JP2519340Y2 - ノブの照明装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、自動車用ヒータコント
ロール装置等のスイッチに使用するノブの照明装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、自動車のヒータコントロ
ール装置やフォグランプ等のスイッチに適用されるノブ
の照明装置として、内蔵する光源からの光をノブに設け
た表示部に照射して夜間におけるノブの視認性を高める
ようにしたものがあり、例えば、図３および図４に示す
ような構造となっている。

【０００３】図３に示すノブは、透光性部材からなる有
底筒体部１と不透光性材料からなるホルダー７とを２色
成形し、前記有底筒体部１の外表面の所定箇所にスモー
ク印刷を施した減光部４と白色印刷を施した白色部５を
形成し、さらに、前記有底筒体部１の外表面を黒色塗料
を施して被覆部６を形成した後、前記減光部４および白
色部５を覆う被覆部６をレーザー加工で所定の形状に削
除することにより、第１および第２表示部２，３を形成
したものである。このノブはスイッチ機構に取り付けら
れており、その押し込み操作により、光源から光が照射
されると、この光は前記減光部４および白色部５によっ
てそれぞれ光量を制限され、前記両表示部２，３は照明
されることになる。

【０００４】一方、図４に示すノブは、白色の半透明材
料からなる有底筒体部１と、この有底筒体部１の上方側
に形成した筒部１ａに位置し、半透明材料からなる減光
部８と、不透光性材料からなるホルダー７とを３色成形
し、前記有底筒体部１および減光部８の外表面に黒色塗
装を施して被覆部６を形成し、前記減光部８およびその
下方の被覆部６をレーザー加工で所定の形状に削除する
ことにより、第１および第２表示部２，３をそれぞれ形
成したものである。このノブでは、前記減光部８の厚み
を変えることにより、第１表示部２を透過する光を所望
の光量に設定することが可能となっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、図３に
示すノブでは、第１および第２表示部２，３に照射され
る光量を、半透明材料からなる減光部４および白色部５
によって調整しているため、所望の明るさで照明するこ
とが難しかった。一方、図４に示すノブでは、３色成形
する必要があるため、製造コストがかかっていた。本考
案は前記問題点に鑑み、加工が容易で安価に製造でき、
かつ、所望の透光量を得ることができるノブを備えたノ
ブの照明装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は前記目的を達成
するため、透光性材料からなる有底筒体部の外表面に、
不透光性材料を被覆して被覆部を設け、この被覆部を所
定の形状に削除することにより第１表示部と第２表示部
とを形成するとともに、内蔵する光源からの光を前記両
表示部に照射するようにしたノブの照明装置において、
前記有底筒体部を半透明材料で形成するとともに、前記
第１表示部の背後の第１透光部を厚肉とする一方、第２
表示部とその背後の第２透光部との間に半透明材料から
なる塗装部を設けたものである。

【０００７】

【作用】本考案によれば、前記光源から前記第１表示部
に照射される光は、前記第１透光部を透過して減光され
ながら直進し、前記光源から前記第２表示部に照射され
る光は第２透光部および塗装部を透過する。

【０００８】

【実施例】次に、本考案に係るノブの照明装置の一実施
例について図１および図２を参照して説明する。図１
は、フォグランプを点灯させるためのスイッチ機構を示
し、大略、プッシュノブ１０と、揺動部材２０と、基板
３０とから構成されている。

【０００９】前記プッシュノブ１０は、図１に示すよう
に、例えば、透光性材料（アクリル樹脂等）に、減光剤
（黒色の染料，顔料等）を含有させた半透明材料からな
る有底筒体部１１と、不透光性材料からなるホルダー１
８とを２色成形したものである。前記有底筒体部１１の
上部に位置する第１透光部１４は細長く突出した厚肉と
なっており、ホルダー１８との間には所定間隔の隙間が
形成されている。また、前記第１透光部１４の下方に位
置する第２透光部１５の外表面には白色の半透明材料が
塗装されて塗装部１６が形成されている。そして、前記
有底筒体部１１の外表面には不透光性材料が被覆されて
被覆部１７が形成され、前記第１透光部１４の外表面お
よび前記塗装部１６の外表面に位置する被覆部１７をレ
ーザー加工により切り取って第１表示部１２および第２
表示部１３がそれぞれ形成される。前記第１表示部１２
はスイッチ機構のオン，オフ状態を示すもので、前記第
２表示部１３はフォグランプの点灯用であることを示す
ものである。

【００１０】前記揺動部材２０は、ケーシング２５に支
点部２１を中心として揺動自在に設けられるとともに、
前記プッシュノブ１０が取り付けられており、その先端
部に形成される凹部２２には、スプリング２３により突
出方向に付勢された突起２４が配されている。

【００１１】前記基板３０はケーシング２５内に配され
ており、この基板３０の中央突部３１には、一端に可動
接点３３を有する可動接触片３２が揺動自在に取り付け
られ、前記揺動部材２０の突起２４が圧接している。ま
た、前記基板３０の上下には、第１ランプ３５および第
２ランプ３６がそれぞれ配設され、前記第１ランプ３５
はプッシュノブの第１表示部１２を、前記第２ランプ３
６はプッシュノブの第２表示部１３をそれぞれ照射する
ようになっている。

【００１２】以上の構成からなるノブの照明装置では、
プッシュノブの上方側を押圧すると、このプッシュノブ
と一体的に揺動部材２０が支点部２１を中心として時計
回り方向に回動し、その突起２４が中央突部３１に対し
て可動接触片３２の上方側から下方側へと摺接しながら
移動する。これにより、可動接触片３２が中央突部３１
を中心として反時計回り方向に回動し、可動接点３３が
基板３０上に設けた固定接点３４に接続して第１ランプ
３５および図示しないフォグランプが点灯する。そし
て、前記第１ランプ３５から発せられた光は、第１表示
部１２の背後に形成した第１透光部１４を透過するが、
この第１透光部１４とホルダー１８との間には隙間が設
けられているため、第１透光部１４から漏れ出ることな
く、所定光量に減光されながら直進し、第１表示部１２
は所望の光量で照明されることになる。なお、光は黒色
の染料や顔料の微粒子に吸収されて減光するものであ
り、微粒子によって乱反射されることがないものであ
る。したがって、第１ランプ３５から発せられた光は直
進し、細長い第１透光部１４を通ることによって光の拡
散が抑えられ、所定方向に向けて照射するようになって
いる。また、この状態で、前記プッシュノブの下方側を
押圧すると、前記揺動部材２０は支点部２１を中心とし
て反時計回り方向に回動し、可動接触片３２が中央突部
３１を中心として時計回り方向に回動し、可動接点３３
は固定接点３４から開離して前記第１ランプ３５および
フォグランプは消灯する。

【００１３】前記第２ランプ３６は、夜間にヘッドライ
トを点灯することにより点灯する。この第２ランプ３６
から発せられた光は、有底筒体部１１の第２透光部１５
で減光されながら透過し、塗装部１６の外表面に形成さ
れる第２表示部１３が照明されることになる。

【００１４】

【考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考案
に係るノブの照明装置によれば、有底筒体部を半透明材
料で構成し、第１表示部の背後に肉厚の第１透光部を形
成するようにしたので、この第１透光部の肉厚を変更す
ることにより、透過する光量を所定値に設定できる。ま
た、前記第１透光部は有底筒体部の一部で形成できるの
で、３色成形する必要がなくなり、製造コストを低減で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 スイッチ機構の断面図である。

【図２】 ノブの正面図である。

【図３】 従来例に係るノブを示す断面図である。

【図４】 従来例に係る他のノブを示す断面図である。

【符号の説明】

１１…有底筒体部、１２…第１表示部、１３…第２表示
部、１４…第１透光部、１６…塗装部、１７…被覆部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透光性材料からなる有底筒体部の外表面
   に、不透光性材料を被覆して被覆部を設け、この被覆部
   を所定の形状に削除することにより第１表示部と第２表
   示部とを形成するとともに、内蔵する光源からの光を前
   記両表示部に照射するようにしたノブの照明装置におい
   て、前記有底筒体部を半透明材料で形成するとともに、
   前記第１表示部の背後の第１透光部を厚肉とする一方、
   第２表示部とその背後の第２透光部との間に半透明材料
   からなる塗装部を設けたことを特徴とするノブの照明装
   置。