JP2505449Y2 - 印鑑付筆記具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、無数の連続気孔を有する多孔性印材よりな
る印字体を使用した印鑑を搭載した所謂印鑑付筆記具の
改良に関する。

（従来の技術） 従来、インクを吸蔵できるようにスポンジゴム等の無
数の連続気孔を有した多孔性印材より形成された印字体
を使用して、使用のたびに朱肉等に付着させる必要のな
い印鑑が知られている。

しかしながら、この種の印鑑は印字面が露出している
と、印字面にキズをつけたり、ゴミが付着したり、イン
クが乾いてしまう等の問題が発生する為に、キャップで
印字面を被覆するようになっており、その為にキャップ
を着脱するのが面倒なだけでなく、キャップをなくして
しまう等の問題や着脱に際して誤って手を汚すなどの問
題がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記のような問題を解決した便利な印鑑付筆
記具を提供せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために案出された本考案の印鑑付
筆記具は、その後軸後端の内孔に印鑑を収納して開口部
を遮蔽する蓋部を後軸後端部の基部に回動自在に取付け
ると共に、先軸に対して後軸を回動させることにより印
鑑を後方に移動させて、印鑑の印字体を避けた角部が蓋
部の内側面に接触しながら蓋部を拡開して印字体が後軸
後端の開口部から露出して捺印可能となるように構成し
たことである。

（実施例） 第１図乃び第２図は本考案の実施例を示している。先
ず、第１図に示す様に印鑑（16）はインクを吸蔵できる
様にスポンジゴム等の無数の連続通気孔を有した多孔性
印材より形成された印字体（17）とインクを貯蔵して印
字体（17）にインクを供給するインク吸蔵体（18）をカ
バー（19）で軸体（９）の後端部に固着して構成されて
後軸（１）の内孔（７）に嵌装されている。

又、後軸（１）の後端で開口部（23）近傍に設けた基
部（25）に後軸（１）と蓋部（13）との相互間にスプリ
ング（15）を附勢して蓋部（13）を回動自在に取付ける
と共に、蓋部（13）は常時開口部（23）を遮蔽するよう
に構成されている。又、基部（25）にはクリップ（26）
が固着されている。又、後軸（１）の内孔（７）にはガ
イド溝（６）が形成されて先端には内孔に段部（８）が
形成された中軸（２）が固着されている。一方、先端孔
（４）と後端にツバ部（12）と後端側内孔に内ネジ
（５）を有した先軸（３）が上記中軸（２）の段部
（８）と後軸（１）の先端面との間に位置して先軸
（３）は後軸（１）に対して回動可能で軸方向には阻止
された状態に取付けられている。又、上記軸体（９）の
外周部の略中央には突起（10）が、先端付近には外ネジ
（11）が形成されており突起（10）が後軸（１）のガイ
ド溝（６）に嵌入して回り止めされ外ネジ（11）は先軸
（３）の内ネジ（５）にネジ嵌合している。又、軸体
（９）の先方よりの内孔部にはボールペン等の筆記体
（21）が着脱可能な状態に嵌着されている。

ところで、本考案の実施例では先軸（３）と軸体
（９）に内ネジ（５）と外ネジ（11）を形成して接合し
ているが、相互間にカム等を形成して代替することも可
能である。又、軸体（９）の後端に固着された印鑑（1
6）は軸体に対して印鑑を着脱可能に取付けることも自
由である。又、筆記体（21）の交換を可能とする為に先
軸（３）の軸体部に対して先端部位をネジ接合等により
着脱可能に構成することも自由である。又更に、本考案
の実施例では先軸（３）のツバ部（12）を中軸（２）の
段部（８）と後軸（１）の先端面との間に支持している
が、中軸（２）と後軸（１）を一体樹脂成形品としてツ
バ部（12）を嵌入可能な溝を設けて弾性変形を利用して
取付けることも可能である。

（作用） 本考案の印鑑付筆記具は以上のように構成されてお
り、未使用時には第１図に示す様に蓋部（13）が印鑑
（16）の印字体（17）を被覆して、筆記先端部（22）が
先軸（３）の先端孔（４）から突出した筆記状態にあ
る。捺印時には第２図に示すように先軸（３）に対して
後軸（１）を一方に回動すると上記軸体（９）の突起
（10）が後軸（１）のガイド溝（６）に嵌入しているの
で、軸体（９）は後軸（１）と一体に回動する。従っ
て、先軸（３）の内ネジ（５）に対して軸体（９）の外
ネジ（11）が回動するので軸体（９）及び印鑑（16）は
後軸（１）の後方に移動し、印鑑（16）の印字体（17）
を避けた角部（24）が蓋部（13）の内側面を接触しなが
ら後退して止着部（14）を支点にして蓋部（13）が拡開
し印字体（17）が後軸（１）の開口部（23）から露出す
る。再び印鑑（16）を収納する場合には、先軸（３）に
対して後軸（１）を上記と反対側に回動させれば良い。

又、本考案の印鑑付筆記具を携帯する場合には、第１
図の状態から先軸（３）に対して後軸（１）を回動して
筆記先端部（22）を軸内に収納するが、その時印字体
（17）は蓋部（13）の内側面に当接しない範囲にある。

（考案の効果） 本考案の印鑑付筆記具の構成及び作用は以上の如くで
あり、従来のキャップで印字面を被覆した物のように、
捺印の度にキャップを着脱して紛失してしまう心配も無
く又、キャップの着脱の際に誤って手を汚してしまう等
の問題も無く使用でき、且つ、非使用時には印字面がフ
タ部により被覆されているので、キズをつけたり、ゴミ
が付着したりインクが乾いてしまう等の問題もなく、極
めて使い勝手の良い印鑑が提供可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す縦断面図で、印字体を収
納した状態を示している。第２図は蓋部を拡開して印字
体を露出させた状態を示した縦断面図である。 （１）……後軸、（２）……中軸、（３）……先軸、
（４）……先端孔、（５）……内ネジ、（６）……ガイ
ド溝、（７）……内孔、（８）……段部、（９）……軸
体、（10）……突起、（11）……外ネジ、（12）……ツ
バ部、（13）……蓋部、（14）……止着部、（15）……
スプリング、（16）……印鑑、（17）……印字体、（1
8）……インク吸蔵体、（19）……カバー、（20）……
スペーサー、（21）……筆記体、（22）……筆記先端
部、（23）……開口部、（24）……角部、（25）……基
部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】先軸の先方部に筆記体を備え、後軸に印鑑
   を搭載した所謂印鑑付筆記具に於いて、後軸の後端内孔
   に印鑑を収納して、開口部を常時遮蔽する蓋部を後軸後
   端部の基部に蓋部との相互間にスプリングを附勢して回
   動自在に取付けると共に、先軸に対して後軸を回動させ
   ることにより印鑑を軸後方に移動して印鑑の印字体を避
   けた角部が上記蓋部の内側面に接触しながら蓋部を拡開
   して印字体が後軸後端の開口部から露出して捺印可能と
   なるように構成したことを特徴とする印鑑付筆記具。