JP2519881Y2 - 医療用ピッキング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、病院等で使用されるア
ンプル・診療材料・鋼製小物等の医療用品を容器内に方
向を揃えることなくバラバラの方向に格納し、次の処理
をするために必要な医療用品を自動ピッキングする医療
用ピッキング装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の医療用ピッキング装置は、図１１
に示すように、長方形に形成されたカセット５０に医療
用品５１を１本づつ整列させて詰め込んで行き医療用品
５１の詰め込みを終了させ、次に上蓋５２で医療用品５
１を整列させたカセット５０を閉塞して鉤５３により上
蓋５２をロックする。以上のように、医療用品５１を内
在させたカセット５０はカセット保管棚で保管される。
トレイ供給機から払い出されたトレイはコンベアにより
移送され、コンピュータの指示によりピッキング装置が
上下左右に移動してカセット保管棚からカセット５０を
取り出し、カセット５０の医療用品５１を払い出してコ
ンベア上のトレイに移し替えを行い、医療用品５１が入
ったトレイはコンベアによって移送される。以上のよう
な方法が知られていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来の医療用ピッキン
グ装置は、医療用品をカセットの中に向きを揃えて整然
と並べて置く必要があり、その補充に労力を要すると共
に、並びが乱れるとピッキングに支障を起こす原因にな
っていた。又、ピッキングの対象となる医療用品は円筒
形のガラス製で格納中の安定と移動させ易い形状のもの
に限られていた。本考案は、上記欠点を解決し、容器内
にバラバラ状態で収納された医療用品を確実且つ迅速に
自動的にピッキングでき、しかも容器にバラバラの状態
で収納させることができるので補充作業が容易となって
人手作業が軽減できるという医療用ピッキング装置を提
供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本
考案の要旨は、 １） 医療用品を格納する容器の中央部にロッドを上下
動自在に挿着し、同ロッドを容器の内部上方まで上昇さ
せ容器の内部底面まで下降させる駆動装置を設け、しか
も同ロッドの上面に医療用品を１個又は少ない個数安定
的に保持する溝を設け、ロッドの上方に上下動自在に吸
着パッドを備えた自動吸着装置を設けたことを特徴とす
る医療用ピッキング装置 ２） 医療用品を格納する容器の中央部にロッドを配
し、同ロッドに上下動自在の容器を挿着し、同容器をロ
ッドの上端まで上昇させロッドの下面まで下降させる駆
動装置を設け、しかも同ロッドの上面に医療用品を１個
又は少ない個数安定的に保持する溝を設け、ロッドの上
方に上下動自在に吸着パッドを備えた自動吸着装置を設
けたことを特徴とする医療用ピッキング装置にある。

【０００５】

【作用】以上の構成により本考案は、医療用品をバラバ
ラの方向で容器に格納し、ピッキングの指令があれば容
器の中央部に挿着されたロッドは駆動装置により容器の
底面から上方へ持ち上げられる。この時ロッドの上面に
医療用品が数本納まる。その医療用品を納めたまま上昇
するロッドと共に、ロッドの上方に設けられた自動吸着
装置が下降し、自動吸着装置の吸着パッドにより容器の
内部上方まで上昇したロッドの上面の医療用品を吸着
し、医療用品を吸着したまま自動吸着装置は上昇し、医
療用品を容器内からピッキングする。これにより、医療
用品の方向をバラバラの状態で容器に補充することがで
き、医療用品の補充の労力と時間を減少できる。又、医
療用品の形状や材質にとらわれずピッキングの対象とな
る医療用品を増やすことができる。又、医療用品を容器
内にバラバラの状態で収容させて保管のピッキングが行
えるので、医療用品をバラバラの状態で容器に投入で
き、補充作業が軽減できる。

【０００６】

【実施例】以下、本考案を図面に基づいて説明する。図
１は本考案の実施例１の斜視図、図２は実施例１の使用
状態を示す斜視図、図３は図２のＡ−Ａ線における断面
図、図４は実施例１の垂直回転棚に容器を取付ける状態
を示す説明図、図５は実施例１のロッドを押し上げヘッ
ドにより上昇させる状態の断面図、図６は実施例１のロ
ッドを押し上げヘッドにより上昇させた状態の断面図、
図７は実施例１の自動ピッキングの説明図、図８は実施
例１の自動吸着装置の斜視図、図９は実施例２の自動ピ
ッキングの説明図、図１０は実施例３の容器の断面図で
ある。

【０００７】図中、１は医療用品格納棚、２は中央下部
に向って勾配を設けた容器、３は医療用品をピッキング
する自動吸着装置、４は自動吸着装置３に設けられる吸
着バー、５は吸着バー４の下端に設けられ医療用品を吸
着する吸着パッド、６は自動吸着装置３を上下左右に作
動させるシリンダ、７は注射剤・アンプル等の医療用
品、８は吸着バー４の外周に設けられ、吸着バー４の吸
着パッド５が医療用品を吸着する時のショックを和らげ
るためのクッションスプリング、９はロッドの上端に設
けられる溝、１０は溝９を設け容器２に挿着されるロッ
ド、１１は取っ手、１２はロッド下部外周に取付けられ
る容器固定板、１３は自動吸着装置３によりピッキング
された医療用品７を移送するベルトコンベア、１４は医
療用品７の数量が表示される数量表示部、１５は作業
台、１６はホッパー、１７はリフター、１８はトローリ
ー、１９は入力装置、２０はロッド１０を昇降させる押
し上げ機構、２１は押し上げ機構２０の押し上げヘッ
ド、２２は容器２を手動でピッキングするためのピッキ
ング窓、２３はロッド１０の内部に設けられるスプリン
グ、２４は取付けられた容器２を水平状態で昇降させる
垂直回転棚、２５は垂直回転棚２４を回転させるモータ
である。

【０００８】実施例１：（図１〜図８参照） 本実施例は、図１に示すように病院等で使用される様々
な医療用品７、例えばアンプル・診療材料・鋼製小物等
があり、その材質としてプラスチック製・ガラス製、そ
の形状として楕円形状のもの・円筒形状のもの等を格納
する容器２を設ける。その容器２の中央部に押し上げ機
構２０により昇降するロッド１０を挿着し、ロッド１０
は高く上昇するように二重構造に形成される。そのロッ
ド１０の上方に複数の溝９を設ける。容器２に挿着され
たロッド１０の下部外周に取っ手１１を設けた容器固定
板１２を取付ける。

【０００９】以上のように形成された容器２を図２，
３，４に示す医療用品格納棚１に取付けるため、医療用
品格納棚１に設けられた垂直回転棚２４に容器固定板１
２を挿入して容器２を垂直回転棚２４に取付ける。医療
用品格納棚１の上部に容器２から医療用品７を取り出す
ための自動吸着装置３を設ける。自動吸着装置３はシリ
ンダ６により上下左右に移動可能であり、容器２のロッ
ド１０に設けられた複数の溝９に一致する間隔に複数の
吸着バー４を突出させる。その吸着バー４の下端に医療
用品７を吸着する吸着パッド５を設け、吸着パッド５の
上方の吸着バー４の外周にクッションスプリング８を取
付ける。

【００１０】以上のように構成された本実施例を使用す
るときは、容器２に医療用品７をバラバラの向きに補充
する。次に、医療用品７を補充した容器２の取っ手１１
を手で持って医療用品格納棚１のピッキング窓２２から
入れて、医療用品格納棚１の垂直回転棚２４に容器２の
容器固定板１２を挿入して容器２を垂直回転棚２４に取
付ける。モータ２５の回転により垂直回転棚２４は作動
し、垂直回転棚２４に取付けられた容器２は上昇し、最
上部まで上昇すると容器２は静止する。最上部で静止し
た容器２の下部に位置される医療用品格納棚１に設けら
れた押し上げ機構２０の押し上げヘッド２１が上昇し、
図５，６に示すように、ロッド１０の底部を、押し上げ
ヘッド２１で押し上げることによりロッド１０を上昇さ
せる。この時ロッド１０は二重構造で形成されているの
で高い位置まで上昇する。押し上げヘッド２１により最
上部まで上昇したロッド１０の内部に設けられるスプリ
ング２３は伸びきった状態となる。

【００１１】図７に示すように、ロッド１０が上昇する
時、医療用品７が数本ロッド１０の溝９の上に納まり、
その医療用品７が納まったままロッド１０は上昇する。
ロッド１０が上昇すると同時に、医療用品格納棚１の上
部に設けられた自動吸着装置３の吸着バー４が下降し、
吸着バー４の下端に設けられた吸着パット５がロッド１
０の上方に近接し、溝９に納まった医療用品７は吸着パ
ット５により吸着され医療用品７を容器２から取り出
す。

【００１２】図８に示すように、容器２から取り出され
た医療用品７を吸着した自動吸着装置３の吸着パッド５
は、医療用品格納棚１の上側部に設けたベルトコンベア
１３の上部まで移動すると吸着を解除して医療用品７を
コンベア１３に落し込み、医療用品７は次の処理をする
ためにベルトコンベア１３により移送される。以上の動
作を数回繰り返すことにより、容器２から医療用品７を
ピッキングしていく。容器２が中央に向って勾配を設け
てあるので医療用品は中央に集まり残り１本までも完全
にピッキングを行うことができる。医療用品７のピッキ
ングが終了すると、ロッド１０を押し上げて上昇させて
いた押し上げヘッド２１は下降し、押し上げヘッド２１
の下降と共にロッド１０の内部に設けられるスプリング
２３の弾力によりロッド１０は下降する。ロッド１０が
下降された状態により、垂直回転棚２４が作動して下段
の容器２が垂直回転棚２４の最上部まで上昇し、その容
器２の医療用品７のピッキングを開始する。

【００１３】本実施例は、医療用品７の方向をバラバラ
の状態で容器２の中に補充するだけで良く、医療用品７
の補充と労力と時間を減少できる。又、医療用品７は、
材質や形状にとらわれず様々な形態のもののピッキング
が行えるため、自動ピッキングの対象となる医療用品７
が増えることにより、自動ピッキング以外の人手による
医療用品の追加補充業務を軽減することができる。

【００１４】実施例２：（図９参照） 本考案の実施例２は、図９に示すように、医療用品７を
格納する容器２６を設け、その容器２６の中央部にピス
トンシリンダ２７により昇降するロッド２８を挿着し、
そのロッド２８の上方に溝２９を設ける。容器２６に挿
着されたロッド２８の下部外周に取っ手３０を設けた容
器固定板３１を取付ける。以上のように形成された容器
２６を実施例１同様に医療用品格納棚１の垂直回転棚２
４に取付ける。

【００１５】モータの回転により垂直回転棚２４は作動
し、垂直回転棚２４に取付けられた容器２６は上昇し、
最上部まで上昇すると容器２６は静止する。最上部で静
止した容器２６の下部に位置される医療用品格納棚に設
けられたピストンシリンダ２７の電気磁石３２が上昇
し、容器２６の内部上方まで上昇しているロッド２８の
下部に設けられた磁性板３３に電気磁石３２を吸着させ
て、磁性板３３を吸着させたままの状態で電気磁石３２
を引き下げることにより磁性板３３に連結しているロッ
ド２８も引き下がる。

【００１６】ロッド２８が容器２６の最下部まで下がる
と、次はピストンシリンダ２７の電気磁石３２は上昇
し、ロッド２８も上昇する。ロッド２８が最上部まで上
昇すると、電気磁石３２と磁性板３３との吸着を解除し
て電気磁石３２は下降し、ロッド２８は初期状態の容器
２６の内部上方まで上昇している位置に戻る。ロッド２
８が上昇する時、医療用品７が数本ロッド２８の溝２９
の上に納まり、その医療用品７が納まったままロッド２
８は上昇する。ロッド２８が上昇すると同時に、医療用
品格納棚１の上部に設けられた自動吸着装置３の吸着バ
ー４が下降し、吸着バー４の下端に設けられた吸着パッ
ト５がロッド２８の溝２９に近接し、溝２９に納まった
医療用品７は吸着パット５により吸着される。容器２６
から取り出された医療用品７は実施例１同様に移送さ
れ、次の容器２６のピッキングを開始する。

【００１７】実施例３：（図１０参照） 本考案の実施例３は、図１０に示すように、ロッド３４
の側部に縦溝３５を設け、下部にロッド固定板３６を設
け、ロッド固定板３６を垂直回転棚２４に取付ける。そ
の垂直回転棚２４の上方に実施例１に同じく自動吸着装
置３を設ける。容器３７の下部に容器支持板３８と案内
ボルト３９を設け、ロッド３４の縦溝３５に容器３７の
案内ボルト３９を合わせて取付け、ロッド３４のロッド
固定板３６と容器３７の容器支持板３８の間にスプリン
グ４０を介在させる。

【００１８】アーム作動機構４１のアーム４２が容器３
７の容器支持板３８を持ち上げることにより容器３７は
ロッド３４の最上部まで上昇する。この時スプリング４
０は伸びきった状態となる。次にアーム作動機構４１の
アーム４２が下降すると、容器３７はスプリング４０の
反動によりロッド３４の最下部まで下降する。以上のよ
うに形成された実施例３により容器３７の医療用品７を
ピッキングする時は実施例１同様に作動し、医療用品７
をピッキングする。

【００１９】

【考案の効果】本考案は、医療用品を容器にバラバラの
向きで補充するだけでよく、バラバラに補充された医療
用品は、容器のロッドが上昇することにより複数個がロ
ッドの溝に納まり、その納まった医療用品は自動吸着装
置の吸着パッドにより吸着してピッキングされるので、
ロッドの溝に収まる範囲の様々な形状の医療用品をピッ
キングすることが可能であり、自動ピッキング以外の人
手による医療用品の追加補充業務を軽減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例１の斜視図である。

【図２】実施例１の使用状態を示す斜視図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線における断面図である。

【図４】実施例１の垂直回転棚に容器を取付ける状態を
示す説明図である。

【図５】実施例１のロッドを押し上げヘッドにより上昇
させる状態の断面図である。

【図６】実施例１のロッドを押し上げヘッドにより上昇
させた状態の断面図である。

【図７】実施例１の自動ピッキングの説明図である。

【図８】実施例１の自動吸着装置の斜視図である。

【図９】実施例２の自動ピッキングの説明図である。

【図１０】実施例３の容器の断面図である。

【図１１】従来例のカセットの斜視図である。

【符号の説明】

１ 医療用品格納棚 ２ 容器 ３ 自動吸着装置 ４ 吸着バー ５ 吸着パッド ６ シリンダ ７ 医療用品 ８ クッションスプリング ９ 溝 １０ ロッド １１ 取っ手 １２ 容器固定板 １３ ベルトコンベア １４ 数量表示部 １５ 作業台 １６ ホッパー １７ リフター １８ トローリー １９ 入力装置 ２０ 押し上げ機構 ２１ 押し上げヘッド ２２ ピッキング窓 ２３ スプリング ２４ 垂直回転棚 ２５ モータ ２６ 容器 ２７ ピストンシリンダ ２８ ロッド ２９ 溝 ３０ 取っ手 ３１ 容器固定板 ３２ 電気磁石 ３３ 磁性板 ３４ ロッド ３５ 縦溝 ３６ ロッド固定板 ３７ 容器 ３８ 容器支持板 ３９ 案内ボルト ４０ スプリング ４１ アーム作動機構 ４２ アーム ５０ カセット ５１ 医療用品 ５２ 上蓋 ５３ 鉤

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 林 良美 福岡県北九州市小倉北区清水１丁目13番 20号 株式会社セントラルユニ内 (72)考案者 岡崎 良一 福岡県北九州市八幡西区大字本城2805番 地 八幡電機精工株式会社内

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 医療用品を格納する容器の中央部にロッ
   ドを上下動自在に挿着し、同ロッドを容器の内部上方ま
   で上昇させ容器の内部底面まで下降させる駆動装置を設
   け、しかも同ロッドの上面に医療用品を１個又は少ない
   個数安定的に保持する溝を設け、ロッドの上方に上下動
   自在に吸着パッドを備えた自動吸着装置を設けたことを
   特徴とする医療用ピッキング装置。
2. 【請求項２】 医療用品を格納する容器の中央部にロッ
   ドを配し、同ロッドに上下動自在の容器を挿着し、同容
   器をロッドの上端まで上昇させロッドの下面まで下降さ
   せる駆動装置を設け、しかも同ロッドの上面に医療用品
   を１個又は少ない個数安定的に保持する溝を設け、ロッ
   ドの上方に上下動自在に吸着パッドを備えた自動吸着装
   置を設けたことを特徴とする医療用ピッキング装置。