JP2525533Y2 - 立体駐車装置の車輛搬出入装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、近年の車社会における駐車場不足を解決す
るための立体駐車装置の車輌搬出入装置に関する。

〔従来の技術〕

従来より、年々増加する車輌等の駐車場不足を解決す
る手段として、機械式の立体駐車棟が数多く建築されて
いる。

しかしながら、増加してゆく車輌等に比べて、土地の
入手は年々困難となり、たとえ、土地を確保したとして
も敷地の形状、広さの制約等があり、それ等を考慮した
うえでより多くの車輌を効率的に収容しなければならな
いものであった。

そのため、例えば、駐車棟下方にピットを設け、かつ
ピット内にはターンテーブルを配置し、該ターンテーブ
ル上で方向転換させた車輌を、前記駐車棟に収容させる
という立体駐車装置が多数実用化され、広く提供されて
いた。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記のごとく、従来広く提供されている各種の立体駐
車棟においては、通常、敷地の有効利用を図って建築さ
れるため、立体駐車棟内に運転者が車輌とともに乗り入
れて乗降を行うものであった。

この時、一般の運転者は、立体駐車棟内で車輌等から
乗降することになり、周囲に対して不安を覚えるととも
に、パレット上で乗降するため足場が悪く、段差によっ
て、つまづいたり、足首をひねる等して怪我をする場合
があった。

本考案は、前記のごとき事情に鑑み、立体駐車棟に車
輌を搬入あるいは搬出しようとする際に、運転者の乗降
時の不安を取り除き、怪我等をすることがなく、安全に
乗降することができるよう、運転者の乗降及び車輌の搬
出入を駐車棟隣接地で行うことができる立体駐車装置の
自動搬入装置を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

車輌が載置されるパレットを着脱自在に備えた適数の
車収納用の吊枠が垂直方向に循環自在に設けられた駐車
棟の下部位置と前記駐車棟に設けられた車輌搬出入口を
介して前記駐車棟の下部位置に隣接する隣接地とを連通
するピットが形成され、該ピット内には前記隣接地側と
前記駐車棟側との間を往復走行自在であって前記パレッ
トを昇降及び旋回自在に支持する走行装置が設けられ、
前記車輌搬出入口の外部における前記ピットの周囲に
は、前記車輌搬出入口側のみを除く三方に、前記走行装
置の移動に対応して前記ピット内から上昇するとともに
該ピット内に下降する安全柵が設けられてなる構成とし
たものである。

〔作用〕

本考案の車輌搬出入装置で、車輌Ｘ等を搬入する場
合、まず駐車棟１の車輌搬出入口５との隣接地４に設け
られたパレット６上に車輌Ｘを乗り入れ、運転者はその
場で車輌Ｘから降りる。

つぎに、車輌Ｘを載置したパレット６は、駐車棟１の
下方と隣接地４に連続的に設けられたピット７内のレー
ル12上を、昇降及び旋回自在に走行装置３によって支持
移動させられ、車輌搬出入口５から前記駐車棟１内に入
る。

同時に、隣接地４のピット７の外周の前記車輌搬出入
口５側のみを除く三方に前記ピット７内から安全柵13が
自動的に上昇して、運転者等がピット７内に落下して怪
我等をしないように危険防止を図り、安全を確保する。

さらに、前記駐車棟１内に移動されたパレット６は、
必要に応じて旋回させられて車輌Ｘの方向転換が行われ
た後、リフト８により下降させられ、その四隅が車収納
用の吊枠２に係合して固定される。

そして、該吊枠２が車輌Ｘとともに駐車棟１内の所定
の位置に吊チェーン等により移動されて保管されるもの
である。

なお、車輌搬出の場合は、前記順序を逆に行えばよい
ものであり、車輌Ｘの方向転換もその時に行なってよい
ものである。

したがって、車輌Ｘの搬入及び搬出の際には、運転者
が駐車棟１内に入る必要がなく、駐車棟１外で車輌Ｘか
ら乗降を行うため、不安感を覚えることがなく、足もと
の不安定さによって怪我等をすることがなくなるもので
ある。

〔実施例〕

以下に本考案の一実施例を図面にもとづいて詳細に説
明する。

第１図及び第２図に示されているように、本考案で
は、駐車棟１内に車収納用の吊枠２が垂直かつ循環自在
に適数設けられ、駐車車輌Ｘがパレット６に載置され、
昇降及び旋回自在に走行装置３によって支持され、前記
駐車棟１の隣接地４から車輌搬出入口５を介して駐車棟
１内に移動させられる。

そして、最下段の吊枠２内に車輌Ｘを載置したパレッ
ト６が順次固定され、さらに、前記吊枠２が車輌Ｘとと
もに駐車棟１内の所定位置に循環移動させられて保管さ
れる構成となっている。

第３図乃至第６図には、前記駐車車輌Ｘの搬入時の詳
細が示されている。

すなわち、駐車棟１の下部位置と、駐車棟１に設けら
れた車両搬出入口５を介して前記駐車棟１の下部位置に
隣接する隣接地４と、を連通する適当な大きさのピット
７が形成される。

さらに、該ピット７内には、上部にリフト８及び旋回
装置９が設けられ、底部四隅に取付けられた車輪10を介
してピット７の底部11に敷設されたレール12上を走行移
動する走行装置３が設けられている。

そして、車輌Ｘ搬入の際には、あらかじめ前記走行装
置３が駐車棟１の隣接地４側のピット７の略中央部に配
置され、該ピット７の上方開口部を閉じる形でパレット
６がリフト８上に支持されており、運転者は車輌Ｘを隣
接地４側から前記パレット６上面に乗り入れて降車す
る。

その後、前記パレット６と車輌Ｘは、走行装置３がレ
ール12上を走行移動することによって、車輌搬出入口５
から駐車棟１内に移動させられ、さらに、前記駐車棟１
内の最下段の吊枠２内に移動させられる。

この時、パレット６がリフト８の働きで上昇させら
れ、前記吊枠２とパレット６との間が第４図に示される
ごとく適当間隔Ｙをあけた状態にされる。

すなわち、前記のごとく吊枠２とパレット６間に適当
間隔Ｙをあけた構成とすることは、第５図に示されるよ
うに前記吊枠２内でパレット６及び車輌Ｘを走行装置３
の旋回装置９によって旋回させ、車輌の方向転換を行う
ためである。

そして、車輌Ｘの方向転換が行われた後、さらに、走
行装置３のリフト８が下降させられ、前記吊枠２にパレ
ット６がしっかりと固定されるものである。

なお、前記のごとく車輌Ｘの方向転換は、搬入時に行
ってもよいが、第６図に示されているように搬入時には
行わず、搬出時に行ってもよいものである。

また、第５図及び第６図に示されているごとく、駐車
車輌Ｘが車輌搬出入口５から駐車棟１内に走行装置３に
よって搬入された後には、駐車棟１隣接地４のピット上
面がパレット６の移動によって大きく開口された状態と
なるため、車両搬出入口５の外部におけるピット７の周
囲の前記車輌搬出入口５側のみを除く三方に前記ピット
７内から安全柵13が自動的に上昇して、運転者等がピッ
ト７内に落下して怪我等をすることがないように危険防
止が図られている。なお、前記安全柵13は、不要時に
は、前記ピット７内に下降している。

第７図及び第８図には前記車収納用の吊枠２とパレッ
ト６の受入れ載置部Ｓの詳細が示されている。

すなわち、吊枠２の下面中央部及び車輌搬出入口５側
部には、クロスメンバーがなく、前記リフト８及び旋回
装置９を有する走行装置３、パレット６及び車輌Ｘの通
り抜けが可能とされ、四隅には、上方に突出させたピン
2aが取付けられ、上部略中央部には、吊杆2bが掛け渡さ
れている。

さらに、前記吊枠２内に入り込む形状のパレット６の
下面側四隅には、前記ピン2aに対応する固定用孔6aが構
成され、それ等が互いに係合することにより、吊枠２と
パレット６がしっかりと固定され、該パレット６上面に
載置された車輌Ｘが前記吊枠２内にしっかりと保持され
ることになる。

そして、車輌Ｘ及び吊枠２が、前記吊杆2bを介して循
環チェーン等に支持されて駐車棟１内の所定位置に循環
移動されて、保管されるものである。

なお、車輌Ｘ搬出の場合には、前記と逆の手順で行わ
れる。

すなわち、まず、駐車棟１内では、必要とする車輌Ｘ
が吊枠２とともに最下段に移動させられる。

つぎに、走行装置３のリフト８によってパレット６が
上昇させられ、吊枠２とパレット６の固定が解除され、
場合によっては旋回装置９による旋回によって車輌Ｘの
方向転換が行われ、さらに、前記走行装置３によって車
輌搬出入口５を介して駐車棟１から隣接地４側ピット７
に移動される。

同時に、駐車棟１の隣接地４のピット７周囲の安全柵
13が自動的に下降、収納される。

そこで、運転者は、隣接地４、ピット７上面に搬出さ
れた車輌Ｘに乗り込めばよいものである。

〔考案の効果〕

以上のごとく本考案では、従来のように運転者が駐車
棟内に入る必要がなく、駐車棟隣接地で乗降を行うた
め、周囲に不安感を覚えたり、足もとの段差等により怪
我等をすることがなく極めて安全である効果が得られる
ものである。

また、本考案によれば、安全柵が、車両搬出入口の外
部におけるピットの周囲からその内部への利用者等の立
入りを規制するので、ピット内に利用者等が落下する危
険がなく、安全性がより高いという効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は立体駐
車装置の全体正面図、第２図は要部の拡大正面図、第３
図は腰部の平面図、第４図は要部の側面図、第５図は車
輌搬入状態を示す要部の平面図、第６図は車輌搬入状態
を示す要部の側面図、第７図は吊枠の斜視図、第８図は
パレット固定状態を示す拡大側面図である。 １……駐車棟、２……吊枠、３……走行装置、５……車
輌搬出入口、６……パレット、７……ピット、Ｓ……受
入れ載置部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車輌が載置されるパレットを着脱自在に備
   えた適数の車収納用の吊枠が垂直方向に循環自在に設け
   られた駐車棟の下部位置と前記駐車棟に設けられた車輌
   搬出入口を介して前記駐車棟の下部位置に隣接する隣接
   地とを連通するピットが形成され、該ピット内には前記
   隣接地側と前記駐車棟側との間を往復走行自在であって
   前記パレットを昇降及び旋回自在に支持する走行装置が
   設けられ、前記車輌搬出入口の外部における前記ピット
   の周囲には、前記車輌搬出入口側のみを除く三方に、前
   記走行装置の移動に対応して前記ピット内から上昇する
   とともに該ピット内に下降する安全柵が設けられてなる
   ことを特徴とする立体駐車装置の車輌搬出入装置。