JP2523023Y2 - ログハウスの丸太を水平に交叉して組立る装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、ログハウスの丸太を
水平に交叉して組立る装置に係わるものであり、その目
的とするところは、組立部材を側壁側の用材と張出側の
用材に二分し、更にこれを連結する連結具の三部品に構
成し、従来至難であったログハウスの部品化及び作業の
簡易化、更に大量生産に好適な装置としたものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ログハウスの側壁を構築する丸太
を水平に交叉して組立る方法は、縦方向及び横方向の丸
太を相欠して、これを上下方向より噛合わせて組立たも
のである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記従来方法のログハ
ウスの場合においては大工の手仕事であり、ログハウス
を大量に生産し安価に提供できない課題があった。この
考案は上記の如き工法を改良するために次の手段を採用
したものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】すなわち、側壁に当たる
丸太の用材と張出側に当たる丸太の用材の二様の用材を
用意し、夫々用材の端面には丸太の中心に達する深さの
蟻溝を刻設し、これら二様の用材を連結する連結具とし
ては、用材の端面の幅と等しい幅にして、蟻溝の深さと
等しい高さの平面正四角形枠体の両側に上記用材の蟻溝
に合致する蟻を張出成形し、この連結具により二様の丸
太を連結したものである。

【０００５】

【作用】この考案は上述の如く構成されるから、側壁側
の用材（Ａ）と張出側の用材（Ｂ）の二様の用材に構成
し、更にこれを連結具（Ｃ）により連結し、外形が恰も
丸太を相欠したような形状に構成してあるから、これら
部材を水平に交叉して組立ることができ、しかも交叉位
置は枠体よりなるものであるから、これを土台に設立し
た角柱に挿通することにより積み重ね組立る部材を強固
に固定することができるものである。

【０００６】

【実施例】この装置は次の三点の部品により構成され
る。すなわち、ログハウスの側壁に当たる丸太の用材
（Ａ）と、水平に交叉して組立て張出される個所の丸太
の用材（Ｂ）と、これを連結する連結具（Ｃ）とよりな
る。

【０００７】用材（Ａ）の長さは運搬に適する長さ及び
木材の木取りに経済的を長さ、すなわち、大体２０００
ｍｍ前後に裁断した丸太の両側を丸太の中心線に平行に
切り落として積み重ねのための接合面（１Ａ）を成形す
る。この接合面（１Ａ）の幅は後記する連結具（Ｃ）の
枠体（１０）の幅に合致する寸度にとってある。端面中
央には接合面（１Ａ）と同幅の接合面（２Ａ）を残して
両側を４５°に切り落として切落面（３Ａ）を成形し、
一側の接合面（１Ａ）から端面の接合面（２Ａ）に沿っ
て丸太の中心に達する位置まで蟻溝（４Ａ）を刻設し、
更に両側の接合面（１Ａ）の中央位置には両端にわたっ
て夫々所要幅及び深さの溝（５Ａ）を刻設する。この溝
（５Ａ）は丸太を積み重ねた際、上下の溝（５Ａ）に桟
を介在して積み重ね、丸太の接合面の機密を図る用途に
使用される。

【０００８】他方の張出側の用材（Ｂ）はログハウスの
四隅に水平に交叉して張出される丸太がログハウスの外
側の装飾的効果を与える長さ（大体３００ｍｍ）に裁断
される。この用材（Ｂ）の両側には上記用材（Ａ）の接
合面（１Ａ）と同幅の接合面（１Ｂ）が成形され、正面
中央には上記用材（Ａ）の接合面（２Ａ）と同幅の接合
面（２Ｂ）が成形され、これが両側は４５°に切落して
切落面（３Ｂ）が成形され、片側接合面（１Ｂ）より正
面接合面（２Ｂ）に沿って丸太の中心位置に達する蟻溝
（４Ｂ）が刻設され、更に両側の接合面（１Ｂ）の中央
には両端に渡って上記用材（Ａ）の溝（５Ａ）と同幅及
び深さの溝（５Ｂ）が刻設されてなる。

【０００９】連結具（Ｃ）は耐衝撃性の高い素材、例え
ばポリスチロール（商品名・ハイ・インパクト１００
％）の合成樹脂により一体成形され、これが形状は、正
面正四角形で高さが上記用材の蟻溝の深さに等しい高さ
の枠体（１０）の両側には用材（Ａ）の蟻溝（４Ａ）に
適合する蟻（嵌合体）（１１）が張出成形される。枠体
（１０）及び蟻（１１）の各表面中心線上には用材
（Ａ）の溝（５Ａ）に合致する幅及び深さの溝（１２）
（１３）が夫々成形されてなる。上記部材の組立は、側
壁の用材（Ａ）と張出の用材（Ｂ）の夫々蟻溝（４Ａ）
（４Ｂ）に連結具（Ｃ）の蟻（１１）を嵌合連結する。
この部材を一対用意する。この部材は恰も相欠された形
状を呈するものであるから、これを上下より相互に組合
せるものである。この装置をログハウスの土台（２０）
に設立してある角柱（２１）に枠体を嵌挿し、水平に交
叉して装置を固定し、この工程を反復してログハウスの
側壁を積み重ねて行くものである。尚、図示しないが用
材（Ａ）（Ｂ）の溝（５Ａ）（５Ｂ）に介在した桟は連
結具（Ｃ）の溝（１２）（１３）にも介在し、先端は枠
体（１０）に嵌合してある角柱（２１）の側面に当接す
るものである。

【００１０】

【考案の効果】この考案は上記の如く構成されるもので
あるから、第一に、丸太を水平に交叉して組立ると共に
一個のブロック体として所望目的に使用でき、作業を極
めて簡単迅速にして正確に行うことができる。第二に、
組立部材が部品化してあるから運搬及び貯蔵の上におい
て極めて至便である。第三に、組立に際し、釘止め等の
必要がないから組立作業を静粛に行うことができる。第
四に、用材は丸太を規格部品に加工されるものであるか
ら材料の木取り上において極めて経済的である。第五
に、構造的に連結具は中心に角柱を挿通できる構成とし
てあるから、積み重ねの作業中、連結具の素材と相まっ
てこの固定のための要点に狂いを生ずるおそれがないの
で組立作業を正確、迅速に実施できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の具体的実施例を示し

【図１】連結具の斜視図

【図２】同上端面図

【図３】同上断面図

【図４】縦方向及び横方向の部材を交叉して組立た状態
の平面図

【図５】用材の一部斜視図

【図６】本装置全体の分解斜視図

【図７】側壁を構築した状態の側面図

【符号の説明】

Ａ 側壁側の用材 Ｂ 張出側の用材 Ｃ 連結具 １Ａ 積み重ね接合面 １Ｂ 積み重ね接合面 ２Ａ 正面接合面 ２Ｂ 正面接合面 ３Ａ 切落面 ３Ｂ 切落面 ４Ａ 蟻溝 ４Ｂ 蟻溝 ５Ａ 溝 ５Ｂ 溝 １０ 枠体 １１ 蟻 １２ 溝 １３ 溝

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ログハウスの丸太を水平に組立るに際
   し、丸太を側壁側の用材（Ａ）と張出側の用材（Ｂ）に
   構成し、各用材（Ａ）（Ｂ）の両側に積み重ねのための
   接合面（１Ａ）（１Ｂ）を成形し、この接合面の片側よ
   り丸太の中心に達する深さの蟻溝（４Ａ）（４Ｂ）を各
   用材の端面に刻設し、各用材の各蟻溝（４Ａ）（４Ｂ）
   に下記（イ）に記載する連結具（Ｃ）の蟻（１１）を嵌
   合連結し、この部材を一対用意し、夫々の部材を縦方向
   及び横方向に位置して連結具を上下に組合せてなること
   を特徴とするログハウスの丸太を水平に交叉して組立る
   装置。（イ）各用材（Ａ）（Ｂ）の端面の幅と等しい幅
   にして、各用材（Ａ）（Ｂ）の各蟻溝（４Ａ）（４Ｂ）
   の深さと等しい高さを有する平面正四角形状の枠体（１
   ０）の両側に、蟻（１１）を張出成形してなる連結具
   （Ｃ）。