JP2525252Y2 - プリンタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、プリンタに関し、特に、そのプリンタ本体
に対する給紙機の支持機構に関する。

〔従来の技術〕

コンピュータシステム，オフィスオートメーションシ
ステム等の出力装置としてプリンタがあり、例えば、実
開昭62−163331号公報に示すように知られている。

これを第５図に基づいて説明する。図において、101
はプリンタで、プリンタ本体102と給紙機103とから構成
され、プリンタ本体102上に給紙機103を載置して位置決
めできるとともに取り外しできる構造となっている。以
下、詳しく説明する。

104はプリンタ本体102のプラテンで、その軸104aの両
端は、プリンタ本体102のフレーム105に回転可能に軸着
され、このプラテン軸104aには、給紙機103のフレーム
本体106の側板106a,106bが係脱可能に係合されていると
ともに歯車列107を介して小型直流モータ108が連結して
いる。

一方、給紙機103では、そのフレーム本体106を構成す
る左右側板106a,106b間には紙送り軸109が回転可能に横
架され、紙送り軸109にはゴム製の給紙ローラ110が取り
付けられている。

111は排紙ローラで、この排紙ローラ111は左右側板10
6a,106b間に回転可能に横架したローラ軸112に取り付け
られている。

しかして、プリンタ本体102側の回転は、プラテン軸1
04aに取り付けられたプラテンギア113から給紙機103側
の中間ギア114,ギア115を介して、回転伝達軸116に伝達
される。回転伝達軸116の回転により、紙送り軸109及び
排紙ローラ軸111を駆動するようになっている。即ち、
プラテンギア113に中間ギア114を組み合わせることによ
り、プリンタ本体102側の回転が給紙機103側に伝達され
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来のプリンタにおいては、プラテン軸104aには、給
紙機103のフレーム本体106の側板106a,106bが係脱可能
に係合されている。これにより、給紙機103をプリンタ1
02に載置して位置決めした時、給紙機103をプリンタ本
体102に対して正確に位置決めしてプラテンギア113と中
間ギア114の噛み合わせの精度を良くしている。

ところが、プラテン軸104aで給紙機103の重量を左右
側板106a,106bを介して直接支持するため、プラテン軸1
04aの強度，フレーム105の強度を増すことを余儀なくさ
れ、また、給紙機103の重量によってはプリンタ101の作
動精度が低下したり、プリンタ本体102と給紙機103とが
共振を起こし、印字の輪郭を損ねることもある。

そこで、上述のプリンタにおいて、給紙機の重量を左
右側板で直接支持しない設計にすることが考えられる
が、かかる構造のプリンタでは、プリンタ本体と、この
プリンタ本体の上に載置される給紙機の間に隙間が生
じ、この隙間から内部の騒音が外部に漏れたり、塵が内
部に入ったりすることになる。

本考案は、上述の問題を解決するためになされたもの
で、その目的は、内部からの騒音の漏れや塵の内部への
侵入を防ぐことができるプリンタを提供することであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、プリンタ本体
とこのプリンタ本体に載置・取外し自在の給紙機とから
構成され、載置された給紙機はプリンタ本体に位置決め
されるプリンタにおいて、プリンタ本体の上面を覆うプ
リンタ本体カバーの上部開口部の周縁に、平面状の頂部
を有する断面門形の枠体と、枠体に穿設された被係合部
とが形成され、給紙機には、この給紙機の給紙ローラを
支持する両側板と、この両側板の外側を覆うとともに枠
体の平面状の頂部に平面状の底部が密着状態で当接され
るサイドカバーと、両側板の下端より突設する係合部と
が形成され、プリンタ本体の枠体上に給紙機のサイドカ
バーを載置するとともに給紙機の係合部をプリンタ本体
の被係合部に係合することにより、枠体とサイドカバー
で囲まれた密閉空間内に、プリンタ本体の内部機構及び
給紙機の内部機構が位置し、給紙機の下部側とプリンタ
本体カバーの上部側との間の相対変位が防止されること
を特徴とするものである。

〔作用〕

本考案においては、給紙機がプリンタ本体にセットさ
れる際、給紙機の下部側の係合部がプリンタ本体の上部
側の被係合部に係合されることにより、給紙機はプリン
タ本体に対して水平方向の位置決めがされる。

そして、給紙機の重量は、すべて、プリンタ本体カバ
ーの枠体上で受けられることになり、プリンタ本体カバ
ーの断面門形の枠体の平面状の頂部とサイドカバーの平
面状の底部が密着状態で当接される。プリンタ本体カバ
ーの枠体の頂部とサイドカバーの底部の間に隙間が生じ
ることはない。

プリンタ本体の枠体上に給紙機のサイドカバーを載置
して枠体とサイドカバーで囲まれた密閉空間内に、プリ
ンタ本体及び給紙氏機の内部機構が位置せしめられてい
るので、プリンタ本体，給紙機の内部機構の騒音を外部
に漏らしたり、内部に塵が侵入したりすることが防止さ
れる。

〔実施例〕

以下、図面により本考案の実施例について説明する。

第１図ないし第４図は本考案の実施例に係るプリンタ
の内容を示す。

第１図において、１は本実施例に係るプリンタで、プ
リンタ本体２とこのプリンタ本体２に載置・取外し自在
の給紙機３とから構成され、給紙機３は載置した時プリ
ンタ本体２に位置決めされる構造となっている。この構
造を以下詳細に説明する。

第１図ないし第４図に示すように、プリンタ本体２に
は、プラテン４等の内部機構が内蔵され、プラテン４の
プラテン軸4aの両端はフレーム5,5に回転可能に軸着さ
れている。プラテン軸4aには駆動伝達歯車4bが設けられ
ており、フレーム5,5の外側はプリンタ本体カバー６で
保護されるとともに上部には上部開口部７が形成されて
いる。

プリンタ本体カバー６の周縁に断面門形の枠体８が形
成されている。枠体８は平面状の頂部8Cを有している。
枠体８の左右両側の内側面に形成されたフランジ8Aには
それぞれ係合孔（被係合部）9,9が穿設され、また、枠
体８の右側の内側面にはフランジ8Bが形成されている。

一方、給紙機３において、その給紙ローラ10のローラ
軸10a等を支持する樹脂製の両側板11,11の外側には、こ
れをカバーするサイドカナバー12がそれぞれ取り付けら
れている。サイドカバー12は平面状の底部12aを有し、
両側板11,11の外側を覆っている。プリンタ本体２の枠
体８上に給紙機３のサイドカバー12を載置して枠体８と
サイドカバー12で囲まれた密閉空間Ｍ内に、プリンタ本
体２のプラテン４等の内部機構及び給紙機３の給紙ロー
ラ19等の内部機構が位置せしめられている。両側板11,1
1の下端には、それぞれ係合突起（係合部）13が設けら
れている。また、右側の側板11には、先端に爪部14aを
有するフック14が取り付けられている。この爪部14aを
フランジ8Bに係止することにより、載置された状態の給
紙機３の抜けを防止している。フック14には、フック頭
14bが横設されサイドカバー12を貫通して突出してい
る。このフック頭14bを内側に押してフランジ8bに係止
された爪部14aを解除し、載置された状態の給紙機３を
プリンタ２から取り外す準備が可能となる。

そして、枠体８の平面状の頂部8Cに左右のサイドカバ
ー12の平面状の底部12aを密着して当接することによ
り、給紙機３がプリンタ本体２に載置されている。

この時、枠体８の頂部8Cは平面に形成されるとともに
サイドカバー12の底部12aも平面状に形成されているの
で、両者の接触部は面接触となり、密着部を形成するこ
とになる。同時に、給紙機３側の係合突起13がプリンタ
２側の係合孔９に係合することにより側板11,11とプリ
ンタ本体カバー６との両者の水平方向の相対変位が防止
されている。

次に、本実施例の作用，効果を説明する。

上述のように、給紙機３は、これをサイドカバー12を
介してプリンタ本体カバー６の枠体８に載置することに
より、プリンタ本体カバー６に支持される。給紙機３の
重量は、フレーム５で受けることはなく、すべて、プリ
ンタ本体カバー６の枠体８の頂部8C上で受けることにな
り、プリンタ本体カバー６の枠体８の頂部8Cとサイドカ
バー12の底部12aが密着状態で当接される。従って、プ
リンタ本体カバー６の枠体８の頂部8Cとサイドカバー12
の底部12aの間に隙間が生じることはない。

また、給紙機３の側板11の係合突起13をプリンタ本体
カバー６の係合孔９に係合することにより、給紙機３は
プリンタ本体２に対して水平方向の位置決めがされる。

従って、従来例のように、給紙機３の重量は、直接プ
ラテン軸4aに及ぶことがなく、給紙機３はプリンタ本体
カバー６で支持される。この結果、プラテン軸4aには、
給紙機３からは駆動伝達歯車4bによりその回転伝達力の
反力だけが作用し、プラテン軸4aは給紙機３の重量を受
けない状態でその径を決定すれば良く、その強度を小さ
くし、その重量も小さくすることができる。ひいては、
フレーム５の強度も小さくでき、さらに、給紙機３の重
量に抗してプラテン軸4aを回転させるために必要なモー
タ出力をセーブできるので、モータの出力の低減、モー
タ形状の小型化ができ、プリンタ１の総重量の軽量化が
可能になり、プリンタ１の作動精度の低下を防止し、プ
リンタ本体２と給紙機３との共振の発生を防止し、印字
の輪郭を損ねることも解消できる。

また、給紙機３はプリンタ本体カバー６に載置されて
いることから、プリンタ本体カバー６の上部開口部７は
サイドカバー12で完全に遮蔽されており、上部開口部７
への塵の侵入或いは上部開口部７から外部への音の漏れ
を防止することができる。即ち、サイドカバー12は給紙
機３の給紙ローラ10等を支持する両側板11,11の外側を
覆っており、且つ、プリンタ本体カバー６の上部開口部
７の周縁に、枠体８が形成され、枠体８とサイドカバー
12で囲まれた密閉空間Ｍ内に、プリンタ本体２及び給紙
機３の内部機構が位置せしめられているので、プリンタ
本体カバー６の断面門形の枠体８の頂部8Cとサイドカバ
ー12の底部12aの密着部から、プリンタ本体２の内部機
構や給紙機３の内部機構の騒音を外部に漏らしたり、内
部に塵が侵入したりすることを防止できる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、給紙機とプリン
タ本体の水平方向の位置決めは、給紙機の下部側の係合
部とプリンタ本体の上部側の被係合部との係合により行
なわれ、また、給紙機の重量は、すべて、プリンタ本体
カバーの枠体上で受けることになり、プリンタ本体カバ
ーの断面門形の枠体の平面状の頂部とサイドカバーの平
面状の底部が密着状態で当接される。

しかも、枠体とサイドカバーで囲まれた密閉空間内に
プリンタ本体及び給紙機の内部機構が位置せしめられて
いるので、プリンタ本体カバーの枠体の平面状の頂部と
サイドカバーの平面状の底部の密着部から給紙機の給紙
ローラやプリンタ本体の内部機構の騒音を外部に漏らし
たり、内部に塵が侵入したりすることを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係るプリンタの一部断面正面
図である。 第２図は同プリンタの一部断面側面図である。 第３図は第２図のＡ−Ａ線に沿った断面図である。 第４図は第２図のＢ−Ｂ線に沿った断面図である。 第５図は従来におけるプリンタの内部構造を示す一部断
面正面図である。 〔主要な部分の符号の説明〕 １……本実施例に係るプリンタ ２……プリンタ本体 ３……給紙機 ６……プリンタ本体カバー ７……上部開口部 ８……枠体 8C……頂部 ９……係合孔（被係合部） 10……給紙ローラ 11……側板 12……サイドカバー 12a……底部 13……係合突起（係合部） Ｍ……密閉空間。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プリンタ本体とこのプリンタ本体に載置・
   取外し自在の給紙機とから構成され、載置された給紙機
   はプリンタ本体に位置決めされるプリンタにおいて、 プリンタ本体の上面を覆うプリンタ本体カバーの上部開
   口部の周縁に、平面状の頂部を有する断面門形の枠体
   と、枠体に穿設された被係合部とが形成され、 給紙機には、この給紙機の給紙ローラを支持する両側板
   と、この両側板の外側を覆うとともに枠体の平面状の頂
   部に平面状の底部が密着状態で当接されるサイドカバー
   と、両側板の下端より突設する係合部とが形成され、 プリンタ本体の枠体上に給紙機のサイドカバーを載置す
   るとともに給紙機の係合部をプリンタ本体の被係合部に
   係合することにより、枠体とサイドカバーで囲まれた密
   閉空間内に、プリンタ本体の内部機構及び給紙機の内部
   機構が位置し、給紙機の下部側とプリンタ本体カバーの
   上部側との間の相対変位が防止される ことを特徴とするプリンタ。