JP2524033Y2 - 光ピックアップ用対物レンズの固定構造 - Google Patents

光ピックアップ用対物レンズの固定構造

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JP2524033Y2
JP2524033Y2 JP1995003313U JP331395U JP2524033Y2 JP 2524033 Y2 JP2524033 Y2 JP 2524033Y2 JP 1995003313 U JP1995003313 U JP 1995003313U JP 331395 U JP331395 U JP 331395U JP 2524033 Y2 JP2524033 Y2 JP 2524033Y2
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は光ピックアップ用対物
レンズの固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ピックアップ用対物レンズとしては、
例えば高速で回転するCD(コンパクトディスク)上の
信号の一つ一つに正確に位置決めするため、対物レンズ
が接着されたアクチュエータを高速で応答させねばなら
ず、このため対物レンズには瞬間的には最大300g
(g=9.8m/s)にも及ぶ重力加速度がかかること
がある。また種々の環境下においても充分な強度を保持
する固定構造が必要であるとともに、高い取付け精度が
要求される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】このようなことから、
光ピックアップ用対物レンズをレンズホルダーに強固に
接着固定する必要がある反面、接着剤によりレンズに歪
みが入ることによって光学特性が劣化しないようにしな
ければならないという解決すべき課題があった。この考
案は上記のような問題点を解消するためになされたもの
で、レンズ部に歪みの入らない、かつ固定強度の大きな
光ピックアップ用対物レンズの固定構造を得ると共に、
光ピックアップ用対物レンズのレンズホルダーへの取付
け精度が高い固定構造を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この考案に係る光ピック
アップ用対物レンズの固定構造は、レンズ部、このレン
ズ部の外周に光軸方向へ突設された筒部、この筒部の外
周に半径方向へ略平板状に形成された鍔部を有し、これ
らが一体成型された対物レンズと、鍔部外周面部に対向
して形成された立壁部、鍔部下面を受ける第1の受部、
鍔部下面側の筒部外周面部を受ける第2の受部、対物レ
ンズ下面側に設けられたアパーチャーを有するレンズホ
ルダーとからなり、第1の受部と第2の受部の間のコー
ナ部に面トリ部を形成し、立壁部の内壁面と鍔部外周面
部との間に紫外線硬化型接着剤層を形成したものであ
る。
【0005】
【作用】この考案に於ては接着剤層がレンズ部から離れ
た鍔部の外周面部とこの鍔部に対向してレンズホルダー
に設けられた立壁部の内壁面との間に形成されるので、
レンズ部に対して歪みが入りにくく、かつ接着構造も接
着力の強大な引張断力を利用することができる。また、
第1の受部と第2の受部との境界部分に形成された面ト
リ部により、レンズホルダーのコーナ部が対物レンズに
接触して、対物レンズがレンズホルダーに浮き上がって
装着されることがなく、各受部に確実に当接する。更に
対物レンズ下面側において、レンズホルダーにアパーチ
ャーを設けたので、対物レンズのトラッキング方向の移
動量によらず、常に一定の光束径を確保することがで
き、紫外線硬化型接着剤を使用することにより、作業性
が改善される。
【0006】
【実施例】実施例1. 以下、この考案の一実施例を第1図〜第3図によって説
明する。図において、1はアクリル系の合成樹脂からな
る一体成型対物レンズ、2はそのレンズ部、3は光軸方
向に凸設して設けられ、このレンズ部2を外作用による
キズから保護するとともに、レンズ部2の半径方向の位
置決めを行う基準部としての円筒部、4はこの円筒部3
にレンズ部2の半径方向へ凸設して設けられる略円筒板
状の鍔部、5はレンズ部2の光軸方向の位置決めを行う
基準部となる鍔部4の下面部、6は鍔部4の外周面部、
7は鍔部4の上面部である。
【0007】8はゲート部であり、成型後、不要部を熱
により切除される。10はレンズホルダーで、アクチュ
エータとして制御コイル(図示せず)等が装着される。
11は鍔部4よりやや形大に形成され、装着状態で上面
部7より一段低いように形成される立壁部、12はゲー
ト部8に対応して設けられる一対の逃がし部としての切
欠部で、周知の特性上からレンズホルダー10に対して
一定方向に形成される。
【0008】13は下面部5を受け、レンズホルダー1
0に対してレンズ部2の光軸方向の位置決めを行う第1
の受部、14は円筒部3を受け、レンズホルダー10に
対してレンズ部2の半径方向の位置決めを行う第2の受
部で、円筒部3の外形よりやや形大に形成され、円筒部
3を遊嵌状態に保持する。15は第1の受部13と第2
の受部14とで形成されるコーナ部に設けられる面トリ
部で、ここではC0.2程度とC(chamfer)面
トリで形成され、このコーナ部におけるバリが除去され
ると共にコーナ部と対物レンズとの間の間隙部Bにより
当接しなくなる。
【0009】16は立壁部11の上端部、17は同じく
内壁面である。20は対物レンズ1下面側において、入
射光束径を所定寸法に規制するアパーチャー、21は鍔
部4の外周面部6と立壁部11の内壁面部17との間に
形成される間隙、22は接着剤で、ここでは紫外線硬化
型接着剤である。24は熱切除したゲート部8に凸状に
残ったゲートカスを示す。接着剤22は対称位置に4ケ
所塗布されている。
【0010】第4図は接着剤22の浸透が著しい場合を
示す図で、接着剤22が過量に塗布された場合、あるい
は報知時間が必要以上に長いため、毛細管現象により深
部まで浸透した場合に発生する。接着剤22は、鍔部4
の下面部5、円筒部3、第1の受部13と、第2の受部
14間の面トリ部15で形成される間隙部Bで浸透が阻
止され、かなり長時間進行が停止し、円筒部3と第2の
受部14とで形成される遊嵌状の保持部内には入らな
い。
【0011】また、この面トリ部15によって、レンズ
ホルダー10の第1の受部13と第2の受部14との境
界にバリがなくなると共にコーナ部と対物レンズとが当
接しなくなるから、対物レンズ1をレンズホルダー10
に装着した際に下面部5と第1の受部13及び円筒部3
と第2の受部14との面接触を確実にできると共にレン
ズホルダー10に対し対物レンズ1が浮き上がって装着
されてしまうことを防止でき、取付け精度が高くなる。
次にその組立てについて説明すると、ホルダー10の立
壁部11内に対物レンズ1を挿入し、鍔部4の上面部7
を押圧して第1の受部13へ鍔部4の下面部5を密着さ
せる。
【0012】しかるのち、紫外線硬化型接着剤22を鍔
部4の上面部7と立壁部11の上端面部16にまたがる
ように適量塗布し、紫外線にて硬化させることで、間隙
21内で接着剤22は硬化し固化する。この構造の場合
には、略90°間隔に4ケ所程度接着剤22を塗布すれ
ば、結果として、間隙21内で4ケ所接着剤22によっ
て接着され、対物レンズ1は第1図A方向に対し、充分
な接着力が得られる。
【0013】また、4ケ所と接着箇所が少ないこと、レ
ンズ部2に対し、遠い箇所で接着固定しているので、レ
ンズ部2に対し歪みが加わりにくいものである。また、
この実施例の場合、切欠部12がゲート部8に対応して
設けられているため、例えば第2図に示す如く、処理の
まずさからゲートカス24が凸状に残ったとしても、対
物レンズ1の装着に何ら影響がないものであるし、対称
位置に一対の切欠部12を設けたことから、対物レンズ
の接着にはこれらの切欠部12に対応した鍔部4を両
側からはさみこんでつかめば、容易に組立てができると
いう利点もある。
【0014】さらに、第4図に示したとおり、レンズ部
2に近い円筒部3への接着剤22の流れ込みは、実作業
レベルでは間隙部Bで阻止されるので、レンズ部2への
歪みに対しては極めて安全であるともいえる。なお、立
壁部11はこの実施例のように、2分割された形状に限
るものではなく、要すれば対物レンズ1の鍔部4に応じ
た形状に形成されていればよく、切欠部12もゲート部
8を逃がす形状であればよいのはいうまでもない。
【0015】さらに面トリ部15についても要すれば、
この面トリ部15によって、対物レンズの下面部5と円
筒部3が、レンズホルダー10の第1の受部13と第2
の受部14に確実に面接触し、対物レンズ1をレンズホ
ルダー10に装着した際に浮き上がってしまうことを防
止できればよく、さらに本実施例のように、接着剤22
の浸透を阻止する形状に面トリがされていれば、円筒部
3と第2の受部14とで形成される遊嵌状の保持部材に
接着剤が侵入しないという効果も得られる。
【0016】
【考案の効果】この考案は以上説明したとおり、レンズ
部と、このレンズ部の外周に光軸方向へ突設された筒
部、この筒部の外周に半径方向へ略平板状に形成された
鍔部を有し、これらが一体成型された対物レンズと、鍔
部外周面部に対向して形成された立壁部、鍔部下面を受
ける第1の受部、鍔部下面側の筒部外周面部を受ける第
2の受部を有するレンズホルダーとからなり、第1の受
部と第2の受部の間のコーナ部に面トリ部を形成し、立
壁部の内壁面と鍔部外周面部との間に接着剤層を形成し
たので、対物レンズの固定において、レンズ部に対し、
遠い位置で接着固定し、さらに面トリ部によって、対物
レンズが浮いてしまうことなく鍔部下面と第1の受部及
び筒部外周面部と第2の受部が当接するから、歪みの影
響の少なく取付け精度の高い確実な接着固定が得られ
る。更に対物レンズ下面側において、レンズホルダーに
アパーチャーを設けたので、対物レンズのトラッキング
方向の移動量によらず、常に一定の光束径を確保するこ
とができ、また、接着剤として紫外線硬化型接着剤を使
用したので、作業性を改善させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この考案による対物レンズの固定構造の一実
施例を示す要部断面図である。
【図2】 この考案による対物レンズの固定構造の一実
施例を示す平面図である。
【図3】 この考案による対物レンズの固定構造の一実
施例を示す分解斜視図である。
【図4】 この考案による対物レンズの固定構造におけ
る接着剤の浸透が著しい場合を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ、 3 円筒部、 4 鍔部、 5 下
面部、 8 ゲート部、 10 レンズホルダー、 1
1 立壁部、 12 切欠部、 13 第1の受部、
14 第2の受部、 15 面トリ部、 22 接着
剤。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ部、このレンズ部の外周に光軸方
    向へ突設された筒部、この筒部の外周に半径方向へ略平
    板状に形成された鍔部を有し、これらが一体成型された
    対物レンズと、上記鍔部外周面部に対向して形成された
    立壁部、上記鍔部下面を受ける第1の受部、上記鍔部下
    面側の上記筒部外周面部を受ける第2の受部、上記対物
    レンズ下面側に設けられたアパーチャーを有するレンズ
    ホルダーとからなり、上記第1の受部と第2の受部の間
    のコーナ部に面トリ部を形成し、上記立壁部の内壁面と
    上記鍔部外周面部との間に紫外線硬化型接着剤層を形成
    したことを特徴とする光ピックアップ用対物レンズの固
    定構造。
JP1995003313U 1995-04-14 1995-04-14 光ピックアップ用対物レンズの固定構造 Expired - Lifetime JP2524033Y2 (ja)

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