JP2010001908A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Tateo Adachi
健郎 安達
Takayasu Takubo
孝康 田窪
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Abstract

【課題】加工上のバラツキや軸受内部すきまに左右されず、車両の直進走行時におけるトルクを低減でき、かつ、旋回走行時の軸受寿命向上を図った車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受装置において、複列のボール列のボール4が、大径ボール4aと小径ボール4bとが交互に規則性を持って配列され、大径ボール4aと小径ボール4bとの径差d1−d2が5〜10μmの範囲に設定されているので、ラジアル荷重のみが負荷される車両の直進時に、大径ボール4aのみで荷重を負荷することになり、転がり抵抗が小さくなってトルクを低減させることができ、かつ車両の旋回時に、さらにアキシアル荷重が負荷され、大径ボール4aと、これに接触する転走面が弾性変形して小径ボール4bにも荷重が負荷され、1列総てのボール4が負荷されて軸受寿命が向上する。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置、詳しくは、複列アンギュラ玉軸受で構成され、車両の直進走行時におけるトルクを低減でき、かつ、旋回走行時の軸受寿命向上を図った車輪用軸受装置に関するものである。
従来、車輪用軸受装置は、車軸と共に回転する車輪を車体側部材に対して回転自在に支承し、外輪と内輪とを備え、外輪の内周に形成される複列の外側転走面と、内輪の外周に形成される複列の内側転走面の間に、複数のボールが収容されている。車輪用軸受装置の外輪および内輪の各転走面の曲率は単一曲率になっている。このため、単一の曲率を小さくすると、ボールと各転走面との接触楕円が小さくなるため、直進時のトルクが小さくなって、車両の燃費が良くなるという利点を有するが、旋回時にはボールが各転走面から外れて、所謂肩乗り上げが発生するという欠点が生じる。
一方、各転走面の単一の曲率を大きくすると、旋回時の肩乗り上げを防止できるという利点を有するが、直進時のボールと各転走面との接触楕円が大きくなってトルクが大きくなり、燃費が悪くなるという欠点が生じる。そこで、車両の直進時におけるトルクが低減でき、かつ、旋回時の肩乗り上げが防止できる図5に示すような車輪用軸受装置が知られている。
この車輪用軸受装置50は、内周に複列の外側転走面51a、51aが一体に形成された外輪51と、外周にこれら複列の外側転走面51a、51aに対向する内側転走面52aが形成された一対の内輪52と、両転走面間に保持器53を介して転動自在に収容されたセラミック製の複列のボール54、54とを備えた複列アンギュラ玉軸受で構成されている。
外輪51は、車両の車体側部材に嵌合され、内輪52は、図示しないハブ輪を介して車両の駆動輪車軸の外径部に嵌合されている。外輪51の両端部と内輪52との間にはシール部材55、55が配置され、軸受内部に封入されたグリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等の異物が軸受内部に侵入するのを防止している。
図6に、車両の直進時における車輪用軸受装置50のボール54と内外輪52、51の各転走面52a、51aとの位置関係を示す。線分Aは、ボール54の中心を通って径方向に延びる直線であり、線分Bは、ボール54と内外輪52,51の各転走面52a、51aとの接触線である。
β1は、外輪51の外側転走面51aの曲率が変わる変曲点である。外輪51の外側転走面51aは、このβ1を含む径方向の平面を境にして中央部側の曲率半径が、ボール54の直径の50.5%から52.0%の間に設定され、端部側の曲率半径が、ボール54の直径の55%から65%の間に設定されている。
また、線分Cは、変曲点β1と、外輪51の軸方向の端部側の曲率が小さい外側転走面51a部分の曲率中心とを結ぶ直線であり、この線分Cと線分Aとなす角度であるθ1は、接触角θ3よりも大きな角度に設定されている。θ1は、略31°に設定され、接触角θ3は、29°から30°の間に設定されている。
一方、β2は、内輪52の内側転走面52aの曲率が変わる変曲点である。内輪52の内側転走面52aは、このβ2を含む径方向の平面を境にして中央部側の曲率半径が、ボール54の直径の55%から65%の間に設定され、端部側の曲率半径が、ボール54の直径の50.5%から52.0%の間に設定されている。
また、線分Dは、変曲点β2と、内輪52の軸方向の端部側の曲率が小さい内側転走面52a部分の曲率中心とを結ぶ直線であり、この線分Dと線分Aとなす角度であるθ2は、接触各θ3よりも大きな角度で、略31°に設定されている。
ここで、接触角θ3が29°から30°の間に設定されていることから、ボール54は、車両の直進時において、内外輪52、51の各転走面52a、51aの曲率が小さい転走面部分と接している。すなわち、外輪51の外側転走面51aの軸方向の端部側の曲率を小さくすると共に、内輪52の内側転走面52aの軸方向の中央部側の曲率を小さくし、かつ、車両の直進時に、ボール54が内外輪52、51の曲率が小さい転走面部分に接触するようにしたので、直進時に、ボール54と内外輪52、51の各転走面52a、51aとの接触楕円が小さくなって、直進時に、ボール54と内外輪52、51の各転走面52a、51aとの間に生じる摩擦力が小さくなる。したがって、直進時のトルクが低減できて、車両の燃費を大幅に低減することができる。
また、外輪51の外側転走面51aの軸方向の中央部側の曲率を大きくすると共に、内輪52の内側転走面52aの軸方向の端部側の曲率を大きくしたので、車両の旋回時に、ボール54が外輪51の外側転走面51aの軸方向の中央部側かつ内輪52の内側転走面52aの軸方向の端部側に移動しても、移動したボール54を外輪51および内輪52の曲率が大きい転走面部分で抱くことができる。したがって、車両の旋回時に、ボールの肩乗り上げが起きることがない。
特開2007−198501号公報
然しながら、こうした従来の車輪用軸受装置50において、例えば、外輪51の外側転走面51aが、変曲点β1を含む径方向の平面を境にして中央部側と端部側とで曲率半径を異ならせることにより、車両の直進時におけるトルクを低減し、かつ、旋回時の肩乗り上げを防止することは理論的には可能であるが、実際には加工上のバラツキや軸受内部すきまの違いにより接触角θ3等が変化し、実用的とは言い難い。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、加工上のバラツキや軸受内部すきまに左右されず、車両の直進走行時におけるトルクを低減でき、かつ、旋回走行時の軸受寿命向上を図った車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の円弧状の内側転走面が形成された内方部材と、これら内方部材と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボール列と、これらボール列のボールを転動自在に収容する保持器とを備えた背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受装置において、前記複列のボール列のボールが、大径ボールと小径ボールとが交互に規則性を持って配列されている。
このように、背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受装置において、複列のボール列のボールが、大径ボールと小径ボールとが交互に規則性を持って配列されているので、加工上のバラツキや軸受内部すきまに左右されず、車両の直進走行時におけるトルクを低減でき、かつ、旋回走行時の軸受寿命向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記大径ボールと小径ボールとの径差が5〜10μmの範囲に設定されていれば、主にラジアル荷重のみが負荷される車両の直進時には、大径ボールのみでラジアル荷重を負荷することになり、転がり抵抗が小さくなって回転トルクを低減させることができると共に、車両の旋回時に、ラジアル荷重に加え、アキシアル荷重が負荷された場合、大径ボールと、この大径ボールに接触する各転走面が弾性変形し、小径ボールにも荷重が負荷され、1列総てのボールが負荷されて軸受寿命は従来の軸受に比べ大きく低下することはなく、同等の寿命を提供することができる。
本発明のうち請求項3に記載の発明は、内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の円弧状の内側転走面が形成された内方部材と、これら内方部材と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールと、これらのボールを転動自在に収容する保持器とを備えた背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受装置において、前記複列のボール列のボールが、セラミックボールと鋼球とで構成されている。
このように、背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受装置において、複列のボール列のボールが、セラミックボールと鋼球とで構成されているので、低トルク化と軸受寿命の向上を図ることができる。
好ましくは、請求項4に記載の発明のように、前記複列のボール列のうち、車両の旋回時、モーメント荷重が負荷された時に大きな荷重が負荷されるボール列のみがセラミックボールとされ、他方のボール列が鋼球とされていれば、大幅なコストアップを伴うことなく、低トルク化と軸受寿命の向上を図ることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記複列のボール列のボールが、セラミックボールと鋼球とが交互に規則性を持って配列されていても良い。
また、請求項6に記載の発明のように、前記複列のボール列のボールが、大径ボールと小径ボールとが交互に規則性を持って配列され、前記大径ボールがセラミックボールで構成されていれば、一層の低トルク化と軸受寿命の向上を図ることができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の円弧状の内側転走面が形成された内方部材と、これら内方部材と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボール列と、これらボール列のボールを転動自在に収容する保持器とを備えた背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受装置において、前記複列のボール列のボールが、大径ボールと小径ボールとが交互に規則性を持って配列されているので、加工上のバラツキや軸受内部すきまに左右されず、車両の直進走行時におけるトルクを低減でき、かつ、旋回走行時の軸受寿命向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する円弧状の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入され、外周に前記複列の外側転走面の他方に対向する円弧状の内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボール列と、これらボール列のボールを転動自在に収容する保持器とを備えた背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受装置において、前記複列のボール列のボールが、大径ボールと小径ボールとが交互に規則性を持って配列され、前記大径ボールと小径ボールとの径差が5〜10μmの範囲に設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の一方の軸受列を示す正面図、図3は、図2の変形例を示す正面図、図4は、図2の他の変形例を示す正面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この車輪用軸受装置は、従動輪側の第3世代構造をなし、ハブ輪1と、このハブ輪1に圧入固定される内輪2とからなる内方部材3と、この内方部材3に複列のボール4、4を介して外挿された外方部材(外輪)5とを備え、複列アンギュラ玉軸受で構成されている。
ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、外周にアウター側(一方)の円弧状の内側転走面1aと、この内側転走面1aから肩部1cを介して軸方向に延びる小径段部1bが形成されている。内輪2は、外周にインナー側(他方)の円弧状の内側転走面2aが形成され、ハブ輪1の肩部1cに突き合わせ状態で衝合し、小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、ハブ輪1の小径段部1bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部7によって軸方向に固定されている。車輪取付フランジ6の周方向等配には車輪を取り付けるハブボルト6aが植設されている。
外方部材5は、外周にナックル(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ5bを一体に有し、内周に前記内側転走面1a、2aに対向する複列の円弧状の外側転走面5a、5aが一体に形成されている。
前記両転走面間には複列のボール4、4が保持器8、8を介して転動自在に収容されている。そして、外方部材5と内方部材3との間に形成された環状空間の開口部にはシール9、10が装着され、軸受内部に封入されたグリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等の異物が軸受内部に侵入するのを防止している。なお、ここでは、ハブ輪1の外周に一方の内側転走面1aが直接形成された第3世代構造の車輪用軸受装置を例示したが、これに限らず、図示はしないが、ハブ輪の小径段部に一対の内輪が圧入された第1世代、第2世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造の車輪用軸受装置であっても良い。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、内側転走面1aをはじめ、アウター側のシール9のシールランド部となる車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bから小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。なお、加締部7は鍛造加工後の表面硬さのままである。
内輪2およびボール4はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなる。一方、外方部材5は、ハブ輪1と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面5a、5aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。
アウター側のシール9は、外方部材5のアウター側の端部に内嵌される芯金11と、この芯金11に加硫接着等により一体に接合され、ニトリルゴム等のエラストマーからなるシール部材12とからなる一体型のシールで構成されている。車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bは断面が円弧状に形成され、シール部材12は、径方向外方に傾斜して延び、基部6bに摺接する一対のサイドリップ12a、12bと、軸受内方側に傾斜して延びるラジアルリップ12cを一体に有している。
インナー側のシール10は、外方部材5と内輪2にそれぞれ装着され、互いに対向配置された環状のシール板13とスリンガ14とからなる、所謂パックシールで構成されている。シール板13は、外方部材5のインナー側の端部に内嵌される芯金15と、この芯金15に加硫接着等により一体に接合され、ニトリルゴム等のエラストマーからなるシール部材16とからなる。一方、スリンガ14は、内輪2の外径に圧入される円筒部14aと、この円筒部14aから径方向外方に延びる立板部14bとからなる。シール部材16は、スリンガ14の立板部14bに摺接するサイドリップ16aと、円筒部14aに摺接する一対のラジアルリップ16b、16cを一体に有している。そして、立板部14bの端部がシール板13に僅かな径方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシール17が構成されている。
保持器8は、PA(ポリアミド)66等の合成樹脂から射出成形によって形成され、凹球面のポケット8aにボール4を保持する、所謂スナップオンタイプで構成され、ボール4が径方向に脱落するのを防止している。
ここで、本実施形態では、車輪用軸受装置の各列のボール4、4が、図2に示すように、大径ボール4aと小径ボール4bとが混在した状態で収容されている。すなわち、大径ボール4aと小径ボール4bとが交互に規則性を持って配列されている。これにより、主にラジアル荷重のみが負荷される車両の直進時には、大径ボール4aのみでラジアル荷重を負荷することになり、転がり抵抗が小さくなって回転トルクを低減させることができる。
一方、車両の旋回時には、ラジアル荷重に加えアキシアル荷重が負荷されるため、大径ボール4aと、この大径ボール4aに接触する各転走面が弾性変形し、小径ボール4bにも荷重が負荷され、1列総てのボール4(4a、4b)が負荷され、軸受寿命は従来の軸受に比べ大きく低下することはなく、同等の寿命を提供することができる。したがって、加工上のバラツキや軸受内部すきまに左右されず、車両の直進走行時におけるトルクを低減でき、かつ、旋回走行時の軸受寿命向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
大径ボール4aと小径ボール4bとの径差Δd=d1−d2は、Δd≧5μm、好ましくは、Δd=5〜10μmの範囲に設定されている。Δdが5μm未満では、車両の直進時に、大径ボール4aと各転走面の弾性変形により小径ボール4bにも荷重が負荷される恐れがあり、大幅なトルク低減が期待できない。また、Δdが10μmを超えると、車両の旋回時に、大径ボール4aと各転走面の弾性変形があっても小径ボール4bに荷重が負荷されない可能性があり、軸受寿命が低下する恐れがある。
ここでは、大径ボール4aと小径ボール4bが交互に配列されたものを例示したが、これに限らず、例えば、図3に示すように、大径ボール4aと小径ボール4b、4bと大径ボール4a・・というような配列にしても良いし、また、図4に示すように、大径ボール4a、4aと小径ボール4bと大径ボール4a、4a・・というような配列にしても良い。これにより、車両の直進および旋回の頻度、あるいは、荷重条件と軸受の負荷容量との関係に対応することができ、設計自由度が拡大する。
次に、複列のボール4、4の材質をセラミックとした場合、セラミックボールの接触楕円は鋼球よりも剛性が高いため小さくなる。したがって、複列の総てのボール4、4をセラミックボールにすることにより低トルク化を図ることができるが、セラミックボールは鋼球よりも高価なためコストアップとなって好ましくない。このため、例えば、複列のボール4、4列のうち、車両の旋回時、モーメント荷重が負荷された時に大きな荷重が負荷されるインナー側のボール列のみをセラミックボールとし、アウター側のボール列を鋼球とすることにより、大幅なコストアップを伴うことなく、低トルク化と軸受寿命の向上を図ることができる。
また、複列のボール4、4列で、同サイズのセラミックボールと鋼球を混在させて規則性を持って配列させても低トルク化を図ることができる。さらには、前述したように、1列中の各ボール4を、大径ボール4aと小径ボール4bとが混在した構成と同様、この大径ボール4aに変えてセラミックボールを混在させても低トルク化と軸受寿命の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、複列アンギュラ玉軸受で構成された第1世代乃至第4世代構造の車輪用軸受装置に適用できる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の一方の軸受列を示す正面図である。 図2の変形例を示す正面図である。 図2の他の変形例を示す正面図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 図5の部分拡大図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、2a・・・・・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
1c・・・・・・・・・・・・・・・肩部
2・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
3・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
4・・・・・・・・・・・・・・・・ボール
4a・・・・・・・・・・・・・・・大径ボール
4b・・・・・・・・・・・・・・・小径ボール
5・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
5a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
5b・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
6・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
6a・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
6b・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジのインナー側の基部
7・・・・・・・・・・・・・・・・加締部
8・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
8a・・・・・・・・・・・・・・・ポケット
9・・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
10・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
11、15・・・・・・・・・・・・芯金
12、16・・・・・・・・・・・・シール部材
12a、12b、16a・・・・・・サイドリップ
12c、16b、16c・・・・・・ラジアルリップ
13・・・・・・・・・・・・・・・シール板
14・・・・・・・・・・・・・・・スリンガ
14a・・・・・・・・・・・・・・円筒部
14b・・・・・・・・・・・・・・立板部
17・・・・・・・・・・・・・・・ラビリンスシール
50・・・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受装置
51・・・・・・・・・・・・・・・外輪
51a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
52・・・・・・・・・・・・・・・内輪
52a・・・・・・・・・・・・・・内側転走面
53・・・・・・・・・・・・・・・保持器
54・・・・・・・・・・・・・・・ボール
55・・・・・・・・・・・・・・・シール部材
A、B、C、D・・・・・・・・・・線分
d1・・・・・・・・・・・・・・・大径ボールの外径
d2・・・・・・・・・・・・・・・小径ボールの外径
Δd・・・・・・・・・・・・・・・大径ボールの外径と小径ボールの外径の径差
β1、β2・・・・・・・・・・・・変曲点
θ1・・・・・・・・・・・・・・・線分Cと線分Aとなす角度
θ2・・・・・・・・・・・・・・・線分Dと線分Aとなす角度
θ3・・・・・・・・・・・・・・・接触角

Claims (6)

  1. 内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の円弧状の内側転走面が形成された内方部材と、
    これら内方部材と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボール列と、
    これらボール列のボールを転動自在に収容する保持器とを備えた背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受装置において、
    前記複列のボール列のボールが、大径ボールと小径ボールとが交互に規則性を持って配列されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記大径ボールと小径ボールとの径差が5〜10μmの範囲に設定されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 内周に複列の円弧状の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の円弧状の内側転走面が形成された内方部材と、
    これら内方部材と前記外方部材の両転走面間に収容された複列のボールと、
    これらのボールを転動自在に収容する保持器とを備えた背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成する車輪用軸受装置において、
    前記複列のボール列のボールが、セラミックボールと鋼球とで構成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  4. 前記複列のボール列のうち、車両の旋回時、モーメント荷重が負荷された時に大きな荷重が負荷されるボール列のみがセラミックボールとされ、他方のボール列が鋼球とされている請求項3に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記複列のボール列のボールが、セラミックボールと鋼球とが交互に規則性を持って配列されている請求項3に記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記複列のボール列のボールが、大径ボールと小径ボールとが交互に規則性を持って配列され、前記大径ボールがセラミックボールで構成されている請求項3に記載の車輪用軸受装置。
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