JP2516515Y2 - マルチディスクプレーヤ - Google Patents

マルチディスクプレーヤ

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JP2516515Y2
JP2516515Y2 JP1991016838U JP1683891U JP2516515Y2 JP 2516515 Y2 JP2516515 Y2 JP 2516515Y2 JP 1991016838 U JP1991016838 U JP 1991016838U JP 1683891 U JP1683891 U JP 1683891U JP 2516515 Y2 JP2516515 Y2 JP 2516515Y2
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Inventor
馬島勲
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アイワ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、コンパクトディスク
(CD)、ビデオディスク(LD)等の複数種類のディ
スクを再生することが可能なマルチディスクプレーヤに
関し、特にディスク再生開始までの待ち時間を短縮する
ようにしたマルチディスクプレーヤに関する。
【0002】
【従来の技術】ディスクにはCDシングル、CD、CD
V、LDシングル、LD等があり、マルチディスクプレ
ーヤはこれら複数種類のディスクを再生するための装置
である。任意のディスクをディスクトレイに装着した
後、再生開始までの従来のマルチディスクプレーヤの動
作を図3に示す波形図によって説明する。まず、ディス
クを載せたディスクトレイはディスクロード信号Slに
よってディスク交換可能な開位置から所定のチャッキン
グ位置までローディング機構により移動する(ローディ
ング時間t0〜t1)。所定のチャッキング位置に到達
したディスクは、チャッキング信号Scによってディス
クトレイからスピンドルモータへ取り付けられる(チャ
ッキング時間t1〜t2)。この時、スピンドルモータ
の回転軸に対して、ディスク面が垂直になるように、か
つディスクのトラックが偏心しないよう同軸に取り付け
られる。
【0003】チャッキング完了後、時点t2においてス
ピンドルモータはディスクと一体に回転し始め、その回
転数はディスク回転数Rdとして示されるように上昇す
る。時点t3、例えば時点t2から3秒後にディスク回
転数検出信号Sdによってディスクの回転数を検出し
て、ディスクの種類を判定する。この判定結果に基づい
てディスクを規定回転数または規定線速度(以下、単に
「規定回転数」と略称する)にするために、時点t4で
サーボ開始信号Ssによってスピンドルモータのサーボ
制御が開始され、ディスクが規定回転数に達した時点t
5で、音声または画像の再生処理に移行する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上述のように、従来の
マルチディスクプレーヤにおいては、スピンドルモータ
にチャッキングされたディスクに一定トルクを与え一定
時間t2〜t3、この例では3秒間駆動した後、時点t
3におけるディスクの回転数を検出してディスクの種類
を判定していた。従って、スピンドルモータが回転を開
始する時点t2から再生処理の開始が可能となる時点t
5までの所要時間はこの例では3秒間という一定時間以
下に短縮することはできなかった。
【0005】従って、この考案は、スピンドルモータの
回転開始時点t2以前にディスクの種類を判定すること
により、ディスク回転数の立ち上がり時間t2〜t5を
短縮してオーディオ再生開始またはビデオ再生出画まで
の待ち時間を短縮しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】従って、この考案に係る
マルチディスクプレーヤは、ディスクをスピンドルモー
タに同軸一体に取り付けるチャッキング機構と、ディス
ク交換可能な開位置よりディスクを載置し前記チャッキ
ング機構によるディスクのチャッキング位置までディス
クを持ち来すためのローディング機構と、このローディ
ング機構によりディスクが前記開位置よりチャッキング
位置まで持ち来たされるローディング時間を検出する検
出手段とを備え、このローディング時間に基づいて載置
されているディスクの質量を算出してディスクの種類を
判別することを特徴とするものである。
【0007】
【作用】この考案に係るマルチディスクプレーヤにおい
て、図1(A)に示すカウンタ13はディスク交換可能
な開位置よりディスクを載置し前記チャッキング機構に
よるディスクのチャッキング位置までディスクを持ち来
すためのローディングに要するローディング時間T(図
1(B))を検出する。マイクロプロセッサユニット1
4はローディング時間Tに基づいて載置されたディスク
の質量を算出し、ディスクの種類を判定して指令値を出
力する。この指令値に基づいてサーボ制御回路15は、
スピンドルモータ17の回転開始時点t2(図1
(B))からモータドライバ16を介してスピンドルモ
ータ17と同軸に回転するディスクの回転制御を行な
う。従って、ディスクの回転数は迅速に立ち上げられ、
時点t5(図1(B))において所定回転数または所定
線速度に安定制御される結果、時点t2からt5までの
立ち上げ時間は従来例に較べて著しく短縮される。
【0008】
【実施例】続いて、この考案に係るマルチディスクプレ
ーヤの実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0009】図1(A)はこの考案に係るマルチディス
クプレーヤの要部を示すブロック図であり、図1(B)
はその動作を示す波形図である。図において、11はロ
ーディング開始パルスによってセットされ、ローディン
グ完了パルスによってリセットされるフリップフロップ
である。このローディング開始パルスは時点t0におい
て発生し、またローディング完了パルスは時点t1にお
いて発生するので、フリップフロップ11の出力信号は
図1(B)に示すディスクロード信号Slとして表わさ
れる。アンドゲート12は、このディスクロード信号S
lとクロックパルスCpとの論理積をカウンタ13に出
力する。この論理積は図1(B)に示すカウンタ入力信
号Cgとして表わされる。カウンタ13はこの入力信号
Cgのパルス数をカウントし、そのカウント数をマイク
ロプロセッサユニット(MPU)14に出力する。MP
U14はこのカウント数に基づいて指令値をサーボ制御
回路15へ出力し、モータドライバ16を介してスピン
ドルモータ17を制御する。
【0010】このようにして、スピンドルモータ17と
一体に回転するディスクの回転数は、図1(B)のディ
スク回転数Rdに示すようにチャッキング完了(時点t
2)後、迅速に立ち上げられ(立ち上げ時間t2〜t
5)、時点t5において所要の一定回転数(又は一定線
速度)にサーボ制御される。
【0011】図2は、この考案におけるローディング機
構を示す図である。ディスクローディング開始時点t0
で発生するローディング開始パルスによりフリップフロ
ップ11はセットされ、フリップフロップ11のセット
出力Slによりモータドライバ18を介してローディン
グモータ19は始動する。ローディングモータ19の回
転によりピニオン20、ラック21を介してトレイ2を
本体3に対して移動可能となされている。ディスク1が
ローディング機構によりトレイ2を介してローディング
開始位置P1からローディング完了位置P2に達した時
間、即ちスピンドルモータ17へのチャッキングを行な
う時点t1において、ローディング完了パルスがフリッ
プフロップ11に与えられローディングモータ19は停
止する。
【0012】マルチディスクプレーヤにおいてディスク
1の質量Mは、CDシングルの10グラム程度からLD
の200グラム程度までディスクの種類によって大幅に
異なるので、ローディング開始位置P1からローディン
グ完了位置P2までディスク1を距離lだけ水平方向に
移動させるのに要するローディング時間T(=t1−t
0)は次式で与えられる。
【0013】T=(m+M)gl×μ/P ここで、mはローディングモータ19によりディスクを
水平方向に移動させるために必要とするトレイからなる
ローディング機構の有効質量、gは重力加速度、Pはロ
ーディングモータ19のパワーおよびμは動摩擦係数で
ある。従って、ディスク1の質量Mはローディング時間
Tの一次式で与えられる。即ち、 M=(P/glμ)T−m ここで、ローディング時間Tはカウンタ13の計数値と
して測定されるので、MPU14によってディスク1の
質量Mが算出でき、ディスクの種類が判明する。
【0014】ディスク1の形状は中空円板であり、その
極慣性モーメントIgは次式で与えられる。
【0015】
【数1】
【0016】
【0017】ここで、ρはディスク1の平均面密度、r
1はディスク1の半径、r2はディスク1のセンタホー
ルの半径である。r1およびr2はディスク1の種類に
応じて規定されているので、ディスク1の極慣性モーメ
ントIgはディスク1の質量Mと半径r1,r2とから
MPU14によって算出される。また、ディスク1の再
生に必要な回転数または線速度はディスク1の種類に対
応して設定される。
【0018】判明したディスク1の種類に応じて算出さ
れた極慣性モーメントIgおよび所要回転数(または線
速度)は、MPU14からサーボ制御回路15へ指令値
として与えられる。サーボ制御回路15は与えられた指
令値に基づいてモータドライバ16を介してディスク1
と一体に回転するスピンドルモータ17の回転数(また
は線速度)を最適制御し、ディスク1の回転数Rdは図
1(B)に示すように迅速に立ち上げられ、時点t5に
おいて所要回転数(または線速度)に安定制御される。
【0019】
【考案の効果】上述のように、この考案に係るマルチデ
ィスクプレーヤにおいては、ディスクをディスク交換可
能な開位置からチャッキング位置まで持ち来すためのロ
ーディング時間を測定してディスクの種類を判別する。
スピンドルモータの回転開始時には、ディスクの種類に
対応したサーボ制御指令値をスピンドルモータのサーボ
制御回路に与えることができるので、最適なディスク回
転の立ち上げが可能となる。
【0020】従って、一定時間、例えば3秒間スピンド
ルモータを回転させた後にディスクの回転数からディス
クの種類を判別してスピンドルモータのサーボ制御を開
始する従来例に比較して、ディスクの再生に必要な回転
数または線速度への到達時間、即ち待ち時間を著しく短
縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係るマルチディスクプレーヤの要部
の構成と動作を示す図である。
【図2】この考案に係るマルチディスクプレーヤの原理
を説明するための説明図である。
【図3】従来のマルチディスクプレーヤの動作を示す波
形図である。
【符号の説明】
1 ディスク 2 ディスクトレイ 11 フリップフロップ 12 アンドゲート 13 カウンタ 14 マイクロプロセッサユニット(MPU) 15 サーボ制御回路 16 モータドライバ 17 スピンドルモータ 18 モータドライバ 19 ローディングモータ 20 ピニオン 21 ラック

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクをスピンドルモータに同軸一体
    に取り付けるチャッキング機構と、ディスク交換可能な
    開位置よりディスクを載置し前記チャッキング機構によ
    るディスクのチャッキング位置までディスクを持ち来す
    ためのローディング機構と、このローディング機構によ
    りディスクが前記開位置よりチャッキング位置まで持ち
    来たされるローディング時間を検出する検出手段とを備
    え、このローディング時間に基づいて載置されているデ
    ィスクの質量を算出してディスクの種類を判別すること
    を特徴とするマルチディスクプレーヤ。
JP1991016838U 1991-03-20 1991-03-20 マルチディスクプレーヤ Expired - Fee Related JP2516515Y2 (ja)

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