JP2531301B2 - Ｒｄｓ受信機の自動選局制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ヨーロッパにて実施されているRDS（ラ
ジオ・データ・システム）の受信の自動選局を行うRDS
受信機の自動選局制御装置に関するものである。

〔従来の技術〕

放送局の放送に際に、その番組内容に関連する情報を
データとして多重変調して送信し、送信側では、これを
変調したデータに基づき所望の番組内容を選択できるよ
うにして、ラジオ聴取者に対して、そのサービスを提供
できるようにしたRDSがある。

このRDSのデータには、ネットワーク認識コード（以
下、PIという）、交通情報局選別コード（以下、TPとい
う）、交通アナウンス認識コード（以下、TAという）、
放送局名やネットワーク名等の番組サービス名情報コー
ド（以下、PSという）、同一番組を放送しているネット
ワーク局群の周波数情報コード（以下、AFという）等の
データが含まれている。

ところで、車載受信機の場合には、車両の走行にとも
なって、受信中の放送波受信状態が悪化してくることが
ある。

しかしながらRDS放送の場合、上述したように、同一
番組の放送を行っているネットワーク局群のAFデータを
得ることができるので、このAFデータをメモリ内に記憶
しておくことにより、受信信号レベル（電界強度）の大
きな他の同一ネットワーク局を選局することが可能であ
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、受信電界レベルのみで受信状態を判断する
と、マルチパス妨害が発生している局へ切り換わること
があるという不具合があった。

なお、近似技術に特開平2-105731号公報がある。

この発明は上記のような課題を解消するためになされ
たもので、受信電界レベルが良くてもマルチパス妨害が
発生している局への受信に切り換わることを防止でき、
良好な受信状態を維持することができるRDS受信機の自
動選局制御装置を得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係るRDS受信機の自動選局制御装置は、RDS
受信機のフロントエンドの選局を設定するためのフエー
ズロックループ回路と、FM検波部のFM検波出力からマル
チパス妨害の有無を検出するマルチパス妨害検出部と、
周波数情報コードを少なくとも１局以上記憶している周
波数情報コードメモリを内蔵し、かつ周波数情報コード
局の受信信号レベルが元の受信局レベルを越えていない
場合、あるいは元の受信局レベルを越えかつ元の受信局
において少なくともマツチパス妨害検出無しでしかも周
波数情報コード局の少なくともマルチパス妨害をマルチ
パス妨害検出部で検出したときにマルチパ妨害を受けて
いる局には受信が切り換わらないようにフエーズロック
ループ回路の分周比設定制御を行うコントローラとを設
けたものである。

〔作用〕

この発明におけるコントローラは、周波数情報コード
局の受信信号レベルが元の受信局レベルを越えていない
とき、またはこの周波数情報コード局の受信信号レベル
が元の受信局レベルを越えているとともに元の受信局に
おいてマルチパス妨害検出部で少なくともマルチパス妨
害が検出されないで、周波数情報コード局においてマル
チパス妨害検出部で少なくともマツチパス妨害が検出さ
れたときに、マルチパス妨害を受けている局には受信が
切り換わらないように、フエーズロックループ回路の分
周比の設定制御を行う。

〔実施例〕

以下、この発明のRDS受信機の自動選局制御装置の実
施例について図面に基づき説明する。第１図はその一実
施例の構成を示すブロック図である。

この第１図において、１はアンテナであり、このアン
テナ１で受信されたFM多重放送波はフロントエンド２で
希望の受信局が受信されるようになっている。このフロ
ントエンド２で受信された受信信号は中間周波数信号
（IF）に変換された後、FM検波部３に供給されるように
なっている。

また、フロントエンド２はプログラマブル分周器を含
むフエーズロックループ回路６により選局制御が行われ
るようになっている。このPLL回路６は後述するコント
ローラ10により分周比が設定されるようになっている。

コントローラ10により分周比が設定されることによ
り、上述のごとく、フロントエンド２の選局動作が行わ
れるようになっている。

また、上記FM検波部３の検出出力はNK（ノイズキャン
セラ）４を介してマルチプレックサ（以下、MPXとい
う）変調回路５に供給されるようになっている。

この場合、ステレオ放送であれば、左（Ｌ）チャンネ
ル、右（Ｒ）チャンネルのオーディオ信号が出力される
ようになっている。

また、FM検波部３の検波出力は57KHzのバンドパスフ
ィルタ８を介してRDSデコーダ９に入力されるようにな
っており、このRDSデコーダ９の出力はコントローラ10
にて判別可能なデータに変換されるようになっている。

コントローラ10には、AFメモリ11が内蔵されており、
コントローラ10により取り込んだ受信局の情報、すなわ
ち、上記したPI,AF,PS,TP,TA等の各種情報がAFメモリ11
にAFデータを記憶しておくようになっている。

また、FM検波部３におけるIF信号レベルに基づいて受
信信号レベル（電界強度）を検出するレベル検出部７が
設けられており、レベル検出部７によって検出された受
信信号レベルはコントローラ10に供給されるようになっ
ている。

さらに、NK4の出力端からは、マルチパス妨害の有無
をマルチパス妨害検出部12で検出するようになってお
り、このマルチパス妨害検出部12の検出結果は上記コン
トローラ10に供給するようになっている。

このマルチパス妨害検出部12はこの第１図の実施例で
は、NK4のハイパスフィルタ（図示せず）の出力信号を
利用して、マルチパス妨害を検出するようにしている
が、FM検波部３の信号強度指示回路（図示せず）の出力
信号を利用してもよい。

次に動作について説明する。アンテナ１で受信された
FM多重放送波はフロントエンド２で希望の局が選局さ
れ、中間周波数に変換された後、FM検波部３に供給され
る。

このFM検波部３の検波出力はNK4を介してMPX復調回路
５に供給され、そこで復調され、ステレオ放送であれ
ば、L,Rチャンネルのステレオオーディオ信号に分離さ
れて出力する。

また、FM検波部３の出力はバンドパスフィルタ８を介
してRDSデコーダ９に入力され、このRDSデコーダ９の出
力はコントローラ10にて判断可能なデータに変換され
る。

コントローラ10は受信局の上記情報PI,AF,PS,TP,TA等
を取り込んで、AFメモリ11内にAFデータを記憶する。

また、FM検波部３における中間周波数信号のレベルに
基づいて、受信信号レベル（電界強度）をレベル検出部
７で検出し、その検出結果はコントローラ10に出力され
る。

また、NK4の出力部からマルチパス妨害の有無をマル
チパス妨害検出部12で検出し、その検出の有無の結果は
コントローラ10に出力される。

ここで、この発明の特徴とするマルチパス妨害が検出
されたときのAF局に切り換わらないように制御するコン
トローラ10の動作について、第２図のフローチャートに
沿って説明する。

AFメモリ11には、AFデータがすでに１局以上記憶され
ているものとする。

まず、ステップS1で、FM検波部３における中間周波数
信号レベルに基づいて、レベル検出部７は受信信号レベ
ルを検出しており、この検出出力がコントローラ10に出
力されるとともに、マルチパス妨害検出部12がNK4の出
力部からマルチパス妨害の有無を検出し、その有無の結
果をコントローラ10に出力する。

これにより、コントローラ10は現在受信中の放送局の
受信信号レベルとマルチパス検出の有無をAFメモリ11に
保持し、次のステップS2に処理が移行する。

このステップS2において、コントローラ10は、AFメモ
リ11からAFデータを一つ選び出し、PLL回路６に分周比
設定を行い、分周比の設定により、PLL回路６はフロン
トエンド２に対して選局を行わせる。

これにより、フロントエンドが新たなAF局を受信する
と、このAF局の受信信号レベルは上記と同様にして、レ
ベル検出部７で検出される。この検出結果はコントロー
ラ10に出力される。

コントローラ10では、ステップS3でAF局の受信信号レ
ベルが元のAF局の受信信号レベルを越えているか、否か
の判断を行う。

この判断の結果、元のAF局の受信信号レベルを越えて
いる場合、すなわち、新たなAF局受信信号レベル＞元の
AF局受信信号レベルの場合には、ステップS3のYES側か
らステップS4に進む。

このステップS4において、コントローラ10は元のAF局
の受信局において、マルチパス妨害の検出の有無の判定
を行い、マルチパス忘我時の検出がなければ、ステップ
S4のNO側からステップS5に処理が移行し、このステップ
S5で上記新たなAF局の受信局において、マルチパス妨害
の有無の判定を行う。

この判定の結果、マルチパス妨害が無いと判定される
と、ステップ７でAF局の受信を続行する。すなわち、次
の新たなAF局の受信局に受信が切り換わったことにな
る。

換言すれば、次の新たなAF局の受信局に切り換わる場
合には、ステップ３で新たなAF局の受信信号レベルが元
のAF局の受信局の受信信号レベルを越え、ステップS4で
元のAF局の受信局の受信信号にマルチパス妨害が無く、
かつステップS5で新たなAF局の受信局の受信信号にマル
チパス妨害がない場合には、次の新たなAF局の受信局に
受信が切り換わる。

また、ステップS4において、元のAF局の受信局の受信
信号にマルチパス妨害がある場合にも、ステップS4から
ステップS7に進み、次の新たなAF局の受信局の受信に切
り換わる。

このような次の新たなAF局の受信局への切換制御はコ
ントローラ10からPLL回路６の分周比の設定の変更によ
り、PLL回路６はフロントエンド２の選局動作制御を行
うことにより行われる。

次に、新たなAF局への受信局の切換わりは行われない
場合について説明する。

この場合は、ステップS3において、新たなAF局の受信
局の受信信号レベルが元のAF局の受信局の受信信号レベ
ルより低い場合には、ステップS3のNO側からステップS6
に処理が移り、元のAF局の受信局の受信に戻る。

また、ステップS5においても、新たなAF局の受信局の
受信信号にマルチパス妨害がある場合にも、このステッ
プS5のYES側からステップS6に処理が移り、元のAF局の
受信局の受信に戻る。

なお、上記実施例では、AF局を１局ずつ受信局の受信
信号レベルを比較する場合について説明したが、AFメモ
リ11内のすべての、あるいは一部の周波数を連続的にチ
ェックし、最良局に切り換える場合にも、同様の効果が
得られることは明らかである。

また、上記実施例では、受信信号レベルとマルチパス
妨害の検出の有無により、自動選局制御を行う場合につ
いて例示したが、上記の受信信号レベルとマルチパス妨
害の有無に加えて、ネットワーク認識コード（PI）の一
致，不一致を判別することにより、RDS受信機の自動選
局を制御してもよい。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、AF局の受信局から
新たなAF局の受信局に自動選局する時に、新たなAF局の
受信局の受信信号レベルが元のAF局の受信局の受信信号
レベルより小さいとき、あるいは新たなAF局の受信局の
受信信号レベルが元のAF局の受信局の受信信号レベルよ
り大きく、しかも元のAF局の受信局の受信信号に少なく
ともマルチパス妨害が無くて新たなAF局の受信局の受信
信号に少なくともマルチパス妨害がある場合には、元の
AF局の受信局に受信が切り換わるようにしたので、受信
電界レベルが良くてもマルチパス妨害が発生して受信信
号から得られるRDSデータの信頼性を低くしている局へ
切り換わることが防止でき、良好な受信状態を維持する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明のRDS受信機の自動選局制御装置の一
実施例の構成を示すブロック図、第２図は同上実施例に
おけるコントローラの実行手順を示すフローチャートで
ある。 １……アンテナ、２……フロントエンド、３……FM検波
部、４……NK、５……MPX復調回路、６……PLL回路、７
……レベル検出部、８……バンドパスフィルタ、９……
RDSデコーダ、10……コントローラ、11……AFメモリ、1
2……マルチパス妨害検出部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】同一ネットワーク局群の周波数情報コード
   およびネットワーク認識コードを含むRDS放送波が受信
   可能でかつ同一ネットワーク局を選局する機能を有する
   とともに中間周波数信号を出力するフロントエンドと、
   このフロントエンドの選局動作を行うために分周比が設
   定されるフェーズロックループ回路と、上記中間周波数
   信号をFM検波するFM検波部と、このFM検波部の出力を復
   調してオーディオ信号を出力するマルチプレックス復調
   回路と、上記FM検波部の出力を入力して上記受信信号レ
   ベルを検出するレベル検出部と、上記FM検出部の出力を
   所定の判別可能なデータに変換するRDSデコーダと、上
   記FM検出部を出力した信号からマルチパス妨害を検出す
   るマルチパス妨害検出部と、上記レベル検出部の出力に
   より現在の受信局の受信信号レベルと上記少なくともマ
   ルチパス妨害検出部から出力されるマルチパス妨害の有
   無の保持および周波数情報コードデータの１局以上の記
   憶を行う周波数情報コードメモリを内蔵し、切り換えよ
   うとする新たな局の受信レベルが、元の受信局の受信信
   号レベルより小さいときは元の受信局の受信に戻り、上
   記新たな局の受信レベルが元の受信局の受信信号レベル
   より大きければ、元または新たな受信局のマルチパス妨
   害の有無に基づいて新たな局への切り換えまたは元の受
   信局の受信に戻り、元の受信局がマルチパス妨害を受け
   ていない状態からマルチパス妨害を受けている局へは切
   り換わらないように上記フェーズロックループ回路の分
   周比設定制御を行うコントローラとを備えたRDS受信機
   の自動選局制御装置。