JP2522430Y2 - ヒューズ付き固体電解コンデンサ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はヒューズ付き固体電解コンデンサに関し、特
に陰極リード線の形状及び配置に関する。

〔従来の技術〕 一般に固体電解コンデンサは、種々の電子回路に使用
されており、故障率は小さいが、万一、回路中で固体電
解コンデンサが故障した場合には、短絡となることが多
く、大きな短絡電流が流れるとコンデンサ素子が発熱し
焼損することもある。このコンデンサの短絡故障発生の
際、他の回路構成素子を保護するために短絡したら解放
にする機構，一般的にはヒューズを用いる手段が知られ
ている。

従来技術としては、固体電解コンデンサ素子外周の陰
極層の一部を絶縁物で被覆し、その絶縁物上を横断し、
陰極奏と陰極リード線との間をヒューズにて接続し、絶
縁外層したヒューズ付き固体電解コンデンサがある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述した従来のヒューズ付き固定電解コンデンサは、
例えば、第３図に示すように、素子１の外周の陰極層1a
の一部を被覆した絶縁物上を横断するヒューズ６のみに
よって陰極層1aと陰極リード線５とが接続されるため、
製造工程中において固体電解コンデンサ素子１と陰極リ
ード線５とが遊離し、その結果外形寸法が大きくなる欠
点がある。また、互いに遊離した固体電解コンデンサ素
子１と陰極リード線５とを密着修正するには多大な工数
を要する上に、この修正時にヒューズや、ヒューズ６と
固体電解コンデンサ素子１との接続部，あるいはヒュー
ズ６と固体電解コンデンサ素子１との接続部，あるいは
ヒューズ６と陰極リード線5bとの接続部等に損傷を与え
る危険がある。

また、第４図に示す様に陰極リード線5bが陽極リード
線３方向に位置ずれをおこし、陽・陰極リード間隔を一
定にできないという欠点をも有し、修正時に第３図に示
した第１例と同様の危険がある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のヒューズ付き固体電解コンデンサは、陰極層
の一部を残して絶縁性樹脂で被覆された固体電解コンデ
ンサ素子と、前記絶縁性樹脂上に設置された陰極リード
線と、露出した陰極層上と陰極リード線との間に接続さ
れたヒューズとを含むヒューズ付き固体電解コンデンサ
において、前記陰極リード線が先端折り曲げＬ形状の部
分を頂部に具備し、該先端折り曲げＬ形状の部分により
前記絶縁性樹脂を介して前記固体電解コンデンサ素子に
懸架固定されていることを特徴として構成される。

〔実施例〕

次に、本考案について図面を参照して説明する。第１
図（ａ），（ｂ）は、本考案によるヒューズ付き固体電
解コンデンサの外装工程前の斜視図およびこれに使用さ
れる陰極リード線の斜視図である。

第１図（ａ）において、１は固体電解コンデンサ素子
（以後、素子と略記）、1aは素子外周部に設けた陰極
層、２は素子１から植立または溶接により導出した陽極
導出線、３は陽極リード線、４は絶縁物、5aはひとつの
先端折り曲げＬ形状の部分を具備する陰極リード線、６
はヒューズである。

陰極リード線5aは、第１図（ｂ）のように先端折り曲
げＬ形状の部分を具備しており、この先端折り曲げＬ形
状の部分によって絶縁物４を介して素子１に懸架固定さ
れているため、陰極層1aとはヒューズ６のみによって接
続されているにもかかわらず素子と遊離することがな
く、従って外形寸法が大きくなることを避けることがで
きる。

第２図（ａ），（ｂ）は本考案の他の実施例の外装工
程前の斜視図および第２図（ａ）に示す実施例に使用す
る陰極リード線の斜視図である。

第２図（ａ）に示す5bは、第２図（ｂ）のように先端
折り曲げＬ形状の部分を２箇所具備している陰極リード
線である。

この実施例では第１の実施例と同様の利点を得ること
が可能な上に、更に陽・陰極リード線間を正確にできる
という利点をも得ることが可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、陰極リード線が、すく
なくとも一つのＬ形状の部分を頂部に具備し、絶縁物を
介して素子に懸架される構造を有しているため、 （１）ヒューズ機構を備えているにもかかわらず、素子
の外形がほとんど損なわれずにヒューズ付き固体電解コ
ンデンサを得ることができる。

（２）素子の外形がほとんど変わらないため薄さを要求
されヒューズ付き固体電解コンデンサを得ることができ
る。

（３）リード間の幅が正確なヒューズ付き固体電解コン
デンサを得ることができる。

（４）厚さ寸法精度の高いヒューズ付き固体電解コンデ
ンサを得ることができる。

（５）製造工程中において、互いに遊離した素子と陰極
リード線とを密着修正する必要がなくなることにより、
大きな工数削減となる。

（６）（５）と同じ理由によりヒューズや、ヒューズ素
子との接続部，あるいはヒューズと陰極リード線との接
続部等に損傷を受ける危険がなくあるなどの利点を有
し、その工業的価値は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ），（ｂ）は本考案の一実施例の斜視図およ
びこれに使用する陰極リード線の斜視図，第２図
（ａ），（ｂ）は本考案の他の実施例の斜視図およびこ
れに使用する陰極リード線の斜視図，第３図および第４
図はいずれも従来のヒューズ付き固体電解コンデンサお
よびその問題点を説明するための斜視図である。 １……固体電解コンデンサ素子、1a……陰極層、２……
陽極導出線、３……陽極リード線、４……絶縁物、5,5
a,5b……陰極リード線、６……ヒューズ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】陰極層の一部を残して絶縁性樹脂で被覆さ
   れた固体電解コンデンサ素子と、前記絶縁性樹脂上に設
   置された陰極リード線と、露出した陰極層上と陰極リー
   ド線との間に接続されたヒューズとを含むヒューズ付き
   固体電解コンデンサにおいて、前記陰極リード線が、先
   端折り曲げＬ字形状の部分を頂部に具備し、該先端折り
   曲げＬ字形状の部分により前記絶縁性樹脂を介して前記
   固体電解コンデンサ素子に懸架固定されていることを特
   徴とするヒューズ付き固体電解コンデンサ。