JP2529875B2

JP2529875B2 - 乳頭の洗滌法、同洗滌装置及び同洗滌装置用のカップ

Info

Publication number: JP2529875B2
Application number: JP63003938A
Authority: JP
Inventors: イェロエン・クラースヤン・フェルブルッゲ
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1987-02-02
Filing date: 1988-01-13
Publication date: 1996-09-04
Anticipated expiration: 2011-09-04
Also published as: EP0527509A2; JPH0837972A; EP0277396B1; DK50088A; ATE81439T1; EP0277396A1; AU1020988A; US4924809A; NL8700249A; JPS63196216A; AU602381B2; DK50088D0; JP2608044B2; EP0527509A3; DE3782238D1; DE3782238T2

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、雌動物の乳頭（本明細書中、単に乳頭と称
する）を洗滌及び／又はリンスするための方法に関す
る。

従来、雌動物の乳頭を清潔にすることは、搾乳の前後
に人の手により、例えば湿らせた布又は水流を利用して
行われており、その際消毒（又は殺菌）剤又は石けんを
用いる場合或いはそれらを用いない場合もある。

この公知の清潔法は、充分な頻度では行われないとい
う点及び充分に清潔にされないという点で問題がある。

本発明の目的は、細心な、乳頭の湿式清潔が確実に行
い得る乳頭の洗滌法を提供することである。

この目的は、本明細書冒頭に記述した特許請求の範囲
の請求項１に記載の洗滌法により達成される。

好ましくは、請求項２に記載の洗滌法を適用するが、
この方法によれば、雌牛又は雌やぎの搾乳時に行われる
ものと同様の運動が可撓壁によりこの雌牛又は雌やぎの
乳頭に対し行われ、洗滌剤による洗滌と同時にマッサー
ジ運動が行われ、これにより洗滌剤と乳頭との間に最も
好ましい接触状態が実現される。この結果、乳頭にはり
ついたよごれを落ち易くすることが出来るのである。

上記の乳頭の洗滌法に加え、本発明は雌動物の搾乳法
をも提供するのであるが、この方法においては搾乳に利
用されるカップにより洗滌法を実施することが出来る。

本発明は、更に洗滌法の実施に用いるカップ、また４
個のカップから成る搾乳セットをも提供するものであ
る。

本発明の上記以外の構成特徴、詳細及び作用効果は、
添付図面を参照して以下に記載する実施例の説明から明
らかとなるであろう。

第１図において、人が手にした把持部２により、カッ
プ１が雌牛の乳頭３の下側にあてがわれている。乳頭の
形に合わせて形成した乳頭収容部であるカップ１の内側
ケースの可撓壁４が、例えば金属製の外側ケース６内に
収められている。接続部材７から、矢印Ｓにて示される
ように、洗滌剤、例えば水が乳頭３の上方部分に供給さ
れる。洗滌剤には消毒（又は殺菌）剤又は石けんを含ま
せる場合もありまた含ませない場合もある。洗滌作用を
より効果的のものとするために、好ましくは矢印Ｖにて
示されるように内側ケース６の可撓壁４に脈動圧力変化
を与えると、乳頭３にマッサージが行われまた洗滌剤の
乳頭３への接触が好ましいものとなる。所望により、カ
ップ１の排出口部８にいたる部分を乳頭３の直下のとこ
ろで実質的に圧搾閉塞するように構成し、これにより乱
流作用を発生させ、洗滌効果を一層高めるようにするこ
とも可能である。洗滌剤は排出口部８からカップ１外に
排出する。好ましくは、排出口部８を減圧に接続し、こ
れにより洗滌剤の排出を容易とすると共に乳頭３のカッ
プ１中への挿入も容易とする。内側ケース５の上端部９
は、雌牛の乳房10にカップ１を密着させる作用を有す
る。

カップ１を利用して、乳頭の洗滌を搾乳の前後共に行
うことが可能である。搾乳の前には、通常、水のみを用
いる洗滌（リンス）を行い、また通常搾乳後の洗滌にお
いてのみ、洗滌剤に石けん又は消毒（又は殺菌）剤を加
えるようにして、それらが乳中に混入するのを防ぐよう
にする。

第２図に示される本発明の他の実施例においても、洗
浄法の実施に使用されるカップ23は、上述のカップ１と
同様に、搾乳にも利用し得る。カップ23は、例えば金属
製の外側ケース24と可撓性材から成る内側ケース25を有
し、これらのケース24及び25の間に、雌牛の乳頭27への
搾乳運動を、導管26を介し搾乳機（図示せず）により発
生させるように構成されている。カップ23は、それを乳
房に密着させるためのクッション部材28と、例えば水で
あってよい洗滌剤を供給するための導管29も備えてい
る。導管29は、開口部61に達していると共に外側ケース
24及び内側ケース25を貫通している。これらの導管29
は、好ましくはカップ23の周囲に等間隔で配設し、乳頭
27の効果的の洗滌が確実に行い得るようにする。１本の
導管29のみを用いる構成とすることも勿論可能である。
本例においては、複数の導管29が外側ケース25の周囲に
設けた環状管30に接続させてあり、この環状管30からは
他の管31がポンプ32へと延設されている。減圧状態に維
持されており、搾乳の排出にも利用される排出部又は導
管33を経て、洗滌剤は４方向弁34へと流動する。この弁
34は、吸引状態時に管35に対し開弁し、洗滌剤の排出が
行われる。弁34はまた制御部材36により、搾乳の排出の
ための管60に対し開弁するようにも切換可能である。同
様に、この４方向弁34は、通気口19により、カップ23を
大気圧に連通させることが可能で、これによりカップ23
を乳頭から、離脱落下させることが出来る。排出部33内
の液体の流動を容易にするために、この排出部には大気
を抜くための小径（直径0.1〜0.5mm）の孔が形成されて
いる。

ポンプ32が停止されると、それに続く瞬時ｔに、制御
部材36が、搾乳を管60に運び得る位置又は姿勢に４方向
弁34を切換え、搾乳の排出が行われる。第２図に、線3
7、タイミング部材38及び線39によるポンプ32と制御部
材36の接続関係が略示されている。

第３図に示される本発明の更に他の実施例において
は、排出部又は導管33に乳質測定計40が設けられてい
る。この測定計40は、搾乳又は洗滌剤の排出のため、そ
れらの流動性を測定するのであるが、この測定結果によ
り、調整部材41が、４方向弁34を制御部材36が開弁させ
るべき位置又は姿勢を決定し得るようになっている。本
例においても、導管26より脈動圧力変化を発生させるこ
とにより最も好ましい状態で洗滌が行われ、同時に搾乳
が開始される。脈動運動の開始後、乳頭27から乳が完全
に流出するまでに５〜15秒かかるが、通常、これだけの
時間があれば乳頭27の完全の洗滌を行うことが出来る。

洗滌及び搾乳時に脈動運動又はパルス周波数は、洗滌
の際に失う搾乳の量を最小限とするよう調節する。制御
手段36が４方向弁34の切換えを行うべき正確な瞬間を、
調整部材41が乳質測定計40の測定した乳質測定値の基づ
き精密に決定する。第３図に示された実施例において
は、乳頭の洗滌は、その下方から環状管18及び上方に開
口した霧吹きノズル17により行われる。本例によれば、
カップ16として、下方に霧吹きノズル17を備えた直立型
の搾乳カップを利用することが出来る。この第３図に示
される方法によるよりも、第１図及び第２図に示される
方法による方が乳頭の上方部分の洗滌がより効果的に行
い得る。また、乳頭孔と称される乳頭の穴への汚れの進
入のおそれも抑制される。

搾乳に消毒（又は殺菌）剤又は石けんが混入するのを
予防するため、搾乳の前に行われる乳頭27の最初の洗滌
は、洗滌剤として水のみを用いて行うことが好ましく、
搾乳後の洗滌は、洗滌剤に石けん又は消毒（又は殺菌）
剤を混ぜて行うと良い。

雌牛の乳頭が感染されている（乳腺炎の）場合には、
乳質測定計に乳と洗滌剤との違いを測定する機能に加え
て、消費に適した乳とその目的には適さない乳（乳腺炎
感染乳）との違いを測定する機能（図示せず）を組入れ
ることが出来る。

第４図に示される搾乳セット43は、脈動減圧を与える
ための中央供給管45と中央接続管72を更に備えている。
中心部材44には、適消費乳を送るための管70と消費不適
乳及び洗滌剤を送るための管71が設けられている。

以上に記載した洗滌法及びこれを利用した搾乳法は、
本願出願人の出願に係わる欧州特許出願第86201338.0
号、同第86202380.1号及びオランダ王国特許出願第8602
942号に開示されているような自動搾乳系に利用するこ
とが好ましく、また上記特許出願の開示事項が本明細書
の１部を成すものであるとされるべきことを注記してお
く。

本願考案の乳頭の洗滌方法、洗滌装置及び洗滌装置用
のカップでは、乳頭の形状にほぼそうべく形成した乳頭
収容部を持つカップを乳頭の周囲にあてがって乳頭収容
部の可撓壁に脈動圧力変化を与えながら洗滌するので、
乳頭を極めて効率良く洗浄し汚れを良く落とすことがで
き、また洗浄と同時に乳頭を適宣にマッサージできると
いう副次的効果も得られる。

また、洗滌と同時に搾乳を行い、洗滌剤供給終了後カ
ップの排出部を搾乳の排出管に連結する場合は、洗滌装
置ないし洗滌装置用カップから搾乳カップへの取り替え
なしに、洗滌工程から搾乳工程への切替えを簡単に迅速
におこなうことができ便利である。

また、カップの排出部から前記カップ内に真空を生じ
させる場合は、洗滌剤の排水や乳の吸引の効率を大幅に
高めることができる。

更に、乳頭の形状にほぼそうべく形成した乳頭収容部
を持つカップを乳頭の周囲にあてがって洗滌するので、
洗滌剤は乳頭に沿って流れて乳頭のみ極めて効率よく洗
滌を行い、乳房ごと洗滌する場合に比して、乳房を洗滌
後完全に拭き取られなかった洗滌剤が搾乳中に乳房を伝
わって乳頭に流れ落ち牛乳に混ざり込んでしまうことは
なく衛生的であり、洗滌剤の使用量が少なくて済み洗滌
剤の処理も短時間で可能である。また、カップを乳頭の
周囲にあてがった後、乳頭収容部内への給水手段により
乳頭に洗滌剤を流して乳頭の洗滌を行うから、洗滌剤の
ホースを併用する場合に比して、カップと同時に洗滌剤
のホースをも保持し、取り扱う手間は回避することがで
きる。また、カップ内に洗滌剤のホースを突っ込んで洗
滌することによるホースの汚れの移転がなく衛生的であ
る。更に、乳頭の形状にほぼそうべく形成した乳頭収容
部を持つカップに洗滌剤のホースを突っ込む隙間を設け
なくて済むので、カップと乳頭を隙間なく良く密着させ
ることができて、洗滌中洗滌剤がカップ外に飛び散って
周囲を濡らすようなことがなく、また洗滌後そのまま同
じカップで吸引による搾乳を行う場合は乳の吸引効率が
良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による乳頭の洗滌法の実施に用いられ
るカップの１実施例を示す１部断面正面図である。第２図は、本発明の洗滌法の実施に用いられるカップの
他の実施例を示す１部断面略示図である。第３図は、本発明の洗滌法の実施に用いられるカップの
更に他の実施例を示す、第２図と同様な略示図である。第４図は、４個のカップを備えた、本発明による搾乳セ
ットの部分斜視図である。 1,16,23……カップ、3,27……乳頭、４……可撓壁、5,2
5……内側ケース、6,24……外側ケース、34……４方向
弁、40……乳質測定計、43……搾乳セット。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】乳頭の形状にほぼそうべく形成した乳頭収
容部を持ちその内部への給水手段を設けたカップを乳頭
の周囲にあてがった後、乳頭に沿って水のみの洗滌剤又
は石鹸又は消毒剤を加えた洗滌剤を流すと共に、前記乳
頭収容部の可撓壁に脈動圧力変化を与えながら乳頭の洗
滌を行うことを特徴とする乳頭の洗滌法。
【請求項２】洗滌と同時に搾乳を行い、洗滌剤供給終了
後カップの排出部を搾乳の排出管に連結することを特徴
とする請求項１記載の乳頭の洗滌法。
【請求項３】カップの排出部から前記カップ内に真空を
生じさせることを特徴とする請求項１又は２記載の乳頭
の洗滌法。
【請求項４】カップ内に、乳頭の形状にほぼそうべく形
成しかつ可撓壁で形成した乳頭収容部を設け、該乳頭収
容部の内部への給水手段を設け、更に乳頭収容部に脈動
圧力変化を与えるように構成したことを特徴とする乳頭
の洗滌装置。
【請求項５】洗滌と同時に搾乳を行い、洗滌剤供給終了
後カップの排出部を搾乳の排出管に連結するように構成
したことを特徴とする請求項４記載の乳頭の洗滌装置。
【請求項６】カップの排出部から前記カップ内に真空を
生じさせるように構成したことを特徴とする請求項４又
は５記載の乳頭の洗滌装置。
【請求項７】カップ内に、乳頭の形状にほぼそうべく形
成しかつ可撓壁で形成した乳頭収容部を設け、該乳頭収
容部の内部への給水手段を設け、更に乳頭収容部の可撓
壁に脈動圧力変化を与えるように構成したことを特徴と
する乳頭の洗滌装置用のカップ。
【請求項８】洗滌と同時に搾乳を行い、洗滌剤供給終了
後カップの排出部を搾乳の排出管に連結するように構成
したことを特徴とする請求項７記載の乳頭の洗滌装置用
のカップ。
【請求項９】カップの排出部から前記カップ内に真空を
生じさせるように構成したことを特徴とする請求項７又
は８記載の乳頭の洗滌装置用のカップ。