JP2524114B2 - 印刷装置のインキ制御装置 - Google Patents

印刷装置のインキ制御装置

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JP2524114B2 JP61101271A JP10127186A JP2524114B2 JP 2524114 B2 JP2524114 B2 JP 2524114B2 JP 61101271 A JP61101271 A JP 61101271A JP 10127186 A JP10127186 A JP 10127186A JP 2524114 B2 JP2524114 B2 JP 2524114B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は印刷装置に関し、特に印刷装置のインキ制御
装置に関する。
印刷装置は当業者には周知の装置である。印刷装置は
一般的に複数個のインキローラと、少なくとも1個のイ
ンキつぼと、インキローラ中の1個に近接して配設され
た少なくとも1個のインキブレードとを含有する。イン
キブレードは、概ね長手方向に延在する部材であり、そ
の長手方向の長さは、インキローラの軸線と概ね平行し
ている。インキブレードの一縁は、インキローラに隣接
するが接触はしない状態で配設されて、インキブレード
の縁部とシンキローラ間に間隔が設けられる。この間隔
は、インキローラに対するインキブレードの位置を調節
して変化することができる。インキブレードとインキロ
ーラ間の距離は、インキローラに付着するインキ量に比
例するとともに、この距離は一般に紙である媒体に印刷
されるインキの濃度を決める。インキの濃度が一つの被
印刷片全体にわたって均一にならない場合があるので、
インキブレードとインキローラ間の間隔は、インキロー
ラの全長に沿った種々の位置で当然相違しなければなら
ない。各位置での間隔は、一般にインキブレード上に取
付けた手動式調整装置に調節される。これらの各調節装
置は通常「ゾーン」と呼ばれる被印刷片の一部のインキ
濃度を変化する。従来の調節装置は一般にキーと呼ばれ
ている。従来の印刷装置とインキ調節装置の例は、クラ
ムの米国特許第3,747,524号;マレー等の米国特許第3,9
58,509号;クラム等の米国特許第4,008,664号;および
シュラムの米国特許第4,328,748号に記載されている。
しかし、前記の在来装置はいくつかの点で欠点があ
る。最も重大な欠点は、インキ調節装置が手動式のため
に、調節作業が複雑で時間がかかることである。印刷装
置は、一般的に少くとも12個のインキ調節装置を具えて
おり、インキつぼが大容量の場合には、36個にも及ぶイ
ンキ調節装置を備えている。インキ調節と再調節作業
は、操作員が試行錯誤を重ねて行わなければならない。
また、一度良好な印刷結果が得られても、その調節状態
で次の印刷工程で好ましい結果が再現されるとは限らな
い。
前記の欠点の一部を軽減する先行技術は、マンベラの
米国特許第4,390,958号に開示されている。しかし、こ
の装置も色々な点で欠点がある。たとえば、この装置は
インキの濃度の検出と解析のために電気光学機構を利用
しているので、被印刷画像を写真フィルムに転写する工
程が別に必要となる。マンベラが開示した上記技術の他
の欠点は、レトロフィット装置ではないということであ
る。印刷機械は一般に高価であり、需要家も斬新な特徴
と技術を具えた印刷機械を新規に購入することは稀であ
る。したがって、在来の印刷機械の操作を改良するレト
ロフィット装置が業界で望まれている。このようなレト
ロフィット装置の一例がリーバートなどの米国特許第4,
213,390号に開示されている。しかし、上記のレトロフ
ィット装置はインキブレード駆動用にベアリング装置を
使用しているなどの欠点がある。ベアリング装置を使用
する場合の著しい欠点は、ベアリング装置と、インキブ
レードに衝接するキーとを正確に直接取付けなければな
らないことである。キーはインキブレード上に正確に配
列されているため、各ベアリング装置、従って全ての調
節装置をキーに正確に取付けなければならない。このよ
うな取付け上の制約によって、調節装置は互換性を失
い、交換と保守上の問題が生じる。さらに、このレトロ
フィット装置は、調節装置から中心位置まで一本あるい
は複数本のワイヤを使用しており、一般にワイヤハーネ
スと呼ばれる大量のワイヤは、特にレトロフィット装置
の装着と取外しの時に取扱いが困難である。またリーバ
ートのレトロフィット装置の欠点は、種々の印刷装置に
適合できない点にある。
このように不適合性は印刷装置の大きさの不統一に由
来するもので、特に各装置のキーすなわち調節装置の個
数が不統一であるからである。理想的なレトロフィット
装置は、印刷装置の大きさやキーの個数に関係なく、全
ての在来印刷装置に適応できなければならない。この意
味では、マンベラとリーバートのレトロフィット装置は
全ての在来型式の印刷機械に容易に使用できない。たと
えば、マンベラの装置は、検出素子とキーの個数との間
に一定の比率を必要とする。以上の理由から、上記の二
種類のレトロフィット装置は特定型式の印刷装置に使用
するにはレトロフット装置を改変しなければならず、し
たがってレトロフィット装置が特定型式の印刷装置に関
して使用されるという制限をうける。
先行技術に徹すれば、本発明の主要目的は型式を問わ
ず全ての在来の印刷装置に容易に取付けられ、特にキー
の個数とゾーンの個数との比率に関係なく在来の印刷装
置に取付け可能なインキ制御装置を提供することにあ
る。
本発明の今一つの目的は、単純で迅速な通信技術、特
に調節装置との通信にバス(母線)を利用するインキ制
御装置を提供することにある。
本発明の今一つの目的は、在来の印刷装置を改造、変
更を必要としないインキ制御装置を提供することにあ
る。
本発明の今一つの目的は、調節キーの動作を検知する
ため、単純なフィードバック技術を利用するインキ制御
装置を提供することにある。
本発明の今一つの目的は、ジョブを記憶し、これを再
現できるインキ制御装置を提供するにある。
本発明の今一つの目的は、印刷装置を損傷しないイン
キ制御装置を提供することにある。
本発明のさらに今一つの目的は、在来の印刷装置の寸
法に合致し得るように、モジュールとして拡大・縮小で
きるインキ制御装置を提供することにある。
本発明の今一つの目的は、在来の印刷装置への装着と
取外しが容易なインキ制御装置を提供することにある。
上記その他の目的を達成するために、本発明は、複数
個のインキローラと少なくとも1個のインキつぼと前記
インキローラ中の1個に近接して配設され複数個のイン
キ調節キーを備えた少なくとも1個のインキブレードと
を有する印刷装置に使用するインキ制御装置を提供す
る。調節キーの調節を制御するインキ制御装置は、イン
キ制御装置の動作全体を制御するシステム・ユニット
と、調節キーを調節制御する指令を入力する操作盤と、
調節キーの調節を制御するサーボ・パワー・ユニット
と、複数個のサーボ・モジュールであって、各サーボ・
モジュールが調節キー中の1個を作動して当該調節キー
を調節するようにするサーボ・モジュールとを含有す
る。
本発明のその他の目的、特徴、利点は下記に示す好ま
しい詳細な実施態様の説明と添付図面を検討することに
よって理解されよう。
第1図は、通常のオフセット式印刷装置(12)を略図
として示す。図面では印刷装置(12)は2個のインキつ
ぼ(14a)、(14b)を含む。各インキつぼ(14a)、(1
4b)は、通常の設計であり、第2図に最も良く示されて
いるように、少なくとも1個のインキブレード(16)
と、少なくとも1個のインキローラ(18)を有する。各
インキつぼ(14a)、(14b)は、特定の色のインキを出
すために使用される。インキブレード(16)は、概ね縦
方向に伸長する部材であり、その縦方向の長さは、イン
キローラ(18)の軸と平行である。インキブレード(1
6)の一方の縁(17)は、インキローラ(18)に隣接す
るが接触しないように配設され、前記インキブレードの
縁(17)とインキローラ(18)間に間隔Gが生成される
ようになっている。間隔Gの距離は、インキローラ(1
8)に関してインキブレード(16)の位置を調節して変
更できる。インキブレード(16)とインキローラ(18)
間の距離は、インキローラ(18)に付着するインキ量に
比例し、前記インキ量は紙など被印刷面に移すインキの
濃度を決める。たとえば、インキブレードの縁(17)と
インキローラ(18)間の間隔Gが減少すれば、インキロ
ーラ(18)に捕捉されるインキ量は減少して、被印刷面
上のインキ濃度が低下する。
被印刷片上のインキ濃度を加減するには、インキブレ
ード(16)とインキローラ(18)間の間隔Gを調節し
て、インキローラ(18)の全長に沿って、任意の別々の
位置で異なる間隔を得るようにする。従来の方法では、
前記の任意の別々の位置でインキブレード(16)を調節
することによって実現されていた。調節装置はインキブ
レード(16)上のこれらの別々の各位置についてそれぞ
れ取付けられていた。前記の従来の調節装置は手動式の
機構であり、一般に小型のインキつぼ1個に対し少なく
とも12個、また大型のインキつぼ1個に対し36個も必要
とするため、上記複数個の調節装置全体の調節作業は時
間が長くかかり、不正確であった。時間が長くかかる理
由は、操作員が試行錯誤により上記の調節装置の全体で
はなくともそれらの大部分を調節、再調節しなければな
らないためである。また調節作業が不正確になる理由
は、印刷色のシェーディングを得るために操作員が本人
の過去の経験に基いて上記の調節装置を調節するためで
ある。さらに、一回終った調節作業は、次回の印刷工程
に反復適用できない可能性がある。
上記その他の欠点を軽減するため、第1図にインキ制
御装置(20)を開示する。インキ制御装置(20)は、実
質的に在来型式の印刷装置(12)の付属品(アタッチメ
ント)である。在来の印刷機械の一例は日本国東京所在
の秋山印刷機械製作所製のベステック40型印刷装置であ
る。インキ制御装置(20)は、システム・ユニット(2
2)と、操作盤(24)と、複数個のサーボ・パワー・ユ
ニット(26)とを含有し、各サーボ・パワー・ユニット
は複数個のサーボ・モジュール(28)を制御する。各サ
ーボ・モジュール(28)は、第2図に最も良く示す通
り、インキブレード(16)上の任意の位置でインキブレ
ード(16)とインキローラ(18)との間隔Gを調節する
機構である。各サーボ・モジュール(28)はインキブレ
ード(16)上の所定の位置に取付けられる。上記の所定
の位置は、第11図に示すようにインキブレード(16)と
接触するキー(190)の位置である。サーボ・モジュー
ル(28)を作動すると、一般にインキ・ゾーンと呼ばれ
る被印刷面の印刷領域に影響がでる。後述するように、
インキ・ゾーンの個数はキー(190)の個数、すなわち
サーボ・モジュール(28)の個数に必ずしも一致する必
要はない。
インキ制御装置(20)の操作全体の概略を第3図に示
す。システム・ユニット(22)は、中央処理装置cpu(3
0)と、ディスク制御器(32)と、操作盤監視装置(3
4)と、通常の電源供給装置(36)とを含む。操作盤(2
4)は、システム・制御装置(40)と、入力/出力制御
装置(42)と、ゾーン制御装置(44)と、ディスプレイ
装置(46)とを含む。各サーボ・パワー・ユニット(2
6)は、サーボ中央処理・通信装置(50)と、通常の電
源(52)とを含む。後述するように、インキ制御装置
(20)は分散処理を利用しており、サーボ・パワー・ユ
ニット(26)などのサブユニットの操作は、cpu(30)
に全面的に依存することなく、主として内部処理装置の
制御により行われる。
装置の操作に際しては第4図に示すように、先ず画像
を印刷すべきテンプレート、又はエッチングが施された
版(60)を画架状の架台(62)上に配置する。版(60)
は通常の方法でエッチングが施されている。操作盤(2
4)は一般に架台(62)の下部に配置することによっ
て、版(60)または印刷物がディスプレイ装置(46)の
各種の表示と共に容易に観察できるようになっている。
操作員は最初にゾーン制御装置(44)を零位設定して、
サーボ・モジュール(28)を初期設定する。ゾーン制御
装置(44)は複数個のスイッチ(64)から構成されてお
り(第5図参照)、各スイッチは印刷物のゾーン上に転
移するインキ濃度を選択する。基本的に選択されたイン
キ濃度はインキブレード(16)の任意の位置におけるイ
ンキブレード(16)とインキローラ(18)との間隔Gを
サーボ・モジュール(28)が制御するので、結果的にサ
ーボ・モジュール(28)の動作に影響を与える。
インキ濃度はディスプレイ装置(46)上に数値と図形
の両方で表示されて検証される。次にシステムコントロ
ール(40)がこの情報を適切な信号に変換して、入/出
力制御装置(42)により伝送される。
システムユニット(22)のcpu(30)は、操作盤(2
4)からゾーン濃度情報を受信した後、種々の機能を実
行する。先ず、cpu(30)はディスク制御器(32)を介
して、ゾーン濃度情報を記憶装置(図示せず)に記憶す
る。次に、cpu(30)はサーボ・パワー・ユニット(2
6)に指令を示す。操作盤監視装置(34)は、システム
ユニット(22)と操作盤(24)間の情報転送を制御す
る。
システムユニット(22)からサーボ・パワー・ユニッ
ト(26)に伝送された指令は、サーボ処理・通信装置
(50)に受信された後、サーボ処理・通信装置(50)に
よってサーボ・モジュール(28)用のパルスなど適切な
信号に変換される。これらの信号は、サーボ・モジュー
ル(28)の内部モータを作動して、インキブレード(1
6)とインキローラ(18)間の間隔Gを広げたり狭めた
りする。
インキ制御装置(20)は、4個までのサーボ・パワー
・ユニットを具えることができるが、好ましい実施態様
では僅か1個のサーボ・パワーユニット(26)を利用し
ている。さらに、各サーボ・パワー・ユニット(26)は
6群の、すなわち6列のサーボ・モジュール(28)を制
御する。各サーボ・モジュール列には22乃至40のサーボ
・モジュールを具えることができる。
インキ制御装置(20)の詳細を説明するため、各サブ
ユニットについて下記に逐次説明する。
第3図に示す通り、システムユニット(22)は、cpu
(30)と、ディスク制御装置(32)と、操作盤監視装置
(34)と、電源(36)とを含有する。好ましい実施例で
は、cpu(30)、ディスク制御装置(32)、電源(36)
はそれぞれ在来の装置を利用するため、本明細書では詳
述しない。現実には好ましい実施例ではこれらの構成要
素はIBMと互換性あるパーソナルコンピュータの適当な
サブユニットを利用している。たとえば、好ましい実施
例のcpu(30)はカリフォルニア州サンタクララにある
インテル社が製作した8088型マイクロプロセッサであ
る。
第7図は最も良く示されている通り、操作盤監視装置
(34)は、監視処理装置(70)と、プログラム可能な読
取り専用記憶装置(EPROM)(71)と、ランダム・アク
セス記憶装置(RAM)(72)と、監視バッファ/トラン
シーバ(74)と、双方向データ・トランシーバ(78)
と、アドレス・バッファ(80)と、アドレス・デューダ
(82)と、操作/停止制御装置(84)と、リセット・ジ
ェネレータ装置(86)とを含有する。
さらに詳しく言うと、好ましい実施例では、監視処理
装置(70)は、アリゾナ州フェニックスにあるモトロー
ラ社製の6802型マイクロプロセッサである。監視処理装
置(70)は16個のアドレス出力と、8個のデータ出力
と、1個のリセット入力と、1個の停止入力を含んでい
る。EPROM(71)とRAM(72)はそれぞれ8本のデータ回
線を有すると共に、14個と13個のアドレス入力をそれぞ
れ具備している。なお、好ましい実施態様において、EP
ROM(71)は在来の8ビット、128K記憶装置を利用して
おり、またRAM(72)も在来の8ビット、64K記憶装置を
使用している。監視バッファ/トランシーバ(74)は、
操作盤監視装置(34)と通信するアドレス回線とデータ
回線と共に、操作盤(24)と通信するアドレス回線とデ
ータ回線とを含んでいる。好ましい実施態様において、
監視バッファ/トランシーバ(74)は、カリフォルニア
州サニイヴェイルにあるシグネティック社が製造する。
74LS244型バッファと、74LS245型トランシーバを利用し
ている。
データ・トランシーバ(78)は、操作盤監視装置(3
4)とcpu(システムユニットのマイクロプロセッサ)
(30)間の8ビットデータ情報の受信と伝送を行う。ま
た、アドレス・バッファ(80)はアドレス情報をcpu(3
0)から操作盤監視装置(34)へ伝送するために設けら
れる。データ・レシーバ(78)とアドレス・バッファ
(80)とはいずれも1個の制御ポートを含んでおり、こ
のポートはアドレス・エンコーダ(82)と通信する。な
お、好ましい実施態様においてデータ・トランシーバ
(78)とアドレス・バッファ(80)とは、それぞれ74LS
245型トランシーバと74LS224型バッファを利用してい
る。アドレス・デコーダ(82)は3種類の信号を発生
し、これらの信号は操作/停止制御装置(84)の停止/
操作(HALT/RUN)信号とリセット・ジェネレータ装置
(86)の復元(RESET)信号を発生する。好ましい実施
態様において、アドレス・デコーダ(82)は、シグネチ
ック社製の74LS138型のデコーダ/デマルチプレクサを
利用している。操作/停止制御装置(84)とリセット・
ジェネレータ装置(86)は、シグネチック社製の在来の
74LS74D型フリップ・フロップを利用している。
第7図にも示す通り、システム・ユニット(22)は、
複数のACIA(非同期通信インターフェースアダプタ)
(76A)−(76D)を含んでおり、上記のACIAによってシ
ステムユニット(22)とサーボ・パワー・ユニット(2
6)間の通信を容易に行うことができる。ACIA(76A)〜
(76D)は、それぞれcpu(30)からサーボ・パワー・ユ
ニット(26)へ情報を伝送する。角ACIAは、4個のアド
レス入力およびcpu(30)との通信用として8本のデー
タ回線を含んでいる。また、各ACIAは、cpu(30)が発
生した並列データを直列データに変換して、サーボ・パ
ワー・ユニット(26)に伝送することができる。なお、
好ましい実施態様において、ACIAは、イグネチック社製
のSCN2661型を使用している。
ACIAの連続出力30は、在来のRS232式通信線を介して
伝送される。RS232式直列ディジタル通信回線を利用す
ると、印刷装置(12)の付属装置(アタッチメント)が
整然となり単純化する。たとえば、RS232式通信回線
は、一般に5本の電線からなる直径の非常に小さいケー
ブルを使用している。これに対し、従来のレトロフィッ
ト付属装置は、通信方式が異なり、大量のワイヤを使用
するため、取扱いが面倒であった。
システムユニットの操作について以下に説明する。先
ず、監視処理装置(70)でEPROM(71)の内容を読取
り、RAM(72)を消去して操作盤監視装置(34)を初期
設定する。EPROM(71)は在来の使用方法に従い、しか
も監視処理装置(70)の操作に関する必要指令など事前
選択情報を包含している。次に、cpu(30)は、12本の
アドレス回線を介して指令情報を伝達して、操作/停止
制御装置(84)が停止(HALT)信号を出力して監視処理
装置(70)を短時間だけディスエーブル、すなわち使用
禁止にする。アドレス情報は、先ずアドレス・デコーダ
(82)が受信し、アドレス・デコーダが操作/停止制御
装置(84)のために、操作(RUN)と停止(HALT)など
の制御信号を発生する。次にcpu(30)は、アドレス情
報およびデータ情報をそれぞれアドレス・バッファ(8
0)とデータ・トランシーバ(78)を介してRAM(72)に
伝送する。これらの情報はサーボ・モジュール(28)の
設定値およびディスプレイ装置(46)の表示情報など操
作盤(24)の諸条件に関する情報である。また操作盤監
視装置(34)が種々の原因によって偶然に使用禁止にな
った場合は、cpu(30)がアドレス情報を発生し、リセ
ット・ジェネレータ装置(86)が復元(RESET)信号を
発生して操作盤監視装置(70)をリセットするようにす
る。同様に、アドレス情報は先ずアドレス・デコーダ
(82)で復号してから、制御信号がリセット・ジェネレ
ータ装置(86)に伝送される。
監視処理装置(70)は、アドレス情報とデータ情報と
を監視バッファ/トランシーバ(74)を介して操作盤
(24)に伝送する。操作盤(24)の操作を以下に説明す
る。第5図に最も良く示されている通り、監視処理装置
(70)が検知した操作盤(24)の各動作、たとえば、ス
イッチ(64)の作動などは、RAM(72)に記録される。
通常の方法で、cpu(30)は周期的に監視処理装置(7
0)を使用不能にし、RAM(72)内部の記録情報を走査す
る。スイッチ(64)の作動などRAM(72)内部に記録さ
れた応答によって、cpu(30)はRAM(72)の記憶データ
を修正する。この修正されたデータは、監視処理装置
(70)の復元時の作動指令を包含している。この指令の
1つは、後述する通り、電子音ビーパ(122)を作動す
るためのものであり、この電子音でスイッチ(64)が押
されたことを表示して、操作員に知らせる。
さらに、cpu(30)がRAM(72)内部に記録された応答
を検出すると、cpu(30)からサーボ・パワー・ユニッ
ト(26)に対する指令を発生する。これらの指令は、通
常、インキブレード(16)とインキローラ(18)の間隔
Gを調節するサーボ・モジュール(28)の動作を伴う。
またこれらの指令はACIA(76A)−(76D)を介して、並
列方式から直列方式に変換されてから、サーボ・パワー
・ユニット(26)に伝送される。サーボ・パワー・ユニ
ット(26)とサーボ・モジュール(28)の操作について
以下に説明する。なお図面には4個のACIAが示されてい
るが、好ましい実施態様では、1個のACIAが1個のサー
ボ・パワー・ユニット(26)と通信するために使用され
る。
システムユニット(22)から発せられる指令および情
報には、ゾーン情報の補間、サーボの直線性テーブルな
どが含まれる。詳述すると、補間作業とは、各サーボ・
モジュール(28)の制御量または各調整キー(190)の
制御量について当該サーボ・モジュール(28)または調
整キー(190)の各位置に対する操作盤(24)のスイッ
チ(64)中の1個の作動結果を考慮して決める技術であ
る。スイッチ(64)の個数は印刷物のインキ・ゾーンの
個数と一致するため、各スイッチ(64)は1個のインキ
・ゾーンに影響を与える。一般に、在来のインキブレー
ド(16)の縦方向の長さは、51cm(20インチ)から198c
m(78インチ)までの範囲がある。たとえば、71cm(28
インチ)のインキブレードに24個の調節キーを有する場
合は、調節キー相互の距離は約3cm(1.16インチ)とな
る。しかしインキ制御装置(20)は、22個のインキ・ゾ
ーンに影響を与える22個のスイッチ(64)を有する。さ
らに各スイッチ(64)は該当する各インキ・ゾーンのイ
ンキ濃度を加減する。51cm(28インチ)型の印刷装置に
おいて、スイッチ(64)相互の距離つまりインキ・ゾー
ン相互の距離は約3.2cm(1.279インチ)となる。したが
って各インキ・ゾーンと各調節キー間には1対1の対応
関係がない。対応関係の欠落を緩和するために、操作盤
(24)上の22個のスイッチ(64)の実際の設定は、24個
の調節キーを合成した調整の結果、被印刷面に22個のイ
ンキ・ゾーンが出現するように設定しなければならな
い。すなわち、各インキ・ゾーンのインキ濃度は、該当
する各スイッチ(64)上に選択したインキ濃度、すなわ
ち設定値と同じである。ゾーン情報などの補間は在来の
コンピュータ計算技術で行う。この補間能力によって、
インキ制御装置(20)は、全ての在来型式の印刷装置を
対象に装置の大きさや調整キーの個数とは関係なく、容
易にレトロフィットできる。インキ制御装置(20)は、
補間能力を含んでいるが、調節キーの個数とインキ・ゾ
ーンの個数とが等しいなど補間を必要としない場合も、
依然として有効である。
またサーボの直線性についても各サーボ・モジュール
(28)から発生した固有の非線形結果は後述するよう
に、システム・ユニット(22)の記憶探索表で補正しな
ければならない。
操作盤 第3図に最も良く示されている通り、操作盤(24)
は、システム・コントロール装置(40)、入出力制御装
置(42)、ゾーン制御装置(44)、およびディスプレイ
装置(46)とを含有する。
より詳細に説明すると、第8図に最も良く示されてい
る通り、操作盤監視装置(34)からの信号は、前述のよ
うに先ず入出力制御装置(42)が受信する。入出力制御
装置(42)は、双方向データ・トランシーバ(90)と、
アドレス・ラッチ(94)とを有し、操作盤監視装置(3
4)と通信する。好ましい実施態様では、データ・トラ
ンシーバ(90)とアドレス・ラッチ(94)とはシグネチ
ック社製の74LS245型トランシーバと74LS273型ラッチを
それぞれ使用している。
また、システム・コントロール装置(40)は、アドレ
ス・デコーダ(100)と、複数個の発光ダイオード(LE
D)(102)と、スイッチ・アレイ(104)と、桁ラッチ
(106)と、行ラッチ(108)とを含有する。特にアドレ
ス・デコーダ(100)は5個の入力を有し、この入力に
よってアドレス・ラッチ(94)の5本のアドレス・回線
および72個のアドレス入力と通信する。好ましい実施態
様において、アドレス・デコーダ(100)はシグネチッ
ク社製の74LS154型デコーダを利用している。
スイッチ・アレイ(104)は、好ましい実施態様では
7×8アレイを使用しており、数字と指令を表示した押
しボタンを含む、ボタン表示の指令には入力(ENTE
R)、抹消(DELETE)、複写(COPY)、保存(SAVE)、
開始(BEGIN)、再現(RECALL)などを含む。上記の押
しボタンのうち、特定のボタンを対応してLED(102)が
配置されている。好ましい実施態様では、31個のLEDが
設けてある。LEDを起動すると、たとえば複写(COPY)
などの指令の実行が表示される。LED(102)は、アドレ
ス・デコーダ(100)の4本のアドレス回線との通信と
共にデータ・トランシーバ(90)の8本のデータ回線と
も通信する。
また、スイッチ・アレイ(104)を操作するために、
桁ラッチ(106)と行ラッチ(108)が設けられている。
桁ラッチ(106)と行ラッチ(108)は、それぞれスイッ
チ・アレイ(104)の8個の桁と7個の行と通信する。
さらに、桁ラッチ(106)と行ラッチ(108)はそれぞれ
データ・トランシーバ(90)の8本の回線およびアドレ
ス・デコーダ(100)の1本のアドレス回線と通信す
る。好ましい実施態様では、桁ラッチ(106)と行ラッ
チ(108)は、それぞれシグネチック社製の74LS374型ラ
ッチと74LS244型ラッチを使用している。
前述の通り、ディスプレイ装置(46)は、英数字と画
像を表示する複数個のディスプレイを含有する。またデ
ィスプレイ装置(46)のうち操作盤(24)の各サブユニ
ットと密接に関連する部分は、各サブユニットごとに適
切な箇所で後述する。たとえば、LED(102)の機能は、
スイッチ・アレイ(104)の操作との関連で前述した。
また、システム制御装置(40)は複数個の7セグメン
ト、LEDディスプレイ(110A)−(110D)など関連のデ
ィスプレイを有している。ディスプレイ(110A)と(11
0B)は、それぞれアドレス・デコーダ(100)の2本の
アドレス回線およびデータ・トランシーバ(90)のデー
タ回線と通信する。一方、ディスプレイ(110C)と(11
0D)は、それぞれアドレス・デコーダ(100)の1本の
アドレス回線およびデータ・トランシーバ(90)のデー
タ回線と通信する。LEDディスプレイ(110A)−(110
D)は、見当合せ(REGISTRATION)、総インキ量(SWEE
P)、湿し水(WATER)の機能を表示する。
「見当合せ」は印刷用語であり、各版面の刷合せ位置
を完全に一致させ、また多色、印刷の場合には同一の紙
面に2色以上を正しく刷り重ねる作業である。在来の多
色刷り印刷機は、一般に6色処理のため6個のインキつ
ぼを保有し、インキつぼごとに1枚の色版を用いる。た
とえば画線に輪郭がある場合は、全ての印刷色は上記の
輪郭の中に収めると共に、各色を正しく刷り重ねばなら
ない。見当合せを省略した場合は、色画像の輪郭がそろ
わぬほか、各色版の印刷位置が狂ってくる。「総インキ
量」も印刷用語であり、各版面に付着したインキの総
量、すなわち各色版に転移した各色の濃度を指す。また
「湿し水」も印刷用語であり、版面の非画線部にインキ
が付着しないように、インキングに先立って版面に水を
与えることを意味する。一般に上記の特別の機能は、印
刷工程ごとに調整しなければならない。スイッチ(64)
は、好ましい実施態様ではロッカー式スイッチを使用し
ているが、ライトペン装置など他型式のスイッチも使用
できる。
また、ゾーン制御装置(44)は、アドレス・デコーダ
(112)と、複数個の上下スイッチ(64A)−(64D)と
複数のLED(116A)−(116D)と複数個の7−セグメン
ト、LEDディスプレイ(118A)−(118D)とを含有す
る。ゾーン制御装置(44)の主要機能は、サーボ・モジ
ュール(28)の設定値を選択可能にすることである。こ
の設定値とは、インキブレード(16)とインキローラ
(18)間の間隙Gの幅を示す。好ましい実施態様では10
0%の設定とは間隙Gが最大値約0.3mm(0.012インチ)
であり、また0%の設定とは最小値約0mm(0.000イン
チ)を示す。第8図に最も良く示す通り、ゾーン制御装
置(44)は、1グループ当り4個のディスプレイ装置を
含有する。たとえば、4個の上下スイッチ(64)と、4
グループのLED(116)と、4個のディスプレイ(118)
とである。したがって、1グループについてのみ以下に
説明する。ゾーン制御装置(44)はモジュール化されて
いるため、インキ制御装置(20)の増設、縮小はスイッ
チ(64)を4個単位で増減することによって容易に行う
ことができる。
またアドレス・デコーダ(112)は8個の入力を有
し、この8個の入力はアドレス・ラッチ(94)および8
個の出力と通信する。好ましい実施態様では、アドレス
・デコーダ(112)は、シグネチック社製の74LS138型デ
コーダを使用している。さらに上下スイッチ(64A)−
(64D)の内、各下り(ダウン)スイッチはアドレス・
デコーダ(112)の1本のアドレス回線と通信する。同
様に、上り(アップ)スイッチは、アドレス・デコーダ
(112)の1本のアドレス回線と通信する。
LED(116)とディスプレイ(118)は、スイッチ(6
4)の上下選択を画像表示するために設けられる。LED
(116A)−(116D)の各グループは、第5図、第6図に
示す通り11個のLEDを垂直に、しかも直線状に配列され
ている。また、LED(116A)−(116D)の各グループは1
0個のLEDを含んでおり、このLEDはおのおの予定最大値
の10%増分を示す。LEDの各グループは、アドレス・デ
コーダ(112)の1本のアドレス回線およびデータ・ト
ランシーバ(90)のデータ回線と通信する。後述する通
り、各サーボ・モジュール(28)は独自に基準点を設定
することができ、この基準点はサーボ・パワー・ユニッ
ト(26)に記憶される。またLED(116)の直線状の各ア
レイは、間隙Gの0%から100%の範囲を示す。なお、1
00%は予定最大値である。
また、LEDディスプレイ(118A)−(118D)はおのお
のアドレス・デコーダ(112)の1本のアドレス回線お
よびデータ・トランシーバ(90)のデータ回線と通信す
る。また、LEDディスプレイ(118A)〜(118D)は操作
員が各ゾーンの数値設定するための主要手段である。
さらに、第8図に示す通り、ディスプレイ装置(46)
中の残りのディスプレイは、アドレス・デコーダ(12
0)と、電子音ビーパ(122)と、ディスプレイ制御装置
(124)と、英数字ディスプレイ(128)とを含有する。
アドレス・デコーダ(120)は、アドレス・ラッチ(9
4)の4本のアドレス回線と通信すると共に、3本の出
力回線を含んでいる。この出力回線中の1本は、電子音
ビーパ(122)と通信するが、残りの2本はディスプレ
イ制御装置(124)と通信する。好ましい実施態様にお
いて、アドレス・デコーダ(120)は、シグネチックス
社が製作した74LS138デコーダを使用している。ディス
プレイ制御装置(124)は、アドレス・デコーダ(120)
からアドレス情報を受信すると共にデータ・トランシー
バ(90)からデータ情報を受信して、ディスプレイ(12
8)のために20個のディスプレイ信号を出力する。好ま
しい実施態様において、ディスプレイ制御装置(124)
はカリフォルニア州エル・セグンドにあるロックウェル
・インタナショナル社が製作した10938および10939型LS
Iチップを利用している。また、好ましい実施態様にお
けるディスプレイ(128)は、日本のノリタキ株式会社
が製作した20×2文字ドット・マトリックス英数字ディ
スプレイを利用している。
操作の手順を説明すると、システム・ユニット(22)
の操作盤監視装置(34)からのアドレス情報は、先ず上
下スイッチ(64)とスイッチ・アレイ(104)とにアド
レスして前記スイッチ中の1個またはそれ以上のスイッ
チが選択済みかどうかを確認する。たとえば設定値を増
加するためにスイッチ(64A)が選択済みの場合、この
情報はデータ・トランシーバ(90)を介して操作盤監視
装置(34)に伝送される。また、この情報は、前述の通
り、先ずRAM(72)に記憶される。RAM(72)の周期走査
の過程で、cpu(30)がスイッチ(64A)上に新規の数値
を選択することができる。監視処理装置(70)はスイッ
チ・アレイ(104)のボタンを約250ミリセカンドごとに
走査し、アドレス・ラッチ(94)とデータトランシーバ
(90)を介して指令を伝送して電子音ビーパ(122)を
起動する。電子音ビーパ(122)はスイッチ・アレイ(1
04)の各走査後、約250ミリセカンドごとに作動できる
が、この速度は、操作員がスイッチ(64)の各選択の電
子音を聞くのに十分である。直接状アレイLED(116A)
とディスプレイ(118A)との作動は、アドレス・デコー
ダ(112)のデコード後に行われる。若し増分が直前の
数値の10%以上の場合は、直線状アレイ内の次位のLED
が起動する。同時にディスプレイ(118A)も前進段階ご
とに、数字表示を増加する。
また、スイッチ・アレイ(104)のボタンが選択済み
であれば、この情報は通常の方法で桁ラッチ(106)と
行ラッチ(108)とを介して操作盤監視装置(34)に転
送される。すると、監視処理装置(70)がアドレス・ラ
ッチ(94)とデータ・トランシーバ(90)を介して指令
を送ることにより、調節キーがLEDを含む場合、LED(10
2)中の該当するLEDを起動する。また、「見当合せ」
「総インキ量」「湿し水」の3過程中の1機能を選択し
た場合は、該当するディスプレイ(110A)−(110D)が
起動して選択値を表示する。システム制御装置(40)に
対する指令は、アドレス・デコーダ(100)でデコーダ
される。
同時に、スイッチ・アレイ(104)によって選択され
た前進段階は、前述の通りRAM(72)に送信される。cpu
(30)は、周期的に走査する間に、前記の前進段階を検
出して、以下に述べるようにサーボ・モジュール(28)
の移動を指示する。
また、cpu(30)が操作員からの応答を伝送し、操作
員からの指示を求めた場合は、適切なメッセージが監視
処理装置(70)を介して英数字ディスプレイ(128)に
表示される。電子音ビーパ(122)とディスプレイ(12
8)に対する指令は、アドレス・デコーダで解読され
る。
サーボ・パワー・ユニット 4個の各サーボ・パワー・ユニット(26)は、サーボ
処理・通信装置(50)と、通常の電源(52)とを含む。
またサーボ処理・通信装置(50)は、第9図に示す通
り、サーボ・パワー処理装置(130)と、ランダム・ア
クセス記憶装置(RAM)(132)と、読取り記憶装置(RO
M)(134)と、専用読取り記憶装置(DROM)(136)と
デコーダ(138)と、双方向データ・トランシーバ(14
0)と、アドレス・バッファ装置(142)と、システムユ
ニット通信ACIA(144)と、復号論理装置(146)と、サ
ーボ・モジュールACIA(148)と、レベル変換装置(149
A)、(149B)とを含有する。
好ましい実施態様では、サーボ・パワー処理装置(13
0)は、モトローラ社製の6802マイクロプロセッサであ
る。サーボ・パワー処理装置(130)は16個のアドレス
出力と、8個のデータ出力と、1個のリセット入力と、
1個のクロック入力を含む。好ましい実施態様において
RAM(132)とROM(134)とは、それぞれ通常の8ビッ
ト、64K記憶装置を利用している。また、好ましい実施
態様では、DROM(136)は、在来の8ビット、16K記憶装
置である。さらに、デコーダ(138)は、シグネチック
ス社製の74LS42デコーダを使用しており、サーボ処理・
通信装置(50)から7列のサーボ・モジュール(28)中
の1列に情報を転送する。好ましい実施態様では、6列
のサーボ・モジュール(28)のみが使用されており、残
りの1列は「見当合せ」「湿し水」「総インキ量」など
特殊機能から構成されている。
上記の処理機能のほかに、サーボ・パワー処理装置
(130)は「惰行」と一般に呼ばれる現象も制御する。
サーボ・モジュール(28)の惰行とは、サーボ・モジュ
ールが不活性化された位置すなわち電源を切った位置で
サーボ固有の性格から正確に停止できないことである。
たとえばシステムユニット(22)の指令でサーボ・モジ
ュール(28)が4回転すると、サーボ・モジュール(2
8)は電源が切れた地点を通過して惰行する。したがっ
て、サーボ・モジュールの各移動ごとの惰行距離または
惰行数字は、サーボ・パワー処理装置(130)に記録さ
れ、次の移動時に相殺される。すなわち惰行数字を検出
した後に補正するという動的手順である。たとえば、老
化などの要因により、サーボ・モジュール(28)の惰行
距離が新製時と長期使用後とでは異なる可能性がある
が、前記の動的手順によって、常に最新の惰行数字を考
慮した補正量が与えられ、従って正確な印刷画像が得ら
れる。
なお、データ・トランシーバ(140)とアドレス・バ
ッファ(142)は好ましい実施態様では、シグネチック
ス社製の74LS245トランシーバと74LS244バッファがそれ
ぞれ使用されている。また、復号論理装置(146)は、
好ましい実施態様では、74LS42デコーダを利用してお
り、7列のサーボ・モジュール(28)中の1列に対し使
用可能信号を転送する。復号論理装置(146)の出力
は、在来のレベル変換機(149A)で5Vから15Vに昇圧し
てから、後述するように構成(CONFIG)信号として、1
列のサーボ・モジュール(28)へ伝送される。また、シ
ステム・ユニットACIA(144)とサーボ・モジュールACI
A(148)の機能は、システム・ユニット(22)の対応要
素と類似している。なお、システム・ユニットACIA(14
4)とサーボ・モジュールACIA(148)は、いずれもシグ
ネチックス社製のSCN2661を使用している。システムユ
ニットACIA(144)は、システムユニット(22)からの
情報を、RS232通信回線を介して受信することができ
る。またサーボ・モジュールACIA(148)は、サーボ・
パワー・ユニット(26)からの情報を複数個のサーボ・
モジュール(28)に転送すると共に、サーボ・モジュー
ル(28)からの情報を受信する。サーボ・モジュールに
与えられる情報には、移動の目標値が含まれており、ま
たサーボ・モジュールからの受信情報には、目標値の達
成の有無を示す検証信号と、移動の実測値とを含んでい
る。サーボ・モジュールACIA(148)の出力は、先ず在
来のレベル変換器(149B)で昇圧される。
ディジタル通信を採用することによりイン制御装置
(20)は、前述のようにコンパクト化できると共に、モ
ジュール化も可能になった。インキ制御装置(20)は全
ての在来型式の印刷機械と共に使用できるように設計し
てあるので、サーボ・モジュール(28)の個数および操
作盤(24)の寸法は容易に増減できる。これとは対照的
に、従来のアタッチメント(付属品)は、並列アナログ
通信を採用しているため容量を増加する時は配線とコネ
クタを追加しなければならず、改造工事に手間がかか
る。しかし、バス(母線)などの直列通信を利用するイ
ンキ制御装置(20)では、取付け、取外し作業が容易
で、改装する場合も時間がかからない。また重くて取扱
いも面倒なケーブルも不要である。
操作に際しては、サーボ・パワー・ユニット(26)を
起動すると、DROM(136)内部の事前選択された運用情
報がRAM(132)に出される。システム・ユニットACIA
(144)は、システム・ユニット(22)から、RS232通信
回線を介して、受信した直列情報を並列情報に変換す
る。アドレスとデータなどの情報はRAM(132)とROM(1
34)とに伝送される。通常の方法で用いられているROM
(134)は、サーボ・パワー処理装置(130)を操作する
に必要な指示など前もって選択した情報を記憶してい
る。システム・ユニット(22)から伝送されたデータ
は、前述の通り、通常はサーボ・モジュール(28)の移
動情報を含んでいる。次に、サーボ・パワー処理装置
(130)は、該当するサーボ・モジュール(28)に命令
を出力する。これと同時に、サーボ・パワー処理装置
(130)は、デコーダ(138)に信号を与えて7列のサー
ボ・モジュール(28)中の1列が命令を受信する。従っ
て、1回ごとに1列のサーボ・モジュール(28)のみが
命令を受信し、実行する。
サーボ・パワー処理装置(130)からデコーダ(138)
を介して送られた最初の情報は構成信号である。構成信
号は、基本的に初期設定の信号であり、独自の識別子
(一般に数値)を各サーボ・モジュール(28)に割り当
てる。識別を受けた各サーボ・モジュール(28)は、そ
れぞれ事前選択された情報を受信し、実行する。後述の
通り、これらの構成信号は、特定列のサーボ・モジュー
ル(28)に転送できるように復号論理装置(146)によ
って最初にデコードされ、次にレベル変換器(149A)に
よって昇圧されてから、構成CONFIG回線を経てサーボ・
モジュール(28)へ送信される。
次にサーボ・パワー処理装置(130)はサーボ・モジ
ュール(28)に対する移動命令などの情報の出力を制御
する。これらの移動命令は、各サーボ・モジュール(2
8)の惰行数字と、各サーボ・モジュールの前回の移動
後の位置を考慮して計算する。アドレス情報とデータ情
報とは、RAM(132)から、アドレス・バッファ(142)
とデータ・トランシーバ(140)をそれぞれ経由して送
信される。これらの並列信号は、サーボ・モジュールAC
IA(148)によって直列信号に変換され、またレベル変
換器(149B)で昇圧されてからサーボ通信COMM回線を介
してサーボ・モジュール(28)に転送される。また、こ
れとは反対に、検証信号は、サーボ・モジュール(28)
から通信COMM回線を介して、サーボ・モジュールACIA
(148)に送られ、ACIA(148)で並列に変換してから、
サーボ・パワー処理装置(130)に転送して追加処理を
行う。この追加処理には、サーボ・モジュール(28)の
状況(検証信号で示される)を、システム・ユニットAC
IA(144)を介してシステム・ユニット(22)に転送す
る作業を含む。さらに、検証信号は、各サーボ・モジュ
ール(28)の惰行数字を含んでおり、この惰行数字は各
サーボ・モジュール(28)の後続移動を決めるときに考
慮に入れられる。
またサーボ・パワー・ユニット(26)については、好
ましい実施態様ではインキ制御装置(20)の独立式サブ
・ユニットとして図示されているが、サーボ・パワー・
ユニット(26)の種々の機能を含んだシステム・ユニッ
ト(22)を設計して、このような独立式サーボ・パワー
・ユニット(26)を省略することは当業者に知られてい
る。さらに、サーボ・パワー・ユニット(26)がサーボ
・モジュール(28)と個別に通信する、すなわち各サー
ボ・モジュール(28)がサーボ・パワー・ユニット(2
6)と配線で接続するような設計も可能である。
サーボ・モジュール サーボ・モジュール(28)は、サーボ制御ユニット
(第10図参照)(150)と、サーボ駆動ユニット(第11
図参照)(152)と含有する。詳述すると、サーボ制御
ユニット(150)は電源スイッチ装置(154)と、サーボ
・モジュール処理装置(156)と、サーボ構成使用可能
装置(158)と、サーボ通信制御装置(160)と、伝送的
制御装置(162)と、出力データ伝送装置(164)と、入
力データ記入装置(166)と、1対のレベル変換装置(1
68A)、(168B)と、サーボ・モータ・ドライバ装置(1
70)とを含む。また通常のホール効果検出器(171)を
具備している(第11図、第19図参照)。なお、サーボ・
モジュール処理装置(156)は、好ましい実施態様にお
いてモトローラ社製の6805型マイクロプロセッサを使用
している。また、電源スイッチ装置(154)は複数の電
圧を供給する。サーボ構成使用可能装置(158)と入力
データ記入装置(166)とはコンパレータ(比較回路)
である。さらに、サーボ・モータ・ドライバ装置(17
0)のデバイスQ1-Q4は通常のパワードライバである。
操作の手順として、サーボ・パワー・ユニット(26)
は、先ず使用可能信号を特定のサーボ・モジュール(2
8)に送ってこのサーボ・モジュール(28)に情報を受
信させる。前述の使用可能信号は好ましい実施態様にお
いて構成信号即ちCONFIG IN信号と指定されており、サ
ーボ構成使用可能装置(158)により受信される。サー
ボ構成使用可能装置(158)は、好ましい実施態様にお
いて、コンパレータを利用しており、上記の情報が5V以
上のときにサーボ・モジュール処理装置(156)に転送
する。またサーボ通信制御装置(160)は、好ましい実
施態様においては、各サーボ・モジュール(28)のスイ
ッチであり、サーボ・パワー・ユニット(26)が、全て
のサーボ・モジュール(28)を起動した時に、オープン
状態に初期設定される。最初のサーボ・モジュール(2
8)のコンパレータ(158)が構成CONFIG IN信号を通過
させると、サーボ・モジュール処理装置(156)は上記C
ONFIG IN信号に含まれる識別子(たとえば数字“1")を
記録する。すると、サーボ・モジュール処理装置(15
6)は、好ましい実施態様において−CONFIG PASSと指定
される信号を出力し、この信号はスイッチ(160)を開
閉する。このようにスイッチ(160)が閉じるので、後
のCONFIG IN信号は、CONFIG OUT信号として既に識別済
みのサーボ・モジュール(28)を無変化で通過する。従
って後続のサーボ・モジュール(28)も上記と同じ手順
で識別される。
インキ制御装置(20)は、サーボ・モジュール(28)
が命令された移動を完了した時に、サーボ・モジュール
(28)を消勢するように設計される。電源スイッチ(15
4)を使用して、サーボ・モジュール(28)を付勢およ
び消勢する。各命令移動の合間にサーボ・モジュール
(28)を消勢することは、主として下記の理由で好まし
い。すなわち電力消費の節減と、CONFIG回線に電気ノイ
ズが発生し、データの狂いを招く可能性を減らすためで
ある。従って、サーボ・モジュール(28)の構成は、サ
ーボ・パワー・ユニット(26)が毎回移動命令を出す前
に行う。またCONFIG IN信号とCONFIG OUT信号とは全く
別個の通信径路のように説明したが、好ましい実施態様
においては同一の通信径路を介して伝達される。
サーボ・モジュール処理装置(156)は使用可能にさ
れた後、サーボ・パワー・ユニット(26)から通信COMM
回線を介して追加情報を受信することができる。この追
加情報はサーボ駆動ユニット(152)に作動を指示し、
インキブレード(16)とインキローラ(18)の間隙Gを
変化させる。またサーボ・モジュール処理装置(156)
にこの追加情報が入る場合、同情報は入力データ記入装
置(166)で制御される。好ましい実施態様ではコンパ
レータが使用される入力データ記入装置(166)は、5V
の基準電圧を利用して上記のデジタル情報を伝送する。
サーボ・モジュール処理装置(156)がCOMM回線を介
して情報をサーボ・パワー・ユニット(26)に転送する
とき好ましい実施態様においてCOMM OUTと指定されてい
る信号を出力する。出力データ伝送装置(164)は、こ
の出力情報を伝送するために設けてある。好ましい実施
態様ではこの出力データ伝送装置(164)は、複数個の
従来型トランジスタ(Q7)−(Q10)を含む。好ましい
実施態様では、−XMIT ON/OFFと指定された伝送信号
は、サーボ・モジュール処理装置(156)から出力され
る。この伝送信号により伝送制御装置(162)が出力デ
ータ伝送装置(164)のトランジスタ(Q10)を起動す
る。サーボ・パワー・ユニット(26)に対する前記の出
力情報は、サーボ・モジュール(28)の状況(惰行数
字)とサーボ・モジュール(28)の移動後の位置などの
検出信号を含む。
サーボ・モジュール処理装置(156)がサーボ駆動ユ
ニット(152)の動作を制御しているとき、正または負
のデジタル制御信号が発生し、モータの回転方向を決定
する。この正・負デジタル制御信号は、先ず1対の従来
型レベル変換器(168A)と(168B)とによってそれぞれ
増幅される。もし正デジタル制御信号がサーボ・モジュ
ール処理装置(156)から発生したときは、レベル変換
器(168A)が始動して、サーボ・モータ・ドライバ装置
(170)のトランジスタ(Q1)が始動される。次に、電
流はモータ駆動部の正回転側(好ましい実施態様におい
てMOTOR(+) DRIVEと呼ばれる)に流れる。モータ駆
動部からの戻り電流は、MOTOR(−) DRIVE線を経由し
て戻り、サーボ・モータ・ドライバ装置(170)の能動
機器(Q4)を通過する。また、もしサーボ・モジュール
処理装置(156)が負の制御信号を発生したときは、電
流はサーボ・モータ・ドライバ装置(170)を経由して
上記とは逆の経路に流れ、モータも逆回転する。サーボ
駆動ユニット(152)の移動は、ホール効果検出器(17
1)によって検出される。この検出器に対する信号は、
好ましい実施態様ではMAG PULSEと呼ばれる。従ってサ
ーボ駆動ユニット(152)の行動は5本の通信径路、す
なわちMOTOR(+) DRIVE、MOTOR(−) DRIVE、−MAG
PULSE、CONFIG IN/CONFIG OUTおよびCOMMに伝達される
命令信号によって制御される。
第11図に示す通り、サーボ駆動ユニット(152)は、
ホール効果検出器(171)と、在来型モータ装置(172)
と、モータ・シャフト(173)と、モータ・シャフト(1
73)に取付けられた多極磁石(174)と、第1段ギア装
置(176)と、第一駆動軸(177)と、第二ギア装置(17
8)と、第二駆動軸(180)と、第1カプリング装置(18
2)と、マルチターン・停止装置(184)と、調節装置
(186)と、第二カプリング装置(188)とを含む。ま
た、第二カプリング装置(188)は在来の印刷装置(1
2)の調節キー(190)に取付けられている。第二カプリ
ング装置(188)は、全ての在来型式の印刷装置の調節
キー(190)を受承できるように設計されている。さら
に、第二カプリング装置(188)は、通常のボルトとナ
ットによる装置で調節キー(190)に容易に着脱できる
ようになっているので、インキ制御装置(20)の保守を
簡便化している。
また、第1カルプリング装置(182)と第2カプリン
グ装置(188)との構成と設計は、インキ制御装置(2
0)の取付けと操作を簡易化している。第2カプリング
装置(188)は、第11図に示す通り、2個の後方に伸長
する部材(188A)、(188B)を含む。これに対し、第1
カプリング装置(182)は、2個の半径方向に伸長する
スロット(182A)、(182B)を含む。スロット(182A)
と(182B)との奥行きは部材(188A)と(188B)の高さ
よりも大きいため、部材(188A)(188B)はスロット
(182A)(182B)の内部でそれぞれ滑動する。第16図に
最も良く示されているように、また、第1カプリング装
置(182)は、部材(188A)と(188B)の滑り方向に対
して垂直に滑るように通常の方法で取付けられている。
サーボ・モジュール(28)が現有の調節キー(190)に
対し軸方向に正確に整合して配置されていないときに
も、第1カプリング装置(182)と第2カプリング装置
(188)とは互に、組立てられた状態で、調節キー(19
0)に取付けることができる。従ってサーボ・モジュー
ル現有の調節キー(190)に対し正確な位置合せを必要
としないため、インキ制御装置(20)を簡単に取付ける
ことができる。加えて、在来の印刷装置(12)も、イン
キ制御装置(20)を受容するために、特別な改造を要し
ない。
第2段ギア装置(178)は、第12図に最も良く示され
るように、内歯車(平歯車)(178A)と外歯車(178B)
を含んでいる。外歯車(178B)は非露出ギア(178C)と
露出ギア(178B)とから構成される。第1段ギア装置
(178)と第2段ギア装置(178)は、後述の通り小さな
相異点を除き概ね同一であるため、第2段ギア装置(17
8)についてのみ説明する。平歯車(178A)について
は、歯の外径が非露出ギア(178C)の歯の外径よりも小
さくなるように形成する。平歯車(178A)と非露出ギア
(178C)の歯数はいずれも奇数とし、好ましい実施態様
において、それぞれ27枚と29枚とする。このように独特
の歯車構成を採用した理由は、標準の歯車装置では平歯
車と非露出ギアとの歯数の差は12枚以上とされているた
めである。この歯車構成は、第1段ギア装置(176)お
よび第2段ギア装置(178)の特殊な歯形、すなわち歯
だけに対して歯の厚みが比較的厚いことによって可能と
なる。このような歯車構成と歯形によって二つの目的が
達成できる。一つは段階ごとの歯車減速が従来のものよ
りも大きくなる。次に、歯車のかみ合い歯数が増えるた
め、従来の歯車装置に比べて許容トルク荷重が大きくな
る。さらに、この独特の歯車構成によって、低コストの
射出成型サーモプラスチック歯車をトルクや耐久性を維
持しながら利用できる。
さらに、第1段と第2段ともに歯車の減速比は14.5:1
である。平歯車(178A)の歯の外径は非露出ギア(178
C)の外径よりも小さいので、平歯車(178A)は、モー
タ・シャフト(173)および第1駆動軸(177)でそれぞ
れ駆動されるときに、偏心回転する。偏心ローブは下記
の式で表わされる。
平歯車(178A)は垂直方向のスロット状開口(179B)
をも含んでいる(第11〜13図参照)。第13図、および第
14図に最も良く示されているように、第1段歯車装置
(176)も同じく平歯車(176A)と、非露出歯車(176
C)と露出歯車(176D)を含む外歯車(176B)と、開口
(179A)とを含む。各開口から、調節装置(186)のシ
ャフト(192)が伸長している。モータ・シャフト(17
3)と第1駆動軸(177)とが回転すると、開口(179
A)、(179B)は、シャフト(192)に関して上下に滑動
する。。歯車装置全体の減速は、モータ・シャフト(17
3)と第1駆動軸(177)とが210.25回転するごとに、第
2駆動軸(180)が14.5回転し、非露出歯車(178C)が
1回転のみ回転するようになっている。歯車構成をこの
ように形成すると、従来の調節装置に比べて、サーボ・
モジュール(28)は極めて小型化し、回転トルクは大き
く、また調節キー(190)からインキ・ブレード(16)
に対する合力も大きくなる。この歯車構成と同等のトル
クを出すために、従来の装置は、サーボ・モジュール
(28)に比べ、一般に高価な遊星歯車を利用するか、ま
たは占有空間が大きい通常の平歯車を使用している。さ
らに、サーボ・モジュール(28)は、第2段歯車装置
(178)をプラスチック材料で形成した場合でも、高い
トルクを出す。
サーボ・モジュール(28)も合成出力回転、すなわち
第1カプリング装置(182)の出力回転は、非線形であ
るが、システム・ユニット(22)が通常の補正作業を行
う。探索テーブルがシステム・ユニット(22)のメモリ
内部に記憶され、第1段歯車装置(176)と第2段歯車
装置(178)との非線形特徴を考慮して、サーボ・モジ
ュール(28)に対して最適の回転数が伝達される。
加えて、第1段階歯車装置(176)および第2段歯車
装置(178)が、サーボ・モジュール(28)の校正を容
易にする。第11図、第17図、第18図に示す通り、1個の
校正歯車(194)が配設されている。露出歯車(178D)
と校正歯車(194)はそれぞれ、ノッチ(196A)と(196
B)を含んでいる。また、マルチ・ターン停止装置(18
4)は、校正アーム(184A)と、制動アーム(184B)
と、校正カム(184C)とを含む。校正を行う場合、シス
テム・ユニット処理装置(30)から送られた信号で、第
2段歯車装置(178)が回転して、2個のノッチ(196
A)と(196B)はそれぞれ校正アーム(184A)と校正カ
ム(184C)と一致し、制動アーム(184B)を第1段歯車
装置(176)の制動伸張部(198)と接触させる(第14
図、第17図、第18図参照)。第1段歯車装置(176)と
第2段歯車装置(178)との回転が停止した位置をシス
テム・ユニット処理装置(30)による基準点と指定す
る。好ましい実施態様では、校正歯車(194)の歯数は1
1の素数であり、また露出歯車(178D)の歯数は23の素
数である。ノッチ(196A)と校正アーム(184A)の合致
とノッチ(196B)と校正カム(184C)との合致が同時に
起る確率は、露出歯車(178D)が11回転するごとに僅か
1回のみであり、従って調節キー(190)の調節可能範
囲が拡大する。
前述の通り、上記の基準点は一般に零レベルと呼ば
れ、スイッチ(64)の全ての前進位置の起点となる。こ
の校正作業の手順は、操作員によって実施されるがサー
ボ・モジュール(28)を再始動した後、基準点を再確認
するために必要である。また、サーボ・モジュール(2
8)のブレーキ機能は、マルチプル・ターン能力、すな
わちモータ(112)を逆回転に切替えたとき、制動伸張
部(198)による停止作用が働かない機能を有してい
る。さらに、制動伸張部(198)が第1段歯車装置(17
6)上に配置されているため、次の二つの利点が得られ
る。一つは制動作用が低トルクの位置で働くため、制動
アーム(184B)の破損を防止できる。又一つは第一段の
機械公差が第二段に比べ大きいため、位置公差も大きい
ことである。好ましい実施態様として、二段減速歯車を
示したが、多段減速歯車を利用して合成トルクを得るこ
とは当業者に知られている。
マルチ・ターン停止装置(184)と制動伸張部(198)
とは調節キー(190)が制御されずにインキ・ブレード
(16)内に進入する危険を防止する保安機能、すなわち
フェイル・セイフ機能を付加的に行う。在来のインキ調
節装置は、このようなフェイル・セイフ技術を使用して
いないため、在来の印刷装置、特に手動調整の印刷装置
では、破損事故が発生し易い。インキ制御装置(20)の
フェイル・セーフ機構は、実際にインキ・ブレード(1
6)やインキ・ローラ(18)などの耐用年数を維持し延
長する。
また、サーボ・モジュールが故障したときは、調節装
置(186)を手で引っ張れば、手動歯車(199)が露出歯
車(176D)とかみ合って、調節キー(190)を手動で調
節できる。モータ・シャフト(173)の回転測定用に、
ホール効果検出器(171)を使用する。第19図に最も良
く示す通り、ホール効果検出器(171)は、回転磁界(1
74)の多重磁極を検出して、モータ・シャフト(173)
の1回転ごとに対応するパルス数を発生することができ
る。サーボ・モジュール処理装置(156)は、これらの
パルスを計算し、サーボ・パワー・ユニット(26)の指
令に応じて必要なパルス数だけモータ(172)を回転す
る。従って、ホール効果検出器(171)はサーボ・モジ
ュール(28)の移動を検出する場合に、簡単なフィード
・バック機構の働きをすることになる。これに対し、在
来技術によるインキ調節装置は、インキ・ブレード(1
6)の実際位置を検出するめに、電位差計を含む一般に
複雑な検出機構を使用している。さらにサーボ・モジュ
ール(28)の回転数を検出することにより、サーボ・パ
ワー・ユニット(26)に対して各サーボ・モジュールの
惰行数が伝送される。
好ましい実施態様では、ホール効果検出器(171)を
利用して、モータ(172)の回転数がサーボ・パワー・
ユニット(26)の指令値と一致するように検証している
が、このフィード・バック制御は、他のフィード・バッ
ク装置を用いても実施できる。たとえばカリフォルニア
州パロ・アルトにあるヒュウレット・パッカード社製の
HEDS-6000光学式エンコーダなど在来のアブソリュート
位置エンコーダを利用するか、電位差計を利用してもよ
い。
各サーボ・モジュール(28)の電子装置と機械素子は
単一パッケージ化されているため、各サーボ・モジュー
ル(28)は互換性があり、インキ制御装置(20)のモジ
ュール化が可能となった。サーボ・モジュールのこのよ
うな互換性によって保守と交換作業が迅速になり簡便化
された。サーボ・モジュール(28)の外形寸法は、幅約
2.5cm(0.985インチ);高さ約5.5cm(2 3/16イン
チ);長さ約8.8cm(3 1/2インチ)である。
インキ制御装置の操作 第20図に最も良く示す通り、インキ制御装置(20)の
操作は、操作員が始動する。始動段階でシステム・ユニ
ットCPU(30)から適切な信号が各サブユニットに伝送
され全てのサブユニットが始動する。次に操作員は零点
制御装置(44)の各スイッチ(64)を零点設定して、各
サーボ・モジュールを校正する。操作員がシステム・ユ
ニット(22)内部に既に記憶済みの画像データを印刷す
る場合は、操作盤(24)のスイッチ・アレイ(104)の
再現(RECALL)ボタンを選択して該当するジョブ番号を
検索する。この場合、サーボ・モジュール(28)の目標
値など記憶情報は、ディスク・メモリから検索され操作
盤(24)に転送される。操作員が前記の設定値を、サー
ボ・モジュール(28)に転送する前に修正するかどうか
は任意である。このように記憶情報を検索する場合を除
き、操作員は操作盤(24)上で、各サーボ・モジュール
(28)の最適設定値を選択しなければならない。
新規のジョブを始めるときは、新規ジョブ番号を割り
当てると共に、操作員はこの時点でスイッチ・アレイ
(104)の1個のボタンを押して6列のサーボ・モータ
(28)中の特定の1列を選択する。各列のサーボ・モジ
ュール(28)は、インキの色ごとに1個の独立したイン
キつぼ(14)上に取付けられている。第5図に示す別の
実施態様では、複数個のバンク・スイッチ(103)を使
用している。
また、準備(SET-UP)モードの段階では、システム・
ユニット(22)と操作盤(24)のみが作動しているため
操作員はサーボ・パワー・ユニット(26)とサーボ・モ
ジュール(28)を始動しないで、スイッチ(104)の各
ボタンと共に、見当合せ(REGISTRATION)、総インキ量
(SWEEP)、湿し水(WATER)など特殊機能ボタンを選択
できる。一般に、印刷の版(60)は架台(62)上に配設
されるので、操作員は印刷すべき版面の画線を容易に観
察できる。次に操作員は各版面のインキゾーンに対して
操作盤(24)上に適当な数値を設定する。次に操作員は
操作盤(24)上の版面の各画線部に対して、スイッチ
(64)を押して最適の設定値を選択する。たとえば、第
8図に示す通り、操作員がもしスイッチ(64A)を前進
させれば、スイッチが前進するごとに7セグメント、LE
Dディスプレイ(118A)に表示されると共に、操作盤監
視ユニット(34)のRAM(72)にデータが送られる。一
方、CPU(30)はRAM(72)の周期走査の過程で、RAM(7
2)内部にある前記記憶データを検出する。次にCPU(3
0)は、監視処理装置(70)によって電子音ビーパ(12
2)を始動し、スイッチ(64A)の作動を音響的に確認で
きるように、記憶データを修正する。スイッチ(64A)
が10段階進むごとに、直線状アレイのLED(116A)中の
1個のLEDが追加始動される。従って、直線状アレイのL
ED(116A)が設定値を画像表示する。
もし操作員がスイッチ(64)のグループ全体を前進さ
せたい時は、第5図に示す全“ALL"スイッチ(65)を選
択して、各画線部について同一値だけ進めることができ
る。また、パーセントスイッチを作動して、画線部の各
設定値を任意のパーセントだけ進めることもできる。た
とえば、画線部No.1を50に、No.2を30にセットした場
合、パーセントスイッチのインキ濃度を10%進めると画
線部No.1の設定値は55に、No.2は33に進む。一方、ALL
スイッチ(65)上の数値(たとえば10)を選択すると、
画線部No.1は60に、No.2は40に進む。
同様に、特別機能−見当合せ(REGISTRATION);総イ
ンキ量(SWEEP);湿し水(WATER)−に関する最適値も
選択できる。この特別機能に対する数値は、前述の通り
スイッチ・アレイ(104)の対応するボタンで選択でき
るが、第5図に示す別の実施例では、この数値選択のた
め、複数個の上/下スイッチ(111A)、(111C)、(11
1D)を使用している。スイッチ(111A)、(111C)、
(111D)の機能と操作とはスイッチ(64)と同一であ
る。
次に印刷の版(60)をインキつぼ(14)上に架装し
て、操作員が実行(RUN)モード・スイッチを押すと、
サーボ・モジュール(28)の設定値とRAM(72)内部に
記憶した特別機能の設定値とがCPU(30)からサーボ・
パワー・ユニット(26)に伝送される。サーボ・モジュ
ール(28)に対する移動情報はサーボ・モジュール出力
の非線性を考慮して作られる。前述の通り画線部と特別
機能とに対する設定値は先ず操作盤(24)から操作盤監
視装置(34)のRAM(72)に転送される。この設置値
は、CPU(30)の周期走査で検出され、検索、修正して
から、サーボ・パワー・ユニット(26)に転送する。
サーボ・パワー・ユニット(26)では、デコーダ(13
8)が先ず前記情報をデコードして、適当なサーボ・モ
ジュール(28)列に転送する。前述の通りサーボ・モジ
ュール(28)を先ず構成してから、情報がこれらのサー
ボ・モジュールへ転送される。次にサーボ・モジュール
処理装置(156)がモータ(172)を付勢し、適切な移動
数値を指示する。操作員は架台(62)上の校正刷りを確
認してから、設置値を修正する。検証信号には各サーボ
・モジュール(28)の移動後の位置と、惰行数値を含ん
でおり、これらの位置や数値はサーボ・パワー処理装置
(130)内部に記憶される。また、サーボ・モジュール
(28)は、操作員が設定値の修正を必要と認めない限
り、消勢される。
操作員が設定値を修正する場合、先ず操作盤(24)上
に新しい数値を設定する。この情報はシステム・ユニッ
ト(22)からサーボ・パワー処理装置(130)に転送さ
れてから、サーボ・パワー処理装置(130)で各サーボ
・モジュール(28)の惰行数と現在位置を考慮して実際
の必要移動量が計算される。
印画の出来栄えが良好な場合は、スイッチ・アレイ
(104)のロック(LOCK)ボタンを押して、操作盤(2
4)の設置値全体を保存する。また、スイッチ・アレイ
(104)の保存(SAVE)ボタンを押して設定値全体を次
回の使用のために保存できる。さらに、コピー“Copy"
機能によって、各サーボ・モジュール間の設定値の複写
が可能となる。あるいは、各モジュール列間の設置値を
交換し、別のインキつぼ(印刷色)の濃度にすることが
できる。印刷装置に対して画線部の設定が完了してから
最初の工程が流れている間に、操作員は次の印刷工程の
数値を選択修正できる。
この発明の目的と添付された特許請求の範囲から種々
の改造が可能ことは当業者には明らかである。たとえ
ば、第7列目の各サーボ・パワー・ユニット(26)にプ
レート走査器、走査濃度計、事務機械など他の付属品を
付加装備できる。また、インキ制御装置(20)を独立し
たセグメント式インキ・ブレード(16)に連結すること
も可能である。さらに、インキ制御装置(20)の設計を
変更して、サーボ・モジュール(28)が各指令を受ける
前に構成するような手順も省略できる。たとえば各サー
ボ・モジュールの識別のため、在来のハード配線のジャ
ンパー・スイッチを使用して、特定の識別子を割り当て
る構成手順を省略できる。この方式では識別子の廃止に
伴って、デコード手順も不要となる。システム・ユニッ
ト(22)は、必要に応じて、在来の他種の通信技術を使
用できる。
また、インキ制御装置(20)は、在来の印刷装置(1
2)との取付けが簡単であり、取外して、別の印刷装置
に取付けることも容易である。着脱の簡便性は耐用年数
の終った印刷装置廃棄し、インキ制御装置を新規購入し
た印刷装置に取付ける場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のインキ制御装置を略示した斜視図、 第2図は本発明のサーボ・モジュールがインキつぼに結
合された状態で示される簡易断面図、 第3図は第1図のインキ制御装置の簡易ブロック図、 第4図は本発明の操作盤の斜視図、 第5図は第4図の操作盤の部分拡大図、 第6図は第2図のサーボ・モジュールの部分拡大斜視
図、 第7図は第3図のシステム・ユニットの部分を示すブロ
ック図、 第8図は第3図の操作盤のブロック図、 第9図は第3図のサーボ・パワー・ユニットのブロック
図、 第10図は第2図のサーボ・モジュールのサーボ制御器ユ
ニットの簡易略図、 第11図は第2図のサーボ・モジュールのサーボ駆動ユニ
ットの部分断面図、 第12-15図は第11図のサーボ駆動ユニットの歯車装置の
拡大図、 第16図は第11図のサーボ駆動ユニットの端面図、 第17図は第11-15図のサーボ駆動ユニットの構成部品の
うち、校正作業と制動作業とを行う部品を示す、部分拡
大側面図、 第18図は第17図の部品の部分拡大断面図、 第19図は第11図のホール効果検出器とサーボ駆動ユニッ
トの回転磁石とを示す部分断面図、および第20図は第3
図のインキ制御装置の操作を示す工程系統図である。 12……印刷装置 14a、14b……インキつぼ 16……インキブレード 18……インキ・ローラ 20……インキ制御装置 22……システム・ユニット 24……操作盤 26……サーボ・パワー・ユニット 28……サーボ・モジュール
フロントページの続き (72)発明者 ジェームズ・アール・フランシー アメリカ合衆国カリフォルニア州ロス・ ガトス、スカイビュー・テラス 23535 (56)参考文献 特開 昭56−157364(JP,A) 米国特許4390958(US,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インキを関連するインキローラに供給する
    少なくとも1個のインキつぼと、該インキローラに隣接
    して配置されていて該インキローラとの間に隙間を形成
    することができるインキブレードと有する印刷装置であ
    って、前記インキブレードが該インキブレードに関連す
    る複数の調節キーを備えていて、該インキブレードの長
    手方向に沿った別々の位置における前記隙間を調節し、
    これにより複数の印刷ゾーンからなる印刷物を印刷する
    印刷装置に用いるインキ制御装置において、 (a) 前記複数の調節キーに1対1に対応して接続さ
    れた複数のサーボモジュールであって、該各サーボモジ
    ュールが該各サーボモジュールに対応する前記調節キー
    を作動する複数のサーボモジュールと、 (b) 複数のインキ濃度指令を生成する複数の入力ス
    イッチを有する操作盤であって、各インキ濃度指令が、
    関連する印刷ゾーン内の印刷物に適用されるインキ濃度
    に関係し、前記複数のインキ濃度指令の数が、前記複数
    の印刷ゾーンの数に等しい操作盤と、 (c) 該操作盤からインキ濃度指令を受け取るシステ
    ムコントロールユニットであって、前記複数のインキ濃
    度指令が前記複数の調節キーに1対1に対応しない場合
    に、前記複数のサーボモジュールと前記複数のインキ濃
    度指令との間を補間する装置を備えており、該装置が前
    記サーボモジュールへ補間されたサーボ信号を発生して
    前記サーボモジュールを前記調節キーが補間された作動
    状態になるように駆動し、これにより、前記印刷物の各
    印刷ゾーンにおけるインキ濃度が、インキ濃度指令に関
    連する入力スイッチによって選択されたインキ濃度に対
    応するシステムコントロールユニットとを備えるインキ
    制御装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載のインキ制御装
    置において、複数の入力スイッチの数が複数のサーボモ
    ジュールの数と等しくないインキ制御装置。
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