JP2522311Y2 - 車両のフロントサスペンション用軸受 - Google Patents

車両のフロントサスペンション用軸受

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JP2522311Y2
JP2522311Y2 JP1990402607U JP40260790U JP2522311Y2 JP 2522311 Y2 JP2522311 Y2 JP 2522311Y2 JP 1990402607 U JP1990402607 U JP 1990402607U JP 40260790 U JP40260790 U JP 40260790U JP 2522311 Y2 JP2522311 Y2 JP 2522311Y2
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JP
Japan
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front suspension
pocket
bearing
vehicle
retainer
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正雄 加藤
幸房 伊藤
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NTN Corp
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NTN Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、車両のフロントサス
ペンションに用いられる軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のフロントサスペンション
用軸受として、実開昭60−18345号公報で提案さ
れたものがある。この軸受は、図4に示すように、サス
ペンション軸20に連結する軌道輪22と、車両のマウ
ント部21に連結する軌道輪23との間に、ボール24
を組み込み、各軌道輪22、23の内径側端部又は外径
側端部を、それぞれ他方の軌道輪の端部に重ね合うよう
に折曲げてシル形玉軸受を形成したもので、軸受の取
付け高さの小型化が図られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、フロントサ
スペンション軸受においては、車両のステアリング操作
により車輪の向きを変えると、サスペンション軸とそれ
に連結する軌道輪が揺動し、軸受には大きなラジアル荷
重とスラスト荷重が同時に加わることになるが、上記提
案の構造では、各ボール24が常に同じ軌道上を転動す
ることになるため、ボールと接触する軌道輪22、23
の表面が早期に摩耗し易く(フレッティングコロージョ
ン)軸受の耐久寿命が短くなる欠点がある。
【0004】また、ボール24を囲むように軌道輪2
2、23を折り曲げてシェル型軸受とする構造では、軌
道輪22、23の形成や軸受の組立てに多くの手間と時
間がかかり、また、ボール24と軌道輪22、23との
接触長さが長いために、回転トルクが大きくなって操舵
性が悪くなると共に、ボール表面の油切れが生じやすい
欠点がある。
【0005】この考案は、上記の欠点に鑑みてなされた
もので、その第1の目的は、ボールとの接触による軌道
輪表面の摩耗を小さくし、長い耐久寿命を実現できるフ
ロントサスペンション用軸受を提供することである。ま
た、第2の目的は、上記した軸受の耐久寿命の向上に加
えて、軸受の製作が簡単にでき、しかも回転トルクの小
さい軸受構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するため、この考案は、フロントサスペンション軸に連
結する軌道輪と、車体に連結する軌道輪との間に、複数
のボールを組み込んだ車両のフロントサスペンション用
軸受において、上記両軌道輪の間に、上記の各ボール
収納するポケットを設けた環状の保持器を組み込み、
保持器の各ポケットを周方向及び半径方向に所要の間
隔をおいて複数列設け、上記保持器のサスペンション軸
の最大揺動範囲又はそれを越える所定の範囲に相当する
範囲ごとに、前記各列内のポケットの位置を該保持器の
半径方向に位置をずらせることにより同一円周上に存在
しないようにした構成としたものである。なお、上記の
構造に加えて、同一の円周上に位置する各ポケットを、
それぞれ不等ピッチ間隔で配列するようにしてもよい。
【0007】また、この考案は、第2の目的を達成する
ため、上記構成において、両軌道輪と保持器を平坦な板
材で形成し、その保持器に、ボール収納用ポケットを間
に挾んで一方の軌道輪に向かって突出する複数条の環状
壁を設けた構造としたのである。
【0008】
【作用】上記の第1の手段においては、車両のステアリ
ング操作により両軌道輪が相対回転しても、保持器の案
内により各々のボールはそれぞれ違った軌道上を転動す
るため、軌道輪表面の摩耗が抑えられる。一方、第2の
手段においては、板材である両軌道輪と保持器を組み合
せて軸受を構成できるので、組立てが容易になる。ま
た、両軌道輪とボールとが点接触状態で接触すると共
に、保持器とその環状壁と軌道輪の間が潤滑剤の溜り部
となってボールを潤滑することになるため、各ボールの
転がり抵抗を小さくすることができる。
【0009】
【実施例】図1a、b及び図2は、第1の実施例のフロ
ントサスペンション用軸受を示している。図に示すよう
に、この軸受1は、上部ハウジング2と下部ハウジング
3の間に、上軌道輪4と下軌道輪5を対向して取付け、
その両軌道輪4、5の間に、複数のボール6と、そのボ
ール6を保持する保持器7とを組み込んで構成されてい
る。
【0010】上下のハウジング2、3は、軽量化を図る
ため合成樹脂や合成ゴム等の高分子材料で形成されてお
り、上下軌道輪4、5の収納部11、12の両側には、
ラビリングシールを構成する嵌合部13、14が形成さ
れている。なお、この両嵌合部のうち、外側の嵌合部1
3は、シール機能と共に上下ハウジング2、3を連接す
る案内機能をもっている。
【0011】上下の軌道輪4、5は、それぞれ圧延鋼板
を用いて平坦なリング板形状とし、それに表面硬化処理
を施して形成されており、上下ハウジング2、3の収納
部11、12に圧入及び射出成形により一体に固定され
ている。
【0012】一方、保持器7は、合成樹脂等の高分子材
料によりリング板形状に形成され、その表面には、複列
のボール6を保持するように、径の異なる3つの同
上に配列された複数のボール収納用ポケット8が形成さ
れている。この各々のボール収納用ポケット8は、図1
bに示すように、車両のステアリングを操作したときに
車輪と連結するサスペンション軸が揺動する最大角度
(約80度前後)より大きな角度範囲A(実施例では9
0度の角度範囲)において、それぞれ上下軌道輪4、5
の半径方向に位置をずらして配列されている。
【0013】すなわち、1つの円状に配列されるポケッ
トのうち、最小径の列においては隣接するポケット8
a、8bがe1 だけ半径方向に位置をずらして形成さ
れ、中間径の列ではe2 だけ、最大径の列ではe3 だけ
位置をずらして形成されており、かつ、各々の列上に配
列されたポケットが同一の円上に存在しないように設定
されている。これにより、車両のステアリングをどのよ
うに操作しても、保持器7の各ポケット8の案内によっ
て、各ボール6は軌道が重なり合わず、両軌道輪4、5
の異なる表面上に転動することになる。
【0014】また、上記保持器7の下軌道輪5と向かい
合う端面には、その内周端と外周端に、各ポケット8を
間に挾むように2条の環状壁9、10が形成されてお
り、その環状壁9、10と保持器7及び下軌道輪5で囲
まれる空間に、潤滑剤(グリース)が封入されて溜り部
15が形成されるようになっている。
【0015】上記のような構造で成る実施例の軸受にお
いては、下部ハウジング3を車輪に接続するサスペンシ
ョン軸16に固定し、上部ハウジング2を車体側のマウ
ント部17に固定して使用する。この状態で、車両のス
テアリングを操作して車輪の向きを変えると、下部ハウ
ジング3が揺動して両軌道輪4、5は相対的に回転する
が、上述したように保持器7で案内される各々のボール
6は、それぞれ上下軌道輪4、5表面の違った軌道上を
転動するため、軌道輪表面の摩耗が小さく抑えられ、軸
受の耐久寿命が長く維持される。
【0016】また、保持器7と下軌道輪5の間の溜り部
15に潤滑剤が保持されるため、各ボール6が安定して
潤滑され、油切れが防止される。さらに、板状の上下軌
道輪4、5と各ボール6とは点状態で接触して接触抵抗
が小さくなるため、上述した溜り部15の潤滑作用と相
俟って、軸受の転がり抵抗が著しく小さくなり、円滑な
操舵性を得ることができる。
【0017】図3は、第2の実施例を示している。上述
した第1の実施例では、同一の円周上に位置する各列の
ポケットを、それぞれサスペンション軸の最大揺動範囲
より大きな角度範囲Aで配列して、各ボールの軌道をず
らしているが、その各列のポケットピッチ間隔がサスペ
ンション軸の最大揺動範囲より小さい場合には、各列の
ポケットピッチが同じであると、軌道輪の停止時各ボー
ルがそれぞれ同じ位置で停止することがあり、微動摩耗
の発生が促進される不具合がある。
【0018】第2実施例は、上記の不具合に対処したも
ので、同一円周上の各列のポケットを、それぞれ不等ピ
ッチ間隔で配列している。すなわち、図3に示すよう
に、各列の1つのポケット8b1 、8b2 間のピッチ角
度をBとした場合、隣接するポケット8b2 、8b3
のピッチ角度CをC=B±α°とし、さらに、それに隣
接するポケット8b3 、8b4 間のピッチ角度をCより
異なるようにして、各ポケット8b1 、8b2 、8
3 、……のピッチ間隔を、サスペンション軸の最大揺
動範囲内においてそれぞれ不等配に設定している。
【0019】これにより、軌道輪が同じ量(例えば角度
A)で繰り返し揺動しても、各ボールの停止位置はピッ
チ差の分だけずれることになり、微動摩耗の発生が軽減
される。なお、ピッチのずらし角度αは、約1度以上あ
ればよい。
【0020】
【考案の効果】以上のように、この考案の第1の手段に
よれば、各ボールの軌道又は停止位置をずらしたので、
軌道輪表面の摩耗を少なくでき、軸受の長い耐久寿命を
実現できる効果がある。また、この考案の第2の手段に
よれば、軸受の組立てが簡単化できるともに、回転トル
クを小さくすることができ、安定して円滑な操舵性が得
られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】aは第1実施例の縦断正面図、bは同上の保持
器の平面図
【図2】同上の要部の拡大断面図
【図3】第2実施例の保持器の平面図
【図4】従来例の縦断正面図
【符号の説明】
1 フロントサスペンション用軸受 2 上部ハウジング 3 下部ハウジング 4 上軌道輪 5 下軌道輪 6 ボール 7 保持器 8 ポケット 9、10 環状壁 15 溜り部 20 サスペンション軸 21 マウント部

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロントサスペンション軸に連結する軌
    道輪と、車体に連結する軌道輪との間に、複数のボール
    を組み込んだ車両のフロントサスペンション用軸受にお
    いて、上記両軌道輪の間に、上記の各ボール収納する
    ポケットを設けた環状の保持器を組み込み、上記保持器
    の各ポケットを周方向及び半径方向に所要の間隔をおい
    て複数列設け、上記保持器のサスペンション軸の最大揺
    動範囲又はそれを越える所定の範囲に相当する範囲ごと
    に、前記各列内のポケットの位置を該保持器の半径方向
    に位置をずらせることにより同一円周上に存在しないよ
    うにしたことを特徴とする車両のフロントサスペンショ
    ン用軸受。
  2. 【請求項2】 同一の円周上に位置する各ポケットを、
    それぞれ不等ピッチ間隔で配列したことを特徴とする請
    求項1に記載の車両のフロントサスペンション用軸受。
  3. 【請求項3】 両軌道輪と保持器を平坦な板材で形成
    し、その保持器に、ボール収納用ポケットを間に挾んで
    一方の軌道輪に向かって突出する複数条の環状壁を設け
    たことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両
    のフロントサスペンション用軸受。
JP1990402607U 1990-12-28 1990-12-28 車両のフロントサスペンション用軸受 Expired - Lifetime JP2522311Y2 (ja)

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