JP2522740B2 - 立体成形回路板の製造方法および製造装置 - Google Patents

立体成形回路板の製造方法および製造装置

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JP2522740B2
JP2522740B2 JP4106143A JP10614392A JP2522740B2 JP 2522740 B2 JP2522740 B2 JP 2522740B2 JP 4106143 A JP4106143 A JP 4106143A JP 10614392 A JP10614392 A JP 10614392A JP 2522740 B2 JP2522740 B2 JP 2522740B2
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molded
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昭比古 渡辺
洋典 小山
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Meiki Seisakusho KK
Nitto Boseki Co Ltd
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Meiki Seisakusho KK
Nitto Boseki Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャリアフィルムの一
方の面に予め導電回路を積層させた転写シートと基材用
の熱可塑性樹脂とを用いる立体成形回路板の製造方法お
よび製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子機器は、紙またはガラスクロ
ス等に、不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂または
ポリイミド樹脂等を含浸させ、半固化状態にしたプリプ
レグと銅箔とを積層し、プレス成形により銅張り積層板
を得た後、この銅張り積層板にエッチングにより配線を
加工してプリント配線板にし、さらに、このプリント配
線板を機器筺体の中に組み立てて製作していた。
【0003】また、近年電子機器の小型化のための省ス
ペース、またはコストダウンを図るべく、機器筺体の裏
面に導体パターンを形成し、この導体パターンに電子部
品を搭載することが試みられている。この従来技術によ
る立体成形回路板の製造方法は、基材用の熱可塑性樹脂
の射出成形によって得られる成形品に対して導電回路を
転写するものである。
【0004】図7は、表面に凹凸を形成した金型を用い
て転写成形を行なうことにより、凹凸を有する立体成形
回路板を得ることからなる従来技術を示す断面図であ
る。
【0005】この図7に示す従来技術では、固定型10
と可動型11とを有する金型を使用する。前記固定型1
0と可動型11間には、キャビティ12が形成されてい
る。このキャビティ12には、成形品に凹凸を賦形する
ための凹凸部13が設けられている。また、前記キャビ
ティ12内には転写シート1を送り込み、設置するよう
になっている。この転写シート1は、キャリアフィルム
2に離型剤層3を介して導電回路4が積層されており、
この導電回路4の表面に接着剤層5が形成されている。
さらに、前記キャビティ12内には射出機14のノズル
15からランナ16を通じて基材用の熱可塑性樹脂を射
出するようになっている。
【0006】そして、この従来技術では金型内のキャビ
ティ12に相当する位置に前記転写シート1を送り込み
設置する。次いで、型締めを行った後、射出機14のノ
ズル15からランナ16を通じてキャビティ12内に溶
融した基材用の熱可塑性樹脂を射出し、成形品を得ると
同時に、成形品の表面に転写シート1から接着剤層5を
介して導電回路4を転写し、立体成形回路板を得る。そ
の際に、溶融した基材用の熱可塑性樹脂は転写シート1
を引き伸ばしながらキャビティ12の凹凸部13に充填
され、これによって立体成形回路板に凹凸が賦形され
る。
【0007】更に、前記導電回路4を転写した立体成形
回路板を成形した後、その立体成形回路板を冷却し、固
化させる。前記立体成形回路板の冷却固化後、型開きを
行ない、立体成形回路板を取り出し、次いで、転写シー
ト1における導電回路4を有する部分を金型内のキャビ
ティ12に相当する位置に再び送り込むことからなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、凹凸を有す
る成形品に対して転写シート1の導電回路4を転写する
前記の従来の技術では、立体成形回路板の凹凸の形状に
対応するシートの伸び率が数%以内の非常に小さい場合
には、転写シート1のキャリアフィルム2や導電回路4
がキャビティ12の凹凸部13に対応して伸びるので、
さしたる問題が生じない。
【0009】しかしながら、立体成形回路板の凹凸の形
状に対応するシートの伸び率が数%〜10数%というよ
うに大きくなる場合には、転写シート1のキャリアフィ
ルム2や導電回路4が、急激な伸びに対応できず、キャ
リアフィルム2の切断およびしわの発生、導電回路4の
断線、さらには、コーナ部で導電回路4が基材用の熱可
塑性樹脂中にもぐってしまう等の不都合が発生する。特
に、導電回路4の材料として銅箔等の金属箔を用いた場
合には、射出された基材用の熱可塑性樹脂の衝撃的な圧
力により、導電回路4の断線が起こりやすいという問題
がある。
【0010】したがって、本発明の第1の目的は、転写
シートと基材用の熱可塑性樹脂とを用いて、凹凸を有す
る品質の高い立体成形回路板を、効率よく、低コストで
成形し得る方法を提供することにある。
【0011】又、本発明の第2の目的は、本発明方法に
かかる立体成形回路板の製造方法を的確に実施し得る立
体成形回路板の製造装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、本発明の立体成形回路板の製造方法は、基材用
の熱可塑性樹脂の射出成形と同時に、基材用の熱可塑性
樹脂による成形品に転写シートの導電回路を平坦面状に
転写して一次成形回路板を得る工程と、金型を用いて前
記一次成形回路板を部分的に押圧し、凹凸を賦形するこ
とにより二次成形回路板を得る工程とを有しており、し
かも前記一次成形回路板を得る工程での基材用の熱可塑
性樹脂の射出成形の後に、一次成形回路板が冷却する前
に、金型によって一次成形回路板に凹凸を賦形し、二次
成形回路板を得るようにしている。
【0013】すなわち、本発明の立体成形回路板の製造
方法は、射出成形機内に射出成形金型と賦形金型とを配
置し、射出成形金型で一次成形回路板を成形した後に、
これを賦形金型へ移送し、先の射出成形金型で別の一次
成形回路板を射出成形する工程と前述の二次成形回路板
を得る工程とを、単一の型締め操作で行えるようにして
いる。
【0014】又、別の本発明の立体成形回路板の製造方
法は、前記一次成形回路板を、金型の1部を置換し得る
射出成形金型を利用して成形し、次いで、前記金型の置
換可能な部分を、雄雌型の凹凸部を有する部分金型と置
換し、この部分金型を置換した後の金型により凹凸を賦
形し、二次成形回路板を得るようにしている。
【0015】更に、前記第2の目的を達成するため、本
発明の立体成形回路板の製造装置は、固定型と可動型と
を有する単一の金型ユニット内に、射出成形用キャビテ
ィと凹凸賦形用キャビティとを設け、前記射出成形用キ
ャビティを、キャリアフィルムの一方の面に予め導電回
路を積層した転写シートと基材用の熱可塑性樹脂とを用
いて、基材用の熱可塑性樹脂の射出成形と同時に、基材
用の熱可塑性樹脂による成形品に前記転写シートの導電
回路を平坦面状に転写した一次成形回路板を成形可能に
構成し、また、前記凹凸賦形用キャビティを、軟化状態
の前記一次成形回路板を部分的に押圧し、凹凸を賦形し
た二次成形回路板を成形可能に構成し、さらに前記射出
成形用キャビティと凹凸賦形用キャビティとを、単一の
型締め操作で型締めし、一次成形回路板と二次成形回路
板とを同時に成形可能に構成している。
【0016】以下、本発明の立体成形回路板の製造装置
を、図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の立体成形回路板の製造方
法を実施するための装置の1実施例を示す断面図であ
り、この図1に示す立体成形回路板の製造装置では、固
定型37と可動型38とにより金型ユニット36が構成
されている。この金型ユニット36内には、射出成形用
キャビティ39と凹凸賦形用キャビティ43とが並列し
て設けられている。
【0018】前記射出成形用キャビティ39に、ロール
から繰り出されてくる転写シート1が送り込まれ、導電
回路4の部分が設置されるようになっている。また、こ
の射出成形用キャビティ39には、射出機40のノズル
41と、ランナ42を通じて、溶融した基材用の熱可塑
性樹脂が射出されるようになっている。
【0019】そして、射出成形用キャビティ39は、前
記転写シート1と基材用の熱可塑性樹脂とを用いて、基
材用の熱可塑性樹脂の射出成形と同時に、基材用の熱可
塑性樹脂による成形品に前記転写シート1の導電回路4
を平坦面状に転写した一次成形回路板27を成形可能に
構成されている。
【0020】前記凹凸賦形用キャビティ43には、雄雌
型の凹凸部44が設けられている。而して、この凹凸賦
形用キャビティ43は軟化状態の一次成形回路板を部分
的に前記凹凸部44により押圧し、凹凸を賦形した二次
成形回路板34を成形可能に構成されている。
【0021】前記構成の立体成形回路板の製造装置によ
る立体成形回路板の製造は、例えば以下のようにして行
なう。
【0022】先ず、金型ユニット36を型開きした状態
にして、ロールから繰り出されてくる転写シート1を射
出成形用キャビティ39に相当する位置に送り込み、導
電回路4の部分を前記射出成形用キャビティ39に相当
する位置に設置する。なお、立体成形回路板の成形当初
は、凹凸賦形用キャビティ43に相当する位置には一次
成形回路板は配置されていない。
【0023】前記射出成形用キャビティ39に相当する
位置に転写シート1の導電回路4の部分を設置後、型締
めを行なう。次いで、前記射出成形用キャビティ39内
に射出機40のノズル41と、ランナ42を通じて、溶
融した基材用の熱可塑性樹脂を射出,充填し、基材樹脂
による射出成形品を成形すると共に、該射出成形品に転
写シート1の接着剤層を介して導電回路4を平坦面状に
転写し、一次成形回路板27を成形する。
【0024】前記一次成形回路板27が冷却する前に、
つまり凹凸を成形可能な程度に軟化している状態のとき
に型開きを行なう。次いで、射出成形用キャビティ39
で成形した一次成形回路板27を、該一次成形回路板2
7に転写シート1のキャリヤフィルム2が付いた状態で
取り出し、そのまま凹凸賦形用キャビティ43に移す。
また、このときには、同時に射出成形用キャビティ39
に相当する位置に、次ぎの成形に使用する転写シート1
の導電回路4の部分が送り込まれて設置される。この状
態で再び型締めを行なう。この型締めは、凹凸賦形用キ
ャビティ43内の一次成形回路板27に接着されている
導電回路4等に衝撃力を与えないように、例えば1〜3
0mm/min程度の速度で行なう。
【0025】前記型締めによって、凹凸賦形用キャビテ
ィ43に設けられた凹凸部44により、一次成形回路板
27の所定個所をキャリヤフィルム2を介して押圧する
ことによって凹凸を賦形し、導電回路4が接着されてい
る部分を含む一次成形回路板27の所定個所に凹凸部3
5が形成されている二次成形回路板34を成形する。
【0026】前記凹凸賦形用キャビティ43により二次
成形回路板34の成形中に、前記射出成形用キャビティ
39内に射出機40のノズル41と、ランナ42を通じ
て、溶融した基材用の熱可塑性樹脂を再び射出し、一次
成形回路板27を成形する。
【0027】前述のごとく、単一の金型ユニット36内
に設けられた射出成形用キャビティ39では一次成形回
路板27を成形し、凹凸賦形用キャビティ43では二次
成形回路板34を成形した後、型開きを行なう。次い
で、凹凸賦形用キャビティ43からキャリヤフィルム2
が付着したままの二次成形回路板34を取り出し、該二
次成形回路板34からキャリヤフィルム2を剥離して二
次成形回路板34を得る。このときに同時に、凹凸賦形
用キャビティ43内に、射出成形用キャビティ39内の
一次成形回路板27を取り出して移し、1ストロークを
終了する。なお、二次成形回路板34から剥離されたキ
ャリヤフィルム2は、金型の外に導出された後、巻き取
りロールに巻き上げる。
【0028】この図1に示す製造装置においては、金型
ユニット36の型開き,型締めに合わせてシーケンス動
作するハンドラを配備し、このハンドラにより射出成形
用キャビティ39から凹凸賦形用キャビティ43への一
次成形回路板27の移し替え、及び、凹凸賦形用キャビ
ティ43からの二次成形回路板34の取り出しを自動的
に行なうようにしてもよい。
【0029】さらに、別の本発明の立体成形回路板の製
造方法は、図2に示される射出成形金型20において、
これを金型の1部が置換可能にされている金型に改良し
たものを使用して一次成形回路板を成形した後、この一
次成形回路板が冷却する前に、射出成形金型20を型開
きし、前記射出成形金型の1部分を、雄雌型の凹凸部を
有する部分金型と置換し、再び金型20の型締め装置に
より型締めし、この型締め力により、置換された部分金
型の凹凸部を、一次成形回路板の所定個所に凹凸部を賦
形する。
【0030】すなわち、図2に示す射出成形金型20
は、固定型21と可動型22とを有している。前記固定
型21と可動型22間には、キャビティ23が形成され
ている。そして、前記キャビティ23内に、導電回路4
を有する転写シート1の前記導電回路4の部分が送り込
まれ、設置されるようになっている。また、前記キャビ
ティ23内には射出機24のノズル25と、ランナ26
を通じて、溶融した基材用の熱可塑性樹脂を射出するよ
うになっている。
【0031】転写シート1を、例えばロール状に巻き取
っておき、その巻き取りロールから図2に示す金型20
の型開き状態において、キャビティ23に相当する位置
に導電回路4の部分を送り込み、この導電回路4をキャ
ビティ23の表面側に配して設置する。
【0032】次いで、金型20の可動型22を移動さ
せ、型締めを行った後、射出機24のノズル25、ラン
ナ26を通じてキャビティ23内に、基材用の樹脂とし
て溶融した熱可塑性樹脂を射出する。
【0033】前記金型20のキャビティ23内に溶融し
た基材用の熱可塑性樹脂を射出し、充填することにより
射出成形品を形成すると同時に、その基材用の熱可塑性
樹脂による射出成形品に転写シート1の接着剤層を介し
て導電回路4を転写させる。このときに、前記第1の金
型20のキャビティ23には凹凸部が形成されていない
ため、基材用の熱可塑性樹脂による射出成形品に導電回
路4が平坦面状に転写された一次成形回路板が成形され
る。
【0034】かかる工程による一次成形回路板の成形
を、金型の1部が置換可能とされている射出成形金型2
0によって成形した後、この一次成形回路板が冷却する
前に、射出成形金型20を型開きし、前記射出成形金型
の1部分を、雄雌型の凹凸部を有する部分金型と置換
し、再び金型20の型締め装置により型締めし、この型
締め力により、置換された部分金型の凹凸部を、一次成
形回路板の所定個所に凹凸部として賦形する。
【0035】すなわち、例えば、図3にて符号45で表
示される金型の部分金型46と47とを、図4にて表示
される雌雄型の凹凸部を有する部分金型49と50とに
置換し、符号49で表示される金型を形成し得るように
して置き、金型45により一次成形回路板を成形し、然
る後に、可動型22を移動させ、型開きを行ない、キャ
リアフィルムを一次成形回路板からを剥離して取り出
す。
【0036】更に、この一次成形回路板が冷却する前
に、金型45の部分金型46と47とを、凹凸部を有す
る部分金型49と50とに置換し、前記一次成形回路板
に賦形し、二次成形回路板を成形する。
【0037】以上の通りの立体成形回路板の製造方法お
よび製造装置において、前記転写シート1は、例えば図
5に一部拡大図として示すように、キャリアフィルム2
の一方の面に離型剤層3を介して導電回路4を積層し、
この導電回路4の表面に接着剤層5を積層した積層シー
トによって形成されている。
【0038】又、前記基材用の熱可塑性樹脂としては、
例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)が用いら
れるが、熱可塑性樹脂であれば特に制限なく使用するこ
とができる。
【0039】図6は、上記の本発明の立体成形回路板の
製造方法および製造装置によって成形した立体成形回路
板の断面図であり、導電回路4が転写されてなり、かつ
凹凸部35を有している二次成形回路板34を示してい
る。
【0040】
【作用】本発明の立体成形回路板の製造方法では、単一
の金型ユニット内に配置されている一次成形回路板の射
出成形用キャビティーと賦形用キャビティーとを使用
し、射出成形用キャビティーで成形された一次成形回路
板が冷却する前に、該一次成形回路板を賦形用キャビテ
ィーに移し、賦形用キャビティー内で凹凸を賦形し、二
次成形回路板を成形するようにしているので、凹凸に賦
形されている立体成形回路板の製造のための設備費を節
減でき、かつ省エネルギー化を図ることができる。ま
た、この方法においては、一次成形回路板を得る工程と
二次成形回路板を得る工程とを同時に実施するものであ
ることから、大幅なコストダウンを図れる。
【0041】また、本発明の立体成形回路板の製造方法
では、前記一次成形回路板を射出成形金型で成形し、次
いで、この射出成形金型の1部を、雄雌型の凹凸部を有
する部分金型で置換し、この置換された後の金型により
凹凸を賦形し、二次成形回路板を成形するようにしてい
るので、一次成形回路板を加熱軟化させるための加熱装
置や、凹凸を賦形するための加熱装置として、射出成形
金型をそのまま代用でき、設備費を節減できるだけでな
く、1回の成形サイクルで一次成形回路板と二次成形回
路板とを成形できることから、凹凸に賦形されている立
体成形回路板をより一層効率よく製造することが可能で
ある。
【0042】さらに、上記の本発明の立体成形回路板の
製造方法では、そのいずれの方法においても、導電回路
を積層した転写シートと、基材用の熱可塑性樹脂による
射出成形工程とを用いるようにしており、かつ基材用の
熱可塑性樹脂の射出成形と同時に、基材用の熱可塑性樹
脂による射出成形品に転写シートの導電回路を平坦面状
に転写して一次成形回路板を得る工程と、前記一次成形
回路板を加熱軟化させ、金型を用いて部分的に押圧し、
凹凸を賦形することにより二次成形回路板を得る工程と
からなるものであるため、凹凸部の形状に対応する転写
シートの伸び率が数%〜10数%というような大きさに
なる立体成形回路板であっても、転写シートの切断及び
皺の発生,導電回路の断線,コーナ部での導電回路の基
材用の熱可塑性樹脂中へのもぐり込み等が全くなく、凹
凸に賦形されている高品質の立体成形回路板を製造する
ことができる。
【0043】さらに、本発明の立体成形回路板の製造装
置では、固定型と可動型とにより金型ユニットを構成
し、この金型ユニット内に射出成形用キャビティと凹凸
賦形用キャビティとを設けている。
【0044】そこで、型開き状態で射出成形用キャビテ
ィ内に転写シートの導電回路を設置し、型締め後、射出
成形用キャビティ内に溶融した基材用の熱可塑性樹脂を
射出し、基材用の熱可塑性樹脂による射出成形品に導電
回路を平坦面状に転写した一次成形回路板を成形する。
【0045】そして、型開き後、射出成形用キャビティ
により成形された一次成形回路板を凹凸賦形用キャビテ
ィ内に移し、型締めと同時に凹凸賦形用キャビティによ
り一次成形回路板の導電回路を含む所定個所に凹凸を賦
形し、立体成形回路板である二次成形回路板を成形する
ようにしている。
【0046】その結果、単一の金型ユニットで一次成形
回路板と二次成形回路板とを同時に成形できるし、高品
質の立体成形回路板を極めて効率よく成形でき、大幅な
コストダウンを図ることが可能である。
【0047】
【実施例】以下、本発明の立体成形回路板の製造方法お
よび製造装置のより具体的な構成を、実施例に基づいて
説明する。
【0048】実施例1 次のように形成した転写シートを使用した。すなわち、
キャリアフィルムとして厚さ50μのPETフィルムを
用いた。このPETフィルムの一方の面に、離型剤層を
介して銅箔を圧着し、この銅箔にエッチング加工を施
し、導電回路を形成した。この導電回路の表面に接着剤
を塗布し、接着剤層を形成した。
【0049】成形型として図1に示すように、単一の金
型ユニットに射出成形用キャビティと凹凸賦形用キャビ
ティとを並列に設けたものを使用した。
【0050】前記射出成形用キャビティ内に転写シート
の導電回路をセットし、型締め後、溶融した基材用の熱
可塑性樹脂を射出して充填し、基材用の熱可塑性樹脂に
よる成形品に導電回路を転写した一次成形回路板を得
た。
【0051】一次成形回路板を射出成形用キャビティ内
で5秒間冷却した後、型開きし、未固化状態の一次成形
回路板を射出成形用キャビティから取り出し、凹凸賦形
用キャビティ内に移した。
【0052】次いで、型締めを行ない、凹凸賦形用キャ
ビティで一次成形回路板の導電回路を含む所定個所に凹
凸を賦形し、立体成形回路板である二次成形回路板を得
た。また、この二次成形回路板の成形中に、前述の要領
で射出成形用キャビティ内に溶融した基材用の熱可塑性
樹脂を射出し、充填して一次成形回路板を成形した。
【0053】その結果、1サイクル約40秒の間隔で、
連続して一次成形回路板と二次成形回路板とを成形する
ことができた。しかも、得られた二次成形回路板には、
導電回路に断線等の不良がなく、良好な立体成形回路板
を得ることができた。
【0054】
【発明の効果】以上に説明した請求項1の発明の立体成
形回路板の製造方法によれば、単一の金型ユニット内に
配置されている一次成形回路板の射出成形用キャビティ
ーと賦形用キャビティーとを使用し、射出成形用キャビ
ティーで形成された一次成形回路板が冷却する前に、賦
形用キャビティーに一次成形回路板を移し、賦形用キャ
ビティー内で凹凸を賦形し、二次成形回路板を成形する
ようにしているので、設備費を節減でき、かつ省エネル
ギー化を図り得る効果がある。また、この発明の立体成
形回路板の製造方法においては、一次成形回路板を得る
工程と二次成形回路板を得る工程とを、同時に実施する
ものであることから、かかる面での大幅なコストダウン
が図れる。
【0055】また、請求項2の発明の立体成形回路板の
製造方法によれば、前記一次成形回路板を射出成形金型
で成形し、次いで、この金型の1部を、雄雌型の凹凸部
を有する部分金型で置換し、この置換された後の金型に
より凹凸を賦形し、二次成形回路板を成形するようにし
ているので、一次成形回路板を加熱軟化させるための加
熱装置や、凹凸を賦形するための加熱装置として、射出
成形金型をそのまま代用できる。このため、設備費を節
減できるばかりでなく、1回の成形サイクルで一次成形
回路板と二次成形回路板とを成形でき、立体成形回路板
をより一層効率よく製造し得る効果がある。
【0056】さらに、請求項1の発明及び請求項2の発
明の立体成形回路板の製造方法は、そのいずれも、導電
回路を積層した転写シートと、基材用の熱可塑性樹脂に
よる射出成形工程とを用いるようにしており、かつ基材
用の熱可塑性樹脂の射出成形と同時に、基材用の熱可塑
性樹脂による射出成形品に転写シートの導電回路を平坦
面状に転写して一次成形回路板を得る工程と、前記一次
成形回路板を加熱軟化させ、金型を用いて部分的に押圧
し、凹凸を賦形することにより二次成形回路板を得る工
程とによるものであるため、凹凸部の形状に対応する転
写シートの伸び率が数%〜10数%というような大きさ
になる立体成形回路板であっても、転写シートの切断及
び皺の発生,導電回路の断線,コーナ部での導電回路の
基材用の熱可塑性樹脂中へのもぐり込み等が全くなく、
凹凸に賦形されている高品質の立体成形回路板を製造す
ることができる。
【0057】さらに又、請求項3の発明の立体成形回路
板の製造装置によれば、固定型と可動型とを有する単一
の金型ユニット内に、射出成形用キャビティと凹凸賦形
用キャビティとを設け、前記射出成形用キャビティを、
キャリアフィルムの一方の面に予め導電回路を積層した
転写シートと、基材用の熱可塑性樹脂とを用いて、基材
用の熱可塑性樹脂の射出成形と同時に、基材樹脂に前記
転写シートの導電回路を平坦面状に転写した一次成形回
路板を成形可能に構成し、前記賦形用キャビティを、軟
化状態の前記一次成形回路板を部分的に押圧し、凹凸を
賦形した二次成形回路板を成形可能に構成し、さらに前
記射出成形用キャビティと凹凸賦形用キャビティとを、
単一の型締めで一次成形回路板と二次成形回路板とを同
時に成形可能に構成しているので、前記請求項1の発明
の立体成形回路板の製造方法を的確に実施し得る効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体成形回路板の製造方法の工程を説
明する立体成形回路板の製造装置の一実施例を示す断面
図である。
【図2】本発明の立体成形回路板の製造方法を実施する
ための装置の構成に変形する前の基本的な立体成形回路
板の金型を示す断面図である。
【図3】金型の1部が置換される射出成形金型の略示断
面図である。
【図4】図3の金型の1部が凹凸部を有する部分金型で
置換された後の状態を説明する略示断面図である。
【図5】転写シートの一例を示す一部拡大側面図であ
る。
【図6】本発明の立体成形回路板の製造方法および製造
装置によって得られた立体成形回路板の1実施例品を示
す断面図である。
【図7】従来技術による立体成形回路板の製造方法を実
施するための装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 転写シート 2 キャリアフィルム 4 導電回路 5 接着剤層 20 射出成形金型 23 金型のキャビティ 27 一次成形回路板 34 二次成形回路板 35 二次成形回路板に形成されている凹凸部 36 金型ユニット 39 射出成形用キャビティ 43 凹凸賦形用キャビティ 44 雄雌型の凹凸部 45 金型の1部が置換可能な射出成形金型 46,47 置換され得る部分金型 48 凹凸部を有する部分金型で置換された後の射出成
形金型 49,50 凹凸部を有する部分金型

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材用の熱可塑性樹脂の射出成形と同時
    に、該基材用の熱可塑性樹脂による成形品に対して、キ
    ャリアフィルムの一方の面に予め導電回路を積層させた
    転写シートにおける導電回路を平坦面状に転写して一次
    成形回路板を得る工程と、金型を用いて前記一次成形回
    路板を部分的に押圧し、凹凸を賦形することにより二次
    成形回路板を得る工程とからなる立体成形回路板の製造
    方法において、 固定型と可動型とを有する単一の金型ユニット内に射出
    成形用キャビティーと凹凸賦形用キャビティーとが設け
    られている金型を利用し、前記射出成形用キャビティ内
    で第1の一次成形回路板を成形し、次いで、該第1の一
    次成形回路板を該第1の一次成形回路板が冷却する前
    に、凹凸賦形用キャビティー内に移送し、型締めするこ
    とにより、凹凸が賦形されている第1の二次成形回路板
    を得ると共に、前記射出成形用キャビティー内に基材用
    の熱可塑性樹脂を射出して第2の一次形成回路板を得る
    ことからなり、 しかも、前記第1の二次形成回路板を得る工程と第2の
    一次成形回路板を得る工程とを、単一の型締め操作によ
    り同時に実施することを特徴とする立体成形回路板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 基材用の熱可塑性樹脂の射出成形と同時
    に、該基材用の熱可塑性樹脂による成形品に対して、キ
    ャリアフィルムの一方の面に予め導電回路を積層させた
    転写シートにおける導電回路を平坦面状に転写して一次
    成形回路板を得る工程と、金型を用いて前記一次成形回
    路板を部分的に押圧し、凹凸を賦形することにより二次
    成形回路板を得る工程とからなる立体成形回路板の製造
    方法において、 前記一次成形回路板を、金型の1部が置換可能とされて
    いる射出成形金型で成形し、次いで、前記一次成形回路
    板が冷却する前に、前記射出成形金型の置換可能な部分
    を、雄雌型の凹凸部を有する部分金型と置換し、しかる
    後に、1部が前記凹凸部を有する部分金型で置換されて
    いる金型により前記一次成形回路板に凹凸を賦形し、二
    次成形回路板を得ることを特徴とする立体成形回路板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 固定型と可動型とを有する単一の金型ユ
    ニット内に、射出成形用キャビティと凹凸賦形用キャビ
    ティとが設けられており、前記射出成形用キャビティ
    は、キャリアフィルムの一方の面に予め導電回路を積層
    した転写シートと、基材用の熱可塑性樹脂とを用いて、
    基材用の熱可塑性樹脂の射出成形と同時に、基材用の熱
    可塑性樹脂による成形品に前記転写シートの導電回路を
    平坦面状に転写した一次成形回路板を成形可能に構成さ
    れ、前記賦形用キャビティは軟化状態の前記一次成形回
    路板を部分的に押圧し、凹凸を賦形した二次成形回路板
    を成形可能に構成され、さらに前記射出成形用キャビテ
    ィと凹凸賦形用キャビティとは単一の型締めで一次成形
    回路板と二次成形回路板とを同時に成形可能に構成され
    ていることを特徴とする立体成形回路板の製造装置。
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