JP2529261B2 - 用紙搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 本発明はレーザプリンタや電子複写機などに組み込ま
れた用紙搬送装置において、開閉可能に分割された下フ
レームと上フレームとの分割面に用紙走行経路を設け、
該用紙走行経路と連通する下フレームの用紙走行経路に
用紙搬送用の駆動ローラと従動ローラとを対向配置した
装置構成における上フレームの開放動作に連動して、該
従動ローラを前記駆動ローラに対する圧接から解除する
圧接解除レバーを設けて、該下フレーム中の用紙走行経
路での走行用紙のジャム処理の作業性を容易化したもの
である。

〔産業上の利用分野〕

本発明はレーザプリンタや電子複写機などに組み込ま
れた用紙搬送装置の改良に係り、更に詳細にはそれぞれ
用紙走行経路を有する例えば第１のフレーム（以下、下
フレームと称する）に対して第２のフレーム（以下、上
フレームと称する）を開閉自在に構成した、例えば電子
写真方式の画面形成装置、或いは画像読み取り装置等に
おける用紙走行経路での用紙詰まり処理（ジャム処理）
を容易化した用紙搬送構造に関するものである。

近来、レーザプリンタや複写機などの電子写真方式の
画像形成装置、或いは光学画像読取装置等のにおいて
は、該装置における用紙走行経路でのジャム処理やその
他の保守が容易な構成が要求されている。それに伴って
これらの装置におけるそれぞれ用紙走行経路を有する下
フレームと上フレームとを、これらの各用紙走行経路と
連通する主用紙走行経路にて２つに分割して、所謂下フ
レームに対して上フレームを開閉可能に構成することに
よって対処しているが、なお簡便に分割できない用紙走
行経路部分、特に曲折する用紙走行経路部分等でのジャ
ム処理が容易でないため、このような用紙走行経路部分
でのジャム処理を容易に、かつ簡便に実現できる装置構
成が必要とされている。

〔従来の技術〕

従来の用紙搬送機構を有する装置、例えば電子写真方
式の画像形成装置は第３図の概念的な概略構成図に示す
ように、例えば用紙カセット等を収容する用紙収容部12
と屈曲する用紙走行経路部分13に用紙搬送駆動ローラ14
と用紙搬送従動ローラ15が対向配置された下フレーム11
に対して、感光ドラム18と、該感光ドラム18に対して所
定間隙をもって対向配置した現像器19及び定着部20及び
この間に用紙走行経路21を備えた上フレーム17とがヒン
ジ部22を介して開閉可能に構成されている。

しかしてこのような装置での画像処理に際しては、該
用紙収容部12からの用紙23は、屈曲する用紙走行経路部
分13における用紙搬送駆動ローラ14と押接従動ローラ15
の回転駆動により下フレーム11と上フレーム17間に構成
された主用紙走行経路21を経由して像転写部に送られ、
感光ドラム18上に形成された可視像を転写した後、定着
部20にて熱圧着等により転写像を用紙23に定着して所望
の画像を形成している。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところでこのような従来の用紙搬送機構を有する装置
においては、例えば前記主用紙走行経路21に走行用紙23
が紙詰りを起こした場合には、下フレーム11に対して上
フレーム17をヒンジ部22を介して引き上げて開放するこ
とにより容易にジャム処理を実施することができるが、
下フレーム11中の用紙搬送駆動ローラ14と押接従動ロー
ラ15とが対向配置された屈曲する用紙走行経路部分13に
て走行用紙23が紙詰りを起こすと、その経路部分13が屈
曲していることと、該用紙搬送駆動ローラ14に対して圧
接従動ローラ15が圧接ばね16により常に押圧されている
こと等に起因してジャム処理が困難となる。

そこで上記した問題を解決するために第４図の概略構
成図に示すように、下フレーム11の用紙搬送駆動ローラ
14と対向する圧接従動ローラ15を含む部分31を屈曲する
用紙走行経路部分13にて開閉可能にする構成とし、該屈
曲する用紙走行経路部分13に紙詰まりが生じた際には、
図示のように先ず下フレーム11に対して上フレーム17を
開放にした後、前記下フレーム11側の圧接従動ローラ15
を含む分離開放部分31を図示のように開放してジャム処
理を容易にしていた。

ところが該圧接従動ローラ15を含む分離開放部分31を
開閉可能とした構成にすると、用紙23を反転走行させる
屈曲する用紙走行経路部分13の機構が著しく複雑になる
といった欠点があった。

本発明は上記した従来の問題点に鑑み、装置における
下フレームの用紙搬送駆動ローラと圧接従動ローラとが
対向する屈曲する用紙走行経路部分での機構を単純化し
て、上フレームを上方に開放すると同時に、屈曲する用
紙走行経路部分を挟んで対向配置された用紙搬送駆動ロ
ーラに対する圧接従動ローラの押圧を自動的に解除し
て、該屈曲する用紙走行経路部分での紙詰まりの除去処
理、即ち、ジャム処理を容易化した新規な用紙搬送装置
を提供することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記目的を達成するため、第１のフレームが
第２のフレームに対して開閉可能に構成されたこの両フ
レームよりなる第１の用紙走行経路と、該第１の用紙走
行経路と連通する第２の用紙走行経路と、第２の用紙走
行経路に設けられ、用紙を圧接して搬送する駆動ローラ
および従動ローラと、第１の用紙走行経路を構成するフ
レームの開放動作に連動して、第２の用紙走行経路にお
ける駆動ローラと従動ローラ間の圧接を解除する圧接解
除機構よりなり、 該圧接解除機構は、支点を中心に回動可能であり、一
端は第１のフレームに当接可能であり、他端は前記従動
ローラを支持する圧接解除レバーと、従動ローラを駆動
ローラに押し当てるとともに、従動ローラの回転軸を圧
接解除レバーに圧接する圧接バネと、第１のフレームが
開放されたときに従動ローラが駆動ローラから離れるよ
うに前記圧接解除レバーを回動するための引張りバネと
よりなり、 第１のフレームが第２のフレームに対して閉状態にあ
るときに、圧接解除レバーを従動ローラの回転軸から離
間し、前記圧接バネの付勢力によってのみ駆動ローラに
圧接する構成とする。

〔作用〕

本発明の用紙搬送装置では、第１のフレーム（下フレ
ーム）に対して第２のフレーム（上フレーム）が閉鎖状
態にあると、その第１のフレームにおける例えば屈曲す
る第２の用紙走行経路部分を挟んで対向配置された用紙
搬送駆動ローラに対する圧接従動ローラが押圧された状
態に当接され、また該第１のフレームを逆に開放状態に
すると同時に、屈曲する第２の用紙走行経路部分を挟ん
で対向配置された用紙搬送駆動ローラに対する圧接従動
ローラの圧接が自動的に解除されるため、屈曲する第２
の用紙走行経路部分でのジャム処理（紙詰まりの除去処
理）が容易となる。

〔実施例〕

以下図面を用いて本発明の実施例について詳細に説明
する。

第１図は本発明に係る用紙搬送装置の一実施例を電子
写真方式の画像形成装置に適用した場合の例を概念的に
示す要部概略構成図である。なお第３図と同等の機能を
示す部分には同一符号を付している。

図示のように本実施例では、第２のフレーム（以下、
上フレームと称する）17が第１の用紙走行経路（以下、
主用紙走行経路と称する）21の一部を上下に分割する形
に開閉可能に構成した例えば電子写真方式の画像処理装
置における第１のフレーム（以下、下フレームと称す
る）11において、そのフレーム中の第２の用紙走行経路
（以下、屈曲する用紙走行経路と称する）13を挟んで用
紙搬送駆動ローラ14と対向配置する圧接従動ローラ15
は、その支軸15aが図示しない長穴軸受け等により該駆
動ローラ14の配置方向に移動自在であり、かつ該支軸15
aが圧接バネ36により圧接されて通常の上フレーム17を
閉めた状態では、該従動ローラ15は駆動ローラ14へ押圧
状態となっている。

更に該従動ローラ15には、その支軸15aに係合する係
合部33と該下フレーム11より上フレーム17側へ突出する
突起部32を有する圧接解除レバー31が支点34を中心にし
て揺動可能に設けられ、引張りバネ35により前記駆動ロ
ーラ14の配置方向へ引張り力が付勢される構成の圧接解
除機構が配備されている。

そしてかかる装置における前記上フレーム17を閉じた
状態では、第１図に示すように上フレーム17により突起
部32が押圧されて圧接解除レバー31の係合部33が支点34
を中心にして前記駆動ローラ14側へ移動し、圧接従動ロ
ーラ15の支軸15aに対して無干渉となって該従動ローラ
は、圧接バネ36の付勢により対向する前記駆動ローラに
圧接される。

すなわち、第１のフレームが第２のフレームに対して
閉状態にあるときは、圧接解除レバーが従動ローラの回
転軸から離間し従動ローラに無干渉になる。従って、従
動ローラが第１のフレームの閉状態の影響を受けずに圧
接バネの圧力のみで駆動ローラに圧接され、ピンチ圧の
変動が防止できる。

また第２図に示すように該上フレーム17を逆に開ける
と、前記圧接解除レバー31の突起部32が開放されて該下
フレーム11より突出され、該圧接解除レバー31の上部が
支点34を中心にして引張りバネ35の引張り方向に移動す
る。

この時、該圧接解除レバー31の係合部33は用紙搬送従
動ローラ15の支軸15aに係合され、更に該支軸15aを梃の
動作により反対方向に押圧されるため、前記駆動ローラ
14に対して圧接バネ36により圧接されている従動ローラ
15が自動的に離間される。

従って、この状態で例えば用紙収容部12に収容された
用紙カセット等を図示紙面に向かって左側方向に引き出
すことにより、かかる屈曲する用紙走行経路部分13に詰
まった用紙、即ちジャムった用紙23′を容易に除去する
こと、即ちジャム処理を簡便に行うことができる。

なお、以上の実施例では電子写真方式の画像形成装置
を対象にした場合の例について説明したが、本発明はこ
の例に限定されるものではなく、例えば同様な用紙走行
経路を有する光学画像読取装置、或いは下フレームに対
して、上フレームが主用紙走行経路の一部を２つに分割
する形に開閉可能とした構成を有する各種用紙搬送装置
等にも適用可能であり、同様の効果が得られる。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなように、本発明に係る用紙搬
送装置によれば、下フレームの用紙搬送駆動ローラと圧
接従動ローラが対向する屈曲用紙走行経路部分での機構
が単純化されると共に、下フレームに対して上フレーム
を開放すると同時に、該屈曲用紙走行経路部分を挟んで
用紙搬送駆動ローラに対して押圧状態に対向配置されて
いる圧接従動ローラを自動的に離間することが可能とな
り、該屈曲用紙走行経路部分での紙詰まりの除去処理
（ジャム処理）が容易化される優れた利点を有する。

また、第１のフレームが第２のフレームに対して閉状
態にあるときは、圧接解除レバーが従動ローラの回転軸
から離間し従動ローラに無干渉になる。従って、従動ロ
ーラが第１のフレームの閉状態の影響を受けずに圧接バ
ネの圧力のみで駆動ローラに圧接され、ピンチ圧の変動
が防止できる。

従って、この種の用紙搬送機構、或いは用紙搬送装置
を組み込んだ装置に適用して極めて有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る用紙搬送装置を電子写真方式の画
像形成装置に適用した場合のの要部拡大側面図、 第２図は第１図に示す用紙搬送装置のジャム処理を説明
するための要部拡大側面図、 第３図は従来の用紙搬送装置の一例を電子写真方式の画
像形成装置を用いて説明するための要部概略構成図、 第４図は第３図に示す用紙搬送装置のジャム処理を説明
するための要部概略構成図である。 第１図及び第２図において、 11は下フレーム、12は用紙収容部、13は屈曲用紙走行経
路部分、14は駆動ローラ、15は従動ローラ、15aは支
軸、17は上フレーム、21は主用紙走行経路、23は用紙、
23′はジャムった用紙、31は圧接解除レバー、32は突起
部、33は係合部、34は支点、35は引張りバネ、36は圧接
バネをそれぞれ示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第１のフレームが第２のフレームに対して
   開閉可能に構成され、この両フレームよりなる第１の用
   紙走行経路と、 該第１の用紙走行経路と連通する第２の用紙走行経路
   と、 第２の用紙走行経路に設けられ、用紙を圧接して搬送す
   る駆動ローラおよび従動ローラと、 第１の用紙走行経路を構成するフレームの開放動作に連
   動して、第２の用紙走行経路における駆動ローラと従動
   ローラ間の圧接を解除する圧接解除機構よりなり、 該圧接解除機構は、 支点を中心に回動可能であり、一端は第１のフレームに
   当接可能であり、他端は前記従動ローラを支持する圧接
   解除レバーと、 従動ローラを駆動ローラに押し当てるとともに、従動ロ
   ーラの回転軸を前記圧接解除レバーに圧接する圧接バネ
   と、 第１のフレームが開放されたときに従動ローラが駆動ロ
   ーラから離れるように前記圧接解除レバーを回動するた
   めの引張りバネとよりなり、 第１のフレームが第２のフレームに対して閉状態にある
   とき、圧接解除レバーを従動ローラの回転軸から離間
   し、前記圧接バネの付勢力によってのみ駆動ローラに圧
   接する ことを特徴とする用紙搬送装置。