JP2525026Y2 - 窓 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は窓枠の室内側に額縁を取付けた窓に関する
ものである。

〔従来技術〕

アルミサッシ等の押出し形材からなる窓枠の室内側に
木製額縁を取付けて、意匠を向上させるとともに、額縁
によって室内の空気が窓枠と触れるのを遮り、室内の気
温が低下するのを防止した窓が一般的に知られている。

〔この考案が解決すべき問題点〕

このような窓において額縁を取付ける場合、まぐさ、
窓台、柱等の開口部躯体の見込み幅に応じて額縁を取付
けなければ、額縁と開口部躯体や窓枠との間に隙間が生
じて外観体裁が良くないものとなってしまう。

しかし各枠に取付ける額縁が一体ものである場合、窓
枠および躯体にぴったりと当接して取付けることは極め
て困難である。

そこで出願人は先に実開昭61-41777号公報に示される
ように額縁を第１額縁と第２額縁の二つとした構造を開
発したが、この考案はのみ込む部を二つにして、額縁を
二つ共スライド可能としたことによって障子と第２額縁
との見込方向の隙間を覆うとともに取付位置を調整し、
納まり状態を良好にできるようにしたものである。

ところで前記公報のものは、障子の室内側框と額縁と
の間にAT材が取付けられ障子と額縁との間は密封されて
います。このようにAT材を設けてあるものであると額縁
の見込み方向の微調整は必要でなく、額縁は開口枠にビ
ス止めしておいてもよい。

しかし、この考案のように障子框と額縁との間にAT材
を取付けていないものであると、額縁が一体であるとま
ぐさ、窓台の見込み寸法によって障子框と額縁との隙間
寸法が異なり、隙間寸法が大きい場合には十分な防音効
果が得られなかったり、意匠を損ねたりする場合があ
る。そのため、この考案では額縁を二分割し、一方は窓
台、まぐさの見込み寸法に追従させ、他方は障子框との
隙間を少なくするように追従させるものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案にかかる窓は、押出し形材からなる窓枠Ａの
室内側に木製の額縁25,26を取付け、障子Ｂを建込んだ
窓において、窓枠Ａの各枠1,2,3に取付ける額縁を第一
額縁25と第二額縁26によって構成するとともに、かつ前
記各枠1,2,3には平行した凹溝状ののみ込み部8,13が形
成してあり、第一額縁25は建物躯体4,5,6の室内側を覆
うように取付け、第二額縁26は第一額縁25の見込み方向
の内面に載置して各枠1,2,3の室内側部1a,2a,3aおよび
障子Ｂと第一額縁25との間の隙間を覆うように取付け、
両額縁25,26の室外側部を前記のみ込み部8,13に収納す
ることにより建物躯体4,5,6の見込み方向に取付位置の
調整をしうるようにスライド可能にしてある。

これによって建物躯体と各枠の見込み幅に合わせてぴ
ったりと額縁を隙間なく収めることが可能となり、外観
体裁が良好となるようにしたものである。

〔実施例〕

以下図に示す一実施例に基づき、この考案を詳細に説
明する。

図においてＡは窓枠であって、アルミサッシ等の押出
し形材からなる上枠１、下枠２および左右竪枠3,3が方
形状に枠組まれて、開口部躯体であるまぐさ４、窓台５
および左右柱6,6に各々取付けられている。

各枠1,2,3は室内側部1a,2a,3aと室外側部1b,2b,3bに
よって構成されており、ウレタン樹脂等の断熱材７によ
って連結されている。各枠1,2,3の室内側部1a,2a,3aに
は室内側に向って開口するのみ込み部８が形成されてい
る。

上枠室内側部1aは室内側レール９と、その室内側レー
ル９の室内側面の上下中間部に室内側に向って突出する
基面10と、基面10の室内外方向中間部からまぐさ４に向
って突出する当接片11からなっている。当接片11よりも
室内側の基面10室内側端とまぐさ４下面間がのみ込み部
８となっている。室内側レール９の室内側面の基面10よ
りも若干下方には室内側に向って突片12が形成されてお
り、基面10と突片12間が室内側に開口するのみ込み部13
となっている。

下枠室内側部2aは室内側レール14と、室内側レール14
の室内側面の上下中間部に室内側面に向って突出する基
面15と、基面15の室内外方向中間部から窓台５に向って
突出する当接片16からなっている。当接片16の室内側の
基面15室内側端と窓台５上面間が室内側に開口する凹溝
状ののみ込み部８となっている。基面15の室内側端は下
方に向って若干屈曲されている。室内側レール14の基面
15よりも若干上には室内側に向って突出する突片17が形
成されており、基面15と突片17間が室内側に開口する凹
溝状ののみ込み部13となっている。突片17の室内側端に
は上方に突出する立上り片18が形成されている。そして
のみ込み部8,13は平行して配置してある。

左右竪枠3,3のうち第２図に示す実施例の右側の竪枠
３の室内側部3aは戸当り片19と、戸当り片19の室内側面
の左右中間部から室内側に突出する基面20と、基面20の
室内外方向中間部から柱６側に向って突出する当接片21
からなっている。当接片21の室内側の基面20室内側端と
柱６表面側が、のみ込み部８となっている。

図において左側の竪枠３の室内側部3aは、断熱材７と
連結する係止片22、係止片22の他方の竪枠３側端から室
内側に突出する基面23、および基面23の室内外方向中間
部から柱６側に向って突出する当接片24からなってい
る。当接片24の室内側の基面23室内側端と柱６表面側
が、のみ込み部８となっている。

以上のような窓枠Ａの室内側部1a,2a,3aに木製の第一
額縁25と第二額縁26が取付けられている。第一額縁25は
室内側端に張り出す当接部27を有しており、当接部27は
躯体4,5,6室内側面に当接し、室外側端が各枠1,2,3のの
み込み部８内に収納され、躯体4,5,6表面を覆うように
取付けられている。

第二額縁26は室内側部28と室外側部29よりなってお
り、第４図に示すように室内側部28は端部が45°切断さ
れ、室外側部29は90°切断されて方形状に組まれてい
る。第二額縁26は第一額縁25の見込み方向開口部内面に
載置して、各枠1,2,3の室内側部1a,2a,3aおよび障子Ｂ
と第一額縁25との間の隙間を覆うようにして取付けられ
ている。室外側部29を貫通した釘30が各枠1,2,3,を貫通
して躯体4,5,6に第二額縁26が固定されている。上下枠
1,2に取付ける第２額縁26,26の室外側部29,29は、のみ
込み部13,13内に収納されている。

以上のように第一額縁25の室外側端が各枠1,2,3のの
み込み部８内に収納されており、第一額縁25に重ね合わ
せて第二額縁26が取付けられているため、躯体4,5,6に
合わせて第一額縁25の取付位置の調整を行っても、第二
額縁26は窓枠Ａと隙間なく当接することができ、両額縁
25,26を窓枠Ａと建物躯体4,5,6との寸法に応じて体裁よ
く納めることができる。

上下枠1,2に取付ける第二額縁26の室外側部29,29はの
み込み部13内に収納されており、窓枠Ａに対する第二額
縁26の取付位置調整を行っても、第二額縁26と窓枠Ａ間
の隙間が隠れて外観体裁が良好となる。

以上のような窓枠Ａに障子B,Bが室内外に建込まれて
いる。障子Ｂは押出し形材からなる上框31、下框32およ
び左右竪框33,33が方形状に框組まれガラス板34が装着
されている。障子Ｂの各框31,32,33の室内側面には木製
の化粧板35が取付けられている。

〔考案の効果〕

この考案は以上のような構成を有し、木製の額縁を第
一額縁と第二額縁によって構成し、かつ枠には平行した
凹溝状ののみ込み部が形成してあり、第一額縁と第二額
縁の室外側部をのみ込み部に収納することにより建物躯
体と各枠に合わせて各額縁をズラして取付位置の調整を
行うものである。従って建物躯体と各枠の見込み幅に合
わせて額縁をぴったりと納めることができ、かつ各枠の
室内側部および障子と第一額縁との間の隙間を覆うよう
に取付けてあるので外観体裁が良好になる。また押出し
形材からなる各枠の室内側部を覆うので断熱効果にも優
れる。

額縁は第一額縁の平行な他方の枠と向き合う面上に第
二額縁を重ねるため、階段状となって納まり状態を良く
するとともに重厚感がでる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる窓であって第３図のＩ−Ｉ線
断面図、第２図は第３図のII−II線断面図、第３図は断
熱窓の正面図、第４図は第二額縁の斜視図である。 Ａ……窓枠、Ｂ……障子 １……上枠、２……下枠、３……竪枠、４……まぐさ、
５……窓台、６……柱、７……断熱材、８……のみ込み
部、９……室内側レール、10……基面、11……当接片、
12……突片、13……のみ込み部、14……室内側レール、
15……基面、16……当接片、17……突片、18……立上り
片、19……戸当り片、20……基面、21……当接片、22…
…係止片、23……基面、24……当接片、25……第一額
縁、26……第二額縁、27……当接部、28……室内側部、
29……室外側部、30……釘、31……上框、32……下框、
33……竪框、35……化粧板。

フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭54−101046（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−41777（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭54−121636（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】押出し形材からなる窓枠Ａの室内側に木製
   の額縁25,26を取付け、障子Ｂを建込んだ窓において、
   窓枠Ａの各枠1,2,3に取付ける額縁を第一額縁25と第二
   額縁26によって構成するとともに、かつ前記各枠1,2,3
   には平行した凹溝状ののみ込み部8,13が形成してあり、
   第一額縁25は建物躯体4,5,6の室内側を覆うように取付
   け、第二額縁26は第一額縁25の見込み方向の内面に載置
   して各枠1,2,3の室内側部1a,2a,3aおよび障子Ｂと第一
   額縁25との間の隙間を覆うように取付け、両額縁25,26
   の室外側部を前記のみ込み部8,13に収納することにより
   建物躯体4,5,6の見込み方向に取付位置の調整をしうる
   ようにスライド可能にしてあることを特徴とする窓。