JP2524627Y2 - 田植機における苗のせ台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、田植機における苗のせ台に関するもので
ある。

〈従来の技術〉 従来、田植機の苗のせ台には、苗送りを確実にするた
めに、苗の縦送り機構によって苗マットを下方へ強制的
に送る方式が採用されており、該苗の縦送り機構は苗の
せ台の下方に設けられた切欠窓を介して苗滑り面に突出
して支持されていた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかし、従来のように苗のせ台に苗の縦送り機構を取
り付けた場合には、該苗の縦送り機構を収容する切欠窓
によって、苗載せ面積が大きく切り欠かれ、該切欠窓の
周辺部は、剛性不足となって、たわみ変形が生じやすい
といった不都合が生じていた。

このため、苗のせ台のたわみ変形によって、それぞれ
の苗の縦送り機構が均一に苗滑り面から突出せず、苗マ
ットの送り量が条毎にことなるといった問題が生じてい
た。さらに苗の縦送り機構と苗マットが均一に接触せ
ず、苗マットの送り量が変化するといった欠点もあっ
た。

以上のような欠点によって、掻取量の違いを招き、植
え付けた各苗の成長が不均一となるため、肥料効率や収
穫効率の低下を招いていた。

〈問題点を解決するための手段〉 上記のような問題点を解決するための本考案は、苗の
縦送り機構24を表面に臨ませる複数の切欠窓34を底板22
に左右方向に並べて形成し、該底板22の裏面に沿って切
欠窓34の下方位置に棒状体を横設した苗のせ台におい
て、上記底板22裏面側における隣接切欠窓34,34間に裏
面に突出する支持部材37を設け、前記支持部材37が棒状
体に当接し、上記底板22が少なくとも裏面側にたわみ変
形するのを規制する機構としたことを特徴としている。

〈作用〉 苗のせ台13の下方に設けた切欠窓34に苗の縦送り機構
24が収容され、苗マットの載置等によって隣接する切欠
窓34間の底板22のたわみ変形が発生する。この時苗のせ
台13の裏面に設けられた支持部材37は該たわみとともに
移動するが、苗のせ台13の裏面左右方向に設けられた棒
状体26,27に当接して動きが規制され、切欠窓34間の底
板22のたわみも防止される。

〈実施例〉 第２図は本考案を実施した歩行田植機の側面図で、機
体１には走行車輪３とともに複数個のフロート５が付設
され、機体１の後方にはドライブケースが作業部のフレ
ーム７を介して植付作業部９に取付けられている。上記
フレーム７の後方には操向ハンドル11が、またその前方
には苗のせ台13が各後傾して斜設され、その上下二ケ所
をレール部材等にて横方向に滑動自在に支持され、苗の
せ台13の下部前方には苗のせ台13の下端よりマット苗を
順次掻取って植付ける植付部15が一定の軌跡を画いて回
転するように取付けられている。

上記苗のせ台13はフレーム７及びハンドル11上におい
て、第４図に示すように、フレーム７よりその両端を突
出して左右動するスライドバー17に連結され、左右動自
在に取付けられており、スライドバー17はフレーム７内
に平行に軸支されたらせん軸19上を左右動するスライド
ブロック21に固着され、らせん軸19の回転によって左右
方向にスライドされる。

苗のせ台13は２枚の底板22と、該底板22の両端に取り
付けられたガイドリブ14との組合せからなっており、底
板22の上面には苗マットが下方へ滑って送られる苗滑り
面22aとなっている。第３図に示すように各底板22の下
方には、後述する苗の縦送り機構24を収容する切欠窓34
が左右方向に併設されている。第１図及び第５図に示す
ように、該切欠窓34に沿った苗のせ台13の裏側には、苗
のせ台13に取り付けられているブラケット23に支持され
て棒状体が左右方向に併設されており、本実施例の苗の
せ台13では、ベルト方式の苗の縦送り機構24の駆動シャ
フト25と従動シャフト27及び補強シャフト26が棒状体に
相当する。このような苗の縦送り機構24は各底板22につ
いて２つづつ取り付けられ、これらを収容する切欠窓34
も同数設けられている。

苗の縦送り機構24は前記駆動シャフト25と従動シャフ
ト27に取り付けられたローラ29,31に、送りベルト33を
巻き掛けた構造となっており、駆動シャフト25に接続さ
れた送り作動部35によって苗マット接触面側が下方へ回
転する。

苗のせ台13の裏面において、切欠窓34の間には苗のせ
台13を補強するためのリブ状の支持部材37が設けられて
いる。該支持部材37は本実施例の苗のせ台13では、従動
シャフト27に対向した位置に縦方向に設けられ、その下
辺は該従動シャフト27に当接している。

さらに本実施例の苗のせ台13のように必ずしも従動シ
ャフト27によってたわみ変形を規制する場合に限らず、
支持部材37の位置を変更して補強シャフト26や駆動シャ
フト25に当接せしめ、苗のせ台13のたわみ変形を規制す
るようにすることも可能である。

以上のように本実施例の苗の縦送り機構24は、ベルト
送り方式を採用しているが、ローラ送り方式の場合にも
同様に利用することができる。

〈考案の効果〉 以上の如く構成される本考案の苗のせ台によれば、苗
重量が加わっても支持部材が棒状体に当接して切欠窓間
の底板の裏面方向へのたわみ変形が防止され、苗滑り面
が変形しないので、例えば送りベルト等の苗の縦送り機
構が苗滑り面に対して各条毎に各々均一に突出するた
め、各々の条毎の送り量が均一となる結果、各条を比較
した場合の掻取量も均一になるといった効果がある。

さらに苗の縦送り機構の苗マットとの接触面が苗滑り
面上に均一に突出するため、苗の縦送り機構が確実に苗
マットを保持搬送することができ、均一な送り量による
各条毎の掻取量を均一に維持することができるといった
利点も有する。

以上のような効果を奏する結果、各苗は均一に植え付
けられ、肥料効率や収穫効率も向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の棒状体ブラケット支持部を
表す、苗のせ台の側面拡大断面図、第２図は本考案を実
施した歩行田植機の全体側面図、第３図は同じく全体平
面図、第４図は苗のせ台の平面断面図、第５図は苗の縦
送り機構の取付部分を示す苗のせ台の裏面部分拡大図で
ある。 24:苗の縦送り機構、34:切欠窓 37:支持部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 梶谷 博正 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番 地１ 三菱農機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−203417（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−213316（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】苗の縦送り機構（24）を表面に臨ませる複
   数の切欠窓（34）を底板（22）に左右方向に並べて形成
   し、該底板（22）の裏面に沿って切欠窓（34）の下方位
   置に棒状体を横設した苗のせ台において、上記底板（2
   2）の裏面側における隣接切欠窓（34），（34）間に裏
   面に突出する支持部材（37）を設け、前記支持部材（3
   7）が棒状体に当接し、上記底板（22）が少なくとも裏
   面側にたわみ変形するのを規制する機構とした田植機に
   おける苗のせ台。