JP2531487B2 - 抗hiv活性を有する新規な抽出物 - Google Patents

抗hiv活性を有する新規な抽出物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト免疫不全ウイルス
(HIV)に対する抗ウィルス性阻害に有用な新規な抽
出物および同物質を抽出する方法に関する。具体的に
は、本発明はRicini Semenからの無脂肪澱
粉およびCoptis sp.の根の混合物から得ら
れ、副作用を全く伴わずに好適な抗HIV活性を示す抽
出物に関する。
【0002】
【従来の技術】1983年、HIV−1が後天性免疫不
全症候群(AIDS)の原因因子であるということが判
明した。その時以来、ウイルスのゲノムおよび抗ウィル
ス活性を有する阻害物質を発見するため様々なアプロー
チが行われてきた。HIVのヘルパーT細胞(T)に
対する選択的な感染は、免疫系の疾患を引き起こし、A
IDSへと至る。ウィルスの、逆転写されたウイルスゲ
ノムは、通常は潜伏期には宿主細胞の染色体に残存して
いる。潜伏期の最後に、ウイルス増殖は細胞融合を引き
起こしてシンシチウムを形成し、急性の感染による細胞
死を引き起こす。そうでなければ、何ら重篤な細胞変性
作用を示すことなく、慢性の感染によりウイルスは増殖
を続ける。ウィルスの膜タンパクであるgp120が宿
主細胞に存在するCD4レセプターを認識すると、ウィ
ルスはそれに接合する。ウィルスは細胞に侵入し、逆転
写酵素を用いて自身の遺伝子をRNAからDNAに変換
し、最終的には宿主細胞の染色体に入り込む。ウイルス
ゲノムはその細胞中で、宿主細胞の増殖に必要な様々な
シグナルや因子により複製され、ウィルス遺伝子によっ
て発現されたトランス作用調節タンパクの作用により長
いタンパク鎖が産生される。その後、HIVに特異的な
プロテアーゼがウイルスの複製に不可欠なタンパクに作
用して、これらのタンパクのいくつかは糖タンパクに転
換され、相互に凝集して完全なウィルスを構築する。従
って、抗HIV薬を開発するためには、ウイルスの複製
サイクルに対する下記の阻害作用が化学療法によって確
立されなければならない。 (a)ウィルスのgpl20と宿主細胞のCD4レセプ
ターとの間の作用の阻害、(b)ウィルスRNAをプロ
ウイルスDNAへ転換する逆転写酵素の作用の阻害、
(c)ウィルスの調節タンパクの作用の阻害、(d)ウ
ィルスの前駆タンパクの分裂の阻害、(e)グルコシダ
ーゼまたはマンノシダーゼの作用の阻害による、修飾に
よる糖タンパク化の阻害、など。HIVとヒト宿主細胞
との間の相違を利用して、選択的抗ウィルス活性を有す
る数々の薬剤がこれまでに開発されてきた。そのような
薬剤、特にウィルスの細胞増殖の阻害するものには、上
記(a)に記載の阻害作用を有する、デキストランサル
フェートおよびペプチドT;(b)の機能を有するジデ
オキシシチジン、ジデオキシイノシン、およびホスホノ
ホルメートなどがある。このほかに、具体的にはリバビ
リン、カスタノスペルミン、GLQ223、アンチセン
スオリゴヌクレオチド、プロテアーゼインヒビターなど
がある。しかしながら、これらの薬剤はAIDSに関
し、まだ市販には至っていない。またジドブジン(アジ
ドチミジン、AZT)がAIDSに対する医薬として現
在使用されているが、頭痛、嘔吐、高熱、および斑点の
ような症状、循環系、神経系の障害、および肝機能の抑
制のような副作用をしばしば引き起こし、また長期の使
用により薬剤に対する耐性がしばしば認められるといっ
たような重大な欠陥を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するた
めの手段】本発明者らは、高い治療効果を有する強力な
阻害剤を開発するため、広範な実験を集中的に実施し
た。その結果、Ricini(トウゴマ) Semen
およびCoptis(オーレン) sp.の根から分離
した新規な抽出物が著しく向上した活性を示すことを発
見し、本発明を完成させた。それ故、本発明の目的は、
HIVの増殖に対する阻害剤として有用な新規な抽出物
を提供することである。本発明のもう一つの目的は、副
作用を全く引き起こさない新規な抽出物を提供すること
である。本発明のもう一つの目的は、活性成分として本
発明の新規な抽出物を通常の成分、たとえば担体、賦形
剤および増量剤などと混合でおよび組み合わせで含む、
AIDSに対する治療用の組成物を提供することであ
る。本発明のもう一つの目的は、本発明の新規な抽出物
を用いることによるAIDSの治療法を提供することで
ある。本発明の他の目的は、以下の明細書の記述から明
らかになるであろう。
【0004】発明の具体的説明 本発明によれば、Ricini SemenおよびCo
ptis sp.の根から分離された抽出物を提供す
る。本発明に記載の抽出物は、ウイルスの複製サイクル
の中の一定の段階を阻害するのに好適であり、他の従来
の阻害剤よりも高いHIV増殖阻害活性を示す。更に、
本発明の抽出物は、試験動物において副作用を全く引き
起こさないということにおいて、他の従来品より優れて
いる。本発明の抽出物は、Ricini Semen
らの無脂肪澱粉およびCoptis sp.の根の混合
物に由来する。Ricini SemenCopti
sp.の混合比は、好ましくは2:5から5:2ま
での間である。タンパクであるリシンおよびアルカロイ
ドであるリシニンのような、混合物に存在する可能性の
ある毒性成分は、図1に図示した方法によって分解され
る。
【0005】本発明に用いたRicini Semen
は30〜50%の脂肪を含有する。これは、グロブリ
ン、核アルブミン、糖タンパク、リシン、リパーゼ等の
ようなタンパクも含有する。これはインドおよび熱帯ア
フリカを起源とし、寒帯地方を除き広く分布している。
これは、特に北東地域において広く栽培され、アメリカ
およびジャワ島においても豊富に栽培されている。それ
は、熱帯地方および亜熱帯地方では主として灌木であ
り、温帯地方では一年生の草本植物である。Ricin
Semenの代表例は、Ricinus Comm
unis L.である。本発明に使用するもう一方の植
物であるCoptis sp.は、多年生の草本植物で
あり、アジアの多くの国で小丘に自生または栽培されて
いる。具体例として、中国を起源とするCoptis
chinensis FRANCH、Coptis
eltoidis C.Y.CHENG et HSI
AO、Coptis quinquesecta W.
T.WANG、Coptis Teetoide C.
Y.CHENG、およびCoptis chinens
FRANCH var brevisepala
W.T.WANG etHSIAO、インドおよびネ
パールを起源とするCoptis teetaWAL
L、日本を起源とするCoptis japonica
MAKINOvar dissecta NAKA
I、Coptis japonica MAKINO
var japonica SATAKE、韓国を起源
とするJeffersomia dubia BENT
HAN et HOOKER、などがある。Copti
sp.の黄色または黄色がかった茶色の成分は主と
してアルカロイドであるベルベリンであり、パルマチ
ン、ラテオリジン、カプチシン、マグノフロリンなどか
らなる。これらの成分は、胆汁およびパンクレチアン分
泌促進作用、動脈硬化の予防作用、および消炎作用を有
すると考えられる。従って、Coptis sp.は充
血および炎症に対する抗炎症胃腸薬および鎮静薬として
臨床上用いられる。
【0006】本発明の抽出物は、前記のRicinus
Communis L、およびCoptis sp.
の根を混合して抽出することにより得られる。別々に抽
出した場合には、抽出物は重篤な副作用を示し、抗HI
V活性は微弱である。本発明による生成物の抽出過程を
示す図である図1について説明すると、本発明の新規な
抽出物は: (a)Ricinus Communis Lからの無
脂肪澱粉およびCoptis sp.の根を、2:5か
ら5:2までの重量比、好ましくは4:5から5:4ま
での重量比で混合し、(b)混合物を有機溶媒、好まし
くは1種類または2種類以上の脂肪酸エステル、最も好
ましくはクロロホルムまたはヘキサンで、20〜25℃
の室温で20〜25時間溶出し、(c)得られた溶出液
を減圧下にて濾過濾過を繰り返し実施し、残渣の分離を
行い、(d)残渣を乾燥して有機溶媒を除去した後、そ
れに約5,000mlの蒸留水を添加し、(e)生成物
を、100℃の加熱下に、3〜4時間抽出し、(f)生
成する抽出物を減圧下に1,500 mlまで濃縮し、
その後その濃縮物を真空中で飽和させて沈殿物を除去
し、(g)生成する抽出物にクロロホルムを加えた後、
混合物を攪拌し、相を分離し、(h)クロロホルム相を
除去した後、ヘキサンを添加して油性物質をヘキサンに
移して有機溶媒を除去することにより、水性相を得て、
(i)この水性相をタルクで精製し、生成物を減圧下に
て濾過し、濾液を得て、(j)生成物を膜フィルターを
通して濾過した後、凍結乾燥を施して黄褐色粉末を得
る、工程を行うことを特徴とする方法によって調製する
ことが可能である。溶媒として、脂肪族炭化水素、芳香
族炭化水素、アルコール、1〜6個の同一または異なる
ハロゲン原子を含むC−Cのハロ炭化水素、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチルまたはアミルを含む脂肪
酸エステル、酢酸エステル、およびC−Cの脂肪族
または芳香族の基を有するケトンから成る群より選択し
た1種類または2種類以上の溶媒が使用可能である。
【0007】本抽出物は、タンパクであるリシンおよび
アルカロイドであるリシニンのような毒性成分を含有し
ない。本発明による抽出物は、様々な投与法、具体的に
は蒸留水または生理食塩水に溶解して静脈内、筋肉内、
皮下、および腹腔内注射によって、人体に投与すること
ができる。もう一つの様態では、本発明は、活性成分と
して本発明の新規な抽出物を通常の成分、たとえば担
体、賦形剤および他の添加剤と混合でまたは組み合わせ
で含有するAIDS治療に用いる治療組成物を提供す
る。更にもう一つの様態では、本発明は、本発明による
新規な抽出物を体内に投与することを特徴とする、AI
DSの治療法を提供する。
【0008】
【実施例】本発明は、下記の例において更に詳細に例示
されるであろう。本例は単に例示のためのものであり、
請求項に正確に記載されている本発明を制限するもので
はない。 例1(イン・ビトロでのアッセイ) T細胞ライン(Sup T.H9)に対する抽出物の
毒性を評価するため、抗ウィルス剤の最大生育許容濃度
は、下記の通りに検討した:0.5〜0.8×10
試験細胞に、本発明の抽出物を表1に示した1.0pp
m〜100ppmの様々な濃度で含有する溶液を添加
し、インキュベートした。インキュベーション後に、細
胞数を血球計数器を用いてトリパンブルー排除法により
計測し、適切な濃度を決定した。この例では、組換えウ
ィルスを対照として用いた。このウイルスは、自己複製
に不必要なHIV−1 nefがクロラムフェニコール
アセチルトランスフェラーゼ(CAT)に置換されてい
るpSVCATである。このウィルスは、CAT活性の
評価により、ウイルスの複製レベルの検討だけでなくシ
ンシチウム形成アッセイの実施も可能であり、またサル
免疫不全ウィルスの場合も同様であると証明されたよう
にnef遺伝子はイン・ビボでのウイルスの複製に必要
であると考えられるので、nef遺伝子に関し起こりう
る危険性の問題は解決できるという、多くの利点を有す
る。96穴プレートに、5×10のSup T
胞、および様々な濃度の本発明の抽出物を添加し、その
後50のTCID50pSVCATをこれに添加した。
3日間インキュベーションした後、生成する多核の細胞
を計数した。このように測定された観察結果を、シンシ
チウム形成阻害という観点から表2に示したAZT処理
した対照と比較し有効濃度を検討した。H9宿主細胞
を、前記のウィルスおよび有効濃度の本発明の物質で処
理した。3日毎に、培地の4分の3を本発明の物質を同
じ濃度で含む新しい培地と交換した。9日間インキュベ
ーションした後、1mlの培養物を円錐管に移し、35
0gで10分間遠心分離し、逆転写酵素活性およびCA
T活性を検討した。これらの結果を表1〜3、および図
2〜5に示す。表2にAZTの効果を示し、表3にベル
ベリン単独の効果を示す。図2は、本発明に使用したH
IV対照試験群の顕微鏡写真を示す。表1および図3〜
5に示すように、10μg/ml以上(10μg/m
l、50μg/ml、および100μg/ml)では多
核の細胞は認められない。本発明の物質は、同じ濃度で
の効果の強さという観点からはAZTよりも劣るが、A
ZTは長期の投与により人体各部に頭痛、嘔吐、および
高熱のような重篤な副作用を引き起こす。これらのこと
から本発明の抽出物は、全く副作用を示すことなく、H
IVの増殖に対しては強力な抗ウィルス活性を示すとい
うことが確認される。 表1.本発明の物質 濃度(μg/ml) 0 1.0 10 50 100 多核細胞の数 9 3 0 0 0 宿主細胞に対する 0% 0% 20% 30% 40% 毒性 表2.AZT 濃度(μg/ml) 0 0.05 0.2 1.0 5.0 多核細胞の数 8 1 0 0 0 宿主細胞に対する 0% 0% 0% 0% 0% 毒性 表3.ベルベリン 濃度(μg/ml) 0 0.1 0.5 1.0 3.0 多核細胞の数 9 8 5 2 1 宿主細胞に対する 0% 0% 0% 0% 10% 毒性
【0009】例2 本例では本抽出物の活性成分の分離について例示する。
本物質を、図6に示した方法に従って5つの異なる画分
に分画し、薄層クロマトグラフィー(TLC)で展開し
た。各画分を、1リットルの水に対し本抽出物が100
gとなるように蒸留水に溶解したが、掻く画分2(水に
対して低溶解性)についてのみ50g/リットルで溶解
した。これとは別に、比較のため、同様な手順をCop
tissp.の主要な四級アルカロイドであるベルベリ
ン(Siga Chem. Co.、U.S.A.)に
ついて繰り返した。10gの本抽出物を、水とメタノー
ルの1:1混合溶媒100mlに溶解し、濾過した。濾
過液を蒸発させてメタノールを除去し、100mlの蒸
留水に溶解した。このようにして生成する溶液を画分1
とした。画分1をpH2.0に調整し、その後クロロホ
ルムで抽出してクロロホルム層と水性層とに分離した。
クロロホルム層を完全に乾燥し、100mlの蒸留水に
溶解した。このようにして生成する溶液を画分3とし
た。水性層はpH10.0に調整し、クロロホルムとメ
タノール(3:1)を混合した溶媒で抽出してクロロホ
ルム層とメタノール層に分離した。クロロホルム層を乾
燥し、100mlの蒸留水に溶解して画分5を得た。水
性層を蒸発させて乾燥し、100mlの蒸留水に溶解し
て画分6を得た。更に、前記の濾過後の残渣を酢酸エチ
ルで抽出した。この抽出物を蒸発させて溶媒を除去し、
100mlの蒸留水に溶解して画分4を得た。残渣を1
00mlの蒸留水に溶解して画分2を得た。各画分をシ
リカゲルの順相(normal phase)薄層クロマトグラフィ
ー(TLC)上にスポットし、ブタノール、酢酸、およ
び水(4:1:1)を混合した溶媒を用いて展開し、U
Vランプを用いて検体を検出するという従来知られてい
る方法を取った。スポット後、検体のバンドに窒素を吹
き付けて乾燥した。ろ紙をTLC槽中に入れ、展開を開
始する前に展開槽中に同じ溶媒を注入した。展開槽をカ
バーグラスで覆い、真空グリースで密閉した。結果を図
7に示す。図7に示すように、画分1および6は本発明
の抽出物と同じTLCを示している。これより、本発明
の本抽出物は、主として画分6の四級アルカロイドおよ
びN−酸化物のような極性物質から成っており、Rf値
はベルベリンに等しいということが明らかである。
【0010】例3 本例は、イオン交換樹脂を用いて本抽出物から活性成分
を分離する方法について例示する。例2の画分6を、M
ono QおよびMono Sイオン交換カートリッジ
を用いて画分6−Sおよび6−Qに分離した。Mono
QおよびMono Sイオン交換カートリッジをメタ
ノールで洗浄し、蒸留水を満たした。1.0mlの画分
6を各カラムに負荷し、ブタノール、酢酸、および水
(4:1:1)を混合した溶媒を用いて溶出した。各溶
出液について薄層クロマトグラフィー(TLC)を実施
した。これとは別に、比較のため、同様な手順をベルベ
リンについて繰り返した。結果を図8に示す。
【0011】例4 本例は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用
いて本抽出物から活性成分を精製する方法について例示
する。例2の画分6を従来知られている方法に基づいて
画分6−1、6−2、6−3、6−4、6−5、および
6−6に分離した。各画分中の有機溶媒を吹き飛ばし、
残渣を50mlの蒸留水に溶解した。Sep−Pak
18カートリッジに、50mlの溶液を負荷し、十分
量の水で洗浄して移動相中のリン酸塩を除去した。塩分
が流出しなくなってから、吸着した物質をメタノールで
溶出した。HPLCの結果を図9に示す。図9に示すよ
うに、画分6−5はベルベリンと同じ保持時間を示し
た。
【0012】例5 画分6−5を分析し、その化学構造を同定した。この目
的のため、赤外分光法(IR)、H−核磁気共鳴分光
法(H−NMR)、13C−核磁気共鳴分光法(13
C−NMR)、および質量分析法を実施した。これとは
別に、比較のため、同様な手順をベルベリンについて繰
り返した。結果を図10〜15に示す。図10〜15に
示すように、図10は画分6−5(a)およびベルベリ
ン(b)のIRスペクトルを示し;図11は画分6−5
H−NMRスペクトルを示し;図12はベルベリン
H−NMRスペクトルを示し;図13は画分6−5
13C−NMRスペクトルを示し;図14はベルベリ
ンの13C−NMRスペクトルを示し;図15は画分6
−5(a)およびベルベリン(b)のMSスペクトルを
示す。これらの結果より、画分6−5は、たとえ少量の
不純物を含有するとしても、ベルベリンを含むと結論さ
れる。上記で考察したように、発明の本抽出物は、ウイ
ルスの複製サイクルの中の一定の段階を阻害するのに好
適であり、他の従来の阻害剤よりも高いHIV増殖阻害
活性を示す。更に、本発明の抽出物は、試験動物におい
て副作用を全く引き起こさないということにおいて、他
の従来品より優れている。これ故、本発明の抽出物は、
AIDS治療における使用に好適であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する生成物の抽出過程を示す図。
【図2】本発明において対照として使用した生物の形態
(HIV感染細胞の試験群)の顕微鏡写真。
【図3】10μg/mlの濃度で添加した生物の形態
(試験群)の顕微鏡写真。
【図4】50μg/mlの濃度で添加した生物の形態
(試験群)の顕微鏡写真。
【図5】100μg/mlの濃度で添加した生物の形態
(試験群)の顕微鏡写真。
【図6】極性に基づいた、本発明の生成物の分画過程を
示す図。
【図7】図6に従って得た画分およびベルベリンの薄層
クロマトグラム。
【図8】イオン交換樹脂によって分画した画分6の画分
の、薄層クロマトグラム。
【図9】画分6の高速液体クロマトグラム(HPL
C)。
【図10】画分6−5およびベルベリンのIRスペクト
ル。
【図11】画分6−5のH−NMRスペクトル。
【図12】ベルベリンのH−NMRスペクトル。
【図13】画分6−5の13C−NMRスペクトル。
【図14】ベルベリンの13C−NMRスペクトル。
【図15】画分6−5およびベルベリンのMSスペクト
ル(図15aおよびb)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヨン、ボク、ハン 大韓民国ソウル特別市、セオンブク- ク、イェンルン‐ドン、266−5 (72)発明者 イェン、ヨ、ムン 大韓民国ソウル特別市、セオンブク- ク、イェンルン‐ドン、227−46 (72)発明者 ホン、キ、キュン 大韓民国ソウル特別市、セオンブク- ク、ドンセオムモン‐ドン、4‐カ、 120 (72)発明者 ヨン、バエ、キム 大韓民国ソウル特別市、セオンドン- ク、ヤヤン‐ドン、ウースン、2チャ、 アパートメント、ナンバー、201−1207 (72)発明者 キュン、タエ、キム 大韓民国キュンサンブク‐ド、ポハン- シ、ジポク‐ドン、キョース、アパート メント、ナンバー、9−1202 (72)発明者 ハエ、リ、キム 大韓民国ソウル特別市、セオチョ‐ク、 バンバエ‐ドン、ソラ、アパートメン ト、ダ‐1210 (72)発明者 イェン、ハン、キム 大韓民国ソウル特別市、セオチョ‐ク、 バンバエ‐ドン、988−1 シンドンガ、 アパートメント、ナンバー、1−1103 (72)発明者 ヒュン、ギル、シン 大韓民国キュンキ‐ド、ナミアンジュ- クン、ヨーン‐ミュン、ジンジョーン- リ、38−2 (72)発明者 ウン、キュン、ホン 大韓民国キュンキ‐ド、アニャン‐シ、 クワンヤン‐ドン、1396−1、ヒュンダ イ、アパートメント、ナンバー、3− 1306 (72)発明者 キュン、ラエ、キム 大韓民国ソウル特別市、セオチョ‐ク、 バンバエ‐ドン、988−1 シンドンガ、 アパートメント、ナンバー、1−1103 (72)発明者 チョン、ウォン、キム 大韓民国ソウル特別市、ナンナム‐ク、 アプクユン‐ドン、ヒュンダイ、アパー トメント、ナンバー、13−201 (56)参考文献 特開 昭56−68615(JP,A) 特開 昭63−316730(JP,A) 特開 昭60−231616(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対する
    抗ウィルス性阻害作用を有し、Ricini Seme
    からの無脂肪澱粉およびCoptis sp.の根の
    混合物から抽出される抽出物のうち、リシンおよびアル
    カロイドのリシニンを除去することによって得られる抽
    出物を有効成分とする、エイズ治療用薬剤組成物。
  2. 【請求項2】Ricini SemenCoptis
    sp.の混合比が2:5から5:2までの間である、
    請求項1に記載の薬剤組成物。
  3. 【請求項3】Ricini Semenが、Ricin
    us Communis Lである、請求項1に記載の
    薬剤組成物。
  4. 【請求項4】物質がベルベリンを含有する、請求項1に
    記載の薬剤組成物。
  5. 【請求項5】(a)Ricinus Communis
    Lからの無脂肪澱粉およびCoptis sp.の根
    を、2:5から5:2までの重量比、好ましくは4:5
    から5:4までの重量比で混合し、 (b)混合物を有機溶媒で、20〜25℃の室温で20
    〜25時間溶出し、 (c)得られた溶出液を減圧下にて濾過を繰り返し実施
    し、残渣の分離を行い、 (d)残渣を乾燥して有機溶媒を除去した後、それに約
    5,000mlの蒸留水を添加し、 (e)生成物を、100℃の加熱下に、3〜4時間抽出
    し、 (f)生成する抽出物を減圧下に1,500 mlまで
    濃縮し、その後その濃縮物を真空中で飽和させて沈殿物
    を除去し、 (g)生成する抽出物にクロロホルムを加えた後、混合
    物を攪拌し、相を分離し、 (h)クロロホルム相を除去した後、ヘキサンを添加し
    て油性物質をヘキサンに移して有機溶媒を除去すること
    により、水性相を得て、 (i)この水性相をタルクで精製し、生成物を減圧下に
    て濾過し、濾液を得て、 (j)生成物を膜フィルターを通して濾過した後、凍結
    乾燥を施して黄褐色粉末を得る、 工程を行うことを特徴とする、請求項1に記載の薬剤組
    成物の有効成分である抽出物の調製方法。
  6. 【請求項6】有機溶媒が脂肪族炭化水素、芳香族炭化水
    素、アルコール、1〜6個の同一または異なるハロゲン
    原子を含むC−Cのハロ炭化水素、メチル、エチ
    ル、プロピル、ブチルまたはアミルを含む脂肪酸のエス
    テル、酢酸エステル、およびC−Cの脂肪族または
    芳香族性基を有するケトンから成る群から選択される1
    種類または2種類以上である、請求項5に記載の方法。
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