JP2529678B2 - 集電子のない直流モ―タの制御回路及び直流モ―タと転流回路を具える装置 - Google Patents

集電子のない直流モ―タの制御回路及び直流モ―タと転流回路を具える装置

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JP2529678B2 JP62012632A JP1263287A JP2529678B2 JP 2529678 B2 JP2529678 B2 JP 2529678B2 JP 62012632 A JP62012632 A JP 62012632A JP 1263287 A JP1263287 A JP 1263287A JP 2529678 B2 JP2529678 B2 JP 2529678B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は集電子の無い直流モータ(collector−less
d.c.motor)の制御回路に関するもので、このモータは
転流センサを持たず、かつ任意の数の磁極ペアーを有す
る永久磁石回転子と、固定子および多相システムを形成
する少なくとも2個の巻線を具え、回転子の永久磁石磁
界によって巻線中に誘導された電圧に基づいて、その各
相は転流状態(commutation state)に従って転流ステ
ップを実行するために電子的スイッチング素子によって
直流電源の負および/または正磁極に接続できる。
電子的に転流される直流モータにおいては、正しい転
流を確保するために瞬時回転子位置を決定する必要があ
る。通常、これは(フォトダイオード,ホールゼネレー
タ等の)センサによって実行されている。そのような素
子をモータ中に組み込むことを避けるため(不経済であ
り、かつスペースを要求するから)、電流の無い各時点
で電機子巻線に誘導された電圧を測定し、転流を実行す
るためにこれらの電圧から瞬時回転子位置に対応する信
号を取り出すことが知られている。しかし、誘導された
電圧の大きさは、モータの規格、さらにモータの速度に
依存している。その結果、回転子位置は、特定の最小速
度以上の場合だけ決定でき、この最小速度以下の速度で
は正確な転流が行なわれなくなってしまう。このような
事態は特にモータの静止状態にも適用されるので、その
場合モータの正しいスタートは保証されず、特別のスタ
ーティング回路が必要になってしまう。
西ドイツ国特許公報第2604638号は、転流の目的で基
準電圧に対し3相で誘導された電圧の符号のパターンを
用いる集電子の無い直流モータについて記載している。
しかし、このことは任意の瞬間において、少なくとも1
つの相が電流無し(currentless)でなければならぬこ
とを意味している。レベル測定に共通基準電位が必要に
なるため、この制御回路は、外部中性点(star point)
を有する星型に配列されたモータについてしか適合する
ことができない。さらに、この回路は特別のスターティ
ング論理回路の使用を必要とする。
本発明の目的は、すべての速度領域で正しく動作し正
しいスターティングが保証された集電子の無い直流モー
タの転流回路を提供することにある。
本発明によれば、この目的は、前記電子的スイッチン
グ素子によって前記直流電流源に接続されない巻線に誘
導された電圧の符号が、瞬時転流状態に依存する所定の
符号に対応するか否かを示す比較信号を発生し、 前記電子的スイッチング素子がターンオフする結果と
して、擬似零クロスを発生させる過渡効果が生じる期間
中に前記比較信号を禁止し、 前記スイッチング素子が1個の転流ステップに亘って
切り換えられるように構成したことを特徴とする集電子
のない直流モータの制御回路、により達成される。
制御回路は、直流電源に接続されておらず電圧が誘導
されている巻線の電圧と、転流状態に依存する所定の符
号とを比較する。比較信号は寄生零交叉を発生させる過
渡効果が電流源のターンオフされる結果として起こる期
間中抑制される。別の時刻に比較電圧は評価され、この
評価に基づいて転流が1ステップ進む。
寄生零交叉が禁止されていると言う理由で誤った転流
が生ずるのを防止することができる。別の利点は、回路
が広い速度範囲にわたって信頼性ある動作のできること
である。この理由は、巻線に誘導された電圧の絶対値は
抑制に利用されず、誘導された電圧の符号のみが考慮さ
れているからである。本発明による回路はどんなセンサ
あるいは類似の素子の使用をも必要としていない。
本発明の好適には、前記巻線が電子的スイッチング素
子によって前記直流電流源に接続されていない巻線電圧
期間を含む信号(uxj)から、外部から入手でき又は計
算される中性点電圧を減算することにより測定電圧
(ui)を計算し、 モータの瞬時転流状態の測定電圧の符号を規定する公
称位相信号(sui)を発生し、 前記測定電圧(ui)の符号と前記公称位相信号(su
i)によって規定される符号とが互いに同一か否かを示
す比較信号(si)を発生し、 前記電子スイッチング素子のターンオフの結果とし
て、擬似零クロスを発生させる過渡効果が前記巻線に発
生する期間中に、所定の時間長に亘って前記比較信号
(si)を禁止し、 前記測定電圧(ui)の符号と前記公称位相信号(su
i)によって規定される公称信号とが互いに相異する場
合、前記電子的スイッチング素子が、前記比較信号(s
i)に応じて1個の転流ステップだけ進められるように
構成したことを特徴とする。
この制御回路は寄生零交叉を生じさせる過渡効果が巻
線中に存在しない場合にのみ、測定電圧の符号と公称符
号との比較に応答し、この符号の比較によって電子的ス
イッチング素子をスイッチしてさらに1転流ステップ進
める。このことは、各転流の後直ちに誘導された電圧を
評価せず、引き続く寄生零交叉を生じさせるおそれのあ
るすべての過渡効果の影響が除去されるように選択され
た遅延の後にだけ評価することを意味している。この遅
延時間のあと、測定電圧の符号が変化すると転流は1ス
テップ進む。引き続いて、この転流の結果、公称位相信
号は別の公称符号を示すことになる。寄生零交叉を持つ
過渡効果の影響を除去するために、測定電圧が所定の期
間再び禁止された後測定電圧の符号と公称符号とが比較
される。この禁止期間のあと、公称位相信号によって示
された符号は測定電圧と再び比較される。正しい転流の
ケースでは、これらの符号は測定電圧の符号が変化する
まで同じままに留まり、そのあとで転流は再び1ステッ
プ進む。
このようにして制御回路は非常に信頼性のある動作を
する。この理由は、寄生零交叉を生じさせる過渡効果の
影響が信頼性のある態様で除去され、従って誤りのある
転流を生じないからである。さらに、この回路は広い範
囲の速度にわたって信頼性のある動作をする。と言うの
は、誘導された電圧の絶対値は無関係であり、それらの
符号のみが転流の目的に利用されているからである。制
御回路は2相あるいはそれ以上の相で誘導された電圧を
直接用いず、回転子位置を決定するためにそこから導か
れた測定電圧を用いるから、星型配列のモータはモータ
の外の中性点を持つ必要はない。さらに、この回路はま
たデルタ配列のモータと共役的に使用されてもよい。関
連するモータが外部的に利用可能な相電圧(star volta
ge)で動作され、従ってこの電圧が回路中で計算される
必要の無いことは明らかである。
本発明の別の実施態様では、電子的スイッチング素子
は、スイッチング素子が所定の期間比較信号によって進
まされていないなら、さらに追加の1転流ステップがス
イッチされる。
モータがスタートされた場合、あるいは回転子が止め
られたあと、誘導電圧と測定電圧は零になる。それ故、
測定電圧の符号は変化せず、従って回転子位置は決定で
きず、そしてモータは正しく転流されず、その結果、回
転子は回転状態に設定されなくなるおそれがある。この
理由で、モータが所定の期間転流ステップを行わない場
合に、転流は自動的に1ステップ進み、これは回転子が
非常にゆっくり回転するかあるいは静止しているかのい
ずれかであることを示すものである。この転流ステップ
のあと、制御回路は正規に進み、すなわち禁止期間のあ
と、測定電圧の符号は公称符号と比較され、正しくない
回転のケースでは、すなわち、2つの信号が異なった符
号を有する場合、転流を1ステップ進ませる。このよう
にして、瞬時回転子位置に対する適切な転流状態は急速
に達成され、従って引き続いてモータは加速される。か
くして、モータのスタートのあとの正しい転流状態は回
転が止められてしまったあとでまた得られることにな
る。
本発明の別の実施態様によると、電子的スイッチング
素子の状態および公称位相信号はシフトレジスタの出力
信号の2進結合によって決定され、このシフトレジスタ
は6つの位置を通って巡循し、そしてこのシフトレジス
タは比較信号によってか、あるいはこのスイッチング素
子が所定の期間比較信号によって発動されない度毎のい
ずれかで発生されるシフト信号によって進められてい
る。
モータの転流状態は6つの状態を巡循するシフトレジ
スタの位置に従う。2進論理演算により、シフトレジス
タの出力はスイッチング素子に対する信号と、測定電圧
の正しい符号を示している公称位相信号を供給する。シ
フトレジスタはシフト信号によって進められる。もしこ
のシフト信号が所定の期間出現しそこなうと、シフトレ
ジスタはまた1位置進む。かくして、スイッチング素子
に対する制御信号および架空の星型電圧(fictitiousst
ar voltage)を導き、かつ回転子位置を決定するための
制御信号の双方はシフトレジスタと2進論理演算によっ
て得ることができる。
本発明の別の実施態様では、測定電圧はアナログマル
チプレクサとアナログ計算回路によって決定されてい
る。
もし星型電圧がモータの外で利用できないなら、それ
は計算しなければならない。測定電圧はアナログマルチ
プレクサとアナログ計算回路によって導かれている。例
えば3巻線を有するモータのケースでは、アナログマル
チプレクサは常に3相電圧のそれらのサブインタバル
(sub−interval)と結合され、そこでは過渡効果と、
それに続く誘導電圧が生起する。例えば、このアナログ
マルチプレクサはシフトレジスタの出力で2進論理演算
を実行することで得られた信号によって制御されよう。
本発明の別の実施態様では、測定電圧が所定の正電圧
を越えるか、あるいは所定の負電圧以下に減少するよう
な期間で禁止されている。
過渡効果が巻線中に起こる間隔で比較信号が正しくな
い情報を与えるので、この比較信号はこれらの期間で抑
制される。この目的に対し、測定電圧が所定のより低い
負電圧以下に減少するか、あるいは所定の正電圧を越え
るかどうかが絶えず確かめられている。もしこれがその
ケースなら、過渡効果が1つの相で起り、そして測定電
圧の符号は正しくない結果を与える。この理由で、比較
信号はこれらの期間抑制され、すなわち、測定電圧の符
号と公称位相信号によって与えられた符号の比較はそこ
で無視される。
本発明の別の実施態様では、擬似零交叉の影響を除去
するために、電子的スイッチング素子の各スイッチング
動作のあとの所定の期間および各過渡効果のあとの所定
の期間に対して比較信号がさらに禁止される。
過渡効果の前と後に起る測定電圧の擬似零交叉が望ま
しくない転流とならぬことを保証するため、比較信号は
禁止され、すなわち、それは過渡効果の間のみならず、
過渡効果の前と後の所定の期間無視される。
本発明の別の実施態様において、比較信号の発生で、
その符号が公称位相信号によって示された測定電圧の符
号の逆である所定の小電圧を測定電圧が越えるかあるい
はそれ以下に減少するかどうかによって、測定電圧の符
号は決定される。
本発明の別の実施態様において、比較信号が各過渡効
果のあと禁止されている所定の期間の長さは過渡効果の
期間に依存している。もし過渡電流が充分急速に減衰し
ないなら(例えば、高い渦電流損失を持つモータのケー
スで)、このことは必要であろう。
測定電圧は低速のケースでは非常に小さく、そしてモ
ータが静止している場合には零であるから、測定電圧の
符号と公称位相信号によって与えられた符号を比較する
比較回路はランダム状態をとるかあるいは発振し始めよ
う。この理由で、測定電圧の符号は、測定電圧が所定の
小電圧を越えるがそれ以下に減少するかどうかの基準に
依存して決定される。公称位相信号に従って、最後に述
べられたこの電圧は、もし公称位相信号が正の公称符号
を示すなら、比較信号が負であり、そして負の公称符号
のケースでは比較信号が正であるように変化される。こ
のことは、誘導された電圧が非常に小さく、かつモータ
が静止している場合には測定電圧は常によく規定された
符号を有し、従って回路のそのあとの部分は発振を開始
できないことを保証している。
以下添付図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明
する。
第1図は3相システムを形成する3つの固定子巻線を
有する集電子の無い直流モータ用制御回路のブロック図
を示している。この制御回路は複数の回路部分、すなわ
ち信号整形回路1、電源回路2、位置測定回路3、およ
び遅延回路4を具えている。信号整形回路1はその出力
6,7,8が論理回路12の入力9,10,11に接続されているシフ
トレジスタ5を具えている。シフトレジスタ5はその入
力13に供給されるシフト信号shによって進められる。2
進論理演算により、論理回路12はスイッチング素子にス
イッチング信号p1,p2,p3,n1,n2,n3を、位置測定回路3
に公称位相信号suiと3つの制御信号st1,st2,st3を発生
する。
電源回路2は制御信号p1からn3によって規定された転
流状態に基づいて、固定子の3相巻線を電流源の正極あ
るいは負極に接続する。モータの第1巻線の端子21は接
続点22に接続する。第1ダイオード23はこの接合点22と
正極の間に接続され、第2ダイオード24は上記の接続点
と電流源の負極との間に接続されている。ダイオード23
の陽極は接合点22に接続され、そしてダイオード24の陰
性はこの接続点22に接続されている。スイッチング信号
p1はpnpトランジスタ25のベースに供給する。トランジ
スタ25は接続点22に接続されたそのコレクタと、電流源
の正極に接続されたエミッタとを有している。スイッチ
ング信号n1はnpnトランジスタ26のベースに供給する。
このトランジスタ26は電流源の負極に接続されたエミッ
タと、接続点22に接続されたコレクタとを有している。
この回路は、スイッチング信号p1が低レベルである場合
には巻線端子が電流源の正極に接続され、そしてスイッ
チング信号n1が高レベルである場合には負極に接続され
ることを保証している。2つのダイオード23と24によ
り、2つのトランジスタのターンオフ過渡現象によって
生じた過剰電圧は電流源の正極および負極にそれぞれ取
り出される。
第2固定子巻線の端子31は接続点32に接続する。第1
巻線と同様にこの接続点は、ダイオード33およびスイッ
チング信号p2によって切換えられるpnpトランジスタ35
を介して電流源の正極に接続され、またダイオード34お
よびベースがスイッチング信号n2を受信するnpnトラン
ジスタ36を介して電流源の負極に接続される。他の2つ
の巻線端子と同様に、第3固定子巻線の端子41はダイオ
ード43と44およびトランジスタ45と46によって電流源に
接続されている。pnpトランジスタ45のベースはスイッ
チング信号p3を受信し、npnトランジスタ46のベースは
スイッチング信号n3を受信している。電源回路2はスイ
ッチング信号p1が低レベルの場合に第1巻線の端子21を
電流源の正極に接続し、スイッチング信号p2が低レベル
の場合には第2巻線の端子31を、そしてスイッチング信
号p3が低レベルの場合には第3巻線の端子41を同様に電
流源の正極に接続する。同様に、スイッチング信号n1あ
るいはn2あるいはn3が高レベルの場合に第1〜第3の巻
線は電流源の負極に接続される。
3つの巻線電圧u1,u2,u3を送る端子21,31,41はさらに
位置測定回路3におけるアナログ計算回路54の入力51,5
2,53およびアナログマルチプレクサ58の入力55,56,57に
接続する。アナログマルチプレクサ58の別の3つの入力
59,60,61は信号整形回路1の論理回路12からの制御信号
st1,st2,st3を受信する。制御信号st1がアクティブの場
合、アナログマルチプレクサ58の入力55の信号u1はアナ
ログマルチプレクサ58の出力62に転送される。制御信号
st2はアナログマルチプレクサ58の入力60を介して信号u
2を端子31からアナログマルチプレクサ58の出力62に転
送する。同様なことが制御信号st3と端子41の信号u3に
も適用される。アナログマルチプレクサ58の出力62の信
号はuxjで示され、過渡効果および引き続いて誘導され
る電圧が発生する電圧u1,u2,u3のサブインタバルを含ん
でいる。この信号uxjは演算増幅器64の正入力63に印加
される。このアナログ計算回路54は入力51,52,53を介し
て供給された3つの入力信号u1,u2,u3の各々にファクタ
1/3を乗算し、これらの信号を互いに加算する。このア
ナログ計算回路54の出力55aは演算増幅器64の負入力66
に信号u40を送る。演算増幅器64は信号uiを送る出力65
を具えている。この出力信号uiは加算された測定電圧と
なる。信号uiは第1比較器72の第1入力71、第2比較器
74の第1入力73、および第3比較器76の第1入力75にそ
れぞれ供給される。第1比較器72の第2入力77は正の基
準電圧Ur3を受信し、第2比較器74の第2入力79は負の
基準電圧Ur2を受信する。これらの2つの基準電圧Ur2
Ur3は、過渡効果が起る場合にのみ測定電圧が上記の基
準電圧を越えるかそれより小さくなる様に選択される。
小さな零でない基準電圧Ur1が第3比較器76の第2入力8
0に印加される。第3比較器76の出力81は信号iuiを送
り、この信号は計算された測定電圧が基準電圧Ur1を越
えるかそれより小さいかどうかを示している。この信号
iuiはエクスクルーシブオア論理ゲート83の第1入力82
に供給される。信号整形回路1からの公称位相信号sui
はゲート83の第2入力84に印加される。このゲートから
出力される比較信号siは、公称符号信号suiと、基準電
圧Ur1と測定電圧との間の比較によって導かれた信号iui
とが互いに同一符号を持つかどうかを示している。公称
位相信号suiと信号iuiとが異なる符号を有する場合出力
信号siはハイになり、そして他のすべての場合にはロー
となる。公称位相信号suiはさらに第1アンドゲート92
の反転第1入力91と、第2アンドゲート94の第1入力93
に供給される。第1アンドゲート92の第1入力95は第1
比較器72の出力96に接続され、第2アンドゲート94の第
2入力97は第2比較器74の出力98に接続されている。第
1アンドゲート92の出力100はオアゲート102の第1入力
101に接続され、第2アンドゲート94の出力103はオアゲ
ート102の第2入力104に接続されている。アンドゲート
102の出力105は信号sdを送る。この信号sdは、スター電
圧uiが負の基準電圧Ur1より低いか、あるいは正の基準
電圧Ur3を越えるかのいずれかの場合ハイになる。
信号sdの各高−低縁(high−low edge)が生じた後、
遅延回路4中の第1遅延素子110は幅td2を有するパルス
を発生する。遅延素子110の出力信号はオアゲート116の
第1入力115に供給される。オアゲート116の出力117は
シフト信号shを送る。このシフト信号shは信号整形回路
1のシフトレジスタ5の入力13と、遅延回路4のアンド
ゲート119の反転入力118とに印加される。アンドゲート
119の第2入力120は位置測定回路3のエクスクルーシブ
オアゲート83の出力85に接続され、これは信号siを送
る。アンドゲート119の出力121は第2遅延素子122に接
続され、この遅延素子はその入力の各低−高縁(low−h
igh edge)に従って幅td1のパルスを発生する。この遅
延素子122の出力信号はオアゲート116の第2入力123に
印加される。さらに、アンドゲート119の出力121は遅延
素子123aのリセット入力122aと、オアゲート125の第1
入力124とに接続される。オアゲート125の出力126は遅
延素子123aの信号入力に接続され、これはこの入力信号
を所定の時間間隔td3だけ遅延する。この遅延素子123a
にはパルス整形器130が続き、これは遅延素子123aの出
力信号中の各高−低縁で長さtd4のパルスを発生する。
この信号はオアゲート116の第3入力131と、オアゲート
125の第2入力132に印加されている。
シフト信号shを送るオアゲート116の出力117は、次の
条件が成立すると出力パルスを供給する。すなわち i.遅延素子110を介してオアゲート116の入力115に信号s
dが到達する場合、 ii.信号siと反転されたフィードバックシフト信号shと
の加算によって得られた信号がオアゲート116の第2入
力123に到達する場合、 iii.期間td3の間、どんな信号もアンドゲート119の出力
121に現れず、従ってパルス整形器130がオアゲート116
の第3入力131に供給されるパルスを時間期間td4中に発
生する場合、 第2図は信号整形回路1の回路図である。信号rvに基
づいて、シフト信号shはこの回路の入力13を経由してシ
フトレジスタ5の第1シフト入力200又は第2シフト入
力201のいずれかに供給される。信号shが第1入力に印
加されると、シフトレジスタは順方向にシフトし、そし
て他のすべてのケースでは逆方向にシフトする。従っ
て、信号rvにより、シフトレジスタのシフト方向、従っ
て転流サイクル及びモータの回転方向が選択される。シ
フトレジスタ5の3つの出力6,7,8はシフトレジスタの
入力202,203,204に接続される。出力6は入力203に、出
力7は入力204に、そして出力8は入力202に接続されて
いる。正方向のシフトの後、入力202からの入力信号は
出力6に現れ、入力203からの入力信号は出力7に現わ
れ、そして入力204からの入力信号はシフトレジスタ5
の出力8に現われる。スイッチング素子のためのスイッ
チング信号p1,p2,p3,n1,n2,n3は論理回路、すなわちイ
ンバータとアンドゲートによって、シフトレジスタ5の
出力信号6,7,8から取り出される。シフトレジスタ5の
出力6は信号s1を送り、出力7は信号S2を送り、そして
出力8は信号S3を送る。信号p1からn3は、信号S1,S2,S3
についての以下の論理から得られる。
公称符号信号suiと同様に、制御信号st1,st2,st3はイ
ンバータ、アンドゲートおよびオアゲートによって制御
信号p1,p2,p3,n1,n2,n3から導かれている。信号の論理
組合せは以下の通りである。
第3図は位置測定回路3の回路図である。信号整形回
路1中の論理回路12からの制御信号st1,st2,st3はアナ
ログマルチプレクサ58の入力59,60,61に印加される。出
力292が負入力293に接続されている演算増幅器291の正
入力290に信号u1が供給される。演算増幅器291の出力29
2はさらにアナログマルチプレクサ58の入力55に接続す
る。同様に、信号u2は演算増幅器294を介して入力56に
供給され、信号u3は演算増幅器295を介してアナログマ
ルチプレクサ58の入力57に供給される。アナログマルチ
プレクサ58は、信号st1がハイの場合、入力55の信号が
その出力62に転送されるように動作する。同じことが入
力56と信号st2に、そして入力57と信号st3に適用され
る。適当に選ばれた制御信号st1,st2,st3の場合に、出
力信号62は過渡効果および引き続いて誘導される電圧が
起こる巻線電圧u1,u2,u3のそれらのサブインタバルを含
んでいる。アナログマルチプレクサ58の出力62の信号は
uxjと記号が付けられ、抵抗304を介して接続点305に印
加される。抵抗307によって別の接続点306は演算増幅器
291の出力292に接続されている。同様に、演算増幅器29
4は抵抗308を介して接続点306に接続され、そして演算
増幅器295は抵抗309を介して接続点306に接続されてい
る。電圧u1,u2,u3各々がファクタ1/3で乗算されて接続
点306に現われることを保証するために、抵抗307,308,3
09は等しい抵抗値を持たねばならない。接続点306は演
算増幅器312の負入力311に接続され、その出力314は抵
抗315を介して演算増幅器312の負入力311にフィードバ
ックされている。演算増幅器312の正入力316はアースに
接続されている。演算増幅器312の出力314は信号−u40
を供給し、これは抵抗317を介して接続点305にフィード
されている。信号uxjと−u40が等しい割合で接続点305
に現われることを保証するために、抵抗304と317は等し
い抵抗値を持たねばならない。接続点305は演算増幅器3
22の負入力321に接続され、その正入力323はアースに接
続され、その出力324は可変抵抗325を介して負入力321
にフィードバックされている。抵抗326によって、演算
増幅器322の出力324は演算増幅器332の負入力331に接続
され、その正入力は抵抗333を介してアースに接続さ
れ、そしてその出力334は可変抵抗335を介して負入力33
1にフィードバックされている。演算増幅器332の出力33
4は信号ui、すなわち計算された測定電圧を送る。
位置測定回路はさらに信号整形回路1から信号suiお
よびモータの回転方向を示す信号rvを受信する。これら
2つの信号はエクスクルーシブオアゲート343の2つの
入力341と342に印加される。エクスクルーシブオアゲー
ト343の出力344はスイッチ352の第1入力351に直接接続
され、またインバータ353を介してスイッチ352の第2入
力354に接続されている。電圧源(示されていないの
が)の正極361は5個の直列接続抵抗362,363,364,365,3
66を介して電圧源の負極367に接続されている。電圧源
の極361と367の電圧はアースに対しバランスされてい
る。電圧および抵抗362,363,364,365,366の値は、+2V
の電圧が抵抗362と363の間に、そして+200mVの電圧が
抵抗363と364の間に、−200mVの電圧が抵抗364と365の
間に、そしてアースに対し−2Vの電圧が抵抗365と366の
間に現れるように選ばれている。+200mVの電圧がスイ
ッチ352の第3入力371に印加され、そして−200mVの電
圧がスイッチ352の第4入力372に印加されている。スイ
ッチ352は2つの入力351と354によって制御され、そこ
には信号suiと信号rvのオア結合がそれぞれ反転形式お
よび非反転形式で現われている。これらの信号によっ
て、スイッチ352は+200mV電圧あるいは−200mV電圧を
その出力373に転送するかのいずれかである。もし信号s
uiが高いなら出力373は−200mVの電圧を送り、もし信号
suiが低いと出力373は+200mVの電圧を送るようにして
このことは実行される。スイッチ352のこの出力373は基
準電圧Ur1を供給する。抵抗362と363の間の接合点から
取られたアースに対し+2Vの電圧は基準電圧Ur3であ
り、抵抗365と366の間の接合点から取られたアースに対
し−2Vの電圧は基準電圧Ur2である。
3つの基準電圧Ur1,Ur2,Ur3および測定電圧uiは第1
図の位置測定回路3におけるものと同様に3つの比較器
72,74,76に印加され、それらの出力は論理ゲート92,94,
83および102によってお互に接続されている。ゲート102
の出力105は信号sdを供給し、ゲート83の出力85は比較
信号siを供給する。
例えば、もし公称位置信号が高いなら、基準電圧Ur1
は負である。比較器76はこの基準電圧を測定電圧uiと比
較する。ui<Ur1なら、信号siは高くなり、ui>Ur1
ら、この信号は低いであろう。測定電圧uiが基準電圧U
r3を越えるかあるいは基準電圧Ur2より低い場合に、こ
の信号sdは常にハイになる。
第4図は第1図に示された遅延回路4の回路図であ
る。信号sdはオアゲート402の第1入力401に印加され
る。信号siはアンドゲート404の第1入力403にフィード
され、その出力405はオアゲート402の第2入力406に接
続されている。オアゲート410はシフト信号shをその出
力411に生成する。このシフト信号shは制御回路中のシ
フトレジスタ5の入力13と、遅延回路中のアンドゲート
404の反転第2入力412とに供給されている。アンドゲー
ト404の出力405はオアゲート402の入力406とシフトレジ
スタ417のリセット入力416の双方に接続されている。シ
フトレジスタ417のシフト入力418はその出力信号が周波
数50kHzを持っている方形波発振器420の出力419に接続
されている。シフトレジスタは次々に配列されている14
個の蓄積セルを具え、その最後の4つの蓄積セルはアン
ドゲート430の4つの入力に接続されている。アンドゲ
ート430の出力431はアンドゲート410の入力433に接続さ
れている。
オアゲート402の出力440は直列になった3つの蓄積セ
ルを具えるシフトレジスタ442の反転リセット入力441に
接続されている。最後の蓄積セルの反転出力443はオア
ゲート410の入力444と、アンドゲート446の入力445とに
接続されている。アンドゲート446の第2入力447は発振
器420から50kHz信号を受信する。アンドゲート446の出
力448はシフトレジスタ442のシフト入力449に接続され
ている。その出力411が信号shを供給するオアゲート410
の入力451はアンドゲート404の出力405に接続されてお
り、このアンドゲート404の入力403と412は信号siと反
転された信号shを受信している。
遅延回路は次のように動作する。すなわち、 オアゲート402の入力に印加された(si∧▲▼)
パルスはシフトレジスタ442をリセットする。このこと
は反転出力443の高レベルとなり、それはシフトレジス
タ442が進められるようにオアゲート410の入力とアンド
ゲート446に印加されている。このレジスタ442は蓄積セ
ルが再びセットされ、反転出力が低くなるまで進められ
る。しかし、正規の動作の間、シフトレジスタはsdパル
スによって前もってリセットされている。sdパルスのあ
とで、一度シフトレシスタ442がリセットしてしまう
と、シフトレシスタ中の蓄積セルは低レベルが反転出力
上に現われるまで次々とセットされるから、オアゲート
410の出力411は再び低くなり、そしてアンドゲート446
はシフトレジスタ442を禁止する。正規の動作条件で
は、信号sdのあとでシフトレジスタ442によって決めら
れた遅延が経過し、そのあとで信号shが再び低くなるま
で信号shは各(si∧▲▼)パルスのあとで高くな
る。
もしモータがこの条件で動作するなら、すなわち、も
し転流が回転子位置と同相であり、かつshパルスが規則
正しい間隔で発生されるなら、シフトレジスタ417は毎
回(si∧▲▼)パルスによってリセットされる。も
しこのことが起こらず、かつシフトレジスタ417の最後
の蓄積セルがセットされると、「0」がアンドゲート43
0の出力431に現われる、すなわち、オアゲート410の出
力411上にshパルスが現われよう。このパルスはシフト
レジスタ417を再びリセットする。このことは、もしモ
ータが静止しているかあるいは非常に低いスピードを有
するなら、すなわち、もしこれ以上shパルスが発生され
ないかあるいはそれらがお互に非常に長い時間間隔で現
われるなら、シフトレジスタ417は自動的にshパルスを
発生することを意味している。
第5,6,7図は制御回路に現われる若干の信号と電圧波
形を示している。第5,6,7図を参照して説明される制御
回路の個々の要素に対する参照記号は第1図に示された
制御回路のブロック図に関連している。
第5図は6つのサブインタバルに対する制御回路の若
干の信号と波形を示している。サブインタバルIからVI
はサイクリックな順序で起り、信号整形回路1中のシフ
トレジスタ5の6つの状態に対応している。第5図では
信号p1,p2,p3,n1,n2,n3はこれらの6つのサブインタバ
ルについて示されている。信号p1,p2,p3はトランジスタ
25,35,45によって巻線端子21,31,41を電流源の正極に接
続する。サブインタバルIとIIの間で、信号p1は低い。
これらのサブインタバルの間、トランジスタ25はターン
オンされ、端子21を電流源の正極に接続するようにす
る。サブインタバルIIIからVIの間で、信号p1は高く、
従ってトランジスタ25はカットオフされる。同様に、信
号p2とp3は端子31と41を電流源に接続するようにしてい
る。サブインタバルIIIとIVの間で信号p2は低く、そし
てサブインタバルVとVIの間で信号p3は低いので、これ
らのサブインタバルの間で対応する端子は電流源の正極
に接続される。トランジスタ26,36,46によって、信号n
1,n2,n3は端子21,31,41を電流源の負極に接続する。ト
ランジスタ26,36,46は、もし信号n1,n2,n3が高いならタ
ーンオンされる。信号n1に対してサブインタバルIVおよ
びVの間でこれはそのケースであり、信号n2に対してサ
ブインタバルIおよびVIの間でそうであり、信号n3に対
してはサブインタバルIIおよびIIIの間でそうである。
信号p1からn3と同様にして、この図にまた示されている
信号st1,st2,st3,suiは信号整形回路1の論理回路12か
ら導かれている。もし端子21が電流源の正端子にも、あ
るいは負端子にも接続されていないと、信号st1は常に
高い。これはサブインタバルIIIおよびVIの間で信号st1
に対するそのケースである。同じことが信号st2,st3に
適用され、信号st2はサブインタバルIIおよびVの間で
高く信号st3はサブインタバルIおよびIVの間で高い。
信号st1,st2,st3はこのようにサブインタバルを規定
し、そこでは過渡効果および引き続いて誘導される電圧
は関連する巻線中に起こる。もしそのあとに誘導電圧が
続く過渡効果が、関連端子が電流源の正極から切離され
てしまったあとで端子21,31,41に接続された3つの巻線
のうちの1つに起こるなら、公称符号信号suiは常に高
い。これはサブインタバルI,II,Vの間のケースである。
第5図はまたサブインタバル間に巻線端子21,31,41上
に現われる電圧波形u1,u2,u3を示している。サブインタ
バルの間低い信号p1に応じて、サブインタバルIおよび
IIの間、巻線端子21は電流源の正極に接続される。サブ
インタバルIIIの間、信号p1は高く、信号n1は低いの
で、巻線は電流源の正極にも負極にも接続されない。こ
のサブインタバルの間に過渡効果が巻線に起り、その間
電圧は零ボルト以下の値に一時的に減少する。この時間
の間、ダイオード24は導通し、過渡電流を流す。引き続
いて、このダイオード24はターンオフし、巻線中に誘導
される電圧を測定できるようにする。過渡効果のあと、
この誘導電圧は正の値を持ち、そしてサブインタバルII
Iの間にこの値の約半分まで減少する。サブインタバルI
VおよびVの間に、巻線端子21は、これらのサブインタ
バル間で高い信号n1に応じて電流源の負極に接続され
る。サブインタバルVIにおいて過渡効果が起こり、引き
続いて誘導電圧が現われる。原理的には、電圧波形u2と
u3は同じ形状を持つが、しかしそれらは電圧波形u1に対
して2つのサブインタバルだけシフトされている。
さらに第5図は信号uxjを示し、これは位置測定回路
3のアナログマルチプレクサ58の出力62に現われる。こ
の信号uxjは3つの巻線電圧u1,u2,u3のサブインタバル
を正確に具えており、ここで誘導電圧を伴う過渡効果が
続く。上記の図面にも示されている電圧波形u1は演算増
幅器64の出力65に現れる測定電圧である。この測定電圧
は信号uxjの波形に類似した波形を持っているが、零ラ
インに対して対称になっている。
第5図はu1,u2,u3,uxj,uiの理想化された電圧波形を
示しているが、擬似零交叉を生ずる(ある得る)過渡現
象は示されていない。
第6図は、例えばサブインタバルIIの終りやサブイン
タバルIIIの初めで現われるような測定電圧を示してい
る。測定電圧uiは最早や理想化された形で示されていな
い。過渡効果は零点のまわりで電圧が揺動するリンギン
グを伴なっている。引き続いて、誘導電圧は安定化す
る。信号sui,iui,si,(si∧▲▼)(遅延回路4の
アンドレジスタ119の出力)、sh,t d1,sd,t d2は信号ui
と同じ期間で第5図に示されている。例えば、モータの
正規の動作の間のサブインタバルIIとIIIの間の遷移に
おける、すなわち回転子と転流がお互に同相である場合
に起るような転流サイクルをこの信号は現わしている。
測定電圧uiの線図はまた基準電圧Ur1,Ur2,Ur3を示して
いる。もし公称位相信号suiが低いと低い基準電圧Ur1
正であり、もし信号suiが高いとそれは負である。信号u
iは先ず負であり、そのあと正ではあるがUr1より小さ
い。これらの期間、信号iuiは低い。測定電圧uiが信号U
r1を越えるや否や、信号iuiは高くなる。転流がまだ進
んでいないと言う理由でこの瞬間にsuiがまだ低いか
ら、信号siは高くなる。と言うのは,測定電圧uiの符号
は公称位相信号suiによって与えられた符号に対応しな
いからである。信号siが高くなる場合、遅延回路4はsh
パルスを発生する。このshパルスはシフトレジスタ5を
進める。その順で信号suiは高くなる。測定電圧は公称
位相信号suiで与えられる符号を持つから、信号siは再
び低くなる。しかし、次の過渡効果の間に測定電圧は基
準電圧以下に減少するので、信号iuiは再び低くなり、
信号siは再び高くなる。過渡現象が続き、かつ擬似零交
叉となるリンギング効果の間に2つの信号のレベルは何
回か変化する。過渡効果と引き続く擬似零交叉が起る全
期間に、シフト信号shは高く保たれている。信号shが再
び低くなったあとでのみ、信号siが低から高に変ると新
しい転流が実行できる。かくして、過渡効果およびあり
得る擬似零交叉の間に常に高いように信号shの幅が選ば
れる。シフトパルスshの幅はパルス整形器110と122によ
って供給されたパルスの幅によって決定される。パルス
整形器122は信号siが低から高に変ったあとで幅t d1の
パルスを供給する。パルス整形器110は信号sdが高から
低に変わったあとで幅t d2のパルスを供給する。測定電
圧が基準電圧Ur2より小さいか、あるいは基準電圧Ur3
越える場合に信号sdは常に高い。第6図に示された例で
は、過渡効果の間、測定電圧は基準電圧Ur2より小さく
なっている。パルスt d2の終了後、パルスshは低くな
る。基準電圧Ur1と公称符号信号suiによって示された符
号との比較によって得られた測定電圧uiの符号が最早や
対応しないと、すなわち信号siが再び高くなるや否や、
次の転流が開始される。第6図に示された例では、パル
スshが再び低くなったあと、測定電圧は正しい符号を持
つ、すなわち回転子が所与の転流状態に対し正しい位置
を持つ。測定電圧が基準電圧Ur1(これは負であるが)
より小さくなると次の転流が始まるが、これは図には示
されていない。
このことは、過渡効果の前あるいはあとで何の過渡効
果あるいは擬似零交叉も起らない期間でのみ、測定電圧
uiが正しい転流の基準として用いられることを意味して
いる。
第7図の線図は第5図と同様な電圧と信号波形を示し
ているが、しかしモータが最初静止しており、そしてス
タートのあとで回転子が瞬時転流状態と一致しない位置
にあることが仮定されている。
回転子が静止していると、回転子巻線には何の電圧も
誘導されない。このことは最初に測定電圧が零であるこ
とを意味している。従って、信号siは転流を生成しな
い。t d3の間、このことがそのケースであるなら、遅延
回路は幅t d4のパルスを発生し、これはまた第7図に示
されている。これはパルスshを生じ、すなわちモータの
転流は1ステップ進む。現在の例では、信号suiは低か
ら高に変化する。転流ステップに続く過渡効果は、測定
電圧uiが最初にUr1より僅かばかり高いが、しかし引き
続いてそれはUr1より小さくなり、それからまたUr2より
小さくなると言う結果となる。従って、転流のすぐあと
で信号iuiは短期間高くなり、引き続いてまた低くな
る。信号iuiが低い期間、信号siは高くなる。と言うの
は公称符号信号suiは正符号を示し、これは電圧の実際
の符号であるが、しかしこれは基準電圧Ur1と比べて負
であるからである。シフトパルスshの低から高への遷移
は、パルスt d1が発生されると言う結果となる。測定電
圧uiが基準電圧Ur2より小さい期間、sdパルスが発生さ
れ、その低から高への遷移は幅t d2のパルスを供給す
る。しかし、転流を開始するパルスの幅t d4は、どんな
場合でも高から低へのその遷移がt d2のパルスのあとで
起るように選ばれている。もしパルスt d4が再び高から
低に変化し、かつshパルスが同様に振る舞うなら、信号
suiとiuiの符号は再び比較される。現在の例では、架空
の星型電圧は基準電圧Ur1より小さい。しかし、信号sui
によって規定された符号は正である(suiは高い)。こ
のことは、shが高から低に移る場合に信号siが高いこと
を意味している。従って、遅延回路4中のゲート119の
出力121上にパルスが発生される。このパルス(論理si
∧▲▼)は直ちに新しいshパルスを開始する。従っ
て、転流は直ちに1ステップ進む。引き続いて、(第7
図には示されていないが)各shパルスのあとで架空の星
型電圧が公称位相信号suiによって規定された符号を持
つかどうかが確かめられる。もしそうでないなら、次の
shパルスおよび次の転流ステップが開始される。これは
測定電圧が正しい符号を持つまでに、すなわち、固定子
巻線の転流状態が瞬時回転子位置と一致するまで繰り返
される。一度このことが達成されると、転流は第6図の
例と同様に進行する。
第8図は第3図に示された位置測定回路の変形の回路
図である。この回路はアースに対してバランスしている
2つの電圧を供給する電圧源の使用を必要としていな
い。この変形回路では、信号uxjと接合点306に現われる
計算された中性点電圧u40は第3図に示された回路と同
様に得られている。信号uxjは抵抗601を介して比較器60
3の正入力602に印加される。さらに、この入力602は抵
抗604を介して電圧Ub/2を送る点に接続されている。抵
抗601と604は同じ抵抗値を持たねばならない。比較器60
3の負入力605は接合点306に接続され、そこに計算され
た中性点電圧u40が現われる。比較器603の出力607は抵
抗608を介してその負入力605に接続されている。この抵
抗608は抵抗307,308の抵抗値の3分の1を持たねばなら
ない。測定電圧uiは演算増幅器603の出力607に印加され
ている。さらに、比較器72から76と出力ゲートは第3図
に示された回路と同様に配列されている。同様に、信号
suiとrvの処理、および電圧源の配列とスイッチ352の配
列は第3図に示された回路と同様である。唯一の差は抵
抗366が電圧源のアース端子610に接続され、かつ抵抗36
2が同じ電圧源の正極611に接続されていることである。
この正電圧は値Ubを持ち、従って抵抗604が接合されて
いる点上の電圧の2倍高い。
既に述べたように、第8図に示された回路と第3図に
示された回路との間の差は、アースに対してバランスし
ている2つの電圧を発生する電圧源の使用を必要としな
いことである。この理由で、第8図に示された回路の比
較器72から76に印加された測定電圧uiは第3図の測定電
圧と比べて直流電圧Ub/2だけ持ち上げられている。比較
器72から76に印加された直流電圧は同じ直流電圧値だけ
シフトされている。
第9図は第4図の遅延回路の変形を示している。この
変形では、比較信号が各過渡効果のあとで禁止される間
の時間は過渡効果の期間、すなわち信号sdの期間に依存
している。第9図に示された回路は、そのクロック入力
が発振器420の出力419に接続されている追加のカウンタ
621を備えている点で第4図に示された回路と異なって
いる。カウンタ621の別の入力623は信号sdを送る点に接
続されている。カウンタはこの入力623を介して切り替
えられている。すなわち信号sdのレベルによってカウン
タ621はカウントアップするかカウントダウンする。カ
ウンタ621の桁上げ出力624はオアゲート410の追加入力6
25に接続されている。カウンタ442のリセット入力441は
アンドゲート404の出力405に直接接続されているから、
カウンタ442は最早やsd信号のパルスによってリセット
されない。かくして、この変形回路では、各(si∧▲
▼)パルスのあとで信号shは先ず高くなり、それから
もしカウンタ621がsd信号の起りそこなったあとで零に
カウントダウンするなら低くなる。そのあとで信号shが
再び低くなる遅延は従ってsdパルスの長さに依存する。
と言うのは、カウンタ621はsdパルスの長さによってカ
ウントアップし、そして信号sdが起りそこなうと再びカ
ウントダウンするのに同じ時間を必要とするからであ
る。
(要約) 転流センサを持たない集電子の無い直流モータの制御
回路が記載されており、これは多相システムの固定子と
永久磁石回転子を具えている。このモータの転流状態は
固定子巻線に誘導された電圧に依存している。比較信号
が発生され、これは電子的スイッチング素子によって直
流電源に接続されていない巻線電圧の符号が瞬時転流状
態に依存する所定の符号と一致しているがどうかを示し
ている。この比較信号は、電子的スイッチング素子がタ
ーンオフされている結果として擬似零交叉を生ずる過渡
効果が巻線中に起こるところのそれらの期間で禁止され
ている。このスイッチング素子は、もし比較信号が適当
な符号を持たないなら、さらに1個の転流ステップが常
にスイッチされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は3相システムの制御回路のブロック図であり、 第2図は第1図の制御回路中の信号整形回路の回路図で
あり、 第3図は第1図の制御回路中の位置測定回路の回路図で
あり、 第4図は第1図の制御回路中の遅延回路の回路図であ
り、 第5図は制御回路中に起こる若干の信号および電圧波形
を示し、 第6図は測定電圧による転流サイクルと、制御回路中に
起る若干の信号と電圧を例示し、 第7図は第6図に示されたような転流サイクルを例示し
ているが、しかし回転子の停止後のものであり、かつ再
スタート後の正しくない転流状態を持つものであり、 第8図は第3図に示された位置測定回路の変形回路図で
あり、 第9図は第4図に示された遅延回路の変形回路図であ
る。 1……信号整形回路、2……電源回路 3……位置測定回路、4……遅延回路 5……シフトレジスタ、6,7,8……出力 9,10,11……入力、12……論理回路 13……入力、21……端子 22……接合点、23……第1ダイオード 24……ダイオード、25……pnpトランジスタ 26……npnトランジスタ、31……端子 32……接合点、33,34……ダイオード 35……pnpトランジスタ、36……npnトランジスタ 41……端子、42……接合点 43,44……ダイオード、45……pnpトランジスタ 46……npnトランジスタ、51,52,53……入力 54……アナログ計算回路、55,56,57……入力 55a……出力 58……アナログマルチプレクサ 59,60,61……入力、62……出力 63……正入力、64……演算増幅器 65……出力、66……負入力 71……第1入力、72……第1比較器 73……第1入力、74……第2比較器 75……第1入力、76……第3比較器 77……第2入力、79……第2入力 80……第2入力、81……出力 82……第1入力 83……エクスクルーシブオア論理ゲート 84……第2入力、85……出力 91……反転第1入力、92……第1アンドゲート 93……第1入力、94……第2アンドゲート 95……第1入力、96……出力 97……第2入力、98……出力 100……出力、101……第1入力 102……オアゲート、103……出力 104……第2入力、105……出力 110……第1遅延素子あるいはパルス整形器 115……第1入力、116……オアゲート 117……出力、118……反転入力 119……アンドゲートあるいはアンドレジスタ 120……第2入力、121……出力 122……第2遅延素子あるいはパルス整形器 122a……リセット入力、123……第2入力 123a……遅延素子、124……第1入力 125……オアゲート、126……出力 130……パルス整形器、131……第3入力 132……第2入力、200……第1シフト入力 201……第2シフト入力、202,203,204……入力 290……正入力、291……演算増幅器 292……出力、293……負入力 294,295……演算増幅器、304……抵抗 305,306……接合点、307,308,309……抵抗 311……負入力、312……演算増幅器 314……出力、315……抵抗 316……正入力、317……抵抗 321……負入力、322……演算増幅器 323……正入力、324……出力 325……可変抵抗、326……抵抗 331……負入力、332……演算増幅器 333……抵抗、334……出力 335……可変抵抗、341,342……入力 343……エクスクルーシブオアゲート 344……出力、351……第1入力 352……スイッチ、353……インバータ 354……第2入力、361,367……極 362,363,364,365,366……(直列接続)抵抗 371……第3入力、372……第4入力 373……出力、401……第1入力 402……オアゲート、403……第1入力 404……アンドゲート、405……出力 406……第2入力、410……オアゲート 411……出力、412……反転第2入力 416……リセット入力、417……シフトレジスタ 418……シフト入力、419……出力 420……方形波発振器、430……アンドゲート 431……出力、433……入力 440……出力 441……反転リセット入力 442……シフトレジスタあるいはカウンタ 443……反転出力、444,445……入力 446……アンドゲート、447……第2入力 448……出力、449……シフト入力 451……入力、601……抵抗 602……正入力、603……比較器 604……抵抗、605……負入力 607……出力、608……抵抗 610……接地端子、611……正極 621……カウンタ、622……入力 623……入力、624……桁上げ出力 625……入力、cl……方形波 iui……信号 n1,n2,n3……スイッチング信号 p1,p2,p3……スイッチング信号 rv……信号、S1,S2,S3……信号 sd……信号、sh……シフト信号 si……比較信号 st1,st2,st3……制御信号 sui……公称位相信号 t d1,t d2,t d3,t d4……時間幅 u……電圧源電圧、u1,u2,u3……巻線電圧 u40……信号、ub……直流電圧 ui……(計算された)測定電圧 Ur1,Ur2,Ur3……基準電圧 uxj……信号

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】転流センサを有さず、任意の数の磁極対を
    有する永久磁石回転子と、固定子と、多相系を形成する
    少なくとも2個の巻線とを具える集電子のない直流モー
    タの制御回路であって、前記多相系の各位相が、前記回
    転子の永久磁石の磁界により前記巻線に誘導される電圧
    に応じて、電子的スイッチング素子により直流電流源の
    負極及び/又は正極に接続され、転流状態に応じて転流
    動作を行なう直流モータの制御回路において、 前記電子的スイッチング素子によって前記直流電流源に
    接続されない巻線に誘導された電圧の符号が、瞬時転流
    状態に依存する所定の符号に対応するか否かを示す比較
    信号を発生し、 前記電子的スイッチング素子がターンオフする結果とし
    て、擬似零クロスを発生させる過渡効果が生じる期間中
    に前記比較信号を禁止し、 前記比較信号が対応する符号を示していない場合、前記
    スイッチング素子が1個の転流ステップに亘って切り換
    えられるように構成したことを特徴とする集電子のない
    直流モータの制御回路。
  2. 【請求項2】前記巻線が電子的スイッチング素子によっ
    て前記直流電流源に接続されていない巻線電圧期間を含
    む信号(uxj)から、外部から入手でき又は計算される
    中性点電圧を減算することにより測定電圧(ui)を計算
    し、 モータの瞬時転流状態の測定電圧の符号を規定する公称
    位相信号(sui)を発生し、 前記測定電圧(ui)の符号と前記公称位相信号(sui)
    によって規定される符号とが互いに同一か否かを示す比
    較信号(si)を発生し、 前記電子的スイッチング素子のターンオフの結果とし
    て、擬似零クロスを発生させる過渡効果が前記巻線に発
    生する期間中に、所定の時間長に亘って前記比較信号
    (si)を禁止し、 前記測定電圧(ui)の符号と前記公称位相信号(sui)
    によって規定される公称符号とが互いに相異する場合、
    前記電子的スイッチング素子が、前記比較信号(si)に
    応じて1個の転流ステップだけ進められるように構成し
    たことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の集電
    子のない直流モータの制御回路。
  3. 【請求項3】前記スイッチング素子が前記比較信号(s
    i)によって予め定めた時間期間に進められない場合、
    スイッチング素子を別の転流ステップに切り換えること
    を特徴とする特許請求の範囲第2項に記載の集電子のな
    い直流モータの制御回路。
  4. 【請求項4】前記電子的スイッチング素子の状態及び前
    記公称位相信号(sui)が、6個の位置を循環すると共
    にシフト信号(sh)により進められるシフトレジスタの
    出力信号の二進値の組み合せにより決定され、前記シフ
    ト信号(sh)は前記比較信号(si)により又は前記スイ
    ッチング素子が前記比較信号(si)により予め定めた時
    間期間に亘って起動する毎に発生するように構成したこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第2項又は第3項に記載
    の集電子のない直流回路の制御回路。
  5. 【請求項5】前記測定電圧(ui)が、アナログマルチプ
    レクサ及びアナログ計算回路によって決定されることを
    特徴とする特許請求の範囲第2項から第4項までのいず
    れか1項に記載の直流モータの制御回路。
  6. 【請求項6】前記比較信号(si)が、前記測定電圧
    (ui)が予め定めた正の電圧(Ur3)を超え又は予め定
    めた負の電圧(Ur2)よりも低下する時間期間中に抑制
    されるように構成したことを特徴とする特許請求の範囲
    第2項から第5項までのいずれか1項に記載の直流モー
    タの制御回路。
  7. 【請求項7】擬似零クロスを除去するため、前記比較信
    号を、前記電子的スイッチング素子の各切換動作の後の
    予め定めた時間長に亘って並び各過渡効果が生じた後予
    め定めた時間長に亘って禁止するように構成したことを
    特徴とする特許請求の範囲第6項に記載の直流モータの
    制御回路。
  8. 【請求項8】前記比較信号(si)が発生する期間中に、
    前記測定電圧(ui)の符号が、この測定電圧が反対符号
    の予め定めた微小電圧(Ur1)を超えるか又はこれ以下
    となるかに応じて決定されるように構成したことを特徴
    とする特許請求の範囲第2項から第7項までのいずれか
    1項に記載の集電子のない直流モータの制御回路。
  9. 【請求項9】前記比較信号(si)が各過渡効果の後に禁
    止される予め定めた時間期間が過渡効果が生ずる時間期
    間に依存することを特徴とする特許請求の範囲第7項に
    記載の集電子のない直流モータの制御回路。
  10. 【請求項10】集電子の無い直流モータと転流回路を具
    える装置であって、 任意の数の磁極ペアーを有する永久磁石回転子、及び多
    相システムを形成する少なくとも2つの固定子巻線を持
    つ固定子を具えるモータと、各位相を直流電源の極に接
    続する電子的スイッチング素子(24,26,35,36,45,46)
    及び電流転流状態を順次の転流状態のサイクルとして示
    す手段(5)を具える転流回路と、 示された転流状態に従ってスイッチング素子を制御する
    スインチング信号(P1,P2,P3,N1,N2,N3)を、示された
    転流状態から導く手段、 示された転流状態に基づいて、示された転流状態の間で
    直流電源から開放される巻線を選択する手段(12)と、 示された転流状態の期間中に、選択された巻線に誘導さ
    れた電圧の適当な符号を規定する公称位相信号(sui)
    を、示された転流状態から導く手段(12)と、 前記公称位相信号(sui)により規定された符号と、選
    択された巻線の電圧の実際の符号とを比較し、かつ実際
    の符号と公称位相信号(sui)により規定された符号と
    の間の不整合を示す比較信号(si)を発生する手段、 不整合が示された場合に、前記比較信号(si)に応じて
    前記転流状態表示手段を次の転流状態にスイッチングす
    る手段と、 選択された巻線に誘導された電圧の擬似零交叉を巻線遷
    移効果が生起する期間中、前記転流状態表示手段(5)
    のスイッチングを禁止する手段(4)とを具える直流モ
    ータと転流回路を具える装置。
  11. 【請求項11】開放された巻線に誘導された電圧が所定
    の正電圧(Ur3)を越えるか、あるいは所定の負電圧(U
    r2)以下に減少する場合に、前記禁止手段がスイッチン
    グを禁止するよう構成したことを特徴とする特許請求の
    範囲第10項に記載の装置。
  12. 【請求項12】擬似零交叉を除去するために、前記電子
    スイッチング素子の各スイッチング動作の後の所定の時
    間期間および各遷移効果の後の所定の時間期間中に前記
    禁止手段がスイッチングを禁止するよう構成したことを
    特徴とする特許請求の範囲第10項あるいは第11項に記載
    の装置。
  13. 【請求項13】前記比較信号(si)が禁止される予め定
    めた時間期間が、前記遷移効果の期間に対応するように
    構成したことを特徴とする特許請求の範囲第12項に記載
    の装置。
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