JP2528436Y2 - Ｕ型断面プレキャストコンクリート部材製造用内型枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】この考案は梁などを形成するためのＵ型断
面プレキャストコンクリート部材製造用内型枠に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、Ｕ型断面プレキャストコンクリー
ト部材製造用内型枠としては、脱型用ジャッキ付型枠、
ゴム膜１に空気圧を加える方式のもの（図１）、あるい
はエキスパンドメタル２による捨型枠方式のもの（図
２）などが採用されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで前記脱型用ジ
ャッキ付型枠では、型枠製作費が高価であり、また梁断
面寸法毎に製作しなければならず、転用回数が減少し、
結局高価なものになるなどの問題点があった。またゴム
膜に空気圧を加える方式のものでは材料費が高価であ
り、同様に梁断面寸法毎に製作しなければならず、転用
回数が減少し、結局高価なものになるなどの問題点があ
った。

【０００４】さらにエキスパンドメタルによる捨型枠方
式のものは転用できず高価であるとともに、バイブレー
タ操作時にコンクリートが流出し、品質が不安定である
などの問題点があった。

【０００５】この考案は前記事情に鑑み開発したもので
部材寸法の多様性に対応しながら転用回数を多くし、部
材製品の型枠コストを低減できるＵ型断面プレキャスト
コンクリート部材製造用内型枠を提供することを目的と
する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
にこの考案では、左、右側壁の上部にそれぞれフラット
鋼製型枠を配設し、このフラット鋼製型枠の下部には
左、右側壁下部と底部の一部を形成するＬ型鋼板型枠を
取付け、左右のＬ型鋼板型枠の底片間には平鋼板型枠を
配設したものである。

【０００７】〔実施例〕 以下図示した実施例に基いて説明する。３は既製のフラ
ット鋼製型枠を示すもので、内側型枠の左、右側壁のそ
れぞれの上部を形成している。このフラット鋼製型枠３
の縦リブ４にはＵクリップ孔４ａが穿設してある。そし
て幅寸法は数種類で多様な部材せいに対応できるように
なっている。

【０００８】５はＬ型鋼板型枠を示すもので、内側型枠
の左、右側壁の下部と底部の左、右側部をそれぞれ形成
している。このＬ型鋼板型枠５の上端にはリブ６が固着
してあり、リブ６にはＵクリップ孔６ａが穿設してあ
る。また長手方向端部にはユニットリブ５ａが設けてあ
る。そしてフラット鋼製型枠３とＬ型鋼板型枠５とは、
Ｕクリップ孔４ａとＵクリップ孔６ａとを連通せしめＵ
クリップ７で連結してある。なおＬ型鋼板型枠５に凹凸
を有する鋼板を使用する場合もある。

【０００９】また左、右のＬ型鋼板型枠５，５の底片５
ｂ，５ｂ間は所要の幅寸法の間隙が形成してあり、この
間隙内には細長い平鋼板型枠８が配設し梁底の型枠を形
成しており、数種類の幅寸法のものを有し、部材幅を変
えるようになっている。平鋼板型枠８の上面には平鋼板
による補強材９が固着してあり、補強材９には脱型用フ
ックをかける孔１０が穿設してある。

【００１０】なお長さ方向はユニット化してあり、組合
せにより数種類の全長になるよう形成してある。

【００１１】使用に際しては、あらかじめ鉄筋１３を篭
状に組立てておき、その鉄筋篭にこの考案の内型枠を左
右別々にさしこみ、前記左、右のフラット鋼製型枠３，
３の間に跨ってセパレーター１１を取付ける。この場
合、セパレーター１１の左、右端部の裏面に突設した係
合突起１１ａを、左、右フラット鋼製型枠３，３それぞ
れの縦リブ４に穿設してあるＵクリップ孔４ａに係合す
る。また前記左、右のＬ型鋼板型枠５，５と左・右のフ
ラット鋼製型枠３，３の接合部において、左右に跨って
セパレーター１１を取付ける。この場合、前記係合突起
１１ａを、左、右Ｌ型鋼板型枠５に固着したリブ６及び
フラット鋼製型枠３の縦リブ４のＵクリップ孔６ａ，４
ａに係合する。しかる後、この考案の内型枠の外側にコ
ンクリート１２を打設する。

【００１２】

【考案の効果】この考案は以上の構成からなっているの
で、次の通りの作用効果を有している。 (1) Ｕ型断面内側型枠を上下に２分割してあり、上部の
フラット鋼製型枠は、既製のものを使用することにより
全く加工を必要とせず、組立用付属品を含めて大量生産
のため製造合理化されているために注文生産型枠と比較
して極めて安価である。また下部のＬ型鋼板型枠は１セ
ットで多様な部材寸法に使用できるので、使用１回当り
のコストは安価となる。

【００１３】(2) 梁底の平鋼板型枠はセパレーターとし
て作用し、その部分の着脱を容易にしてある。作業困難
な底部分に手を入れる作業は皆無であり、作業能率は良
好である。

【００１４】(3) 全長を適切に選択することにより、工
場スペースの有効利用と作業能率の向上が期待できる。

【００１５】(4) 下部のＬ型鋼板型枠に凹凸を有する鋼
板を使用することにより、ＰＣ部材面にシァキーができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例を示す斜視図である。

【図２】従来例を示す縦断面図である。

【図３】本考案の使用状態を示す縦断面図である。

【図４】本考案の斜視図である。

【符号の説明】

１…ゴム膜、２…エキスパンドメタル、３…フラット鋼
製型枠、４…縦リブ、５…Ｌ型鋼板型枠、６…リブ、７
…Ｕクリップ、８…平鋼板型枠、９…補強材、１０…脱
型用フック孔、１１…セパレーター、１２…コンクリー
ト、１３…鉄筋。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左、右側壁の上部にそれぞれフラット鋼
   製型枠を配設し、このフラット鋼製型枠の下部には左、
   右側壁下部と底部の一部を形成するＬ型鋼板型枠を取付
   け、左、右のＬ型鋼板型枠の底片間には平鋼板型枠を配
   設してなるＵ型断面プレキャストコンクリート部材製造
   用内型枠。