JP2522302C - - Google Patents

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JP2522302C
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carbon atoms
fatty acid
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アセタール樹脂の本来有する機械的性質、熱安定性及び成形品外観
を実質的に全く損なわずして射出成形の際の離型性を極めて高度に改善したアセ
タール樹脂組成物に関する。 アセタール樹脂は、バランスのとれた機械的性質、優れた耐摩擦摩耗性、優れ
た耐熱性等の特性を有していると共に、流動性にも極めて優れているため、射出
成形によって複雑な構造の機械部品や精密機構部品とすることが多く、斯かる複
雑構造は、例えば、厚肉部と薄肉部、更には超薄肉部が互いに入り組んだ上に、
更に中空円筒状突起物等が備わっている等の形状であり、しかも数gから高々数
10g程度の重量の小物部品である場合が多い。 このような複雑な形状の成形品の場合、成形品の突出し離型は出来るだけスム
ーズでなければならず、製品を過度に強い力で突出し離型した場合には、製品が
破損されたり成形ひずみを製品内部に保存して長期使用時に影響が悪く露呈する
という極めて好ましくない結果となるため、離型性の改善が切に望まれている。 〔従来の技術〕 本発明者らが先に配合した炭素数22〜32の高級脂肪酸の1種以上を添加し
たアセタール樹脂組成物(特開昭60−104151)は、斯かる要望に応える ものである。しかしながら、この組成物は充分な離型性を有しているものの、成
形機内に高温にて長時間滞留させると樹脂が発泡してシルバー(銀条)が発生す
る、即ち滞留熱安定性に問題があった。 〔発明が解決しょうとする問題点〕 而して本発明の目的は、アセタール樹脂の本来有する機械的性質、熱安定性及
び成形品外観を実質的に全く損なわずして射出成形の際の離型性を極めて高度に
改善したアセタール樹脂組成物を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究の結果、前記従来技術で使用さ
れた炭素数22〜32を有する高級脂肪酸をその炭素数2〜10を有する多価ア
ルコールとのエステルとし、更にビス脂肪酸アミドを併用することにより、熱安
定性を損なうことなく離型性を高度に改良できることを見出した。 而して本発明は、アセタール樹脂に対し炭素数2〜10を有する多価アルコー
ルと炭素数22〜32を有する高級脂肪酸とから誘導される多価アルコール脂肪
酸エステルの1種以上とビス脂肪酸アミドの1種以上を配合してなるアセタール
樹脂組成物である。 本発明の組成物で用いられる多価アルコール脂肪酸エステルは、炭素数2〜1
0を有する多価アルコールと炭素数22〜32を有する高級脂肪酸とから誘導さ
れされる1個以上のエステル基を有する化合物であり、斯かる多価アルコールと
しては、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールメタン、トリエチロー
ルメタンが適当であり、高級脂肪酸としては、ベヘン酸、セロチン酸、モンタン
酸、ラクセル酸が適当である。 又、本発明で用いられるビス脂肪酸アミドは、炭素数10以上の直鎖を有する
高級脂肪酸と脂肪族ジアミンから得られるものであり、エチレンビスステアロア
ミド、メチレンビスステアロアミド、メチレンビスラウロアミドなどが例示され
る。 アセタール樹脂に対するエステル類及びビス脂肪酸アミドの添加量は、アセタ
ール樹脂100重量部に対し各々の量が0.01〜2.00重量部で、且つ合計 量が0.02〜2.02重量部となる範囲が適当であり、この範囲未満では効果
が実用上不十分であり、この範囲を超えるとアセタール樹脂の熱安定性及び成形
外観(色調)に悪影響が出る。 本発明の組成物で用いられるアセタール樹脂とは、ホルムアルデヒド単量体又
はその3量体(トリオキサン)若しくは4量体(テトラオキサン)等の環状オリ
ゴマーを原料として製造された、実質的にオキシメチレン単位からなるオキシメ
チレンホモポリマー、及び、上記原料とエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、エピクロルヒドリン、1,3-ジオキソラン、1,3-ジオキセパン、グリコール
のホルマール、ジグリコールのホルマール等の環状エーテルとから製造された、
炭素数2〜8のオキシアルキレン単位を0.1〜20重量%含有するオキシメチ
レンコポリマーを包含する。 本発明の組成物には、更に熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、充填
剤、ガラス繊維、炭素繊維その他の公知の添加剤を配合することも出来る。 本発明のアセタール樹脂組成物を製造する方法は各種採用できるが、各成分を
混合又は溶融混練することは必須である。 溶融混練のために使用される装置としては、各種押出機、ニーダー、バンバリ
ー・ミキサー、ミキシングロール等の一般的な混練機が用いられ、その際の混練
方法としては、V字型ブレンダーの如き緩やかな混合装置又はヘンシェルミキサ
ーの如き高速流動混合装置によりドライブレンドするか、又は溶液、乳化液、懸
濁液等の状態で撹拌混合した後に乾燥して得た混合物を上記の混練機に投入する
方法、上記の混合機により均質な溶融状態のアセタール樹脂組成物に前記エステ
ル類とビス脂肪酸アミドを添加する方法等、各種の方法が可能である。 溶融混練の温度は、用いるアセタール樹脂の種類、混合混練装置の機能等の各
種条件及び目的によって適当に選定されるが、アセタール樹脂の融点以上分解温
度以下及び各種添加剤の分解温度以下の温度範囲であり、一般に175〜230
℃が適当である。 〔作用と発明の効果〕 本発明の著しい効果をもたらす原因は必ずしも定かではないが、前記エステル
類はアセタール樹脂に対する相溶性が適当であるため、金型キャビティ面と樹脂 との境界面で容易に離型しうるある種の層を形成し、ビス脂肪酸アミドを併用す
ることにより、この層が更により良く形成されるためでないかと推測される。 〔実施例〕 次に実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明する。 尚、以下の記載に於いて、極限粘度〔η〕は2重量%のα−ピネンを添加した
p−クロロフェノール中に於いて60℃で測定した値を示し、添加量〔phr〕
はアセタール樹脂100重量部あたりの重量部を示す。 又、第1〜2表中の各試験は次の方法で行った。離型力 成形品形状:高さ27mm、外径34mm、厚さ2mmの有底円筒形 離型力:円筒底中心部に位置した突出しピンに接続したセンサーより感受 離型力測定センサー:(株)テクノ・プラス製 成形条件:射出成形機;(株)東芝製 IS−90B 射出圧力;800kg/cm2 金型温度;60℃初期色調 色差計:ハンター色差計((株)スガ試験機製) 離型剤添加前の成形品色調=L1、a1、b1 離型剤添加後の成形品色調=L2、a2、b2 算出式: 判定基準:◎;△E=0〜1 ○;△E=1超〜2 △;△E=2超〜3 ×;△E=3超〜4滞留色調 色差計:ハンター色差計((株)スガ試験機製) 射出成形機:名機製作所製 SJ−35A 滞留条件:材料温度;235℃ 滞留時間;60分間 滞留前の成形品色調=L3、a3、b3 滞留後の成形品色調=L4、a4、b4 算出式: 判定基準:◎;△E=0〜4 ○;△E=4超〜6 △;△E=6超〜8 ×;△E=8超〜10熱安定性 使用機器:(株)島津製作所製 DT−30 試験:222℃、空気中に於ける熱分解速度滞留熱安定性 使用射出成形機:名機製作所製 SJ−35A 滞留条件:材料温度;235℃ 滞留時間;最長60分間 評価方法:成形機内に6ショット分の樹脂を滞留させ、10分毎に射出成形し
、樹脂の発泡に起因するシルバー(銀条)の発生開始時間(例えば 、3回目のショットで発生すれば、30分)を観察する。引張衝撃強度 試験片成形条件:成形機;名機製作所製 SJ−35A 材料温度;200℃ 射出圧力;500kg/cm2 金型温度;80℃ 比較例1〜9及び比較例11〜16 〔η〕=1.1dl/gの、エチレンオキシドから誘導される共重合単位を2.5重量 %含有するオキシメチレンコポリマーであるアセタール樹脂に、熱酸化安定剤と
してメラミン0.2phr、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート0.5phr及び水酸化マグネ
シーム0.1phr並びに第1表の配合化合物A欄に記載した種類及び量の多価アルコ
ール脂肪酸エステルを添加し、L/D=30、直径50mmのベント付二軸押出機
を用いて熱安定化処理したオキシメチレン共重合体組成物を製造した。 得られた試料にっいて、離型力、成形品外観(色調)、熱安定性、滞留熱安定
性及び引張衝撃強度を測定し、その結果を比較例1〜9として第1表に示した。 又、離型剤を使用しないか(比較例11)又は離型剤として本発明の多価アル
コール脂肪酸エステル以外の化合物を使用した(比較例12〜16)以外は比較
例1と同様に行った結果を、第1表に示した。 比較例10及び比較例17 アセタール樹脂が、〔η〕=1.3dl/の、無水酢酸により末端水酸基がアセチル
化されたオキシメチレンホモポリマーであること以外は、比較例1及び比較例1
1と同様に実施し、その結果を比較例10及び比較例17として第1表に示した
。 実施例1〜3及び比較例18 第1表の配合化合物A欄及び配合化合物B欄に記載した種類及び量の多価アル
コール脂肪酸エステル及びビス脂肪酸アミドを併用した以外は比較例1と同様に
実施し、その結果を実施例1〜3として第1表に示した。 又、比較の為、ビス脂肪酸アミドのみを使用した以外は実施例1と同様に実施
し、その結果を比較例18として第1表に示した。 比較例19〜23 比較の為、離型剤として第2表に記載した種類及び量の高級脂肪酸を使用した
以外は比較例1と同様にして得た試料について滞留熱安定性を測定し、その結果
を比較例19〜23として第2表に示した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)アセタール樹脂100重量部に対し、炭素数2〜10を有する多価アルコ
    ールと炭素数22〜32を有する高級脂肪酸とから誘導される多価アルコール脂
    肪酸エステルの1種以上を0.01〜2.0重量部と炭素数10以上の直鎖を有する
    高級脂肪酸と脂肪族ジアミンとから得られるビス脂肪酸アミドの1種以上を0.01
    〜2.0重量部とを配合してなるアセタール樹脂組成物。

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