JP2519294B2 - 塩素化エチレン系共重合体混合物 - Google Patents

塩素化エチレン系共重合体混合物

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JP2519294B2 JP63068680A JP6868088A JP2519294B2 JP 2519294 B2 JP2519294 B2 JP 2519294B2 JP 63068680 A JP63068680 A JP 63068680A JP 6868088 A JP6868088 A JP 6868088A JP 2519294 B2 JP2519294 B2 JP 2519294B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は加硫性がすぐれた塩素化エチレン系共重合体
混合物に関する。さらにくわしくは、架橋性がすぐれて
いるばかりでなく、耐油性、耐酸性および耐アルカリ性
が良好であり、さらに柔軟性および圧縮永久歪性も良好
であり、かつ金属や合成繊維の基材との接着性もすぐれ
ており、しかも耐熱性が良好である塩素化エチレン系共
重合体混合物に関する。
〔従来の技術〕
塩素化ポリエチレン、とりわけ非晶性塩素化ポリエチ
レンゴム状物は化学的に飽和構造であり、かつ塩素含有
高分子物質であることを基いて、その架橋物(加硫物)
は、耐候性、難燃性、耐薬品性、電気的特性および耐熱
性のごとき物性が良好であるため、電線被覆、電気部
品、ホース、建材、自動車部品、パッキン、シートなど
に成形されて広範囲の産業分野において利用されいる。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかし、この塩素化ポリエチレンは汎用ゴム(たとえ
ば、ブタジエンを主成分とするゴム)と異なり、前記し
たごとく化学的に飽和構造であるために硫黄または硫黄
供与体を加硫剤として加硫させることが困難である。そ
のため、架橋剤として一般には、有機過酸化物を使って
架橋させる方法が行なわれている。しかし、有機過酸化
物を用いて架橋させる方法は耐熱性や圧縮永久歪性にす
ぐれた混合物を得ることができるが、この混合物は高耐
熱性、高圧縮永久歪性が要望されている製品については
架橋効率が悪いことが多量の有機過酸化物やさらに架橋
助剤を必要とし、コストアップにつながらという欠点が
あった。さらに、金属や合成繊維(たとえば、ナイロン
やポリエステルの繊維)の基材との接着性もよくない。
以上のことから、本発明はこれらの欠点(問題点)が
なく、すなわち塩素化ポリエチレンの分野において要望
されている加硫性が極めて良好であるばかりでなく、少
量の有機過酸化物を添加させることにより、高耐熱性、
高圧縮永久歪性のごとき機械的特性がすぐれているばか
りでなく、しかも金属や合成繊維の基材との接着性も良
好であり、かつ低コストで必要とされる特性を満足し得
る塩素化エチレン系共重合体混合物を得ことである。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明にしたがえば、これらの課題は、 (A)メルトフローインデックス(JIS K7210にしたが
い、条件が4で測定、以下「MFR」と云う)が0.1〜100g
/10分であり、かつα、β−不飽和ジカルボン酸および
その無水物の共重合割合が合計量として0.5〜25モル%
である少なくともエチレンとα、β−不飽和ジカルボン
酸および/またはその無水物とのエチレン系共重合体の
塩素化物であり、該塩素化物の塩素含有率は5〜40重量
%であり、かつムーニー粘度(ML1+4、100℃)が5以上
である塩素化エチレン系共重合体 100重量部、 ならびに (B)有機過酸化物 0.1〜10.0重量部 からなる塩素化エチレン系共重合体混合物、 によって解決することができる。以下、本発明を具体的
に説明する。
(A)塩素化エチレン系共重合体 本発明において使われる塩素化エチレン系共重合体を
製造するにあたり、原料であるエチレン系共重合体は少
なくともエチレンと「α、β−不飽和ジカルボン酸およ
び/またはその無水物」〔以下「コモノマー(1)」と
云う〕との共重合体である。該共重合体はエチレンとコ
モノマー(1)との共重合体でもよく、エチレンおよび
コモノマー(1)のほかに、第三共重合成分として「不
飽和カルボン酸エステル、アルコキシアルキルアクリレ
ートおよびビニルエステルからなる群からえらばれた少
なくとも一種の二重結合を有するモノマー」〔以下「コ
モノマー(2)」と云う〕とからなる多元共重合体でも
よい。
コモノマー(1)のうち、α、β−不飽和ジカルボン
酸の炭素数は通常多くとも20個であり、とりわけ4〜16
個のものが好適である。該ジカルボン酸の代表例として
は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ−シ
ス−フタル酸(ナディック酸 )があげられる。
本願のα、β−不飽和ジカルボン酸成分のうち、前記
α、β−不飽和ジカルボン酸の無水物が望ましく、なか
でも無水マレイン酸が好適である。
コモノマー(2)のうち、不飽和カルボン酸エステル
の炭素数は通常4〜40個であり、特に4〜20個のものが
好ましい。代表例としては、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレートなどの熱安定性のよい
ものが好ましい。
さらに、アルコキシアルキルアクリレートの炭素数は
通常多くとも20個である。また、アルキル基の炭素数が
1〜8個(好適には、1〜4個)のものが好ましく、さ
らにアルコキシ基の炭素数が1〜8個(好適には、1〜
4個)のものが望ましい。好ましいアルコキシアルキル
アクリレートの代表例としては、メトキシエチルアクリ
レート、エトキシエチルアクリレートおよびブトキシエ
チルアクリレートがあげれらる。
また、ビニルエステルの炭素数は、一般には多くとも
20個(好適には、4〜16個)である。好適なビニルエス
テルの代表例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ビニルブチレート、ビニルピパレートなどがあげら
れる。
本発明のエチレン系共重合体において、コモノマー
(1)の共重合割合は0.5〜25モル%であり、1.0〜25モ
ル%が好ましく、特に1.0〜20モル%が好適である。コ
モノマー(1)の共重合割合が0.1モル%未満のエチレ
ン系共重合体を用いると、得られる塩素化物の効果を発
揮しない。一方、25モル%を超えたエチレン系共重合体
は工業的に製造するさいにコストおよび製造上問題があ
る。
本発明において、エチレン、コモノマー(1)および
コモノマー(2)からなる三元共重合体は塩素化させる
さいにブロッキングがなく、反応を容易に実施すること
ができる。さらに、得られる塩素化エチレン系共重合体
はゴム弾性および耐熱性がすぐれているために好まし
い。
また、コモノマー(2)の共重合割合は製造的にも、
コスト的にも一般には多くとも25モル%であり、0.5〜2
5モル%のものが望ましく、とりわけ1.0〜25モル%のも
のが好適である。
該エチレン系共重合体のMFRは0.1〜100g/10分であ
り、0.5〜100g/10分のものが好ましく、特に1.0〜100g/
10分のものが好適である。MFRが0.1g/10分未満のエチレ
ン系共重合体を使うならば、得られる塩素化エチレン系
共重合体の成形性や混練性がよくない。一方、100g/10
分を超えたエチレン系共重合体を使用するならば、得ら
れる塩素化エチレン系共重合体の機械的特性がよくな
い。
本発明の塩素化エチレン系共重合体を製造するには、
該エチレン系共重合体を水性媒体中に懸濁させる。この
水性懸濁状態を保持するために、少量の乳化剤、懸濁剤
を加えることが好ましい。このさい、必要に応じて、ベ
ンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル
および過酸化水素のごときラジカル発生剤,ライトシリ
コン油などの消泡剤ならびにその他の添加剤を加えても
さしつかえない。
本発明の塩素化エチレン系共重合体を製造するにあた
り、前記の水性懸濁下で下記のごとき三つの方法で塩素
化させることが望ましい。
第一の方法は第一段階において用いられるエチレン系
共重合体の融点よりも少なくとも25℃低い温度である
が、50℃より高い温度において全塩素化量の20〜60%を
塩素化し、第二段階において前記第一段階における塩素
化温度よりも10℃以上高い温度であるが、該エチレン系
共重合体の融点よりも5〜15℃低い温度において残りの
塩素化を行なう方法である。
また、第二の方法は、第一段階において使われるエチ
レン系共重合体の融点よりも少なくとも25℃低い温度で
あるが、50℃より高い温度において全塩素化量の20〜60
%を塩素化し、第二段階において該エチレン系共重合体
の融点よりも1〜7℃高い温度まで昇温させ、この温度
において塩素を導入することなく10〜60分間アニールさ
せ、第三段階において該エチレン系共重合体の融点より
も2〜25℃低い温度において残りの塩素化を行なう方法
である。
さらに、第三の方法は第一段階において使用されるエ
チレン系共重合体の融点よりも少なくとも25℃低い温度
であるが、50℃より高い温度において全塩素化量の20〜
60%を塩素化し、第二段階において前記第1段階におけ
る塩素化温度よりも10℃以上高い温度であるが、該エチ
レン系共重合体の融点よりも5〜15℃低い温度で残りの
塩素化量の少なくとも30%であり、この段階までに全塩
素化量の60〜90%塩素化し、ついで第三段階において該
エチレン系共重合体の融点よりも低い温度であるが、融
点よりも2℃以下低い温度において塩素化を行なう方法
である。
このようにして得られる本発明において使用される塩
素化エチレン系共重合体の塩素含有率は5〜45重量%
(好ましくは、5〜40重量%、好適には、10〜35重量
%)である。この塩素化エチレン系共重合体の塩素含有
率が5重量%未満では、得られる塩素化エチレン系共重
合体を回収および精製するのに問題がある。その上、耐
焔性が乏しい。一方、45重量%を超えると生成される塩
素化エチレン系共重合体は、熱安定性および耐熱性にお
いて著しく低下するために好ましくない。
またムーニー粘度は100℃の温度についてラージ・ロ
ータで5ポイント以上であり、5〜150ポイントが望ま
しく、とりわけ10〜150ポイントが好適である。
さらに、メルトフローインデックス(JIS K−7210に
したがい、条件が8で測定、以下「FR」と云う)は、一
般には1〜100g/10分であり、3〜50g/10分が好まし
く、とりわけ5〜30g/10分が好適である。
(B)有機過酸化物 また、本発明において使用される有機過酸化物は特別
の限定はないが、とりわけ分解温度(半減期が1分間で
ある温度)が120℃以上のものが望ましく、特に140℃以
上のものが好適である。好適な有機過酸化物の代表例と
しては、1,1−ビス−第三級−ブチルパーオキシ−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサンのごときケトンパーオキシ
ド、2,5−ジメチルヘキサン−2;5−ジハイドロパーオキ
シドのごときハイドロパーオキシド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−第三級−ブチルパーオキシヘキサンのごとき
パーオキシエステル、ベンゾイルパーオキシドのごとき
ジアシルパーオキシドおよびジクミルパーオキサイドの
ごときジアルキルパーオキシドがあげられる。
さらに、通常のゴム分野において架橋助剤として使用
されているトリアリルシアヌレートおよびトリアリルイ
ソシアヌレートのごとき多官能性物質を配合してもよ
い。
さらに、後記のメルカプトトリアジン系化合物を配合
させることにより、混合物の比較的高温における引裂性
を向上することができる。
(C)メルカプトトリアジン系化合物 該メルカプトトリアジン系化合物はゴム業界において
加硫剤または加硫促進剤として使用されているものであ
り、一般式が下式〔(I)式〕として示されているもの
である。
(ただし、Rはメルカプト基およびアミノ基からなる群
からえらばれる) この(I)式において、Rのうち、アミノ基は炭素数
が多くとも20個の炭化水素基を有するものでもよい。
メルカプトトリアジン系化合物の代表例としては、1,
3,5−トリチオシアヌル酸、1−ヘキシルアミノ−3,5−
ジメチルカプトトリアジン、1−ジエチルアミノ−3,5
−ジメルカプトトリアジン、1−シクロヘキシルアミノ
−3,5−ジメルカプトトリアジンなどがあげられる。こ
の化合物は特開昭59−10099号公報明細書に詳細に記載
されている。
本発明の組成物を製造するにあたり、脱塩化水素を防
止するために受酸剤として下記の金属化合物を配合させ
てもよい。
(D)金属化合物 金属化合物としては、周期率表第II族の金属の酸化
物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ
酸塩および亜りん酸塩ならびに周期律表第IV a族の金属
の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性
亜りん酸塩、塩基性亜硫酸塩および三塩基性硫酸塩など
があげられる。
該金属化合物の代表例としては、酸化マグネシウム
(マグネシア)、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、酸化カルシウム(生石灰)、水酸化カルシウム(消
石灰)、炭酸カルシウム、ケイ酸化カルシウム、ステア
リン酸カルシウム、フタル酸カルシウム、亜りん酸マグ
ネシウム、亜りん酸カルシウム、酸化亜鉛(亜鉛華)、
酸化錫、リサージ、鉛丹、二塩基性フタル酸鉛、二塩基
性炭酸鉛、ステアリン酸船、塩基性亜りん酸鉛、塩基性
亜りん酸錫、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛などがあ
げられる。
該金属化合物の平均粒径は通常0.1〜100μmであり、
0.2〜110μmが好ましく、とりわけ0.5〜50μmが好適
である。平均粒径が0.1μm未満の金属化合物を用いる
ならば、混練するさいに飛散などを生じ、取り扱いに問
題がる。一方、100μmを越えたものを使うと、二次凝
集が生じ易く均一に分散させることが難しい。
(E)混合割合 前記塩素化エチレン系共重合体100重量部に対する有
機過酸化物の混合割合は0.1〜10.0重量部であり、0.5〜
10.0重量部が望ましく、とりわけ0.5〜8.0重量部が好適
である。塩素化エチレン系共重合体100重量部に対する
有機過酸化物の混合割合が0.1重量部未満では、機械的
特性のすぐれた混合物が得られない。一方10.0重量部を
超えると、柔軟性などの点において問題がある。
さらに、メルカプトトリアジン系化合物を配合する場
合では、塩素化エチレン系共重合体100重量部に対して
その混合割合は一般には多くとも2.0重量部であり、0.0
1〜2.0重量部が望ましく、0.02〜1.5重量部が好まし
く、特に0.1〜1.2重量部が好適である。メルカプトトリ
アジン系化合物を塩素化エチレン共重合体100重量部に
対して2.0重量部を越えて配合すれば架橋がむしろ低下
する。
また、金属化合物を配合する場合、その混合割合は、
一般には多くとも15.0重量部であり、1.0〜15.0重量部
が好ましく、2.0〜15.0重量部が望ましく、とりわけ3.0
〜12.0重量部が好適である。15.0重量部を超えて配合し
たとしても、脱塩化水素反応をさらに防止することがで
きないのみならず、加工性が悪くなり、さらに得られる
架橋物のゴム強度が低下する。
(F)混合方法、成形方法など 以上の物質を均一に配合させることによって本発明の
混合物を得ることができるけれども、さらにゴム業界及
び樹脂業界において一般に使われている充填剤、脱塩化
水素防止剤、可塑剤、酸素、オゾン、熱および光(紫外
線)に対する安定剤、滑剤ならびに着色剤のごとき添加
物を混合物の使用目的に応じて添加してもよい。
本発明の混合物を製造するさい、その配合(混合)方
法は、当該技術分野において一般に用いられているオー
プンロール・ドライブレンダー、バンバリーミキサーお
よびニーダーのごとき混合機を使用して配合すればよ
い。これらの混合方法のうち、一層均一な混合物を得る
ためにはこれらの混合方法を二種以上適用してもよい
(たとえば、あらかじめドライブレンダーで混合した
後、その混合物をオープンロールを用いて混合する方
法)。これらの混合方法において、溶融混練するさいに
比較的高い温度で実施すると、使用される塩素化エチレ
ン系共重合体の一部または全部が架橋することがある。
このために通常70℃以下において実施する必要がある。
本発明の混合物は一般のゴム業界において通常使用さ
れている押出成形機、射出成形機、圧縮成形機およびカ
レンダー成形機のごとき成形機を用いてダストシールを
成形してもよい。また。塩素化エチレン系共重合体また
は上記のような混合物を添加してゴム技術分野において
一般に架橋しながら成形物を製造する方法、すなわち架
橋と成形とを同時に進行させる方法を適用して所望の形
状物に成形し使用されている尾出機成形機、射出成形
機、圧縮成形機およびカレンダー成形機のごとき成形機
を用いて所望の形状物に成形してもよい。
〔実施例および比較例〕
以下、実施例によって本発明をさらにくわしく説明す
る。
なお、実施例および比較例において、引張強度(以下
「TB」と云う)および伸び率(以下「EB」と云う)はシ
ョーパー試験機を用いて測定した。また、硬度試験はシ
ョアーAの硬度計を使用して測定した。さらに、圧縮永
久歪試験は25%圧縮に圧縮させ、一定荷重で圧縮を保持
した後、100℃の熱老化試験機に22時間放置する。その
後、荷重を除去し、温度23℃および湿度が60%の恒温室
に30分間放置させ、その歪率を測定した。また、架橋試
験はディスクレオメーター(ODR−100型)試験機を使っ
て温度が170℃、振幅が3度、フルスケールが100Kg/cm2
で1時間測定し、その時の架橋曲線を測定した。
さらに、耐熱性試験は130℃の温度にそれぞれ70時間
放置および120時間放置させ、引張伸度の残率(伸び
率)をJIS K6301にしたがって測定した。また、引裂性
試験は、JIS K6301に準じ、JIS Bタイプのダンベル
を用いて温度が23℃および相対湿度が60%の恒温室で測
定した。また、接着性試験は得られた各 塩素化エチレ
ン系共重合体混合物の試片(厚さ4mm)をアルミニウム
板(厚さ約1mm)に接着し、JIS K6301に準じ、引張速
度が50mmの条件で90度の方向に剥離して評価した。
なお、実施例および比較例において使用した塩素化エ
チレン系共重合体、有機過酸化物、架橋助剤およびメル
カプトトリアジン系化合物のそれぞれの種類および物性
などを下記に示す。
〔(A)塩素化エチレン系共重合体〕
塩素化エチレン系共重合体として、水性懸濁液中でMF
Rが100g/10分であり、かつ融点が108℃であるエチレン
−メチルメタクリレート−無水マレイン酸三元共重合体
(メチルメタクリレートの共重合割合18.5モル%、無水
マレイン酸の共重合割合1.5モル%、以下「EMMA」と云
う)10Kgを仕込み、攪拌しながら50〜85℃の温度範囲に
おいて該共重合体の塩素含有量が15.2重量%になるまで
塩素化した(第一段階塩素化)。ついで、反応系を109
〜118℃に昇温させ、この温度範囲において塩素の導入
を中止させて30分間アニール化を行なった(第二段階ア
ニール化)。ついで、反応系を冷却し、88〜106℃の温
度範囲において塩素含有量が35.1重量%になるまで塩素
化し(第三段階塩素化)、得られるムーニー粘度(ML
1+4、100℃)が32.5である塩素化エチレン系共重合体
〔FR 10.2g/10分、以下「ClEMMA(A)」と云う〕およ
び前記EMMA10Kgを上記と同様に仕込み、攪拌しながら50
〜80℃の温度範囲において該共重合体の塩素含有率が1
8.1重量%になるまで塩素化した(第一段階塩素化)。
ついで反応系を93〜103℃に昇温させ、この温度範囲に
おいて塩素含有量が30.0重量%になるまで塩素化した
(第二段階塩素化)。ついで118〜120℃の温度範囲で塩
素含有量が35.1重量%になるまで塩素化し(第三段階塩
素化)、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が34.5である塩
素化エチレン系共重合体〔FR 10.8g/10分、以下「ClEM
MA(B)」と云う〕を使った。
〔(B)有機過酸化物〕
有機過酸化物として、ジクミルパーオキサイド(以下
「DCP」と云う)を用いた。
〔(C)架橋助剤〕
また、架橋助剤として、トリアリルイソシアヌレート
(以下「TAIC」と云う〕を使用した。
〔(D)メルカプトトリアジン系化合物〕
さらに、メルカプトトリアジン系化合物として、1,3,
5−メルカプト−S−トリアジン(以下「アジン」と云
う)を使用した。
〔(E)金属化合物〕
また、金属化合物として、平均粒径が1.0μmである
酸化マグネシウム(以下「MgO」と云う)および平均粒
径が1.5μmである鉛丹(以下「Pb3O4」と云う)を用い
た。
実施例 1〜6、比較例 1〜8 第1表にそれぞれの配合量および種類が示される配合
物を室温(約20℃)においてオープンロールを使って20
分間混練してシート状物を成形した。得られた各シート
状物を圧縮成形機を用いて温度が175℃および圧力が200
Kg/cm2で10分間架橋しながら架橋物を製造した。得られ
た架橋物について引張強度、伸び、硬さ、圧縮永久歪、
耐熱性および引裂性の試験を行なった。それらの結果を
第2表にしめす。さらに、架橋試験はオープンロールで
得られたシート状物を使用してテストを行なった。それ
らの結果を第1図に示す。
比較例 9 実施例1において使ったClEMMA(A)のかわりに、あ
らかじめ分子量が約20万であり、かつ密度が0.950g/cm3
である高密度ポリエチレンを水性懸濁法により塩素化さ
せることによって得られるムーニー粘度(ML1+4、100
℃)が60であり、塩素含有量が35.2重量%である塩素化
ポリエチレンを用いたほかは、実施例1と同様に混練さ
せてシートを成形した。得られたシートを実施例1と同
様に架橋させて架橋物を製造した。得られた架橋物につ
いて引張強度、伸び、硬さ、、圧縮永久歪、耐熱性およ
び引裂性の試験を行なった。それらの結果を第2表に示
す。さらに、加硫試験は実施例1と同様に行なった。そ
の結果を第1図に示す。
なお、比較例4および5では、架橋時において脱塩酸
をおこし、架橋物のシート状を形成することができなか
った。
なお、全実施例によって得られた各塩素化エチレン系
共重合体混合物の接着性試験を行なった。いずれも塩素
化エチレン系共重合体混合物の試片が切断した。
さらに、実施例1および4ならびに比較例1および9
によって得られた混合物(混練物)の架橋曲線をそれぞ
れa,b,cおよびdとして第1図に示す。
以上の実施例および比較例の結果から、本発明によっ
て得られた架橋性塩素化エチレン系共重合体混合物は、
引張強度(TB)、圧縮永久歪および耐熱性についてすぐ
れているばかりでなく、レオメーター曲線からみてもす
ぐれた架橋曲線を描いていることが明白である。
〔発明の効果〕
本発明によって得られる塩素化エチレン系共重合体混
合物は、第1図から明らかなごとく架橋性が通常の塩素
化ポイエチレンに比べてすぐれているばかりでなく、下
記のごとき効果を発揮する。
(1)耐オゾン性が良好でる。
(2)反撥性がすぐれている。
(3)難燃性についても良好である。
(4)耐候性および耐久性もすぐれている。
(5)引裂性およびその他の機械的強度についても良好
である。
(6)耐油性にすぐれている。
(7)さらに耐熱性および低温性についても良好であ
る。
(8)金属などとの接着性がすぐれている。
本発明の塩素化エチレン系共重合体混合物は上記のご
とすぐれた特性を有しているために多方面にわたって利
用することができる。代表的な応用例を下記に示す。
(1)自動車用各種部品(たとえば、ホース、チューブ
材) (2)電線の被覆材 (3)接着剤 (4)電子危機、電気機器などの部品
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1および2ならびに比較例1および8に
よって得られた各混合物のディスクレオメーターを使っ
て測定した架橋曲線図である。この図において、縦軸は
トルク(Kg・cm)を示し、横軸は架橋時間(分)を示
す。なお、a,b,c,dはそれぞれ実施例1、実施例2、比
較例1および比較例8によって得られた混合物の架橋曲
線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩下 敏行 大分県大分市大字中の洲2 昭和電工株 式会社大分研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−234048(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)メルトフローインデックスが0.1〜1
    00g/10分であり、かつα、β−不飽和ジカルボン酸およ
    びその無水物の共重合割合が合計量として0.5ないし25
    モル%である少なくともエチレンとα、β−不飽和ジカ
    ルボン酸および/またはその無水物とのエチレン系共重
    合体の塩素化物であり、該塩素化物の塩素含有率は5〜
    40重量%であり、かつムーニー粘度(ML1+4、100℃)が
    5以上である塩素化エチレン系共重合体 100重量部、 ならびに (B)有機過酸化物 0.1〜10.0重量部 からなる塩素化エチレン系共重合体混合物。
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