JP2516008B2 - 現像装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、二成分系の粉体現像剤を用いる乾式型の現
像装置に関するものである。

従来技術 複写機等の画像形成装置に広く使用されている乾式型
の現像装置では、粉体の現像剤としてキャリアとトナー
を有する二成分系の現像剤が用いられている。このよう
な現像剤に対しては、現像剤中のトナー濃度が基準濃度
より低下したとき、所定の濃度に復すべくトナーを補給
することが行われている。また、かような現像剤が劣化
したとき、それを交換することが行われている。

従来、現像剤の交換は、現像装置そのものを機械本体
から取り外すようにして行っていたが、この方式では現
像装置の面倒な着脱操作を必要とするばかりでなく、取
り外した現像装置に対して所定の載置場所を確保しなけ
ればならず、また、その載置時や着脱時に現像剤が周囲
に飛散したりする恐れがある。

この他、現像装置を複写機本体に取付けたままで現像
剤を交換できるようにしたものも提供されているが、こ
の例ではトナー補給口と現像剤交換用流入口とが別々に
設けられているため、現像剤交換用流入口の開閉蓋を必
要とし、装置コストが上昇する欠点があった。

目的 本発明は、上記点に鑑みなされたものであって、その
目的とするところは、トナー補給口と現像剤交換用の現
像剤流入口とを兼用化させると共に、現像装置を機械本
体に取り付けたままでも、現像剤を容易に交換できるよ
うにした現像装置を提供することにある。

構成 本発明は、上記目的を達成するため、トナーとキャリ
アを有する二成分系の現像剤を収容する現像ケーシング
に設けられていて、周面に担持させた現像剤で潜像担持
体に形成された静電潜像を現像する現像剤担持部材と、
現像ケーシング外に突出する突出部を有し現像剤担持部
材に対し現像剤を搬送供給する現像剤搬送回転部材と、
該現像剤搬送回転部材の突出部を包囲し、かつ現像ケー
シングの内部に連通していて、現像剤交換用の現像剤流
入口及び現像剤回収口をそれぞれ設けた現像剤流出入用
管状部と、トナー補給時に現像剤流入口をトナー補給口
として、前記現像剤流出入管状部にトナーを補給できる
ように、当該トナー補給口に対応する位置と、現像剤交
換時に現像剤流入口を開放させる位置との各位置に変位
できるように、前記現像ケーシングに対して移動可能に
支持されたトナー容器とを具備することを特徴とする現
像装置を提案する。

実施例 以下、本発明の実施例を説明する。

第１図において、符号１は潜像担持体の一例である感
光体を示している。また2Yは現像剤担持部材の一例であ
る現像ローラ、3Yは現像剤搬送回転部材、4Yは現像ケー
シング、5Yはトナー濃度センサをそれぞれ示し、この実
施例では、かような諸部材で構成される現像装置が感光
体１の周囲に３個、それぞれ配置されている。

現像ケーシング4Yは、第１図に示したケーシング本体
104Yと、その長手方向各端部の側板（第１図には示さ
ず）とによって構成され、その手前側の側板を第３図に
符号21を付して示してある。かかる現像ケーシング4Yに
は、イエロー色のトナーと、キャリアとを有する二成分
系の現像剤（図示せず）が収容されている。今、この現
像装置をイエロー現像装置と称するとして、これに符号
10Yを付しておく。イエロー現像装置10Yに隣接した位置
にはマゼンタ現像装置10Mが、このマゼンタ現像装置10M
に隣接した位置にはシアン現像装置10Cがそれぞれ設け
られている。そして、マゼンタ現像装置10Mのケーシン
グ4Mにはマゼンタ色の二成分系の現像剤が、また、シア
ン現像装置10Cの現像ケーシング4Cにはシアン色の二成
分系の現像剤がそれぞれ収容されている。

マゼンタ現像装置10Mとシアン現像装置10Cの各現像ケ
ーシング4M,4Cも、ケーシング本体104M,104Cと、その長
手方向各端部の側板とにより構成されているが、本例で
は、３つの現像ケーシング4Y,4M,4の前後の各側板が共
通の部材となっている。第３図に示した側板21は、マゼ
ンタ現像装置10Mとシアン現像装置10Cの各現像ケーシン
グ4M,4Cの前側の側板も構成するものである。

先ず、イエロー現像装置10Yの現像剤搬送回転部材3Y
によって、イエロー現像剤が、内部に磁石（図示せず）
を設けた現像ローラ2Y上に供給され、この供給により同
ローラ上に担持された現像剤で、感光体１上の静電潜像
が現像され、同感光体上にはイエロー色の顕像が得られ
る。なお、符号20で示すものはドクターブレードであ
り、これは現像ローラ2Yに付着する現像剤の量を規制す
るものである。

このように、現像ケーシング4Yに設けられた現像ロー
ラ2Yは、その周面に担持させた現像剤で、感光体１に形
成された静電潜像を現像する用をなす。

一方、マゼンタ現像装置10Mの現像剤搬送回転部材3M
によってマゼンタ現像剤が現像ローラ2M上に供給され、
この供給により同ローラ上に担持された現像剤で、マゼ
ンタ色の現像が行われる。

さらに、シアン現像装置10Cの現像剤搬送回転部材3C
によってシアン現像剤が現像ローラ2C上に供給され、こ
の供給により同ローラ上に担持された現像剤で、シアン
色の現像が行われる。

以上のようにして感光体１上には順次各色の顕像が得
られることになり、これらが順次所定の転写紙に転写さ
れ、転写紙上にカラー画像が得られる。

現像剤搬送回転部材3M,3Cは、現像剤搬送回転部材3Y
とまったく同様に構成されている。３つの現像装置10Y,
10M,10Cはユニット枠板６内に納められ、一体ユニット
化され、このユニット化されたものが機械本体に対し着
脱自在となっている。

ここで、以下、便宜上、イエロー現像装置1Yをピック
アップして、この構成について説明する。なお、他の現
像装置については、イエロー現像装置と構成を同じくす
るものであり、この詳細については省略する。

第２図は現像剤搬送回転部材3Yの構成の一例を示すも
のである。ここに示した現像剤搬送回転部材3Yは、攪拌
パドル11と、これに巻かれた外部スクリュー12と、攪拌
パドル11の内部の軸13に設けられた内部スクリュー14等
から構成されている。攪拌パドル11には現像剤流入口15
が、この奥側に現像剤排出口16がそれぞれ設けられてい
る。

第３図に示すように、内部スクリュー14は、歯車19,1
7,18をそれぞれ介して回転駆動され、外部スクリュー12
をもつ攪拌パドル11は後端側に設けられた図示していな
い駆動歯車により回転駆動されるようになっている。歯
車19は攪拌パドル11と一体的になっていて、該パドルに
より回転される。

第２図において、攪拌パドル11と軸13とが回転する
と、現像剤は攪拌パドル11の外部スクリュー12によって
矢印ａ方向に運ばれる。この間、現像剤は現像剤流入口
15を通って攪拌パドル11内に入り、このあと、内部スク
リュー14によって矢印ｂ方向に運ばれる。そして、現像
剤排出口16を出た現像剤は再び矢印ａ方向に運ばれる。
このようにして、現像剤は、後述する補給トナーと攪拌
され乍ら攪拌パドル11の内外を循環する。

現像剤排出口16の側から現像剤が矢印ａ方向に搬送さ
れる間、攪拌パドル11によって現像ローラ2Y（第１図）
に現像剤が供給される。

第１図において、現像剤搬送回転部材3Yの図における
手前側の部位は、第３図に示すように、現像ケーシング
4Yから突出している。すなわち、現像ローラ2Yに対し現
像剤を搬送供給する現像剤搬送回転部3Yは、現像ケーシ
ング4Y外に突出する突出部を有している。ケーシング本
体104Y,104M,104C（第１図）の端部が固着された側板21
には、現像剤流出入用管状部21Yが一体に固着され、か
かる現像剤流出入用管状部21Yは、現像剤搬送回転部材3
Yを包囲し、しかも現像ケーシング4Yの内部に連通して
いる。なお、側板21には、第４図に示す如く、管状部21
Yの他、マゼンタ現像装置用の管状部21Mと、シアン現像
装置用の管状部21Cとがそれぞれ設けられている。また
各ケーシング本体104Y,104M,104Cの他方の奥側の端部に
も、図示していない共通の側板が固着されていることは
先に説明した通りである。

第３図において、現像剤流出入用管状部21Yには、そ
の上側に現像剤交換用の現像剤流入口22が、その下側に
現像剤回収口23がそれぞれ設けられている。

可能板24には、イエロー現像装置10Yの一構成要素で
あるホッパー状のトナー容器25Yが一体的に設けられ
て、このトナー容器25Yには補給用のイエロートナーが
収容されている。また、可動板24には、かかるトナー容
器25Yと共に、第４図に示す如く、マゼンタ現像装置10M
とシアン現像装置10Cの各構成要素であるマゼンタトナ
ー容器25Mと、シアントナー容器25Cとがそれぞれ一体的
に設けられている。

第３図において、トナー容器25Y内にはアジテータ26
が設けられ、これが揺動することによりトナー容器内で
のトナーの架橋が防止される。

第１図において、現像ケーシング4Y内の現像剤のトナ
ー濃度が基準濃度よりも低下したことを、トナー濃度セ
ンサ5Yが検知すると、第３図及び第４図において、トナ
ー容器25Yの下部に設けられたトナー補給ローラ7Yが回
転する。

すると、トナー容器25Y内のイエロートナーがローラ7
Yによって落下せしめられ、この落下トナーは現像剤流
入口22を通って管状部21Y内への流入する。次いで、ト
ナーは攪拌パドル11の流入口15を通って攪拌パドル11内
に入り、かつ、内部スクリュー14によって現像剤と攪拌
されつつ、矢印ｂ方向に運ばれる。このようにして、ト
ナーの補給が行われるのである。あとは、前に述べたよ
うに現像剤が現像ローラ2Yに供給されつつ、攪拌パドル
11内外を循環する。この場合には、流入口22はトナー補
給口として機能することとなる。かようなトナー補給
は、マゼンタ現像装置やシアン現像装置についてもまっ
たく同様にして行われる。

本実施例装置では、第１図に示す如く、現像装置10Y,
10,10Cがユニットとして一体化されている。また、第４
図に示すように、トナー容器25Y,25M,25C等より成る各
トナー補給部は可動板24上に一体ユニット化されてい
る。

このようなユニット化された現像装置にあっては、装
置全体をコンパクトにし得る反面、現像剤を比較的回収
し易い位置にある両側の現像装置10Y,10Cに対し、中間
の現像装置10Mについて、現像剤の交換が非常にやりに
くくなっている。

そこで、各現像装置をユニット化しない独立した構成
とすれば、現像剤の交換を各現像装置毎にすべて容易に
することができるが、このようにすると、装置全体が大
嵩化するばかりでなく、コストも上昇し、場合によって
は各現像装置を機械本体に対し着脱自在としなければな
らない。

本実施例装置においては、かような種々の問題が解決
されるものである。

第４図において、各トナー容器25Y,25M,25Cを一体的
に設けた可動板24は、側板21の折曲部21a,21bに設けた
ヒンジピン27に対して回動自在に支持されている。この
ように各トナー容器25Y,25M,25Cは、可動板24を介し
て、現像ケーシング4Y,4M,4Cに回動可能に支持され、そ
の側板21がトナー容器の支持部材を構成している。

通常（コピー時）、各トナー容器は、この下部の現像
剤流出部が現像剤流入口22に対応した位置にある。

このような態勢に対して、新しい現像剤を充填すると
きは、可動板24を第４図において手前側にヒンジピン27
の周りに回動させる。すると、現像剤流入口22が開放さ
れた状態となり、この流入口22から、新たな現像剤を流
入させることができる。このとき、現像剤搬送回転部材
3Yは回転させた状態とする。トナー容器を回動以外の他
の形態で変位させるように構成し、これによって流入口
22を開放させてもよい。

このように、本例の現像装置においては、そのトナー
容器25Yが、トナー補給時に現像剤流入口22をトナー補
給口として、現像剤流出入用管状部21にトナーを補給で
きるように、そのトナー補給口に対応する位置と、現像
剤交換時に現像剤流入口22を開放させる位置との各位置
に変位できるように、現像ケーシング4Yに対して移動可
能に支持されている。他のトナー容器25M,25Cも同様で
ある。

一方、第３図及び第４図に示すように、現像剤回収口
23は、普段、蓋部材28によって閉じられており、古い現
像剤を回収するときは、例えば、それをヒンジピン29の
周りに回動させて同回収口23を開放させる。この状態
で、現像剤搬送回転部材3Yを回転させることにより、外
部スクリュー12により、古い現像剤が矢印ａ方向に搬送
されつつ、回収口23から排出される。すなわち、現像剤
の回収が行われるのである。この場合には、可動板24は
当初の位置（トナー補給時の位置）のままであっても良
い。他の現像装置10M,10Cについても、全く同様にして
現像剤の交換が行われる。

このように、本実施例装置においては、複数の現像装
置が一体化されているため、よりコンパクトな多色系現
像装置とすることができる。また、現像剤の交換時に、
現像装置自体を機械本体から取り外す必要もなく、その
交換時における操作性やサービス性が一段と向上化され
る。さらに、現像剤流入口22は、通常使用時（コピー
時）にトナー補給口として、現像剤交換時に新しい現像
剤の流入口として兼用化されるものであるから、これら
を別に設ける場合と比して、装置構成を簡単化かつ低廉
化することができる。

本発明は、上述した多色系現像装置に限らず、トナー
の補給されるところから、現像剤搬送回転部材を介して
現像部へ現像剤を搬送する単一系現像装置にも適用され
得るものである。

効果 本発明によれば、現像装置を機械本体に取り付けたま
まで、現像剤流入口を開放させる位置にトナー容器を移
動させるだけで、現像剤の交換を即座に容易に行うこと
ができる。しかもトナー補給口と現像剤交換用の現像剤
流入口とが兼用化されているので、現像装置自体をコン
パクト化、低廉化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の現像装置部を示す断面図、第２
図は現像剤搬送回転部材の斜視図、第３図は上記実施例
におけるトナー補給部の断面図、第４図はトナー容器の
断面図である。 3Y,3M,3C……現像剤搬送回転部材 4Y,4M,4C……現像ケーシング 21Y,21M,21C……現像剤流出入用管状部 22……現像剤流入口、23……現像剤回収口 25Y,25M,25C……トナー容器

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トナーとキャリアを有する二成分系の現像
   剤を収容する現像ケーシングに設けられていて、周面に
   担持させた現像剤で潜像担持体に形成された静電潜像を
   現像する現像剤担持部材と、現像ケーシング外に突出す
   る突出部を有し現像剤担持部材に対し現像剤を搬送供給
   する現像剤搬送回転部材と、該現像剤搬送回転部材の突
   出部を包囲し、かつ現像ケーシングの内部に連通してい
   て、現像剤交換用の現像剤流入口及び現像剤回収口をそ
   れぞれ設けた現像剤流出入用管状部と、トナー補給時に
   現像剤流入口をトナー補給口として、前記現像剤流出入
   用管状部にトナーを補給できるように、当該トナー補給
   口に対応する位置と、現像剤交換時に現像剤流入口を開
   放させる位置との各位置に変位できるように、前記現像
   ケーシングに対して移動可能に支持されたトナー容器と
   を具備することを特徴とする現像装置。