JP2527157Y2 - イメ−ジスキヤナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はイメージスキヤナに係り、特に、固定された
原稿に対してケーシングを移動させることにより、原稿
に表示された文字、図形等の情報を読み込むハンデイー
タイプのイメージスキヤナに関する。

〔従来の技術〕

文字、図形等の情報を表示した情報源（原稿）の情報
をCRT画像やハードコピーとして表示するため、情報の
入力源としてイメージスキヤナが用いられている。この
イメージスキヤナは走査方法により、原稿自体を移動さ
せて入力する構成と、原稿は固定しておきイメージスキ
ヤナを移動させて入力する構成とに大別される。

そして、イメージスキヤナを移動させて入力する構成
においては、従来、イメージスキヤナ相当部分とこのス
キヤナにより入力された情報を処理する部分とを一体的
な装置として構成していたが、近年、イメージスキヤナ
を本体と分離し、このイメージスキヤナを人が手に持つ
て移動させるハンデイータイプのものが提案されてい
る。かかるハンデイータイプのイメージスキヤナは、取
扱いが簡便であること、原稿のうちで必要な一部のみの
情報入力が可能であることなどの利点があるため、今後
ますます利用範囲は広がるものと考えられる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、イメージスキヤナを用いて情報を入力する
際には、目的の情報の記載個所が読み込み可能範囲から
逸脱しないように原稿とイメージスキヤナとの相対位置
を確認する必要があるが、特にハンデイータイプのイメ
ージスキヤナでは、入力する情報が原稿の一部である場
合が多く、しかも人手により原稿をスキヤン（走査）す
るので走査方向が不安定になりがちなため、情報入力時
に操作者に過度の注意力が要求されたり、目的の情報が
正しく入力されないなどの不都合を生じやすい。つま
り、目的の情報の記載個所がイメージスキヤナの読み込
み可能範囲内にあることをリアルタイムに、かつ容易に
確認できれば、特にハンデイータイプのイメージスキヤ
ナにおいて、その信頼性および操作性を大幅に向上させ
ることが期待できる。

本考案は上述した問題点ならびに要望に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、操作性ならびに信頼性に優
れたハンディータイプのイメージスキャナを提供するこ
とにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、少なくとも下
ケースと上ケースとからなり外殻を形成するケーシング
と、このケーシングの下面に形成された読み取り用の長
孔からなる開口と、この開口を介して原稿に光を照射す
るための光源と、この原稿からの反射光を前記原稿に沿
った方向に導くための反射鏡と、この反射鏡からの光を
受光して情報を入力するイメージセンサと、前記原稿に
転接可能な移動量検出ローラとを備え、前記ケーシング
を固定した原稿に対して、前記反射鏡によって前記反射
光が導かれる方向に移動させることにより、前記原稿に
表示された情報を読み込むようにしたイメージスキャナ
において、前記ケーシングの下面と対向するケーシング
の上面に、前記反射鏡とイメージセンサとを結ぶ直線と
交差する方向から前記開口を介して読み込み中の情報を
目視するための窓孔を形成するとともに、この窓孔から
前記開口を目視したとき、この開口内方に突出する読み
取り位置を示す指標を前記下ケースに設け、さらに、前
記移動量検出ローラをその回転軸方向に長い円柱状とな
し、この移動量検出ローラを前記開口に隣接して配置し
たことを特徴とする。

〔作用〕

上記手段によれば、読み込み開始位置の情報や読み込
み中の情報をケーシング上面の窓孔からリアルタイムに
モニターすることができる。また、指標と原稿との距離
が近くなるため、原稿を窓孔から目視する際の視差が少
なくなり、読み取り位置を精度良くモニターできる。さ
らに、原稿に折り目や多少のしわがあったとしても、こ
れらの折り目やしわが移動量検出ローラによって延ばさ
れた状態で開口内に臨むため、指標の示す読み取り位置
が正確になり、折り目やしわのある原稿でも適切に情報
を読み込むことができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第１図は本考案の一実施例に係るイメージスキヤナの
縦断面図、第２図はそのイメージスキヤナの底面図、第
３図はそのイメージスキヤナの操作状態を示す平面図で
ある。

これらの図において、１はイメージスキヤナの外殻を
形成するケーシングで、該ケーシング１は上ケース２と
下ケース３とで構成されている。４は下ケース３に設け
られた開口で、第２図から明らかなように該開口４は概
略長方形状に形成され、その短手方向の両側辺と長手方
向の両側辺のそれぞれのセンタ位置には、開口４の内側
へ向かう三角形状の指標4a,4bが突設されている。５は
この開口４を介して原稿６に光を照射するための発光ダ
イオード（LED）等の光源、７はこの原稿６からの反射
光を水平方向に屈折させる反射鏡、８はこの反射鏡７に
よる光路中に配設された結像用のレンズ、９はこれら反
射鏡７およびレンズ８を介して原稿６からの反射光を受
光し情報を入力するイメージセンサである。また、10は
前記開口４の長辺に隣接して設けられた円柱状の移動量
検知ローラ、11は回路基板12に搭載されたプツシユスイ
ツチであり、これら光源5,反射鏡7,レンズ8,イメージセ
ンサ９および回路基板12は前記下ケース３上に取り付け
られている。

さらに、13は前記上ケース２の下面に揺動可能に支持
されたスイチツ操作体で、そのキートツプ13aは上ケー
ス２の上面に臨出しており、またスイツチ操作体13に垂
設したアクチユエータ13bは前述した光路を外れた部位
で前記プツシユスイツチ11と対向している。14は前記開
口４を臨み上ケース２の上面に設けられた窓、15はこの
窓14に嵌め込まれたフイルタであり、このフイルタ15は
アクリル樹脂等の透明材料に着色剤を混入した有色透明
な材料からなる。

上記構成において、情報の読み込みを行うに際して
は、操作者はケーシング１を手に持つて原稿６上の所定
位置に配置した後、指でキートツプ13aを押圧してプツ
シユスイツチ11をオン状態とする。これにより光源５が
点灯し、操作者はフイルタ15を介してその光を見ること
でイメージスキヤナがオン状態になつたことを確認でき
るとともに、フイルタ15および開口４を介して開口４を
臨む原稿６、すなわち読み込み開始位置の情報を外部か
ら視認することができる。この場合、各指標4a,4bを含
む開口４の輪郭も視認できるため、操作者は短辺側の両
指標4aの頂点を結ぶ仮想線に目的の情報を一致させるこ
とにより、イメージスキヤナを読み込み開始位置に正確
に位置合わせすることができる。

このようにして正しい読み取り開始位置に配置されて
いることが確認できたならば、ケーシング１を第３図の
矢印Ｙ方向、つまり移動量検知ローラ10の軸方向に対し
て直交する方向（幅走査方向）に移動させる。これによ
り情報は、開口4,反射鏡７およびレンズ８を経てイメー
ジセンサ９に入力される。この場合、イメージセンサ９
自体も開口４の幅方向（ケーシング１の移動方向に対し
て直交する方向）に主走査を行い、情報の入力を行う。
このケーシング１の移動時に、イメージセンサ９により
入力された情報は、同時にフイルタ15を通して外部より
視認することができるため、所定の情報を正しく入力し
ているか否かをリアルタイムに判断することができる。

かかる情報の読み込み操作は、ケーシング１を手で持
つて行う関係上不安定になりがちであるため、フイルタ
15を介して目視される開口４の長辺側の両指標4bを位置
基準として利用し、これら指標4bの頂点を目的とする情
報のセンタ位置に合わせてケーシング１を第３図の矢印
Ｙ方向に移動させることにより、目的の情報を正確に読
み込むことができる。その際、原稿６に折り目やしわが
あったとしても、円柱状の移動量検出ローラ10がこれら
の折り目やしわを延ばした状態で原稿６を開口４内に臨
ませるため、各指標4a,4bの示す読み取り位置は正確と
なる。

上記一実施例にあつては、読み込み情報モニター用と
して機能する窓14にフイルタ15を嵌め込んであるため、
ケーシング１内に塵埃等の異物が侵入しにくくなつてい
る。また、このフイルタ15は有色透明材料からなるた
め、イメージスキヤナの非使用時、すなわち光源５が消
灯している状態では、ケーシング１の内部を隠蔽する機
能を有するとともに、イメージスキヤナの動作中は、螢
光灯等の外部光の侵入をカツトして、読み込みエラーを
防止する機能を有する。

さらに上記一実施例では、開口４の全ての辺に指標4
a,4bを形成したため、短辺側の両指標4aを利用して読み
取り開始位置を正確に設定できるとともに、長辺側の両
指標4bを利用して目的の情報を正確に入力することがで
き、よつてケーシング１の側面が例えば曲面に構成され
てケーシング１自身に副走査方向のガイド面がない場合
において、特にその操作性を向上させることができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、読み込み開始
位置の情報や読み込み中の情報をケーシング上面の窓孔
からリアルタイムにモニターすることができるのみなら
ず、そのモニター時に開口の内方へ突出するように目視
される指標を位置基準として利用することにより、読み
取りの位置情報を高めることができ、さらに、原稿に折
り目やしわがあったとしても、円柱状の移動量検出ロー
ラがそれらを延ばして開口内に臨ませるため、指標の示
す読み取り位置が正確となり、特にハンディータイプの
イメージスキャナにおいてその操作性ならびに信頼性を
大幅に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るイメージスキヤナの縦
断面図、第２図はそのイメージスキヤナの底面図、第３
図はそのイメージスキヤナの操作状態を示す平面図であ
る。 １……ケーシング、２……上ケース、３……下ケース、
４……開口、4a,4b……指標、５……光源、６……原
稿、７……反射鏡、８……レンズ、９……イメージセン
サ、10……移動量検知ローラ、11……プツシユスイツ
チ、12……回路基板、13……スイツチ操作体、13a……
キートツプ、13b……アクチユエータ、14……窓（窓
孔）、15……フイルタ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも下ケースと上ケースとからなり
   外殻を形成するケーシングと、このケーシングの下面に
   形成された読み取り用の長孔からなる開口と、この開口
   を介して原稿に光を照射するための光源と、この原稿か
   らの反射光を前記原稿に沿った方向に導くための反射鏡
   と、この反射鏡からの光を受光して情報を入力するイメ
   ージセンサと、前記原稿に転接可能な移動量検出ローラ
   とを備え、前記ケーシングを固定した原稿に対して、前
   記反射鏡によって前記反射光が導かれる方向に移動させ
   ることにより、前記原稿に表示された情報を読み込むよ
   うにしたイメージスキャナにおいて、 前記ケーシングの下面と対向するケーシングの上面に、
   前記反射鏡とイメージセンサとを結ぶ直線と交差する方
   向から前記開口を介して読み込み中の情報を目視するた
   めの窓孔を形成するとともに、この窓孔から前記開口を
   目視したとき、この開口内方に突出する読み取り位置を
   示す指標を前記下ケースに設け、さらに、前記移動量検
   出ローラをその回転軸方向に長い円柱状となし、この移
   動量検出ローラを前記開口に隣接して配置したことを特
   徴とするイメージスキャナ。