JP2527795C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】産業上の利用分野
この発明は感熱転写記録媒体、特に転写されたインク層の擦り汚れを防止する
のに有効な感熱転写記録媒体に関する。従来の技術 ポリエステル樹脂やポリイミド樹脂などからできたフィルム、および、グラシ ン紙、トレーシング紙やコンデンサー紙など薄用紙からなる基材上に熱溶融性イ
ンク層を設けた感熱転写記録媒体の熱溶融性インク層の面に普通紙やタッグを重
ね合わせて前記基材側よりサーマルヘッドで加熱し、熱溶融性インク層を溶融さ
せて普通紙やタッグに転写させる感熱転写記録方法が知られている。発明が解決しようとする問題点 ところが、この様な方法で熱溶融性インク層を転写した普通紙やタッグは、熱
溶融性インク層を擦ることにより容易に汚れてしまうという欠点が有った。 したがって、本発明の目的は、普通紙やタッグに転写された熱溶融性インク層
の擦り汚れを防止することが可能な感熱転写記録媒体を提供することにある。問題点を解決するための手段 この発明は、基材上に熱溶融性インク層を設けた感熱転写記録媒体に於いて、
該基材と熱溶融性インク層との間に、転写性を向上し、また転写された熱溶融性
インク層を被覆して保護する機能を有するアンダーコート層を設けたことを特徴
とする。 基材としては、前述のポリエステル樹脂やポリイミド樹脂などからできたフィ
ルム、および、グラシン紙、トレーシング紙やコンデンサー紙など薄用紙が使用
できる。 アンダーコート層は、樹脂及びワックスを主成分とするものであり、他に充填
剤などを合せて使用することも出来る。 樹脂成分としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はアクリル樹脂でガラス
転移点が70℃以下の樹脂を1種又は2種以上使用すれば良い結果が得られる。 ワックスとしては、カルナバ、モンタン、キャンデリラ、パラフィン、ライス
ワックス、ポリエチレンワックスなどで針入度が5以下(25℃にて)のものを
1種又は2種以上使用すれば良い結果が得られる。 充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、シリカ
などの微粉末が使用できる。 樹脂とワックスの配合は、樹脂が30〜50重量%、ワックスが50〜70重
量%である。この範囲を外れると、基材からのインクの剥がれや、印字が膜上に
なって転写されたりするので好ましくない。 次に、熱溶融性インク層は、一般に知られているカーボンブラックやグラファ
イトなどの顔料や染料を含む着色剤と、カルナバ、マイクロクリスタリンワック
スなどのワックス類、およびポリアミド、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチルセルロースなどの樹脂類のほか、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化アルミニウム、シリカなどの微粉末からなる充填剤、潤滑油等の添加剤
を加えることができる。 本発明の感熱転写記録媒体は、必要に応じて前記基材の片面にシリコン樹脂や
界面活性剤を塗布してサーマルヘッドの熱に依る基材の溶融に起因するスティッ
クを防止するための層を設け、該基材の他方の面に樹脂及びワックスを主成分と
して塗剤をソルベントコーティング法、または、エマルジョンコーティング法な
ど通常に使われるコーティング法により塗布してアンダーコート層を形成(好適
な厚みは、1〜4μ)したのち、このアンダーコート層上に通常の方法により熱
溶融性インク層を形成する(好適な厚みは、1〜5μ)ことにより容易に製造す
ることができる。実施例1 アンダーコート層 カルナバワックスエマルジョン(30%溶液) 50部 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(30%溶液) 50部 片面にスティック防止の為の耐熱処理層を設けた厚さ5μのポリエステルフィ ルムの他の面に上記塗剤を3μの厚さになるように塗布した。 熱溶融性インク層 カーボンブラック 10部 カルナバワックス 10部 ポリアミド樹脂 10部 イソプロピルアルコール 70部 上記配合で、ボールミルで粉砕・混合して塗剤を作成する。このものをアンダ
ーコート層の上に2μの厚みになるように塗布した。 この感熱転写記録媒体を用いてバーコードを印字してJIS規格(L0823
)の摩擦試験機I型でテストを行ったところ、50往復テストを行っても印字に
は何の変化も見られなかった。 また、エンジンオイルに浸せきしたのち、前記と同じ様にテストしたところ何
等擦り汚れは見えなかった。ガソリンに対しても同様のテストをしたところ同じ
様な効果が有った。 つぎに、印字したものを布に挟んでアイロン(150℃)をかけて耐熱テスト
を行ったところ、印字には変化は見られなかった。実施例2 アンダーコート層 カルナバワックスエマルジョン(30%溶液) 70部 アクリルエマルジョン(30%溶液) 30部 熱溶融性インク層 水分散カーボンブラック(30%溶液) 25部 カルナバエマルジョン(30%溶液) 30部 アクリルエマルジョン(30%溶液) 45部 実施例1と同様にして感熱転写記録媒体をつくり、さらに、同様のテストを行
ったところ同じ様な結果を得た。比較例1 熱溶融性インク層 カーボンブラック 20部 カルナバワックス 30部 パラフィンワックス 40部 エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂 10部 上記配合で、ボールミルで粉砕・混合して塗剤を作成し、該塗剤を、片面にス
ティック防止の為の耐熱処理層を設けた厚さ5μのポリエステルフィルムの他の
面に上記塗剤を2μの厚さになるように塗布した。 実施例1と同様のテストを行ったところ、5往復で印字が汚れてバーコードリ
ーダーで読取りができなくなった。また、エンジンオイルやガソリンの浸せきテ
ストもすぐに汚れバーコードリーダーで読取りができなくなった。 つぎに、印字したものを布に挟んでアイロン(150℃)をかけて耐熱テスト
を行ったところ、熱溶融性インクが融けて布に転移した。効果 本発明の感熱転写記録媒体を用いて普通紙やタッグ、ラベル、シールなどに熱
溶融性インク層を転写したとき、アンダーコート層が熱溶融性インク層を覆い、
擦り汚れに対して非常に強くなった。それとともに、耐熱性、耐溶剤性にすぐれ
、その上アンダーコート層が離型効果も有り転写性が向上し普通紙や紙製のタッ
グ、ラベル、シールのみならず繊維製のタッグ、ラベル、シールまで使用する事
ができるようになった。
のに有効な感熱転写記録媒体に関する。従来の技術 ポリエステル樹脂やポリイミド樹脂などからできたフィルム、および、グラシ ン紙、トレーシング紙やコンデンサー紙など薄用紙からなる基材上に熱溶融性イ
ンク層を設けた感熱転写記録媒体の熱溶融性インク層の面に普通紙やタッグを重
ね合わせて前記基材側よりサーマルヘッドで加熱し、熱溶融性インク層を溶融さ
せて普通紙やタッグに転写させる感熱転写記録方法が知られている。発明が解決しようとする問題点 ところが、この様な方法で熱溶融性インク層を転写した普通紙やタッグは、熱
溶融性インク層を擦ることにより容易に汚れてしまうという欠点が有った。 したがって、本発明の目的は、普通紙やタッグに転写された熱溶融性インク層
の擦り汚れを防止することが可能な感熱転写記録媒体を提供することにある。問題点を解決するための手段 この発明は、基材上に熱溶融性インク層を設けた感熱転写記録媒体に於いて、
該基材と熱溶融性インク層との間に、転写性を向上し、また転写された熱溶融性
インク層を被覆して保護する機能を有するアンダーコート層を設けたことを特徴
とする。 基材としては、前述のポリエステル樹脂やポリイミド樹脂などからできたフィ
ルム、および、グラシン紙、トレーシング紙やコンデンサー紙など薄用紙が使用
できる。 アンダーコート層は、樹脂及びワックスを主成分とするものであり、他に充填
剤などを合せて使用することも出来る。 樹脂成分としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はアクリル樹脂でガラス
転移点が70℃以下の樹脂を1種又は2種以上使用すれば良い結果が得られる。 ワックスとしては、カルナバ、モンタン、キャンデリラ、パラフィン、ライス
ワックス、ポリエチレンワックスなどで針入度が5以下(25℃にて)のものを
1種又は2種以上使用すれば良い結果が得られる。 充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、シリカ
などの微粉末が使用できる。 樹脂とワックスの配合は、樹脂が30〜50重量%、ワックスが50〜70重
量%である。この範囲を外れると、基材からのインクの剥がれや、印字が膜上に
なって転写されたりするので好ましくない。 次に、熱溶融性インク層は、一般に知られているカーボンブラックやグラファ
イトなどの顔料や染料を含む着色剤と、カルナバ、マイクロクリスタリンワック
スなどのワックス類、およびポリアミド、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチルセルロースなどの樹脂類のほか、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化アルミニウム、シリカなどの微粉末からなる充填剤、潤滑油等の添加剤
を加えることができる。 本発明の感熱転写記録媒体は、必要に応じて前記基材の片面にシリコン樹脂や
界面活性剤を塗布してサーマルヘッドの熱に依る基材の溶融に起因するスティッ
クを防止するための層を設け、該基材の他方の面に樹脂及びワックスを主成分と
して塗剤をソルベントコーティング法、または、エマルジョンコーティング法な
ど通常に使われるコーティング法により塗布してアンダーコート層を形成(好適
な厚みは、1〜4μ)したのち、このアンダーコート層上に通常の方法により熱
溶融性インク層を形成する(好適な厚みは、1〜5μ)ことにより容易に製造す
ることができる。実施例1 アンダーコート層 カルナバワックスエマルジョン(30%溶液) 50部 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(30%溶液) 50部 片面にスティック防止の為の耐熱処理層を設けた厚さ5μのポリエステルフィ ルムの他の面に上記塗剤を3μの厚さになるように塗布した。 熱溶融性インク層 カーボンブラック 10部 カルナバワックス 10部 ポリアミド樹脂 10部 イソプロピルアルコール 70部 上記配合で、ボールミルで粉砕・混合して塗剤を作成する。このものをアンダ
ーコート層の上に2μの厚みになるように塗布した。 この感熱転写記録媒体を用いてバーコードを印字してJIS規格(L0823
)の摩擦試験機I型でテストを行ったところ、50往復テストを行っても印字に
は何の変化も見られなかった。 また、エンジンオイルに浸せきしたのち、前記と同じ様にテストしたところ何
等擦り汚れは見えなかった。ガソリンに対しても同様のテストをしたところ同じ
様な効果が有った。 つぎに、印字したものを布に挟んでアイロン(150℃)をかけて耐熱テスト
を行ったところ、印字には変化は見られなかった。実施例2 アンダーコート層 カルナバワックスエマルジョン(30%溶液) 70部 アクリルエマルジョン(30%溶液) 30部 熱溶融性インク層 水分散カーボンブラック(30%溶液) 25部 カルナバエマルジョン(30%溶液) 30部 アクリルエマルジョン(30%溶液) 45部 実施例1と同様にして感熱転写記録媒体をつくり、さらに、同様のテストを行
ったところ同じ様な結果を得た。比較例1 熱溶融性インク層 カーボンブラック 20部 カルナバワックス 30部 パラフィンワックス 40部 エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂 10部 上記配合で、ボールミルで粉砕・混合して塗剤を作成し、該塗剤を、片面にス
ティック防止の為の耐熱処理層を設けた厚さ5μのポリエステルフィルムの他の
面に上記塗剤を2μの厚さになるように塗布した。 実施例1と同様のテストを行ったところ、5往復で印字が汚れてバーコードリ
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ストもすぐに汚れバーコードリーダーで読取りができなくなった。 つぎに、印字したものを布に挟んでアイロン(150℃)をかけて耐熱テスト
を行ったところ、熱溶融性インクが融けて布に転移した。効果 本発明の感熱転写記録媒体を用いて普通紙やタッグ、ラベル、シールなどに熱
溶融性インク層を転写したとき、アンダーコート層が熱溶融性インク層を覆い、
擦り汚れに対して非常に強くなった。それとともに、耐熱性、耐溶剤性にすぐれ
、その上アンダーコート層が離型効果も有り転写性が向上し普通紙や紙製のタッ
グ、ラベル、シールのみならず繊維製のタッグ、ラベル、シールまで使用する事
ができるようになった。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 耐熱性基材の上面に樹脂及びワックスを主成分としたアンダーコート層を
設け、かつ、該アンダーコート層の上面に熱溶融性インク層を設けた感熱転写記
録媒体において、該アンダーコート層の樹脂はエチレン−酢酸ビニル共重合体及
びアクリル樹脂から選択されるガラス転移点が70℃以下の樹脂であり、該アン
ダーコート層のワックスの25℃における針入度が5以下であり、該アンダーコ
ート層が樹脂30〜50重量%、ワックス50〜70重量%からなることを特徴
とする感熱転写記録媒体。 2. 該熱溶融性インク層が、主として着色剤、充填剤、ワックス及び樹脂から
なる請求項1記載の感熱転写記録媒体。 3. 該熱溶融性インク層のワックスの25℃における針入度が、10以下であ
り樹脂のガラス転移点が、70℃以下である請求項2記載の感熱転写記録媒体。 4. 該熱溶融性インク層が、着色剤10〜30重量%、樹脂10〜50重量%
、ワックス20〜60重量%からなる請求項2記載の感熱転写記録媒体。
Family
ID=
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