JP2519683Y2 - アンローダにおけるエレベータケーシングのクリーニング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は船舶の積荷を陸揚げする
ためのアンローダに係り、特にエレベータケーシング内
面の付着物を除去するクリーニング装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】アンローダの概要を図５に示す。図示す
るように、埠頭ａに沿って自在に走行する走行部ｂに、
旋回・俯仰自在なブームｃが設けられている。このブー
ムｃの先端部には、鉛直方向に垂下されたエレベータケ
ーシングｄが回転自在に支持されている。このエレベー
タケーシングｄ内には、船倉ｅ内の積荷ｆ（石炭，ボー
キサイト等のバラ物ｆ）を外部へ搬送するためのバケッ
トコンベヤｇが設けられている。

【０００３】このバケットコンベヤｇは、図６に示すよ
うにＬ字型に配置されており、垂直なエレベータ部ｈと
そのエレベータ部ｈから略水平に延びた掻取部ｉとから
なっている。そして、駆動スプロケットｊを回転させる
ことによりチェーンｋが循環し、このチェーンｋに取り
付けられたバケットｍによって船倉ｅ内のバラ物ｆを上
方へ搬送するようになっている。上方へ搬送されたバラ
物ｆは、ブームｃ上のコンベヤｎおよび走行部ｂ上のコ
ンベヤｏによって搬送され陸揚げされる。

【０００４】上記掻取部ｉ両端の従動スプロケットｐ，
ｑの間には、これらスプロケットｐ，ｑの間隔を調節す
る伸縮シリンダｒが設けられている。同様に、エレベー
タ部ｈ両端の駆動スプロケットｊと従動スプロケットｐ
との間隔は、保持シリンダｔによって調節されるように
なっている。これら保持シリンダｔおよび伸縮シリンダ
ｒは、チェーンｋの弛み過ぎ，張り過ぎを防止すべく、
一方が伸びると他方が縮むように構成されている。これ
により、ハッチ口ｕが小さい船舶であっても、上記伸縮
シリンダｒを収縮させて掻取部ｉを小さくした状態でそ
れをハッチ口ｕから船倉ｅ内へ挿入し、その後、伸縮シ
リンダｒを伸長させて掻取部ｉを大きくすれば、船倉ｅ
内の隅々まで効率よく荷揚げすることができる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】ところで、このような
アンローダを用いてボーキサイト等の付着性の高い積荷
ｆを陸揚げする場合には、エレベータ部ｈにてバケット
ｍから積荷ｆ（ボーキサイト）がこぼれ、それがエレベ
ータケーシングｄ内面に付着することが考えられる。一
旦、ケーシングｄ内面にボーキサイトが付着すると、荷
揚作業中にその付着面に次々とボーキサイトが付着し
て、エレベータケーシングｄ内面に厚いボーキサイト層
が形成されてしまう。この結果、重量が重くなってカウ
ンタウェイトｖとのバランスが崩れることもある。

【０００６】これを防止するためにはエレベータケーシ
ングｄの内面に付着したボーキサイトを取り除けばよい
わけであるが、狭隘なエレベータケーシングｄ内はメン
テナンス性が悪く、従来、適切なクリーニング装置が存
在しなかった。

【０００７】以上の事情を考慮して創案された本考案の
目的は、簡単な構造で且つ特別な動力源を用いることな
くエレベータケーシング内面に付着した付着物を除去で
きるアンローダにおけるエレベータケーシングのクリー
ニング装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案は、垂直方向に伸縮自在なエレベータ部と水平
方向に伸縮自在な掻取部とからなるバケットコンベヤを
有するアンローダにおいて、上記エレベータ部を伸縮さ
せるべく、エレベータ部を囲繞してエレベータケーシン
グを設けると共に、該エレベータケーシングに保持シリ
ンダを介して上記掻取部を昇降自在に吊下し、該掻取部
にその昇降に伴って上記エレベータケーシング内面に付
着した付着物を掻き落すためのスクレーパを連結し、該
スクレーパを上記エレベータケーシング内面に臨ませて
上下多段に配置して構成されている。

【０００９】

【作用】上記構成によれば、荷揚中に保持シリンダによ
って掻取部を昇降させてエレベータ部を伸縮させる度
に、エレベータケーシング内のスクレーパが連動して上
下動する。このスクレーパの上下動により、エレベータ
ケーシング内面に付着した付着物が掻き落される。この
際、上記スクレーパがエレベータケーシング内に上下多
段に配置されていることから、たとえエレベータ部の伸
縮幅が小さくてもエレベータケーシング内面が広範囲に
亘ってクリーニングされる。

【００１０】

【実施例】以下に本考案の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【００１１】図１にアンローダのバケットコンベヤ１の
概要を示す。図示するように、このバケットコンベヤ１
は、無端チェーン２に所定の間隔を隔てて複数のバケッ
ト３が取り付けられて構成されている。上記無端チェー
ン２はＬ字型に配置された３個のスプロケット４，５，
６に巻き掛けられている。これらスプロケット４，５，
６は、下部の２個が従動スプロケット３，４であり、上
部の１個が駆動スプロケット６となっている。上記駆動
スプロケット６とその下方の従動スプロケット３との間
の垂直なバケットコンベヤ部分がエレベータ部７とな
り、下方の２個が従動スプロケット４，５間の水平なバ
ケットコンベヤ部分が掻取部８となる。これら２個の従
動スプロケット４，５の間には、スプロケット４，５の
間隔を変化させて掻取部８の水平方向の方向長さを調節
する伸縮シリンダ９が設けられている。

【００１２】上記エレベータ部７は、エレベータケーシ
ング１０によって囲繞されている。このエレベータケー
シング１０の上部には上記駆動スプロケット６が軸支さ
れている。また、エレベータケーシング１０の外面に
は、上記エレベータ部７を垂直方向に伸縮させるための
保持シリンダ１１が設けられている。この保持シリンダ
１１は、一端が上記エレベータケーシング１０の外面に
取り付けられ、他端が保持フレーム１２に取り付けられ
ている。この保持フレーム１２はエレベータ部７下端の
従動スプロケット４と一緒に上下動するようになってい
る。この構成によれば、上記保持シリンダ１１を伸縮さ
せることにより、駆動スプロケット６と従動スプロケッ
ト４との間隔が変化してエレベータ部７が垂直方向に伸
縮することになる。このとき、チェーン２の張り過ぎ，
弛み過ぎを防止するために保持シリンダ１１が伸長する
と伸縮シリンダ９が収縮し、保持シリンダ１１が収縮す
ると伸縮シリンダ９が伸長するようになっている。

【００１３】上記保持フレーム１２は、図３および図４
に示すように上記エレベータケーシング１０内に配置さ
れている。この保持フレーム１２の上部には、エレベー
タケーシング１０内面に付着した付着物を掻き落すため
のスクレーパ１３がタイロッド１４を介して上下多段に
設けられている。これらスクレーパ１３は、図２に示す
ようにエレベータケーシング１０内面に、内面から約10
mm程度離れて環状に配置された三角断面のアングル材１
５からなっている。このようなアングル材１５が、上記
タイロッド１４を介して上下多段にピン結合されて接続
されている。このようなアングル材１５からなるスクレ
ーパ１３の上下間隔１６は、保持シリンダ１１のストロ
ークよりも若干小さくなっている。なお、図３中の１７
はガイドレールである。

【００１４】以上の構成からなる本実施例の作用を述べ
る。

【００１５】上述したアンローダを用いて図５に示す船
倉ｅからボーキサイト等のバラ物ｆを荷揚げする。この
とき、船倉ｅ内を隅々まで荷揚げするために上記伸縮シ
リンダ９および保持シリンダ１１を伸縮させて掻取部８
およびエレベータ部７の長さを適宜調節しつつ荷揚作業
を行う。

【００１６】この荷揚中に、保持シリンダ１１がエレベ
ータ部７を伸縮させる度にエレベータケーシング１０内
のスクレーパ１３が連動して上下動する。このスクレー
パ１３の上下動により、エレベータケーシング１０内面
に付着した付着物が掻き落される。この際、上記スクレ
ーパ１３がエレベータケーシング１０内に上下多段に配
置されていることから、エレベータケーシング１０内面
が広範囲に亘ってクリーニングされる。

【００１７】ここで、上記スクレーパ１３同志の間隔１
６が保持シリンダ１１のストロークよりも狭く構成され
ているので、たとえエレベータ部７がフルにストローク
しなくてもエレベータケーシング１０内面が広範囲に亘
ってクリーニングされる。

【００１８】また、これらのスクレーパ１３は、図２に
示すようにタイロッド１４を介してピン結合されている
ので、その上下動中にピン結合部１７が回動して多少揺
れる。これにより、エレベータケーシング１０内面とス
クレーパ１３との間隙が変化し、ケーシング１０内面の
付着物が効率よく掻き落される。また、ピン結合を解除
することにより、傷んだスクレーパ１３を交換すること
も可能である。

【００１９】

【考案の効果】以上説明したように本考案に係るエレベ
ータケーシングのクリーニング装置よれば、簡単な構造
で且つ特別な動力源を用いることなくエレベータケーシ
ング内面に付着した付着物を除去することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すアンローダにおけるエ
レベータケーシングのクリーニング装置の概略図であ
る。

【図２】図１に示すスクレーパの部分拡大斜視図であ
る。

【図３】図１に示すエレベータケーシング部の側面図で
ある。

【図４】図１に示すエレベータケーシング部の部分斜視
図である。

【図５】従来例を示すアンローダの全体図である。

【図６】図５に示すエレベータケーシング部の側面図で
ある。

【符号の説明】

１ バケットコンベヤ ７ エレベータ部 ８ 掻取部 １０ エレベータケーシング １１ 保持シリンダ １３ スクレーパ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 垂直方向に伸縮自在なエレベータ部と水
   平方向に伸縮自在な掻取部とからなるバケットコンベヤ
   を有するアンローダにおいて、上記エレベータ部を伸縮
   させるべく、エレベータ部を囲繞してエレベータケーシ
   ングを設けると共に、該エレベータケーシングに保持シ
   リンダを介して上記掻取部を昇降自在に吊下し、該掻取
   部にその昇降に伴って上記エレベータケーシング内面に
   付着した付着物を掻き落すためのスクレーパを連結し、
   該スクレーパを上記エレベータケーシング内面に臨ませ
   て上下多段に配置したことを特徴とするアンローダにお
   けるエレベータケーシングのクリーニング装置。