JP2522607Y2 - 光ファイバーを用いた光学装置 - Google Patents

光ファイバーを用いた光学装置

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JP2522607Y2 JP1989092137U JP9213789U JP2522607Y2 JP 2522607 Y2 JP2522607 Y2 JP 2522607Y2 JP 1989092137 U JP1989092137 U JP 1989092137U JP 9213789 U JP9213789 U JP 9213789U JP 2522607 Y2 JP2522607 Y2 JP 2522607Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、例えば光波測距装置や光通信装置等のよう
に光ファイバーを用いた光学装置に関し、特に光ファイ
バー端部の支持固定部材の改良に関するものである。
[従来の技術] 光波測距装置や光通信装置等においては、光導波路と
してガラスやプラスチックからなる光ファイバーが用い
られている。この光ファイバーは一般にコア層とその周
囲を取り囲むコア層より屈折率のやや小さいクラッド層
からなり、光ファイバーの一端に信号光を集光してコア
層に入射させると信号光が光ファイバーのもう一方の端
部に伝送される。
例えば、光波測距装置においては、光源から出射され
た変調光(測距光)が送信側光ファイバーを介して反射
体に向けて送光され、反射された測距光が受信側光ファ
イバーを介して受光素子に導かれる。そして、受信され
た測距光と参照光との位相差が計測されることにより反
射体までの距離が算出される。
このような装置において、非常に細い線材である光フ
ァイバーの端部には従来支持固定部材として金属製のス
リーブが装着されているが、このスリーブの端面は加工
の容易さ等から光軸に対して垂直な面として研磨されて
いるためスリーブ端面が反射面を形成する。
ところが、目標とする反射体以外の反射面が光路中に
存在すると、この反射面で反射された光が正規の測距光
とともに受光素子に到達することになり(例えば反射体
での反射光の一部が送信側ファイバーの射出側で反射さ
れ、再び反射体で反射されて受光素子に入射する)、測
距光の位相が乱されて測定誤差を生じるということが問
題となる。また、光源から出射された測距光が光ファイ
バーの入射端で反射されて光源に戻り、光源の安定性を
妨げるというような不都合もおこる。
従来、これらの問題に対応するために、光ファイバー
端部の反射防止手段として反射防止膜を設けたガラス板
をスリーブ端面に接着したり(実開昭56−23911号公
報)、スリーブ端面(ファイバー端面と同一面にある)
に光ファイバーの口径と等しい開口部を有する無反射性
の金属絞り板等を別途配置した構成(実公昭63−24458
号公報)等が提案されている。
[考案が解決しようとする課題] しかし、上記のような従来の技術において、金属製ス
リーブ端面にガラス板を貼りつける方法では光ファイバ
ーとガラス板の接合面での反射を防止することはできて
もスリーブ端面での反射を防止することができず、絞り
板等をスリーブ端面に貼設する方法では光ファイバーと
絞り板開口部とを精度良く位置合せすることが困難(位
置ずれがあると測距光が一部遮られるとともに、金属製
スリーブ端面が露出して測距光の反射が生じる)である
という欠点があった。
また、従来の構成では光ファイバー端部に金属製スリ
ーブを装着して更にスリーブとは別に反射防止部材を取
り付けているため、部品点数が多くなってしまうという
問題がある他、加工上次のような不都合もあった。即
ち、金属製スリーブと光ファイバーは摩耗度が大きく異
なるため、スリーブを装着した状態で両者を同時に研磨
することが困難で、光ファイバーを別の固定具に固定し
て研磨してから別途研磨したスリーブを装着しなければ
ならないため、光ファイバー端部の加工が非常に繁雑で
あった。
この考案は、かかる点に鑑みてなされたものであり、
光ファイバー端部における反射がほとんどなく、かつ光
ファイバー端部の組立・調整も容易である光学装置を提
供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本考案の光ファイバーを用いた光学装置は、上記課題
の達成のために、入射又は出射端を支持固定するために
光ファイバーの端部に装着された支持固定部材を含む光
学装置において、前記支持固定部材が、光ファイバーに
て使用される波長域の光に対して透過特性を有する材料
からなると共に、光ファイバーとは見分けられる色に着
色されているもの、又は前記波長域の光を吸収するもの
よりなるものを提案している。
更に、前記支持固定部材には、その端面に反射防止膜
を備えた板部材が貼設されていて、前記支持固定部材と
前記板部材は、前記波長域の光に対する屈折率が前記波
長域の光に対する前記光ファイバーの屈折率とほぼ等し
いガラスまたはプラスチックよりなるものが好ましい。
[作用] 本考案においては、光ファイバーの端部に装着される
スリーブ(支持固定部材)自体が光ファイバーにて使用
される波長域の光に対して透過特性を有する材料からな
ると共に、光ファイバーとは見分けられる色に着色され
ているもの、又は前記波長域の光を吸収するものより構
成されているので、別途に反射防止部材を設けなくとも
スリーブ端面における反射が防止され、従来のように絞
り板の位置合せ等を行なう必要がない。
非反射性材は、使用波長域の光を透過又は吸収するも
のであっても良し、表面で光を散乱するものであっても
良い。
また、スリーブ端面に、反射防止膜を備えた透明な板
部材を透明な接着剤を用いて貼設すれば、光ファイバー
自体の端面からの反射も防止される。この際、スリーブ
を使用波長に対して透明又は吸収性のガラスあるいはプ
ラスチックで構成し、スリーブ,板部材,接着層の屈折
率を光ファイバーとほぼ等しくすれば、接合面での反射
率が非常に小さくなり光ファイバー端部における反射
(ファイバー端面及びスリーブ端面における反射)がほ
ぼ完全に防止される。
なお、スリーブ端面に凹凸を設けて光を散乱させるこ
とによりスリーブ端面での正反射を回避する場合には、
板部材を貼設する際に用いる接着剤によって端面の凹が
埋まり反射防止効果が低下することが考えられるので、
板部材を貼設する構成には適さない。
[実施例] 第1図及び第2図を用いて本考案の実施例を説明す
る。
第2図は本実施例にかかる光波測距装置の構成を示す
光路図である。図において、光源1から発せられた測距
光は送信側リレーレンズ2によって送信側光ファイバー
3の入射端3aに集光され、出射端3bを2次光源として送
信光学系(反射部材4,対物レンズ5;受信系と共用であり
紙面上側を送信光が、下側を受信光が通過する)を介し
て不図示のコーナーキューブに送光される。
コーナーキューブで反射された測距光は受信光学系
(対物レンズ5,反射部材6)を経て受信側光ファイバー
7の入射端7aに入射され、出射端7bから出射し、受信側
リレーレンズ8で集光されて受光素子9に到達する。そ
して、測距光と参照光(図示せず)との位相差から目標
地点に設置したコーナーキューブまでの距離が算出され
る。
上記のような構成において、光ファイバーの入射端及
び射出端(7a,3b)は、対物レンズ5の焦点面に位置
し、ファイバーの他端(3a,7b),光源1及び受光素子
9と互いに光学的に共役である。このため、かかる端面
における反射光は、前述したように正規の測距光ととも
に受光素子に到達して測距光の位相を乱しやすい。
以下、第1図の(a),(b)を用いて本実施例にお
ける光ファイバー端部の構造を説明する。本実施例では
送信側及び受信側光ファイバー3,7の入出射端にそれぞ
れ非反射性のスリーブ10a,10b,11a,11bを設けたが、簡
単のため、送信側光ファイバー3の出射端3bを例にとっ
て説明する。
第1図(a)において、光ファイバー3の端部には、
非反射性の支持固定部材として透明なガラス(又はプラ
スチック)材からなるスリーブ10bがスリーブ10bと光フ
ァイバー3の端面が同一面となるように環装されてい
る。このスリーブ10bは測距光の波長域(この種の装置
の測距光としては一般に赤外線が用いられる)に対して
透明であれば良いことは言うまでもなく、例えば光ファ
イバーの位置合せ等を可視光で行なう場合には光ファイ
バーとの境界が見分けやすいように着色(測距光は透過
する色)されていても良い。
本実施例では、測距装置を組み立てるにあたってスリ
ーブ10bを光ファイバー3に装着した状態で一度に端面
研磨したが、ガラス製のスリーブ10bは光ファイバー3
と同程度の摩耗度を有するので、光ファイバー3の端面
に損傷を与えることなく均一に研磨することができた。
光ファイバー3の射出端3bにこのようなガラス製スリ
ーブ10bを環装しておけば、迷光がスリーブ10bの端面に
入射したとしてもスリーブ10bを透過してしまうので、
スリーブ10bの端面で反射された迷光がコーナーキュー
ブ,受信光学系を経て受光素子9に到達することがな
く、正規の測距光の位相が乱されるのを防止することが
できる。
次に、第1図(b)は光ファイバー端部の更に別の構
成例を示す断面図である。図において、光ファイバー3
の端部には第1図(a)の場合と同様に、透明なガラス
製スリーブ10bが環装されており、更にスリーブ10b端面
には一方の面に反射防止膜14を備えた透明なガラス板13
が、反射防止膜14形成面を外側にして透明な接着層12を
介して貼設されている。そして、スリーブ10b,ガラス板
13,接着層12は全て、光ファイバー3とほぼ等しい屈折
率になっている。このような構成をとれば、スリーブ10
b端面及び光ファイバー3自体の端面からの反射が何れ
もほぼ完全に防止される。
スリーブを構成する非反射性材としては、上記の実施
例で使用した透明なガラスやプラスチックの他に、使用
波長を吸収する材料も好ましく用いられる。例えば可視
領域に対しては着色したプラスチック、例えばカーボン
ブラックを添加する等した黒色のプラスチック成形体を
スリーブとして用いることができる。プラスチック材を
用いる場合には射出成形等によって所望の形状のスリー
ブを安価に製造することができるので、光ファイバーを
装置に取付けるための係合部等をスリーブに形成するこ
ともでき、構造を簡略化できるという利点もある。
また、非反射製スリーブは必ずしもガラス又はプラス
チックで構成される必要はなく、金属製のスリーブ表面
に光ファイバーにて使用される波長域の光を吸収するメ
ッキ層等を設ける等して用いても良い。例えば、真鍮製
のスリーブにブラックニッケルメッキを施したもの、ア
ルミニウムからなるスリーブにブラックアルマイトを施
したもの等を用いることができる。
また、スリーブ端面にガラス板等を貼設しない場合
(第1図(a))には、材料に係らず表面を梨地状する
等して艶消し加工を施すことも正反射防止のために有効
である。
なお、上記の実施例においては測距装置について説明
したが、本考案は光ファイバーを用いた光学装置であれ
ば特に限定されることなく適用されるものであることは
言うまでもない。また、必ずしも装置内に配置された光
ファイバーの端部全てに本願考案のスリーブを設ける必
要はなく、特に迷光の反射が問題となる端部にだけ非反
射性スリーブを設けるようにしても良い。
[考案の効果] 以上のように、本考案においては光ファイバー端部に
装着される支持固定部材自体が光ファイバーにて使用さ
れる波長域の光に対して透過特性を有する材料からなる
と共に、光ファイバーとは見分けられる色に着色されて
いるもの、又は前記波長域の光を吸収するものより構成
されているので、別途に反射防止部材を取付ける必要が
なく装置の組立調整が容易であるという効果を有する。
また、支持固定部材として光ファイバーと同程度の摩
耗度を有するガラス又はプラスチックを用いれば、光フ
ァイバー端部に支持固定部材を装着した状態で一度に端
面研磨することができ、摩耗度の差によって生じる端面
の欠損なども生じにくいという利点もある。
更に、支持固定部材の端面に透明な板部材を貼設し、
光ファイバーと支持固定部材及び板部材の屈折率をほぼ
等しくすれば、繁雑な調整を行なわなくともほぼ完全に
光ファイバー端部における反射を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図の(a)及び(b)はそれぞれ本考案実施例にお
ける支持固定部材の構成例を示す断面図、第2図は本考
案実施例にかかる光波測距装置の構成を示す光路図であ
る。 [主要部分の符号の説明] 1……光源 3,7……光ファイバー 10b……スリーブ(支持固定部材) 12……接着層 13……ガラス板(板部材) 14……反射防止膜

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバーを用いた光学装置であって、 入射又は出射端を支持固定するために光ファイバーの端
    部に装着された支持固定部材を含む光学装置において、 前記支持固定部材は、光ファイバーにて使用される波長
    域の光に対して透過特性を有する材料からなると共に、
    光ファイバーとは見分けられる色に着色されていること
    を特徴とする光ファイバーを用いた光学装置。
  2. 【請求項2】前記支持固定部材には、その端面に反射防
    止膜を備えた板部材が貼設されており、 前記支持固定部材と前記板部材は、前記波長域の光に対
    する屈折率が前記波長域の光に対する前記光ファイバー
    の屈折率とほぼ等しいガラスまたはプラスチックよりな
    ることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバーを用
    いた光学装置。
  3. 【請求項3】光ファイバーを用いた光学装置であって、 入射又は出射端を支持固定するために光ファイバーの端
    部に装着された支持固定部材を含む光学装置において、 前記支持固定部材は、光ファイバーにて使用される波長
    域の光に対して吸収特性を有する材料からなることを特
    徴とする光ファイバーを用いた光学装置。
  4. 【請求項4】前記支持固定部材には、その端面に反射防
    止膜を備えた板部材が貼設されており、 前記支持固定部材と前記板部材は、前記波長域の光に対
    する屈折率が前記波長域の光に対する前記光ファイバー
    の屈折率とほぼ等しいガラスまたはプラスチックよりな
    ることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバーを用
    いた光学装置。
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