JP2517973B2 - ユニツトインジエクタ - Google Patents

ユニツトインジエクタ

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JP2517973B2 JP62154308A JP15430887A JP2517973B2 JP 2517973 B2 JP2517973 B2 JP 2517973B2 JP 62154308 A JP62154308 A JP 62154308A JP 15430887 A JP15430887 A JP 15430887A JP 2517973 B2 JP2517973 B2 JP 2517973B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、主としてディーゼル機関の燃料噴射装置
に使用されるユニットインジェクタに関する。
〔従来の技術〕
ユニットインジェクタは燃料噴射ポンプの役目をする
燃料圧送部と、燃料噴射を行うインジェクタ部とが一体
的に連結され、内燃機関の各気筒に独立して設置される
燃料噴射装置として知られる。ユニットインジェクタの
調量機構として当初は機械的ものが主であったが、応答
が遅いため正確な燃料噴射量の制御ができない問題点が
あった。そこで、圧電素子を調量機構に採用したユニッ
トインジェクタが種々提案されてきている。その中で、
例えば実開昭61-187965号では、カム軸のカムにより昇
降駆動されるプランジャの側端面に、燃料噴射ノズルと
連通する圧力室を形成し、プランジャの昇降ストローク
の過程でプランジャにより開閉されて、燃料供給源に圧
力室を連通する供給通路と、プランジャの昇降ストロー
クに関わらず圧力室に連通される燃料排出通路とを具備
し、該燃料排出通路に、該通路をリリーフ側に対して常
態では閉鎖するように背面よりばね付勢される溢流制御
弁を配置し、溢流制御弁の背面側に圧電素子アクチュエ
ータを配置する共に、該圧電素子アクチュエータと溢流
制御弁との間に燃料圧充填室を形成したユニットインジ
ェクタが公知である。
このユニットインジェクタでは、溢流制御弁は背面側
より閉鎖方向にばね付勢されると共に、燃料圧充填室の
燃料圧により閉鎖方法に付勢される。即ち、ばね力と燃
料圧との合計としての閉鎖付勢力が発揮される。この
分、圧電アクチュエータの駆動力が少なくても、プラン
ジャの昇降により圧力室に発生する燃料圧に打ち勝って
溢流制御弁を閉鎖制御し、調量作動を行うことができ
る。
尚、本考案に関連する先願技術として、特願昭61-258
588号、及び分配型燃料噴射についてであるが特願昭61-
122272号がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来技術では、燃料圧充填室に別系統の燃料圧供給通
路を設けていた。即ち、独立の配管を設け、チェック弁
を介して燃料ポンプの吐出口に接続している。そのた
め、装置が大型化する問題点があった。また、この従来
技術では燃料圧充填室の圧力は最大燃料ポンプの吐出圧
を限度とする(精々3kg程度)。そのため、溢流制御弁
の作動が不安定となる問題点がある。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明によれば、内燃機関の一つの気筒毎に設置さ
れ、カム軸のカムにより昇降駆動されるプランジャの側
端面に、燃料噴射ノズルと連通する圧力室を形成し、プ
ランジャの昇降ストロークの過程でプランジャにより開
閉されて、燃料供給源に圧力室を連通する供給通路と、
プランジャの昇降ストロークに関わらず圧力室に連通さ
れる燃料排出通路とを具備し、該燃料排出通路に、該通
路をリリーフ側に対して常態では閉鎖するように背面よ
りばね付勢される溢流制御弁を配置し、溢流制御弁の背
面側に圧電素子アクチュエータを配置すると共に、該圧
電素子アクチュエータと溢流制御弁との間に燃料圧充填
室を形成したユニットインジェクタにおいて、燃料圧充
填室はプランジャの昇降ストロークの間に圧力室に対し
て開閉される圧力導入通路に接続され、該圧力導入通路
はプランジャが供給通路を閉鎖した後にプランジャによ
り閉鎖されるよう位置することを特徴とするユニットイ
ンジェクタが提供される。
〔実施例〕 第1図において、ニードル筺体10はプランジャ筺体12
にナット14により連結される。プランジャ筺体12内にプ
ランジャボア13が形成され、プランジャ16が上下摺動自
在に収納される。プランジャ16の上端にタペット18が配
置される。タペット18はばね20により図示しないカムに
接触するように付勢される。カムノーズが来ると、タペ
ット18はばね20に抗して図の下方に動き、プランジャ16
を下降付勢する。プランジャ16の下側に圧力室22が形成
され、該圧力室22はニードル筺体10内の通路24を介して
図示しないニードルに連通し、ニードルが開弁したとき
に噴口23より燃料が噴射される。圧力室22に燃料供給通
路26が開口し、この燃料供給通路26は燃料供給ポンプ28
を介して燃料タンク30に接続される。燃料供給通路26は
プランジャ16の位置が高いときは圧力室22に連通される
が、プランジャ16の位置がある程度まで低くなると圧力
室22に対して遮断され、圧力室内の燃料を加圧すること
ができる。圧力室22に燃料排出通路34が開口し、配管36
を介して燃料タンク30に連通している。溢流制御弁40は
圧力室22より排出通路34を介しての燃料の排出を制御す
るものである。この実施例では溢流制御弁40はボール42
と、スプール44と、ばね46とからなる。ばね46はボール
42が弁座に着座するような付勢力を発揮している。スプ
ール44の下端に断面V字状の溝50が形成され、同溝50に
ボール42が収容されるようになっている。この構成によ
り、ボール44の弁座に対する着座性、即ち気密性が向上
する。
52は圧電アクチュエータであり、圧電素子薄膜を多数
積層して構成される。圧電アクチュエータ52とスプール
44との間に燃料充填室56が形成される。燃料充填室56に
は後述のように燃料圧が充填され、ばね46の付勢力と合
体して、ボール42を弁座に押し付ける方向の力を発揮し
ている。一方、圧力室22の圧力はボール44を逆に弁座か
ら開弁せしめる方向の力を発揮する。圧電アクチュエー
タ52は非通電時には収縮し、その結果圧力室22からボー
ル44に加わる上向きの力がばね46の設定力と燃料充填室
56の圧力との合力としての下向きの力に打ち勝ち、溢流
制御弁40は開弁する。逆に、圧電アクチュエータ52は通
電時は伸長し、今度は下向きの力が優勢になる。その結
果、溢流制御弁は閉鎖する。
従来技術では燃料充填室56は独立の配管及びチェック
弁を介して燃料ポンプ28の吐出側に連通した構造であっ
た。この代わりに、この発明ではプランジャ本体12に圧
力導入通路60が形成され、この圧力導入通路60は圧力室
22に開口される。この開口箇所は、燃料供給通路26の幾
分下方に設定される。即ち、プランジャ16の下降ストロ
ークの過程において、最初に燃料供給通路26が閉じ、そ
れから圧力導入通路60が閉じるようになっている。
プランジャ13の上死点位置においては、フィードポン
プ28から燃料が燃料供給通路26を介して圧力室22に導入
される。この時、溢流制御弁40は閉鎖される。即ち、圧
電アクチュエータ52に電圧が掛かっておらず、収縮状態
にある。そして、スプール44にかかるばね46による下向
きの力及び燃料充填室56の内の燃料よりスプール44の上
端にかかる下向きの力の合計が、圧力室22よりボール42
に上向きにかかる力を上回るように設定されているから
である。
プランジャ16の下方ストロークの過程で、供給通路26
が先ず閉鎖されるが、圧力導入通路60は暫くは開放され
る。プランジャ16の下降により圧力室22の圧力は高ま
り、ボールに掛かる上向きの力は高まる。しかし、この
とき、圧力充填通路60も圧力室22に対して開放している
ためボール42に加わる上下の力のバランスは変化せず、
溢流制御弁40は依然として閉鎖される。
さらにプランジャ13が下降すると、圧力充填通路60が
閉鎖されるためボール42に加わる上向きの力が優勢とな
り、溢流制御弁40は開弁する。そのため、圧力室22から
の燃料は通路34及び配管36を介して燃料タンク30に排出
される。その結果圧力室22の圧力は高まらずニードルを
開弁させる圧力に至らず、燃料噴射は未だ行われない。
この過程で、溢流制御弁40を開放するため、スプール44
の受圧面積と、ボール42の受圧面積との差及びばね46の
圧力を適当に設定する必要がある。ここに、溢流制御弁
40の開弁圧P0は、 P0=Pf×(f1/f2)+F1/f2 Pf:フィード圧力 f1:スプール44の受圧面積 f2:ボール42の受圧面積 F1:ばね定数 により決まる。
所定の燃料噴射開始タイミングにおいて圧電アクチュ
エータ52に電圧が供給され、同アクチュエータ52は長さ
方向に伸長する。その結果、燃料充填室56の圧力は高ま
り、下向きの力が上向きの力を超過する(即ち、設定開
弁圧P0を超える。)その結果、溢流制御弁40は閉鎖さ
れ、圧力室22の油圧の逃場が無くなるので、同室の圧力
は高まり、ニードルが開弁に到り、噴口23より燃料噴射
が開始される。
燃料噴射終了タイミングにおいて、圧電アクチュエー
タ52への電圧供給が停止され、すると同アクチュエータ
52は長さ方向の寸法が幾分収縮し、圧力室56の圧力が低
下し、再び上向きの力が優先する。その結果溢流制御弁
40は開弁し、圧力室22の圧力が燃料タンク30に逃れるた
め、同圧力室22の圧力は下がり、ニードルは閉鎖され、
燃料噴射が終了される。
第2図に示す第2実施例では充填通路60と充填室56と
の間にチェック弁70及び絞り71を設置すると共に、充填
通路60をチェック弁72を介して燃料タンク30と連通させ
た点が第1実施例に対する相違点である。チェック弁72
のばね72aの設定はチェック弁70のばね70aより強く、ば
ね72aにより充填圧力が決められる。チェック弁70及び
絞り71は圧電アクチュエータのONからOFFにより圧力が
抜けないように設けられる。この実施例ではチェック弁
70,72の設置により充填室から圧力が抜けるのを防止す
ることができ、逆にいえば充填室の圧力を高く維持する
ことができ、圧電アクチュエータの駆動分担を減らすこ
とができ、その小型化が期待でき、かつ電力消費を節約
することができる。
〔発明の効果〕
この発明によれば、圧電アクチュエータと溢流弁との
間の燃料圧充填室を充填通路を介しプランジャにより開
閉可能な位置で圧力室に連通させている。その結果、燃
料圧充填室の圧力を供給ポンプの供給圧(3kg程度)よ
り高い、例えば10kg程度の圧力に高めることができる。
その結果、圧電アクチュエータの駆動力がその分弱くて
も、溢流制御弁の開閉作動制御、即ち調量が可能とな
り、圧電アクチュエータを小型化することが実現する。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1実施例のユニットインジェクタの縦断面
図。 第2図は第2実施例のユニットインジェクタの縦断面
図。 10……ニードル本体 12……プランジャ本体 16……プランジャ 22……圧力室 28……フィードポンプ 30……燃料タンク 40……溢流制御弁 42……ボール 44……スプール 46……ばね 52……圧電アクチュエータ 56……燃料圧充填室 60……燃料充填通路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の一つの気筒毎に設置され、カム
    軸のカムにより昇降駆動されるプランジャの側端面に、
    燃料噴射ノズルと連通する圧力室を形成し、プランジャ
    の昇降ストロークの過程でプランジャにより開閉され
    て、燃料供給源に圧力室を連通する供給通路と、プラン
    ジャの昇降ストロークに関わらず圧力室に連通される燃
    料排出通路とを具備し、該燃料排出通路に、該通路をリ
    リーフ側に対して常態では閉鎖するように背面よりばね
    付勢される溢流制御弁を配置し、溢流制御弁の背面側に
    圧電アクチュエータを配置する共に、該圧電アクチュエ
    ータと溢流制御弁との間に燃料圧充填室を形成したユニ
    ットインジェクタにおいて、燃料圧充填室はプランジャ
    の昇降ストロークの間に圧力室に対して開閉される圧力
    導入通路に接続され、該圧力導入通路はプランジャが供
    給通路を閉鎖した後にプランジャにより閉鎖されるよう
    位置することを特徴とするユニットインジェクタ。
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