JP2527408Y2 - 作業者の操作連係構造 - Google Patents

作業者の操作連係構造

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JP2527408Y2 JP1990092163U JP9216390U JP2527408Y2 JP 2527408 Y2 JP2527408 Y2 JP 2527408Y2 JP 1990092163 U JP1990092163 U JP 1990092163U JP 9216390 U JP9216390 U JP 9216390U JP 2527408 Y2 JP2527408 Y2 JP 2527408Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は運搬車、トラクタ等の作業車に係り、詳しく
は、前向き姿勢と後向き姿勢とに切換自在な運転座席の
前後位置夫々に、連係機構を介して駆動機械装置を操作
可能な操作具を配設してある作業車の操作連係構造に関
する。
〔従来の技術〕
この種の作業車の操作連係構造は、運転席を前後どち
らの向きとしても駆動機械装置を操縦可能とすることに
より、例えば運搬車の走行操作やトラクタにおける付設
作業装置の操作を前後どちら向きでも行える便利なもの
であり、従来では実開昭60-150148号公報で示されたも
のが知られている。
この場合、駆動機械装置の操作軸を一方に付勢するこ
とにより、前後の操作具のうちの一方を操作しても他方
の操作具は動かないように連係してあった。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記従来技術によると各操作具は、中
継部材との長孔とピンによる連結によって互いに干渉せ
ず操作できる構造としているので、走行振動や作業装置
の駆動振動等によって使用されない側の操作具が操作可
能に容易にガタ付き、騒音を発生したり操作具の支持部
が摩耗し易いといった不都合を有していた。又、各操作
レバーは常に双方とも操作可能な状態であるから、例え
ば、操縦者の背後側の操作具を誤って肘で引っ掛け、不
測の機体発進が生じるといったおそれもあった。
このような不具合の解消が可能になった技術として、
特開昭61-205562号公報に記載されたものがっあった。
すなわち、一方の操作具としてのフロント操向レバー
に連結していてこの操向レバーの操作力を操作対象とし
ての油圧モータの斜板または操向クラッチに伝達するリ
ンクにロック体を備え、他方の操作具としてのリア操向
レバーに連結していてこの操向レバーの操作力を操作対
象に伝達する枢支筒に、ロック体を備えたリンクを連結
してある。一対のロック体に択一的に作用するロック杆
を、運転席の回動に伴って自動的に向き変更操作される
ように構成して備えてあるとともに、運転席を前向きに
した際には、ロック杆がフロント操向レバーに連動して
いるリンクの方のロック体から外れてこのリンクに対す
るロックを解除し、リア操向レバーに連動しているリン
クの方のロック体に嵌合してこのリンクをロックするよ
うになっている。そして、運転席を後向きにした際に
は、ロック杆がリア操向レバーに連動しているリンクの
方のロック体から外れてこのリンクに対するロックを解
除し、フロント操向レバーに連動しているリンクの方の
ロック体に嵌合してこのリンクをロックするようになっ
ている。つまり、フロント操向レバーを操作する際に
は、ロック杆がリア操向レバーに連動しているリンクに
ロック作用してリヤ操向レバーをロックし、リア操向レ
バーを操作する際には、ロック杆がフロント操向レバー
に連動しているリンクに作用してフロント操向レバーを
ロックするようになっている。
この従来のロック技術の場合、フロント操向レバーに
連結している枢支軸と、リヤ操向レバーおよび操作対象
に連結している枢支筒とからなる二重軸構造、フロント
操向レバーで操作する際に枢支軸と枢支筒とが一体に揺
動することを可能にする支持構造が必要である。また、
リア操向レバーをロックする際にロック杆を作用させる
ためのロック部材としてのリンクを、ロック杆を作用さ
せる専用の部材として備える必要があり、比較的構造が
複雑になっていた。
本考案は、上記した不具合が構造簡単に解消できるよ
うにすることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は冒頭に記載した操作連係構造であって、前記
連係機構の途中において、前記操作具のうちの一方によ
って押引き操作可能な連係部材と、他方によって押引き
操作可能な連係部材とを、それらの押引き操作方向を一
致させて並列配置し、それら両連係部材をこれら連係部
材の双方に両端部を枢支連結された揺動部材で連結する
と共に、該揺動部材の中間部に前記駆動機械装置側の操
作部材を枢支連結し、かつ、前記両連係部材に択一的に
係合し、その係合された連係部材の押引き操作を阻止可
能な係合具を設けて成る選択装置を配備してあることを
特徴構成とする。
〔作用〕
前記特徴構成によると、選択装置における係合具を操
作して一方の連係部材の押引き操作を阻止すれば、その
連係部材と連係された操作具は動かないように係止で
き、かつ、その状態でもう一方の操作具を操作すると、
それに連係された連係部材は押引き操作されると共に、
揺動部材は動きを阻止された連結部材との枢支連結軸心
を中心として揺動移動し、結果、駆動機械装置の操作が
可能となる。
つまり、係合具によって一方の操作具を係止固定して
その操作を不能にすると共に、他方の操作具による駆動
機械装置の操作を可能とするので、例えば、運転座席が
前向き姿勢であれば後側の操作具を係止固定するといっ
た具合に、(イ)使用しない側の操作具を動かないよう
に係止できるので、その非使用側の操作具がガタ付くこ
とはなく、その支持部の摩耗が促進されることもないと
共に、(ロ)不測のレバー操作が生ずることもなくな
る。
前後側いずれの操作具を固定する場合にも係合具か連
係部材に係合して固定する。前後側いずれの操作具も前
記揺動部材によって操作部材に連係される。すなわち、
前後側いずれの操作具も揺動部材によって操作対象に連
係でき、前後側いずれの操作具を固定する場合にも、係
合具を係止させるロック部材として、操作具を操作部材
に連係させる連係部材を兼用して固定できる。
〔考案の効果〕
従って、前後どちら向きでも操縦操作できる便利な構
造としながらも、(イ)の作用によって操作具による騒
音を防止しての作業環境の改善や操作具の耐久性向上が
図れると共に、(ロ)の作用によって安全性を高めた作
業車の操作連係構造を提供することができた。
さらには、前後側いずれの操作具を固定する際にも係
合具を係合させるロック部材として、操作具と操作部材
との連係部材を兼用していることにより、かつ、前記揺
動部材によって両操作具を操作部材に連係できることに
より、従来の二重軸構造や、ロック専用のロック部材を
採用していたものに比して構造の簡略化ができ、経済面
で有利に得られるようにできた。
〔実施例〕
以下に、本考案の実施例を作業車の一例である運搬車
に適用した場合について説明する。
第5図に本考案に係る運搬車を示している。この運搬
車は左右一対のクローラ走行装置(1)を備え、機体後
部にダンプ荷台(2)を搭載すると共に、機体前部の左
側に運転部(3)、この運転部(3)の右横側にエンジ
ン(4)、右側端にオイルタンク(5)を夫々配設して
ある。
前記各クローラ走行装置(1),(1)は、夫々油圧
モータ(M1),(M2)により各別に駆動するよう構成
し、各油圧モータ(M1),(M2)に対して静圧油を供
給する油圧ポンプ(P1),(P2)をエンジン(4)の
後部に連設配備し、各油圧モータ(M1),(M2)及び
各油圧ポンプ(P1),(P2)により走行駆動装置とし
ての静油圧式無段変速装置(6),(6)を構成してあ
る。そして、前記各無段変速装置(6),(6)は運転
部(3)に配設した操作レバー(7a),(7b),(8
a),(8b)により変速操作可能に構成してある。詳述
すると、運転座席(9)の前方に左右一対の操作レバー
(7a),(7b)(以下、総称するときは前部レバー
(7)という)を配備すると共に、運転座席(9)の後
方にも同様に左右一対の操作レバー(8a),(8b)(以
下、総称するときは後部レバー(8)という)を配備
し、前部レバー(7a),(7b)及び後部レバー(8a),
(8b)を操作連係機構を介して各油圧ポンプ(P1),
(P2)に連係してある。又、前記運転座席(9)を前
向き姿勢と後向き姿勢とに亘り縦軸芯(Y)周りで切換
回動自在に構成して、例えば運搬走行中は前方向き姿勢
で運転し、ダンプ作業する際は後方向き姿勢で運転でき
るよう前後向きどちらでも機体走行操作可能に構成して
ある。
次に、走行用の連係機構について説明する。第1図乃
至第4図に示すように、各前部レバー(7a),(7b)を
横軸芯(X1)周りで揺動自在に操縦ポスト(10)に枢
支すると共に、その下方位置で横軸芯(X2)周りで回
動自在な支軸(11)を配設し、かつ、この支軸(11)に
相対回動自在に筒軸(12)を外嵌し、各前部レバー(7
a),(7b)に一体連設したアーム(13),(14)と支
軸(11)及び筒軸(12)に一体連設したアーム(15),
(16)とを夫々ロッド(17),(18)を介して連動連結
してある。そして、前記支軸(11)及び筒軸(12)から
夫々下方に延設したアーム(19),(20)と後述する選
択装置(A)とを連係部材としての連係ロッド(21),
(21)を介して連動連結してある。
一方、各後部レバー(8a),(8b)も同様に横軸芯
(X3)周りで揺動自在に後部操縦ポスト(22)に枢支
すると共に、一体延設したアーム(23),(24)と、下
方の横軸芯(X4)周りで回動する支軸(25)及びそれ
に遊転外嵌した筒軸(26)から延設したアーム(27),
(28)とをロッド(29),(30)を介して連動連結し、
支軸(25)及び筒軸(26)から下方に延設したアーム
(31),(32)と選択装置(A)とを連係部材としての
連係ロッド(33),(33)を介して連動連結してある。
又、前部レバー(7)の下方位置に、横軸芯(X5
周りで回動自在に支軸(35)を配備すると共に筒軸(3
4)を遊転外嵌し、支軸(35)及び筒軸(34)から上方
に向けて一体延設したアーム(36),(37)と選択装置
(A)とを連係部材としての連係ロッド(38),(38)
を介して連動連結し、かつ、支軸(35)及び筒軸(34)
から下方に延設したアーム(39),(40)と前記走行駆
動用各油圧ポンプ(P1),(P2)の斜板操作アーム
(41),(42)とをプッシュプルワイヤ(43),(44)
を介して連動連結してある。
次に選択装置(A)について説明する。第3図、第4
図に示すように、選択装置(A)は左右一対備えられて
おり、左右の前部及び後部レバー(7),(8)に各別
に作用する。
片側のもので詳述すると、前記レバー(7)によって
押引き操作可能な棒状の前連係部材(45)と、後部レバ
ー(8)によって押引き操作可能な棒状の後連係部材
(46)とを、並列に配置し、それら両連係部材(45),
(46)をこれら連係部材(45),(46)の双方に両端部
を枢支連結された揺動部材(47)で連結すると共に、そ
の揺動部材(47)の丁度中央部に油圧ポンプ(P1)側
の操作部材である連係ロッド(38)を枢支連結してあ
る。各連係部材(45),(46)の対向する側の前後中央
部に凹入切欠き(48),(49)を形成してあると共に、
これら切欠き(48),(49)に択一的に挿入して係合す
る係止ピン(50),(50)を立設した断面下向きコ字状
の係合具(51)を、両連係部材(45),(46)の押引き
操作方向と直交する方向にスライド自在に設けてある。
両連係部材(45),(46)は揺動部材連結側の反対側
を、機体フレームのブラケット(52)にピローブロック
(53),(53)を介して支持されると共に、係合具(5
1)配設部位において、立設ステー(54),(54)の長
孔(55),(55)に両連係部材(45),(46)を共に貫
通させて支持されている。
前記係合具(51)はもう一方の選択装置(A)におけ
る連係部材(45),(46)の係合具も兼ねており、座席
支持台(56)の根元付近に設けられた選択レバー(57)
の回動操作によって押引き操作される構造となってい
る。
又、両連係部材(45),(46)の夫々に、その切欠き
(48),(49)と係止ピン(50),(50)とが左右方向
で重なる状態となって油圧ポンプ(P1)も中立となる
位置に付勢する中立復帰機構(B)が設けられてある。
つまり、前連係部材(45)にスプリング(58)を介して
2個のワッシャ(59),(59)を対向配置し、これらワ
ッシャ(59),(59)を対向する方向に移動可能にする
と共に、これらワッシャ(59),(59)を挟持する状態
の枠体(60)を機体側となる受台(61)に固定してあ
る。
選択装置(A)の作用を説明すれば、選択レバー(5
7)を前位置(F)へ操作すると、後連係部材(46)が
中立位置で固定され、前連係部材(45)のみ移動可能と
なり、選択レバー(57)を後位置(R)へ操作すると、
逆に後連係部材(46)のみが移動可能となる。
従って、運転座席(9)を前向きとする場合には選択
レバー(57)も前位置(F)に操作して前レバー(7)
のみ操作可能な状態にし、後向きとする場合には選択レ
バー(57)も後位置(R)に操作して、後レバー(8)
のみ操作可能な状態とするのである。
第6図に示すように、連係部材(45),(46)に対す
る中立復帰機構(B)に代えて、前レバー(7)側の連
係ロッド(21)途中に、2本のバネ(62),(62)によ
る中立復帰機構(B)を採用しても良い。後レバー
(8)も同様に構成する。
〔別実施例〕
第7図に示すように、各選択装置(A),(A)毎に
連係部材(45),(46)の上方(又は下方)から係合可
能なシーソー部材(51),(51)を設け、これら両シー
ソー部材(51),(51)をロッド連結して選択レバー
(57)で操作する構成としても良い。
又、選択レバー(57)と運転座席(9)とを連係する
ことにより、座席(9)を前向きにすると選択レバー
(57)も自動的に前位置(F)となり、座席(9)を後
向きにすると選択レバー(57)も自動的に後位置(R)
となるようにすると便利である。
本考案の選択装置(A)を前後反転可能な運転座席を
有したトラクタやホイールローダの走行用の連係機構中
に設けたり、あるいは前後の双方に作業装置(11)を付
け換え自在に取付るようにしたトラクタにおける該作業
装置(7)用の連係機構中に設けたりするのも良い。
本考案では走行装置(1)や作業装置(1)等を総称
して駆動機械装置と呼ぶものとする。
尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案に係る作業車の操作連係構造の実施例を示
し、第1図は該構造を示す一部切欠き側面図、第2図は
該構造を示す平面図、第3図は該構造の要部を示す一部
切欠き拡大平面図、第4図は連係部材の係止状態の構造
を示す一部切欠き側面図、第5図は運搬車の側面図、第
6図は中立復帰機構の別実施例を示す要部図、第7図は
選択装置の別実施例を示す要部図である。 (1)……駆動機械装置、(7),(8)……操作具、
(9)……運転座席、(38)……操作部材、(45),
(46)……連係部材、(47)……揺動部材、(51)……
係合具、(A)……選択装置。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】前向き姿勢と後向き姿勢とに切換自在な運
    転座席(9)の前後位置夫々に、連係機構を介して駆動
    機械装置(1)を操作可能な操作具(7),(8)を配
    設してある作業車の操作連係構造であって、前記連係機
    構の途中において、前記操作具(7),(8)のうちの
    一方によって押引き操作可能な連係部材(45)と、他方
    によって押引き操作可能な連係部材(46)とを、それら
    の押引き操作方向を一致させて並列配置し、それら両連
    係部材(45),(46)をこれら連係部材(45),(46)
    の双方に両端部を枢支連結された揺動部材(47)で連結
    すると共に、該揺動部材(47)の中間部に前記駆動機械
    装置(1)側の操作部材(38)を枢支連結し、かつ、前
    記両連係部材(45),(46)に択一的に係合し、その係
    合された連係部材(45又は46)の押引き操作を阻止可能
    な係合具(51)を設けて成る選択装置(A)を配備して
    ある作業車の操作連係構造。
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