JP2519120Y2 - 釣り竿の口栓 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は釣り竿の口栓に関し、詳
しくは、元竿の先端開口を塞ぐ位置に配置される弾性材
製の頭部に対して、元竿の先端部の外面を覆う弾性材製
の筒状部を連設した構造の口栓であって、渓流竿、ある
いは鮎竿のように、竿を収縮させた際に、全ての竿が元
竿の内部に収められるよう構成された構造の竿の収縮時
において元竿の先端を閉じるためのものの改良に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来から用いられている口栓Ａについて
考えるに、従来からの口栓Ａは、図４に示すように、ゴ
ム等の弾性材の頭部２に対して元竿１の先端開口の外面
に外嵌する筒状部３を一体形成し、この筒状部３の外面
に対して金属等、弾性材より硬質の素材で成るリング４
を外嵌したものが存在し、この構造のものは、元竿１の
先端開口の閉塞時に、中子６の抜け落ちの防止を行うと
共に、元竿１の先端部外面の保護を行えるものであり、
この口栓Ａでは、元竿１から抜き取る際に筒状部３を握
った力で筒状部３の内面と元竿１の外面とが密着する現
象を筒状部３に外嵌したリング４で阻止するという機能
を有している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、従来からの口
栓は、前述したように元竿１から抜き取る際に筒状部３
を握った力で筒状部３の内面と元竿１の外面とが密着す
る現象を阻止して抜き取り易くする良好な面を有する反
面、この抜き取り操作時に指先が濡れている場合にはリ
ング４の表面で指先を滑らせ易く、改善の余地がある。
又、このように硬質のリングが外嵌されたものでは、例
えば、収縮状態の竿をバッグの中に収めて運ぶ際等にリ
ング外面が他の竿等の表面に接触して傷をつけることも
あり、この点も改善の余地がある。本考案の目的は、口
栓を竿から抜き取る際に筒状部の内面と竿の外面との密
着を阻止するという良好な面を損なうこと無く、抜き取
り操作を行い易く、しかも、他の竿等を傷付け難い口栓
を合理的に構成する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案の特徴は、元竿の
先端開口を塞ぐ位置に配置される弾性材製の頭部に対し
て、元竿の先端部の外面を覆う弾性材製の筒状部を連設
すると共に、この筒状部の外面に、この筒状部より硬質
の環状部材を外嵌し、この環状部材の外面を、環状部材
が外嵌されない部位の筒状部の外面より径方向に沈み込
ませている点にあり、その作用、及び、効果は次の通り
である。

【０００５】

【作用】上記特徴を例えば図１に示すように構成する
と、この口栓Ａを元竿１から抜き取る際には環状部材４
を指先で摘むと同時に、この指先を筒状部３の径方向に
沿う面（竿の軸芯方向に直交する方向の面）に接触させ
ることが可能になるので、筒状部３の変形を環状部材４
で阻止しながら、引き抜き方向への操作力を、比較的滑
りの生じ難い素材の筒状部３に対して、滑りの生じ難い
方向から作用させて、引き抜き操作を行えるものとな
る。又、この口栓Ａでは他の物との接触時に、環状部材
４の外面より径方向に突出した筒状部３の外面が、他の
物に対する環状部材４の接触を阻止するばかりで無く、
この接触が弾性材製の筒状部３、あるいは、弾性材製の
頭部２で行われることになる。

【０００６】

【考案の効果】従って、口栓を元竿から抜き取る際に筒
状部の内面と竿の外面との密着を阻止するという良好な
面を損なうこと無く、強い力を加えずとも楽に抜き取り
操作を行え、しかも、他の竿等を傷付け難い口栓が合理
的に構成されたのである。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図１には、収縮させた状態の渓流竿の元竿１の先
端部に口栓Ａを装着した状態の断面を表してあり、この
口栓Ａは以下のように構成されている。

【０００８】つまり、元竿１の先端開口を塞ぐ位置に配
置されるゴム製の頭部２に対して、元竿１の先端部の外
面を覆うゴム製の筒状部３を一体的に連設すると共に、
この筒状部３の外面に形成された小径部３Ａの外面に、
アルミニューム製の環状部材４を外嵌することで、この
環状部材４の外面を、環状部材４が外嵌されない部位の
筒状部３の外面３Ｓより径方向に沈み込ませてあり、こ
の環状部材４には周方向に沿って一定間隔で円形の開口
４Ａを多数形成してあり、この開口４Ａに対して、筒状
部３に一体形成した突起部３Ｂを、その突出端部が筒状
部３の外面３Ｓに達する位置まで挿通して口栓Ａが構成
されている。尚、この口栓Ａでは筒状部３の小径部３Ａ
と筒状部３の外面３Ｓとの間に形成される径方向に沿う
面（竿の軸芯方向に直交する方向の面）、及び、その開
口４Ａに挿通する突起部３Ｂ夫々によって、環状部材４
が元竿１の軸芯方向に変位することを阻止し、又、前記
突起部３Ｂの位置する筒状部３の内面側には、この突起
部３Ｂの位置に対応させて、この突起部３Ｂと略同形の
凹部５を形成して元竿１から抜き取る際に、この突起部
３Ｂを強く摘んでも筒状部３の内面が元竿１の外面に密
着しないように構成してある。

【０００９】従って、この口栓Ａでは、元竿１の先端開
口を閉塞した場合には中子６の抜け出しを頭部２で阻止
すると共に、その筒状部２で元竿１の先端部の外面を保
護し、又、元竿１から抜き取る際には環状部材４を指先
で摘んだ際に環状部材４によって筒状部３の変形を阻止
しながら、この指先を筒状部３の径方向に沿う面、ある
いは、突起部３Ｂに接触させることが可能になるので、
筒状部３の変形を環状部材４で阻止しながら、引き抜き
方向への操作力を、比較的滑りの生じ難い素材の筒状部
３に対して、滑りの生じ難い方向から作用させて、引き
抜き操作を楽に行えるものとなっている。

【００１０】〔別実施例〕 本考案は上記実施例以外に、次のように構成することも
可能である。 （イ） 図２に示すように、筒状部３の外面に一対の小
径部３Ａ，３Ａを形成し、この小径部３Ａ，３Ａに対し
て、一対のリングで環成る環状部材４を外嵌する。尚、
この別実施例では管状部材４，４夫々の間に環状の突起
部３Ｂを形成してあり、この突起部３Ｂに対応する位置
の内面側には周方向に沿う溝状の凹部５が形成されてい
る。 （ロ） 図３に示すように、頭部２に対して、通気用の
開口２Ａを形成し、この頭部２の内部に、通気用の開口
７Ａを有した補強用の金属製の部材７を配置すると共
に、他の部位は図１の構造と同様とする。 （ハ） 環状部材をアルミニューム以外の金属で構成す
る、あるいは、硬質の樹脂で構成することが可能であ
り、又、この環状部材の外面に滑り止め用の溝等を形成
することも可能である。

【００１１】尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面と
の対照を便利にするために符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】元竿に装着した状態の口栓の一部切欠き側面図

【図２】別実施例の（イ）の口栓の一部切欠き側面図

【図３】別実施例の（ロ）の口栓の一部切欠き側面図

【図４】従来の口栓の一部切欠き側面図

【符号の説明】

１ 元竿 ２ 頭部 ３ 筒状部 ３Ｓ 筒状部の外面 ４ 環状部材

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 元竿（１）の先端開口を塞ぐ位置に配置
   される弾性材製の頭部（２）に対して、元竿（１）の先
   端部の外面を覆う弾性材製の筒状部（３）を連設すると
   共に、この筒状部（３）の外面に、この筒状部（３）よ
   り硬質の環状部材（４）を外嵌し、この環状部材（４）
   の外面を、環状部材（４）が外嵌されない部位の筒状部
   （３）の外面（３Ｓ）より径方向に沈み込ませている釣
   り竿の口栓。