JP2519241Y2 - ディスクの研磨、研削装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はディスク、特に記録メディアとして用いられ
る、主としてガラス製のハードディスクの研磨、研削装
置に関する。

〔考案の背景〕

一般的に、ガラス等によって成形されるハードディス
クは、当初バリ等が付いた状態の原型ワークが製造さ
れ、その原型ワークの外周及び内周に磨きをかけて記録
を刻設し、かつ、再生するにふさわしい精度を得られる
ように加工される。

しかしながら、従来は上記した研磨、研削の加工工程
は、まず、原型ワークの外径周縁もしくは内径周縁のい
ずれかを加工し、続いて次工程へ送り、残されたいずれ
かを加工する手順がとられており、時間を要するものと
なっていた。また、その加工も多くはスプリングを利用
したチャック機構で保持するものとなっており、内径や
外径縁の負荷をかけるものとなっていた。

〔考案の目的〕

そこで、本考案は上記した従来の技術の問題点に着目
してなされたもので、かかる問題点を解消して、作業時
間が大幅に短縮され、しかも安定度、精度を高めること
ができることとしたディスクの研磨、研削装置を提供す
ることを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するために、本考案に係るディスクの
研磨、研削装置は、据付台上に配設された枠体にスライ
ド自在とされ、先端に吸気孔を形成したクランプ軸と、
そのクランプ軸と対向したフリー回転筒と、そのフリー
回転筒内に位置され、先端に内径用グラインダを備えた
スピンドルとを有し、保持されたワークに対して離接自
在とされた外径用グラインダを有しているディスクの研
磨、研削装置において、前記枠体は一体的なものとし、
フリー回転筒の先端にははめ込み式のホルダーを備え、
前記スピンドルは前記枠体近傍にスライド可能にされた
支持体に備えられ、前記クランプ軸はラックギアで駆動
されることを特徴としている。

〔作用〕

上記したような構成としたことにより、原型ワークは
クランプ軸とフリー回転筒の間において挟持されること
となり、その状態で内径と外径を同時に研磨、研削する
ことができるので、作業時間は大幅に短縮される。ま
た、原型ワークの保持にスプリング式のチャック機構が
使用されないため、安定度、精度も向上することとな
る。

〔実施例〕

次に、本考案の実施の一例を図面を参照して説明す
る。

第１図は本考案を実施したディスクの研磨、研削装置
の斜視図、第２図は同じく縦断面図である。

これらの図にあって１は据付台を示している。この据
付台１上には鋳物で成形された枠体２が配設されてい
る。この枠体２は上部で一体に連結され、略中央部に作
業用の空間を設けた半円筒状のものとなっており、その
右側にはクランプ軸３がスライド可能に貫通されてい
る。本実施例の場合、このクランプ軸３のスライドには
枠体２内への配置となるラックギア４を用い、駆動及び
ブレーキの役割を持たせている。クランプ軸３の後端に
はリング締付ストッパ５が備えられ、また、伝動ギア６
・７と噛合する回転ギア８が取り付けられている。さら
に、クランプ軸３の略中心には貫通孔が形成されてお
り、その貫通孔は後端において真空ポンプと継がるバル
ブ９と連接されている。一方、図中10は予想されるガラ
ス製の原型ワークＡよりもやや外径を小さく形成したホ
ルダーであり、このホルダー10はクランプ軸３の先端に
取り付けられており、その内部にはクランプ軸３の貫通
孔と連通する吸気孔11・11…が形成されている。

また、枠体２の左側にはフリー回転筒12が取り付けら
れており、このフリー回転筒12の先端にははめ込み式の
ホルダー13が取り付けられているもので、このはめ込み
式ホルダー13の外径も予想される原型ワークＡの外径よ
りやや小さく形成されており、このはめ込み式ホルダー
13の外周には回転を円滑にするためのベアリング14・14
…やオイルシール15・15…が設けられている。

さらに、図中16は枠体２の近傍に配置され、前後方向
へ位置調整のためスライド可能とされた鋳物製の支持体
であり、この支持体16には原型ワークＡの内径を研磨、
研削するグラインダを保持するスピンドル17が支持され
ている。このスピンドル17には先端にグラインダ18を有
した軸体19が通され、その軸体19の後端にはプーリ20が
取り付けられてベルト21による伝動で回転するものとな
っている。また、支持体16の下方には固定板22が空間を
隔てて設けられ、その固定板22にはクロスベアリング23
・23…が介在されている。尚、24は原型ワークＡの内径
の研磨、研削加工の調整のためのストッパと対応するマ
イクロスイッチである。

また、図中25は原型ワークＡの外径を研磨、研削する
グラインダであり、26はそのカバーを示している。グラ
インダ25は軸27を介してスライド台28と連接され、原型
ワークＡに対して離接可能とされている。尚、この軸27
にも調整ストッパーとそれに対応するマイクロスイッチ
が付けられている。また、図中29は原型ワークＡの内外
周の加工調整ストッパー、30a・30bは各々対応するマイ
クロスイッチである。

本実施例に係るディスクの研磨、研削装置は上記のよ
うに構成されている。フリー回転筒12にはめ込み式ホル
ダー13を装着し、原型ワークＡを当てがい、クランプ軸
３をスライドさせてそのホルダー10で押し付けるように
挟持し、原型ワークＡの内径縁、外周縁を各々グライン
ダ18及び25により同時に研磨、研削の加工を施すことが
できる。また、場合によってはホルダー10に原型ワーク
Ａを真空により吸い付かせての同時加工も可能である。

また、本実施例では枠体２を一体化することにより、
クランプ軸３による強力な押圧力によりフリー回転筒12
が傾倒して仕上げが楕円状に歪んでしまうのを防いでい
る。

さらに、フリー回転筒12の部分にベアリング14・14…
やオイルシール12・12…を設けることで枠体２の幅が厚
くなり、スピンドル17等も長くしなければならないが、
それを是正するためには、フリー回転筒12用の枠組を別
途に作り、クランプ軸３を支えるのみの枠体にネジ止め
する等もできる。

〔考案の効果〕

上述したように本考案に係るディスクの研磨、研削装
置によるとワークの内外周を同時に加工することができ
るために作業時間が大幅に短縮されることとなり、スプ
リング式のチャッキング機構を用いていないので内外周
の周縁に負荷をかけることがなく安定度、精度の高い作
業を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したディスクの研磨、研削装置の
斜視図，第２図は同じく縦断面図である。 １……据付台、２……枠体、３……スランプ軸 ９……バルブ、10……ホルダー、11……吸気孔 12……フリー回転筒 13……はめ込み式ホルダー、17……スピンドル 18……内径用グラインダ 25……外径用グラインダ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】据付台上に配設された枠体にスライド自在
   とされ、先端に吸気孔を形成したクランプ軸と、そのク
   ランプ軸と対向したフリー回転筒と、そのフリー回転筒
   内に位置され、先端に内径用グラインダを備えたスピン
   ドルとを有し、保持されたワークに対して離接自在とさ
   れた外径用グラインダを有しているディスクの研磨、研
   削装置において、前記枠体は一体的なものとし、フリー
   回転筒の先端にははめ込み式のホルダーを備え、前記ス
   ピンドルは前記枠体近傍にスライド可能にされた支持体
   に備えられ、前記クランプ軸はラックギアで駆動される
   ことを特徴とするディスクの研磨、研削装置。