル%のものが望ましく、とりわけ1.0〜25モル%のも
のが好適である。
該エチレン系共重合体のMFRは0.1〜100g/10分であ
り、0.5〜100g/10分のものが好ましく、特に1.0〜100g/
10分のものが好適である。MFRが0.1g/10分未満のエチレ
ン系共重合体を使うならば、得られる塩素化エチレン系
共重合体の成形性や混練性がよくない。一方、100g/10
分を超えたエチレン系共重合体を使用するならば、得ら
れる塩素化エチレン系共重合体の機械的特性がよくな
い。
本発明の塩素化エチレン系共重合体を製造するには、
該エチレン系共重合体を水性媒体中に懸濁させる。この
水性懸濁状態を保持するために、少量の乳化剤、懸濁剤
を加えることが好ましい。このさい、必要に応じて、ベ
ンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル
および過酸化水素のごときラジカル発生剤、ライトシリ
コン油などの消泡剤ならびにその他の添加剤を加えても
さしつかえない。
本発明の塩素化エチレン系共重合体を製造するにあた
り、前記の水性懸濁下で下記のごとき三つの方法で塩素
化させることが望ましい。
第一の方法は第一段階において用いられるエチレン系
共重合体の融点よりも少なくとも25℃低い温度である
が、50℃より高い温度において全塩素化量の20〜60%を
塩素化し、第二段階において前記第一段階における塩素
化温度よりも10℃以上高い温度であるが、該エチレン系
共重合体の融点よりも5〜15℃低い温度において残りの
塩素化を行なう方法である。
また、第二の方法は、第一段階において使われるエチ
レン系共重合体の融点よりも少なくとも25℃低い温度で
あるが、50℃より高い温度において全塩素化量の20〜60
%を塩素化し、第二段階において該エチレン系共重合体
の融点よりも1〜7℃高い温度まで昇温させ、この温度
において塩素を導入することなく10〜60分間アニールさ
せ、第三段階において該エチレン系共重合体の融点より
も2〜25℃低い温度において残りの塩素化を行なう方法
である。
さらに、第三の方法は第一段階において使用されるエ
チレン系共重合体の融点よりも少なくとも25℃低い温度
であるが、50℃より高い温度において全塩素化量の20〜
60%を塩素化し、第二段階において前記第一段階におけ
る塩素化温度よりも10℃以上高い温度であるが、該エチ
レン系共重合体の融点よりも5〜15℃低い温度で残りの
塩素化量の少なくとも30%であり、この段階までに全塩
素化量の60〜90%塩素化し、ついで第三段階において該
エチレン系共重合体の融点よりも低い温度であるが、融
点よりも2℃以下低い温度において塩素化を行なう方法
である。
このようにして得られる本発明において使用される塩
素化エチレン系共重合体の塩素含有率は5〜45重量%
(好ましくは、5〜40重量%、好適には、10〜35重量
%)である。この塩素化エチレン系共重合体の塩素含有
率が5重量%未満では、得られる塩素化エチレン系共重
合体を回収および精製するのに問題がある。その上、耐
焔性が乏しい。一方、45重量%を超えると生成される塩
素化エチレン系共重合体は、熱安定性および耐熱性にお
いて著しく低下するために好ましくない。
またムーニー粘度は100℃の温度においてラージ・ロ
ータで5ポイント以上であり、5〜150ポイントが望ま
しく、とりわけ10〜150ポイントが好適である。
さらに、メルトフローインデックス(JIS K-7210にし
たがい、条件が8で測定、以下「FR」と云う)は、一般
には1〜100g/10分であり、3〜50g/10分が好ましく、
とりわけ5〜30g/10分が好適である。
(B)スルフェンアミド系化合物 また、本発明において用いられるスルフェンアミド系
化合物の一般式は下式〔(1)式〕で示されるものであ
る。
だたし、R1およびR2は同一でも異種でもよく、炭素数
が多くとも18個(好ましくは、1〜15個、好適には1〜
12個)の炭化水素基であるが、ヘテロ原子を含む置換基
を有しない基であるか、あるいはR1とR2とが互いに結合
して炭化水素環を形成してもよく、さらにヘテロ原子を
介して結合して異節環を形成していてもよい。
この炭化水素基はアルキル基、シクロアルキル基、ア
リル(aryl)基およびアラルキル基からえらばれ、好適
な具体例としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、シクロヘキシル基、ベンジル基があげられる。
該スルフェンアミド系化合物を成形する二級アミンの
具体例としては、ジ−エチルアミン、ジ−プロピルアミ
ン類、ジ−ブチルアミン類、ジ−ヘキシルアミン類、ジ
−オクチルアミン類、ジ−ラウリルアミン類、ジ−シク
ロヘキシルアミン、ピペリジン、ピペコリン、モルホリ
ン、ピペラジンなどがある。スルフェンアミド系化合物
を形成するための一方の成分であるメルカプト化合物と
しては、2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
すなわち、好ましいスルフェンアミド系化合物の代表的
な例をあげると、N,N−ジイソプロピル2−ベンゾチア
ジルスルフェンアミド、N,N−ジ−n−ブチル−2−ベ
ンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシ
ル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシ
−ジエチレン2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなど
をあげることができる。
(C)メルカプトトリアジン系化合物 さらに、本発明において使用されるメルカプトトリア
ジン系化合物はゴム業界において加硫剤または加硫促進
剤として使用されているものであり、一般式が下式
〔(II)式〕として示されているものである。
(ただし、R3はメルカプト基およびアミノ基からなる
群からえらばれる) この(II)式において、R3のうち、アミノ基は炭素数
が多くとも20個の炭化水素基を有するものでもよい。
このメルカプトトリアジン系化合物の代表例として
は、1,3,5−トリチオシアヌル酸、1−ヘキシルアミノ
−3,5−ジメチルカプトトリアジン、1−ジエチルアミ
ノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−シクロヘキシ
ルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジンなどがあげら
れる。この化合物は特開昭59-10099号公報明細書に詳細
に記載されている。
(D)金属化合物 また、本発明において用いられる受酸剤となる金属化
合物としては、周期律表第II族の金属の酸化物、水酸化
物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩および
亜りん酸塩ならびに周期律表第IVa族の金属の酸化物、
塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜りん酸
塩、塩基性亜硫酸塩および三塩基性硫酸塩などがあげら
れる。
該金属化合物の代表例としては、酸化マグネシウム
(マグネシア)、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、酸化カルシウム(生石灰)、水酸化カルシウム(消
石灰)、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリ
ン酸カルシウム、フタル酸カルシウム、亜りん酸マグネ
シウム、亜りん酸カルシウム、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸
化錫、リサージ、鉛丹、鉛白、二塩基性フタル酸鉛、二
塩基性炭酸鉛、ステアリン酸鉛、塩基性亜りん酸鉛、塩
基性亜りん酸錫、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛など
があげられる。
該金属化合物の平均粒径は通常0.1〜100μmであり、
0.2〜110μmが望ましく、とりわけ0.5〜50μmが好適
である。平均粒径が0.1μm未満の金属化合物を用いる
ならば、混練するさいに飛散などを生じ、取り扱いに問
題がる。一方、100μmを超えたものを使うと、二次凝
集が生じ易く均一に分散させることが難しい。
本発明の塩素化エチレン系共重合体混合物を製造する
にあたり、塩素化エチレン系共重合体に以上のスルフェ
ンアミド系化合物、および受酸剤となる金属化合物を配
合させることによって目的とする混合物を得ることがで
きるけれども、これらにさらに他の加硫促進剤を配合さ
せてもよい。
(E)他の加硫促進剤 本発明において使用される他の加硫促進剤は一般にゴ
ム業界において加硫促進剤として広く利用されているも
のである。その代表例はチアゾール系、イミダゾリン
系、ジチオカルバメート系、チウラム系、ザンテート
系、グアニジン系およびアルデヒド・アミン系に分類さ
れる。また、前記刊行物第64頁ないし第67頁に記されて
いるアミン類ならびに該刊行物第64頁および第170頁な
いし第173頁に記載されているりん系化合物のごとき求
核試薬も加硫促進剤として使うことができる。これらの
加硫促進剤については特開昭59-15440号公開公報明細書
に代表例が記載されている。
(F)混合割合 100重量部の塩素化エチレン系共重合体に対する他の
混合成分の混合割合は下記の通りである。
スルフェンアミド系化合物では、1.0〜10.0重量部で
あり、2.0〜10.0重量部が好ましく、特に3.0〜10.0重量
部が好適である。スルフェンアミド系化合物の混合割合
が下限未満では、得られる混合物の加硫性が不充分であ
る。一方、上限を超えて配合したとしても、さらに加硫
性を向上することができない。また、メルカプトトリア
ジン系化合物では、0.01〜5.0重量部であり、0.02〜1.5
重量部が好ましく、特に0.1〜4.0重量部が好適である。
メルカプトトリアジン系化合物の混合割合が0.01重量部
では、架橋がタイトにいかず、架橋をタイトすることが
難しい。一方、5.0重量部を超えて配合すれば、得られ
る架橋物の高温における引裂性がよくない。さらに、金
属化合物の混合割合は、1.0〜15.0重量部であり、2.0〜
15.0重量部が望ましく、とりわけ3.0〜12.0重量部が好
適である。金属化合物の混合割合が1.0重量部未満で
は、塩素化エチレン系共重合体が脱塩化水素反応を生じ
る。一方、15.0重量部を超えて配合したとしても、脱塩
化水素反応をさらに防止することができないのみなら
ず、加工性が悪くなり、さらに得られる加硫物のゴム強
度が低下する。
その上、前記のその他の加硫促進剤を配合する場合で
は、一般には混合割合は多くとも10.0重量部である。
(G)混合方法、加硫方法、成形方法など 以上の物質を均一に配合させることによって本発明の
混合物を得ることができるけれども、さらにゴム業界に
おいて一般に使われている充填剤、可塑剤、酸素、オゾ
ン、熱および光(紫外線)に対する安定剤、滑剤ならび
に着色剤のごとき添加剤を混合物の使用目的に応じて添
加してもよい。
本発明の混合物を得るにはゴム業界において通常行な
われている混合方法を適用すればよい。この混合物を製
造するさい、本質的に塩素化エチレン系共重合体が加硫
しないことが重要である。このことから、混合は一般に
は室温ないし100℃において実施させる。
このようにして得られる混合物を使って一般のゴム業
界において一般に使用されている押出成形機、射出成形
機、圧縮成形機などを利用して所望の形状に形成され
る。
加硫は通常100〜200℃の温度範囲に成形中において、
あるいはスチーム缶、エアーバスなどによって加熱され
る。加硫時間は加硫温度によって異なるが、一般には0.
5〜120分である。
実施例および比較例 以下、実施例によって本発明をさらにくわしく説明す
る。
なお、実施例および比較例において、引張強度(以下
「TB」と云う)および伸び率(以下「EB」と云う)はシ
ョーパー試験機を用いて測定した。また、硬度試験はシ
ョアーAの硬度計を使用して測定した。さらに、圧縮永
久歪試験は25%圧縮に圧縮させ、一定荷重で圧縮を保持
した後、100℃の熱老化試験機に22時間放置する。その
後、荷重を除去し、温度が23℃および湿度が60%の恒温
室に30分間放置させ、その歪率を測定した。また、加硫
試験はディスクレオメーター(ODR-100型)試験機を使
って温度が150℃、振幅が3度、フルスケールが100Kg/c
m2で1時間測定し、その時の加硫曲線を測定した。ま
た、接着性試験は得られた各塩素化エチレン系共重合体
混合物の試片(厚さ4mm)をアルミニウム板(厚さ約1m
m)に接着し、JIS K6301に準じ、引張速度が50mmの条件
で90度の方向に剥離して評価した。
なお、実施例および比較例において使用した塩素化エ
チレン系共重合体、スルフェンアミド系化合物、メルカ
プトトリアジン系化合物、金属化合物およびその他の加
硫促進剤のそれぞれの種類および物性などを下記に示
す。
〔(A)塩素化エチレン系共重合体〕
塩素化エチレン系共重合体として、水性懸濁液中でMF
Rが100g/10分であり、かつ融点が108℃であるエチレン
−メチルメタクリレート−無水マレイン酸三元共重合体
(メチルメタクリレートの共重合割合18.5モル%、無水
マレイン酸の共重合割合1.5モル%、以下「EMMA」と云
う)10Kgを仕込み、撹拌しながら50〜85℃の温度範囲に
おいて該共重合体の塩素含有量が15.2重量%になるまで
塩素化した(第一段階塩素化)。ついで、反応系を109
〜118℃に昇温させ、この温度範囲において塩素の導入
を中止させて30分間アニール化を行なった(第二段階ア
ニール化)。ついで、反応系を冷却し、88〜106℃の温
度範囲において塩素含有量が35.1重量%になるまで塩素
化し(第三段階塩素化)、得られるムーニー粘度(ML
1+4、100℃)が32.5である塩素化エチレン系共重合体
〔FR 10.2g/10分、以下「ClEMMA(A)」と云う〕およ
び前記EMMA10Kgを上記と同様に仕込み、撹拌しながら50
〜80℃の温度範囲において該共重合体の塩素含有率が1
8.1重量%になるまで塩素化した(第一段階塩素化)。
ついで反応系を93〜103℃に昇温させ、この温度範囲に
おいて塩素含有量が30.0重量%になるまで塩素化した
(第二段階塩素化)。ついで118〜120℃の温度範囲で塩
素含有量が35.1重量%になるまで塩素化し(第三段階塩
素化)、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が34.5である塩
素化エチレン系共重合体〔FR 10.8g/10分、以下「ClEMM
A(B)」と云う〕を使った。
〔(B)スルフェンアミド系化合物〕
スルフェンアミド系化合物として、N,N−ジ−n−ブ
チル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド〔以下「ア
ミド(a)」と云う〕を用いた。
〔(C)メルカプトトリアジン系化合物〕
メルカプトトリアジン系化合物として、1,3,5−メル
カプト−S−トリアジン〔以下「アジン(1)」と云
う〕を使用した。
〔(D)金属化合物〕
また、金属化合物として、平均粒径が1.0μmである
酸化マグネシウム(以下MgO」と云う)および平均粒径
が1.5μmである鉛丹(以下「Pb3O4」と云う)を用い
た。
〔(E)他の加硫促進剤〕
さらに、他の加硫促進剤として、テトラメチルチウラ
ム・ジスルフィド(以下「TT」と云う)を使用した。
実施例1〜6、比較例1〜7 第1表にそれぞれの配合量および種類が示される配合
物を室温(約20℃)においてオープンロールを使って20
分間混練してシート状物を成形した。得られた各シート
状物を圧縮成形機を用いて温度が160℃および圧力が200
Kg/cm2で30分間加硫しながら加硫物を製造した。得られ
た加硫物について引張強度、伸び、硬さおよび圧縮永久
歪の試験を行なった。それらの結果を第2表にしめす。
さらに、加硫試験はオープンロールで得られたシート状
物を使用してテストを行なった。それらの結果を第1図
に示す。
比較例8 実施例1において使ったClEMMA(A)のかわりに、あ
らかじめ分子量が約20万であり、かつ密度が0.950g/cm3
である高密度ポリエチレンを水性懸濁法により塩素化さ
せることによって得られるムーニー粘度(MS1+4、100
℃)が60であり、塩素含有量が35.2重量%である塩素化
ポリエチレンを用いたほかは、実施例1と同様に混練さ
せてシートを成形した。得られたシートを実施例1と同
様に加硫させて加硫物を製造した。得られた加硫物につ
いて引張強度、伸び、硬さおよび圧縮永久歪の試験を行
なった。それらの結果を第2表に示す。さらに、加硫試
験は実施例1と同様に行なった。その結果を第1図に示
す。
なお、比較例3では、加硫時において脱塩酸をおこ
し、加硫物のシート状を形成することができなかった。
なお、全実施例によって得られた各塩素化エチレン系
共重合体混合物の接着性試験を行なった。いずれも塩素
化エチレン系共重合体混合物の試片が切断した。
さらに、実施例1および2ならびに比較例1および8
によって得られた混合物(混練物)の架橋曲線をそれぞ
れa,b,cおよびdとして第1図に示す。
以上の実施例および比較例の結果から、本発明によっ
て得られた加硫性塩素化エチレン系共重合体混合物は、
引張強度(TB)および圧縮永久歪についてすぐれている
ばかりでなく、レオメーター曲線からみてもすぐれた加
硫曲線を描いていることが明白である。
〔発明の効果〕
本発明によって得られる塩素化エチレン系共重合体混
合物は、第1図から明らかなごとく加硫性が通常の塩素
化ポリエチレンに比べてすぐれているばかりでなく、下
記のごとき効果を発揮する。
(1)耐オゾン性が良好でる。
(2)反撥性がすぐれている。
(3)難燃性についても良好である。
(4)耐候性および耐久性もすぐれている。
(5)引裂性およびその他の機械的強度についても良好
である。
(6)耐油性にすぐれている。
(7)さらに耐熱性および低温性についても良好であ
る。
(8)金属などとの接着性がすぐれている。
本発明の塩素化エチレン系共重合体混合物は上記のご
ときすぐれた特性を有しているために多方面にわたって
利用することができる。代表的な応用例を下記に示す。
(1)自動車用各種部品(たとえば、ホース、チューブ
材) (2)電線の被覆材 (3)接着剤 (4)電子機器、電気機器などの部品
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1および2ならびに比較例1および8に
よって得られた各混合物のディスクレオメーターを使っ
て測定した架橋曲線図である。この図において、縦軸は
トルク(Kg・cm)を示し、横軸は架橋時間(分)を示
す。なお、a,b,c,dはそれぞれ実施例1、実施例2、比
較例1および比較例8によって得られた混合物の架橋曲
線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08K 13/02 (C08K 13/02 3:10 3:10 5:47 5:47 5:378) 5:378) (72)発明者 岩下 敏行 大分県大分市大字中の洲2 昭和電工株 式会社大分研究所内 (56)参考文献 特開 平1−234449(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)メルトフローインデックスが0.1〜1
    00g/10分であり、かつα、β−不飽和ジカルボン酸およ
    びその無水物の共重合割合が合計量として0.5ないし25
    モル%である少なくともエチレンとα、β−不飽和ジカ
    ルボン酸および/またはその無水物とのエチレン系共重
    合体の塩素化物であり、該塩素化物の塩素含有率は5〜
    40重量%であり、かつムーニー粘度(ML1+4、100℃)が
    5以上である塩素化エチレン系共重合体 100重量部、 (B)一般式が(I)式で示される二級アミンのベンゾ
    チアジルスルフェンアミド 1.0〜10.0重量部、 ただし、R1およびR2は同一でも異種でもよく、炭素数が
    多くとも18個の炭化水素基であるが、ヘテロ原子を含む
    置換基を有しない基であるか、あるいはR1とR2とが互い
    に結合して炭化水素環を形成してもよく、さらにヘテロ
    原子を介して結合して異節環を形成していてもよい (C)一般式が(II)式で表わされるメルカプトトリア
    ジン系化合物 0.01〜5.0重量部、 (ただし、R3はメルカプト基およびアミノ基からなる群
    からえらばれる)ならびに (D)受酸剤となる金属化合物 1.0〜15.0重量部から
    なる塩素化エチレン系共重合体混合物。
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