JP2519833Y2 - 開閉式印鑑 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、無数の連続気孔を有する多孔性印材よりな
る印字体を使用した印鑑を搭載して、蓋部を開閉するこ
とにより印鑑の印字体を露出及び収納可能とした所謂開
閉式印鑑の改良に関する。

（従来の技術） 従来、インキを吸蔵できるようにスポンジゴム等の無
数の連続気孔を有した多孔性印材より形成された印字体
を使用して、使用のたびに朱肉等に付着させる必要のな
い印鑑が知られている。

しかしながら、この種の印鑑は印字面が露出している
と、印字面にキズをつけたり、ゴミが付着したり、イン
クが乾いてしまう等の問題が発生する為に、キャップで
印字面を被覆するようになっており、その為にキャップ
を着脱するのが面倒なだけでなく、キャップをなくして
しまう等の問題や着脱に際して誤って手を汚すなどの問
題がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記のような問題を解決した便利な印鑑付筆
記具を提供せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成する為に案出された本考案の開閉式印
鑑は軸筒の先端部内孔に印鑑を収納して印字体を被覆す
る蓋部を有した開閉部材を軸筒の周面より外方に向けて
拡開可能に止着すると共に、軸筒の側面に操作部材を摺
動可能に配設して、操作部材を軸筒の後方に摺動させた
時にそれと連動して蓋部を拡開して印字体の被覆状態を
解除すると同時に印鑑を軸筒の先方に移動させて印字体
が軸筒の後端孔から露出して捺印可能となるように構成
したことである。

（実施例） 第１図乃至第５図は本考案の実施例を示している。先
ず、第１図に示す様に印鑑（40）はインクを吸蔵できる
様にスポンジゴム等の無数の連続通気孔を有した多孔性
印材より形成された印字体（41）とインクを貯蔵して印
字体（41）にインクを供給するインク吸蔵体をカバーで
軸体の上端部位に固着して構成されている。（図示せ
ず。） 軸筒（１）の内孔（６）で先端孔（７）に上記印鑑
（40）を収納すると共に軸筒（１）の先端より周面に長
いスリット部（５）が設けられている。又、キャップ
（１）の側面には窓部（３）（４）が穿設され、更に後
端孔（８）と内孔（８）の後端との間には仕切り部（1
0）と孔部（９）が設けられている。一方、開閉部材（2
0）は先端に蓋部（21）、略中央で下方に突起（25）を
有したカム部（24）を備え、後端に略Ｕ字状の部位を形
成した基部（23）と最後端に係止部（22）が一体に設け
られた弾性に富んだ樹脂成形品で形成され、開閉部材
（20）は上記スリット部（５）と迎合して取付けられ、
係止部（22）は仕切り部（10）の孔部（９）に止着され
て、開閉部材（20）は基部（23）を略支点にして軸筒
（１）の外方に弾性的に拡開可能となっている。又、後
端孔（８）には栓（２）が圧着されている。

一方、操作部材（26）は中心に溝（30）を備えて矩形
断面を有した脚部（29）とその両側にスライダー（27）
（28）を備えて夫々の外面に操作突部（31）（32）を有
して形成され、内孔（６）に弾性的に挿入されて操作突
部（31）（32）は上記窓部（３）（４）に適宜突出して
配設される。又、内孔（６）で操作部材（26）の先方に
は先端に印鑑（40）と着脱可能に連結する接続部（47）
と略中央にカム溝（43）、後端の上部に溝（44）、中心
に割溝（46）を備えた矩形孔（45）を備えた摺動体（4
2）が設けられ上記接続部（47）に印鑑（40）の後端孔
（図示せず。）が嵌着している。上記操作部材（26）の
脚部（29）は摺動体（42）の矩形孔（45）に割溝（46）
の弾性変形を利用して止着され、操作部材（26）と印鑑
（40）及び摺動体（42）は一体に構成されている。

又、上記開閉部材（20）のカム部（24）は摺動体（4
2）のカム溝（43）の凹部に位置される。ところで、本
考案の実施例に於いては上記開閉部材を弾性に富んだ樹
脂成形品として形成したが、金属板で形成することも可
能であり又、要部に金属部材を使用することも可能であ
る。又、実施例では使い勝手を考えて軸筒（１）の側面
に２箇所で窓部（３）（４）を設け、それに位置して２
箇所のスライダー（27）（28）及び操作突部（31）と
（32）を設けているが、窓部とスライダーは１箇所のみ
に設けることは自由である。

（作用） 本考案の開閉式印鑑は以上のように構成されており、
未使用時には第２図及び第４図に示す様に印鑑（40）は
軸筒（１）の先端孔（７）より若干没入した状態で先端
孔（７）は蓋部（21）で閉塞されている。その状態より
操作突部（31）及び（32）を指で軸筒（１）の先方に移
動させると摺動体（42）が連動して移動するので開閉部
材（20）のカム部（24）がカム溝（43）の斜面を滑り弾
性変形により押し上げられて蓋部（21）が軸筒（１）の
周面より外方に拡開され印鑑（40）即ち印字体（41）の
被覆状態を解除してカム部（24）の突起（25）が摺動体
（42）の溝（44）に係止した時、印鑑（40）の印字体
（41）はキャップ（１）の先端孔（７）から適宜突出し
て第３図及び第５図に示される状態になる。再び印鑑
（40）を軸筒内に収納させるには上記操作突部（31）及
び（32）を指で軸筒（１）の後方に移動させれば良い。

（考案の効果） 本考案の印鑑付筆記具の構成及び作用は以上のごとく
であり、従来のキャップで印字面を被覆した物のよう
に、捺印の度にキャップを着脱して紛失してしまう心配
も無く又、キャップの着脱の際に誤って手を汚してしま
う等の問題も無く使用でき且つ、非使用時には印字面が
蓋部により被覆されているので、キズをつけたり、ゴミ
が付着したり、インクが乾いてしまう等の問題もなく、
極めて使い勝手の良い開閉式印鑑が提供可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である開閉式印鑑の部品の展開
を示した斜視図である。第２図は本考案の開閉式印鑑で
印鑑を軸筒内に収納して蓋部で印字体を被覆した状態を
示した要部縦断面図、第３図は蓋部を拡開して軸筒の先
端孔から印鑑を適宜突出させた状態を示した要部縦断面
図、又、第４図は本考案の開閉式印鑑で印鑑を軸筒内に
収納して蓋部で被覆した状態を示した外観斜視図、第５
図は蓋部を拡開して軸筒の先端孔から印鑑を適宜突出さ
せた状態を示した外観斜視図である。 （１）……軸筒、（２）……栓、（３）（４）……窓
部、（５）……スリット部、（６）……内孔、（７）…
…先端孔、（８）……後端孔、（９）……孔部、（10）
……仕切り部、（20）……開閉部材、（21）……蓋部、
（22）……係止部、（23）……基部、（24）……カム
部、（25）……突起、（26）……操作部材、（27）（2
8）……スライダー、（29）……脚部、（30）……溝、
（31）（32）……操作突部、（40）……印鑑、（41）…
…印字体、（42）……摺動体、（43）……カム溝、（4
4）……溝、（45）……矩形孔、（46）……割溝、（4
7）……接続部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軸筒の先方部に開閉可能な蓋を備えて印字
   体を露出及び収納するように成した所謂開閉式印鑑に於
   いて、軸筒の先端部内孔に印鑑を収納して印字体を被覆
   する蓋部を有した開閉部材を上記軸筒にスリット部を設
   けて軸筒の周面より外方に向けて回動可能に軸筒に止着
   すると共に、上記軸筒の側面に操作部材を摺動可能に配
   設して、該操作部材を軸筒の先方に摺動させた時にそれ
   と連動して開閉部材の蓋部を軸筒の周面より外方に拡開
   して印字体の被覆状態を解除し、且つ印鑑を軸筒先方に
   移動させて上記印字体が軸筒の先端孔から露出して捺印
   可能となる様に構成したことを特徴とする開閉式印鑑。