JP2505441Y2 - 印鑑付筆記具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、無数の連続気孔を有する多孔性印材よりな
る印字体を使用した印鑑を搭載した所謂印鑑付筆記具の
改良に関する。

（従来の技術） 従来、インクを吸蔵できるようにスポンジゴム等の無
数の連続気孔を有した多孔性印材より形成された印字体
を使用して、使用のたびに朱肉等に付着させる必要のな
い印鑑が知られている。

しかしながら、この種の印鑑は印字面が露出している
と、印字面にギスをつけたり、ゴミが付着したり、イン
クが乾いてしまう等の問題が発生する為に、キャップで
印字面を被覆するようになっており、その為にキャップ
を着脱するのが面倒なだけでなく、キャップをなくして
しまう等の問題や着脱に際して誤って手を汚すなどの問
題がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記のような問題を解決した便利な印鑑付筆
記具を提供せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成する為に案出された本考案の印鑑付筆
記具はその後端部内孔に印鑑を収納して印字体を被覆す
るフタ部を有した開閉部材を軸の周面より外方に向けて
拡開可能に止着すると共に、軸の側面に操作部材を摺動
可能に配設して、操作部材を軸の後方に摺動させた時そ
れと連動してフタ部を拡開して印字体の被覆状態を解除
すると同時に印鑑を軸後方に移動させて印字体が軸の後
端孔から突出して捺印可能となるように構成したことで
ある。

（実施例） 第１図乃至第５図は本考案の実施例を示している。先
ず、第１図に示す様に印鑑（40）はインクを吸蔵できる
様にスポンジゴム等の無数の連続通気孔を有した多孔性
印材より形成された印字体（41）とインクを貯蔵して印
字体（41）にインクを供給するインク吸蔵体をカバーで
軸体の上端部位に固着して構成されている。（図示せ
ず。）本考案の印鑑付筆記具は先軸（２）にシャープペ
ンシル、ボールペン等の筆記体及び筆記体を先軸（２）
の先端孔（３）より出没可能に構成する機構部、又は筆
記体の先端部が先端孔（３）より突出した状態に配設
（図示せず。）され、シャープペンシルが配設された場
合には先軸（２）に対して後軸（１）を軸推移して芯が
繰り出される様に連結部（４）により接続して構成され
ている。後軸（１）の後端部で内孔（８）に上記印鑑
（40）を収納すると共に後軸（１）の後端より周面に長
いスリット部（７）を設け、反対側の周面にクリップ
（10）が設けられている。又、後軸（１）の側面には窓
部（５）（６）が穿設され、更に後端孔（９）と内孔
（８）の先端には仕切り部（12）と孔部（11）が設けら
れている。一方、開閉部材（20）は後端にフタ部（2
1）、略中央で下方に突起（25）を有したカム部（24）
を備え、後端に略Ｕ字状の基部（23）と最後端に係止部
（22）が一体に設けられた弾性に富んだ樹脂成形品で形
成され、開閉部材（20）は上記スリット部（７）と迎合
して取付けられ、係止部（22）は仕切り部（12）の孔部
（11）に止着されて開閉部材（20）は基部（23）を略支
点にして軸の外方に弾性的に拡開可能となっている。
又、操作部材（26）は中心に溝（30）を備えて矩形断面
を有した脚部（29）とその両側にスライダー（27）（2
8）を備えてそれぞれの外面に操作突部（31）（32）を
有して形成され、内孔（８）に弾性的に挿入されて操作
突部（31）（32）は上記窓部（５）（６）に適宜突出し
て配設される。内孔（８）で操作部材（26）の後方には
後端に印鑑（40）と着脱可能に連結する接続部（47）と
略中央にカム溝（43）、後端の上部に溝（44）、中心に
割溝（46）を備えた矩形孔（45）を備えた摺動体（42）
が設けられ上記接続部（47）に印鑑（40）の後端孔（図
示せず。）が嵌着している。

上記操作部材（26）の脚部（29）は摺動体（42）の矩
形孔（45）に割溝（46）の弾性変形を利用して止着さ
れ、操作部材（26）と印鑑（40）及び摺動体（42）は一
体に構成される。又、上記開閉部材（20）のカム部（2
4）は摺動体（42）のカム溝（43）の凹部に位置され
る。ところで、本考案の実施例に於いては上記開閉部材
を弾性に富んだ樹脂成形品として形成したが、金属板で
形成することも可能であり又、要部に金属部材を使用す
ることも可能である。

又、実施例では使い勝手を考えて後軸（１）の側面に
２箇所で窓部（５）（６）を設けそれに位置して２箇所
のスライダー（27）（28）及び操作突部（31）と（32）
を設けているが、窓部とスライダーは１箇所のみに設け
ることは自由である。

（作用） 本考案の印鑑付筆記具は以上のように構成されてお
り、未使用時には第２図及び第４図に示す様に印鑑（4
0）は後軸（１）の後端孔（９）より若干没入した状態
で後端孔（９）はフタ部（21）で閉塞されている。その
状態より操作突部（31）及び（32）を指で後軸（１）の
後方に移動させると摺動体（42）が連動して移動するの
で開閉部材（20）のカム部（24）がカム溝（43）の斜面
を滑り弾性変形により押し上げられてフタ部（21）が後
軸（１）の周面より外方に拡開され印鑑（40）即ち印字
体（41）の被覆状態を解除してカム部（24）の突起（2
5）が摺動体（42）の溝（44）に係止した時、印鑑（4
0）の印字体（41）は後軸（１）の後端孔（９）から適
宜突出して第３図及び第５図に示される状態になる。再
び印鑑（40）を後軸内に収納させるには上記操作突部
（31）及び（32）を指で後軸（１）の前方に移動させれ
ば良い。

（考案の効果） 本考案の印鑑付筆記具の構成及び作用は以上のごとく
であり、従来のキャップで印字面を被覆した物のよう
に、捺印の度にキャップを着脱して紛失してしまう心配
も無く又、キャップの着脱の際に誤って手を汚してしま
う等の問題も無く使用でき且つ、非使用時には印字面が
フタ部により被覆されているので、キズをつけたり、ゴ
ミが付着したり、インクが乾いてしまう等の問題もな
く、極めて使い勝手の良い印鑑付筆記具が提供可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である印鑑付筆記具の部品の展
開を示した斜視図である。（後軸の一部を切欠いてい
る。）第２図は本考案の印鑑付筆記具で印鑑を後軸内に
収納してフタ部で被覆した状態で示した要部縦断面図、
第３図はフタ部を拡開して後軸の後端孔から印鑑の印字
体を適宜突出させた状態を示した要部縦断面図、又、第
４図は本考案の印鑑付筆記具で印鑑を後軸内に収納して
フタ部で被覆した状態を示した外観斜視図、第５図はフ
タ部を拡開して後軸の後端孔から印鑑の印字体を適宜突
出させた状態を示した外観斜視図である。 （１）……後軸、（２）……先軸、（３）……先端孔、
（４）……連結部、（５）（６）……窓部、（７）……
スリット部、（８）……内孔、（９）……後端孔、（1
0）……クリップ、（11）……孔部、（12）……仕切り
部、（20）……開閉部材、（21）……フタ部、（22）…
…係止部、（23）……基部、（24）……カム部、（25）
……突起、（26）……操作部材、（27）（28）……スラ
イダー、（29）……脚部、（30）……溝、（31）（32）
……操作突部、（40）……印鑑、（41）……印字体、
（42）……摺動体、（43）……カム溝、（44）……溝、
（45）……矩形孔、（46）……割溝、（47）……接続
部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軸の先方部に筆記体を備え、後方部に印鑑
   を搭載した所謂印鑑付筆記具に於いて、軸の後端部内孔
   に印鑑を収納して印字体を被覆するフタ部を有した開閉
   部材を上記軸にスリット部を設けて軸の周面より外方に
   向けて回動可能に軸に止着すると共に、上記軸の側面に
   操作部材を摺動可能に配設して、該操作部材を軸の後方
   に摺動させた時それと連動して開閉部材のフタ部を軸の
   周面より外方に拡開して印字体の被覆状態を解除し、且
   つ印鑑を軸後方に移動させて上記印字体が軸の後端孔か
   ら適宜突出して捺印可能となる様に構成したことを特徴
   とする印鑑付筆記具。