JP2520758B2 - 溶接ガンにおける異常検出方法 - Google Patents

溶接ガンにおける異常検出方法

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JP2520758B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、溶接タイマによって制御される溶接ガンに
おける異常検出方法に関する。
(従来の技術) 溶接タイマは、ロボットコントローラ等から溶接指令
信号が入力されたとき、先ず加圧指令信号を出力し、こ
の信号により加圧シリンダを作動させて溶接ガンを閉
じ、次いで溶接トランスの通電制御回路に所定のパルス
幅の通電パルスを出力して、溶接トランスによりパルス
幅に応じた所定の電流で所定時間の通電を行い、その後
所定の加圧ホールド時間が経過してから開放指令信号を
出力して溶接ガンを開放するようにプログラムされてお
り、更に溶接電流を検出する検出手段からの信号を溶接
タイマに入力して、溶接電流の過小又は過大から溶接異
常を判別するようにしたものも知られている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、溶接ガンは、絶縁部の劣化により電流リー
クを生じたり、又ガンアームやそのピボット部が磁性体
で作られている場合、溶接電流が高いとこれら磁化され
てスパッタ等が吸着し、吸着物によりガンアーム間が短
縮して、電流リークを生ずる。
本発明は、以上の点に鑑み、溶接ガンが電流リークを
生ずる状態になっているか否かを確実に判別し得るよう
にした異常検出方法を提供することをその目的としてい
る。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成すべく、本発明では、溶接タイマによ
って制御される溶接ガンにおける異常検出方法におい
て、溶接タイマ溶接トランスの通電制御回路に、溶接タ
イマからの加圧指令信号の出力時点から溶接ガンが実際
に閉じられる迄の遅れ時間の範囲内において通電パルス
を設定時間出力し、溶接トランスの1次又は2次電流を
検出する電流検出器が前記設定時間内に電流を検出した
とき、溶接タイマから異常信号を出力するようにした。
(作 用) 溶接ガンの開放状態では、溶接タイマから通電パルス
を出力しても通常は溶接トランスの1次及び2次電流は
流れないが、通電リークを生ずる状態におけると電流が
流れる。かくて、溶接ガンの開放状態で通常パルスを設
定時間出力したとき電流を検出するか否かで、溶接ガン
が電流リークを生ずる状態になっているか否かを検査で
きる。
この検査は、溶接ガンでワークの各打点を溶接する度
に行うことが望ましく、この場合溶接タイマに溶接指令
信号が入力されたとき先ず通電パルスを設定時間出力
し、その後加圧指令信号を出力することが考えられる
が、これではサイクルタイムが長くなって能率が悪くな
る。
ところで、溶接タイマから加圧指令信号が出力されて
溶接ガンが閉じられる迄には、加圧シリンダの切換弁の
切換動作や加圧シリンダの動作に要する数十〜百msec程
度の遅れがあり、この遅れ時間の範囲内で通電パルスを
出力して電流リーク検査を行えば、検査のための時間を
特別に確保する必要がなく、能率アップを図れる。
又、ガンアームやピボット部等にスパッタ等が吸着し
て電流リークを生ずる状態になっている場合、検査時に
大きな電流を流すと吸着物が溶解してガンアーム等に強
固に固着し、補修が面倒になるため、検査時に出力する
通電パルスのパルス幅は、溶接ガンを閉じた後の本通電
に際して出力する通電パルスのパルス幅より短くするこ
とが望ましい。
(実施例) 第1図を参照して、(1)は電極チップ(2)を取付
けた1対のガンアーム(3)(3)を有する溶接ガンを
示し、該両ガンアーム(3)(3)を加圧シリンダ
(4)により開閉自在とし、該加圧シリンダ(4)によ
り溶接ガン(1)を閉じて電極チップ(2)(2)間に
ワークWを挟圧し、この状態で溶接トランス(5)によ
り両ガンアーム(3)(3)間に通電してワークWを溶
接するようにした。
溶接トランス(5)の1次側には、三相交流電源
(6)に整流回路(7)を介して接続される通電制御回
路(8)が接続されており、該通電制御回路(8)をフ
リブリッジ型に接続した4個のパワトランジスタ(8a)
を備えるものに構成し、これらパワトランジスタ(8a)
を後記詳述する溶接タイマ(9)から出力される通電パ
ルスによりオンオフして溶接トランス(5)の1次側に
所定の高周波交流を流すようにし、一方該トランス
(5)の2次コイルのセンタータップ(5a)を一方のガ
ンアーム(3)と、2次コイルの両端を夫々整流器(5
b)(5b)を介して他方のガンアーム(3)とに接続
し、両ガンアーム(3)(3)間に直流電流を流すよう
にした。
溶接タイマ(9)は、CPU(9a)、ROM(9b)、RAM(9
c)を有するマイクロコンピュータで構成されており、
入出力インターフェース(9d)においてロボットコント
ラーラ(10)と、前記加圧シリンダ(4)用の切換弁
(11)のソレノイド(11a)と、溶接条件を入力し且つ
表示するための表示入力装置(12)とに接続される。
該溶接タイマ(9)には、更に溶接トランス(5)の
2次電流を検出する電流検出器(13)に接続されるA/D
変換器から成る電流入力部(9e)と、前記パワトランジ
スタ(8a)に通電パルスを出力するベースドライプ回路
(9f)と、該ドライブ回路(9f)にタイミングゲート信
号を出力する電流制御部(9g)とが設けられている。
溶接ガン(1)が打点位置に到着して、第2図のt0
時点で溶接タイマ(9)にロボットコントローラ(10)
からの溶接指令信号が入力されると、溶接タイマ(9)
から所要の処理時間を経て加圧指令信号が出力され、こ
の信号で切換弁(11)が切換えられて加圧シリンダ
(4)に流体圧が供給され、加圧指令信号の出力時点t1
から数十〜百msec程度遅れた時点t2において溶接ガン
(1)が閉じられ、この状態で一定時間の初期加圧を行
った後、時点t3から本通電のための通電パルスが出力さ
れ、ガンアーム(3)(3)への通電が行われる。
又、加圧指令信号の出力時点t1から設定時間Tが経過
する迄の間通電パルスが出力され、電流リーク検査が行
われる。この設定時間Tは、溶接ガン(1)が閉じられ
る時点t3よりも早く通電パルスの出力が停止されるよう
例えば30msecに設定され、又この通電パルスのパルス幅
P1は本通電に際して出力される通電パルスのパルス幅P2
より短く設定される。
電流リーク検査の制御プログラムは第3図に示す通り
であり、これを詳述するに、溶接指令信号が入力された
か否かを判定し()、入力されたとき加圧指令信号を
出力すると共に通電パルスを出力し()、次いで設
定時間Tをセットして通電パルスの出力開始時点から設
定時間Tが経過したか否かを判断し()、経過する
迄の間電流検出器(13)による電流検出の有無を判断し
()、電流が検出されないときは通常のサイクル動作
を行い()、一方、電流が検出されたときは異常信号
を出力して()、表示入力装置(12)にその旨を表示
すると共に適宜の報知器を作動させて作業者に異常の発
生を知らせ、更に加圧を中止して溶接ガン(1)を開放
し、サイクル動作を終了する。
尚、本実施例では電流検出器(13)で溶接トランス
(5)の2次電流を検出するようにしたが、1次電流を
検出するようにしても良い。又2次電流を検出する場
合、電流検出器(13)をガンアーム(3)の先端側に配
置すると、ガンアーム(3)の尾端部での短絡によって
リーク電流が流れてもこれを検出できないため、電流検
出器(13)はガンアーム(3)の尾端側に設けることが
望ましい。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ガ
ン開放状態で通電パルスを出力して電流を検出すること
により、溶接ガン電流リークを生ずる状態になっている
かを確実に判別でき、而も、加圧指令信号の出力から溶
接ガンが閉じられる迄の応答遅れ時間を利用して電流リ
ーク検査を行い得られるため、検査による能率の低下を
防止できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用する溶接ガンの制御系のブロック
回路図、第2図は溶接タイマから出力される信号のタイ
ムチャート、第3図は異常検出のためのプログラムを示
すフローチャートである。 (1)……溶接ガン、(5)……溶接トランス (8)……通電制御回路、(9)……溶接タイマ (13)……電流検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−70092(JP,A) 特開 平1−148477(JP,A) 実開 昭62−77680(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶接タイマによって制御される溶接ガンに
    おける異常検出方法において、溶接タイマから溶接トラ
    ンスの通電制御回路に、溶接タイマからの加圧指令信号
    の出力時点から溶接ガンが実際に閉じられる迄の遅れ時
    間の範囲内において通電パルスを設定時間出力し、溶接
    トランスの1次又は2次電流を検出する電流検出器が前
    記設定時間内に電流を検出したとき、溶接タイマから異
    常信号を出力するようにしたことを特徴とする溶接ガン
    における異常検出方法。
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JPS5938875B2 (ja) * 1980-10-21 1984-09-19 株式会社電元社製作所 抵抗溶接用電極の加圧/開放検出装置
JPH0231267Y2 (ja) * 1985-10-30 1990-08-23
JPH0771751B2 (ja) * 1987-12-02 1995-08-02 株式会社電元社製作所 抵抗溶接機用制御装置

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