JP2515617B2 - エレベ―タ巻上機 - Google Patents

エレベ―タ巻上機

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JP2515617B2
JP2515617B2 JP2184096A JP18409690A JP2515617B2 JP 2515617 B2 JP2515617 B2 JP 2515617B2 JP 2184096 A JP2184096 A JP 2184096A JP 18409690 A JP18409690 A JP 18409690A JP 2515617 B2 JP2515617 B2 JP 2515617B2
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  • Cage And Drive Apparatuses For Elevators (AREA)
  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
  • Sealing Of Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はエレベータの巻上機に係り、特にブレーキラ
イニング部への減速機内油の飛散防止に好適な封油機構
を備えたエレベータ巻上機に関するものである。
[従来の技術] 第5図はエレベータの全体構成を示すもので、図にお
いて、(1)は昇降路、(2)は昇降路(1)上部の機
械室、(3)はエレベータの巻上機、(4)は巻上機
(3)の歯車減速機、(5)は歯車減速機(4)の低速
側となる出力軸、(6)は出力軸(5)に結合された綱
車、(7)は綱車(6)に掛け回されて両端が昇降路
(1)内に垂下する主索、(8)は主索(7)の一端に
連結されて吊下支持される乗かご、(9)は主索(7)
の他端に連結されて吊下支持されるつり合い錘で、乗か
ご(8)とつり合い錘(9)は主索(7)を介して綱車
(6)により摩擦駆動され、昇降路(1)内を相対的に
上下方向に移動する。
ところで、近年、省エネルギ化が進み、エレベータの
巻上機(3)を低慣性化するに際し、ブレーキ装置の小
形化を図るべくデイスク式ブレーキが採用される傾向に
ある。このデイスクブレーキは、一般に、歯車減速機の
高速側となる入力軸に設置される。
このため、歯車減速機の入力軸支承部の外側に設けら
れる減速機内油の封油機構とブレーキライニングが近接
し、油飛散の影響を請け易くなり、より完全な封油機構
が必要となってきた。
第6図は例えば特開平1−236189号公報に示されてい
る従来の減速機内油の封油機構を示す縦断面図で、図中
(10)は歯車減速機(4)のケース、(11)はケース
(10)のデイスクブレーキ取付側の入力軸支承部に挿着
された玉軸受、(12)は玉軸受(11)にて支承された入
力軸、(13)はケース(10)の入力軸貫通部の外側に複
数のねじ(14)で止着された環状のシールハウジング、
(15)はシールハウジング(13)の内周に挿着された弾
性体から成る封油シール、(16)は封油シール(15)の
リップ部(15a)を入力軸(12)側に押付けるリングば
ね、(17)は環状の封油シール(15)がシールハウジン
グ(13)内から脱落するのを防止する環状のシール押
え、(18)はシール押え(17)の外側にて入力軸(12)
に嵌着された弾性体から成る封油リング、(19)は下部
に切欠き形成した開口(19a)を有し、封油リング(1
8)を囲繞するカバーで、その入力軸(12)に垂直な内
向きフランジ部(19b)の内面に封油リング(18)のリ
ップ部(18a)が摺動するよう構成されており、カバー
(19)とシール押え(17)はシールハウジング(13)と
共にねじ(14)にてケース(10)に止着されるようにな
っている。なお、(20)は入力軸(12)の末端部に形成
したテーパ部(12a)に圧入され、更に入力軸(12)末
端のねじ部(12b)に螺合するナット部材(21)により
押圧固定されたデイスクプレートで、そのフランジ(20
a)を図示しない電動機の回転軸に取付けたフランジと
ねじによって締結することにより、入力軸(12)と電動
機の回転軸が連結接続されるようになっているととも
に、その周縁部(20b)を両側より図示しないブレーキ
ライニングで挾持することにより、入力軸(12)を制動
できるようになっている。
このようなものにおいて、歯車減速機(4)内の油
は、封油シール(15)で大部分は封油されるが、微量の
油が通過する。この通過した油は入力軸(12)を伝い、
封油リング(18)に達する。封油リング(18)に達した
油は、封油リング(18)が回転すると遠心力により飛散
し、カバー(19)の内側に付着し、カバー(19)の内面
を伝い下方へ流れ、カバー(19)の下部開口(19a)よ
り排油される。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、カバー(19)のフランジ部(19b)と
摺動するリップ部(18a)を備えた弾性体から成る封油
リング(18)にて封油シール(15)から漏れた微量の油
を封油するようにした従来のエレベータ巻上機にあって
は、封油リング(18)のリップ部(18a)に給油が無い
ため、摩擦熱により封油リング(18)が焼付くことがあ
るばかりでなく、長期には摺動部が摩耗し、封油シング
(18)である弾性体が劣化し、機能を果さなくなるとい
う難点があった。また、カバー(19)の排油口となる下
部開口(19a)は、カバー(19)に単に切欠いて設けら
れているため、封油リング(18)の回転により飛散する
油が下部開口(19a)より直接飛び出してブレーキライ
ニング部に影響を与えることがあった。
本発明は以上の点に鑑み、封油リングの長寿命化が図
れ、ブレーキライニング部への減速機内油の飛散を確実
に防止することのできるエレベータ巻上機を得ることを
目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明に係るエレベータ巻上機は、接触形の封油シー
ルとデイスクブレーキとの間に、入力軸に嵌着し、かつ
減速機ケースに固定したドレン付室内にてこのドレン付
室とは非接触状態で回動する封油リングを設けたもので
ある。
[作用] 本発明においては、歯車減速機の高速側となる入力軸
の支承部の外側にて減速機内油を密封する方式に、接触
形の封油シールと非接触形の封油リングからなる2方式
を採用し、給油が無い外側に入力軸に嵌着して回動する
非接触形の封油リングを配置し、この封油リングを、減
速機ケースに固定したドレン付室で覆うようにしている
ので、摩擦による封油リングの焼付きや摩耗が無く、そ
の寿命を延ばすことができる。このため、経年変化によ
り接触形の封油シールが劣化して、封油シール部分から
油洩れが発生することがあっても、その外側の封油リン
グにより確実に封油することができる。また、室内にて
飛散する油は室内で確実に捕獲され、ドレンを通して排
油されるので、飛散油によるブレーキライニング部への
影響を無くすることができる。
[実施例] 以下、図示実施例に基づき本発明を説明する。
第1図乃至第3図は本発明の一実施例に係るエレベータ
巻上機を示すもので、第1図は巻上機の全体構成を示す
平面図、第2図はその側面図、第3図はその要部である
減速機内油の封油機構を拡大して示す縦断面図であり、
図中従来に相当する部分には同一符号を付し、その詳細
な説明は省略する。第1,2図において、(30)は電動機
で、その回転軸(30a)は、フランジ(31a)を有する継
手部材(31)及びボルト・ナット(32),(38)を介し
て入力軸(12)側のデイスクプレート(20)と連結接続
されている。(34)はデイスクプレート(20)の周縁部
(20b)を両側より挾み付けるブレーキライニング(35
a),(35b)を備えたプレート制動装置で、中央部を巻
上機本体にピン(36a),(36b)により枢着されるとと
もに、一端にブレーキライニング(35a),(35b)が取
付けられた一対のデイスク挾持部材(37a),(37b)
と、巻上機本体の挾持部材他端側部位に挾持部材直交方
向へ穿設した孔(38a),(38b)を貫通し、一端が挾持
部材(37a),(37b)の他端にそれぞれ結合された一対
のロッド(39a),(39b)と、各ロッド(39a),(39
b)の他端に取付けたばね座部材(40a),(40b)と巻
上機本体との間にそれぞれ張設され、挾持部材(37
a),(37b)を、その先端が常時デイスクプレート(2
0)の周縁部(20b)を挾み付ける方向に付勢する押圧ば
ね(41a),(41b)と、エレベータの走行時、押圧ばね
(41a),(41b)のばね力に抗して挾持部材(37a),
(37b)をデイスクプレート(20)から引離す電磁マグ
ネット(42)とから構成されている。
しかして、減速機内油の封油機構は、第3図に示すよ
うに、封油シール(15)とデイスクプレート(20)との
間に、入力軸(12)に嵌着し、かつ減速機ケース(10)
に固定したカバーから成る室(50)内にて室(50)とは
非接触で回転する断面矩形状の弾性体から成る封油リン
グ(51)を設けるとともに、室(50)の下部に、所定の
幅と深さを持ちかつ下方へ延びる溝から成るドレン(50
a)を形成して、従来のような摩擦による封油リングの
焼付きや摩耗が発生しないように、また室(50)内で飛
散した油を確実に捕獲できるようにした点に特徴を有
し、それ以外の構成は従来と同様である。
上述した構成を有する本実施例のエレベータ巻上機に
おいて、歯車減速機(4)内の油は、封油シール(15)
で大部分は封油されるが、微量の油が通過する。この通
過した油は入力軸(12)を伝い、室(50)内の封油リン
グ(51)に達する。封油リング(51)に達した油は、封
油リング(51)が回転すると遠心力により飛散し、室
(50)の内側に付着し、室(50)の内面を伝い下方へ流
れて室(50)の下部に溜まり、ドレン(50a)より排油
される。
このように、本実施例のエレベータ巻上機は、封油リ
ング(51)と室(50)との摩擦が無く、封油リング(5
1)の寿命を延ばすことができる。また、室(50)内に
て飛散する油は室(50)内で確実に捕獲され、ドレン
(50a)を通して排油されるので、飛散油によるブレー
キライニング部への影響を無くすることができる。
第4図は減速機内油の封油機構の他の実施例を示す縦
断面図である。この実施例のものは、環状の封油シール
(15)のシールハウジング(13)内からの脱落を防止で
きる内孔(60a)を有するリング状部材から室(60)を
形成して、シール押え(17)を不要とするとともに、室
(60)の内孔(60a)内に位置させて内孔(60a)とは非
接触となるよう入力軸(12)に嵌着させる封油リング
(61)を、テーパ付金属製リングから形成して、テーパ
先端の縮径されたエッジ(61a)にて油を切り易くして
飛散効果を向上させ、更に封油リング(61)の内周にO
リング(62)を装着することによりシール効果を高め、
封油リング(61)の回転により飛散して室(60)の内側
に付着し、下方へ流れる油を、室(60)の下部に形成し
たドレン(60b)より排油するようにした点が前述した
実施例のものと異なっている。
この実施例においては、封油リング(61)がテーパ付
金属製リングから形成されているので、油を切り飛散さ
せるエッジ(61a)が鋭くなり、飛散効果を高めること
ができるとともに、耐久性が向上するという利点があ
る。また、封油シール(15)の脱落防止機能を備えた室
(60)は部品点数の削減に寄与する。
なお、上述した各実施例では封油リングを断面矩形状
の断面体やテーパ付金属製リングから形成して油を切る
エッジを鋭くしたものを示したが、油を切るエッジを鋭
く形成できるものであれば、封油リングを例えば硬質の
合成樹脂等の他の材質から構成しても良く、このような
場合でも上述各実施例同様の作用効果を奏する。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明によれば、歯車減速機の高
速側となる入力軸の支承部の外側にて減速機内油を密封
する方式に、接触形の封油シールと非接触形の封油リン
グからなる2方式を採用し、給油が無い外側に入力軸に
嵌着して回動する非接触形の封油リングを配置し、この
封油リングを、減速機ケースに固定したドレン付室で覆
うようにしたので、摩擦による封油リングの焼付きや摩
耗を無くすることができて、その寿命を延ばすことがで
きる。このため、経年変化により接触形の封油シールが
劣化して、封油シール部分から油洩れは発生することが
あっても、その外側の封油リングにより確実に封油する
ことができる。また室内にて飛散する油を室内で確実に
捕獲することができて飛散油によるブレーキライニング
部への影響を無くすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係るエレベータ巻上機の全
体構成を示す平面図、第2図はその側面図、第3図はそ
の要部を拡大して示す縦断面図、第4図は本発明の他の
実施例に係るエレベータ巻上機の要部を拡大して示す第
3図相当図、第5図はエレベータの全体構成を示す正面
図、第6図は従来のエレベータ巻上機の要部を拡大して
示す第3図相当図である。 図において、(3)は巻上機、(4)は歯車減速機、
(5)は出力軸、(6)は綱車、(7)は主索、(8)
は乗かご、(9)はつり合い錘、(10)はケース、(1
1)は玉軸受(入力軸支承部)、(12)は入力軸、(1
5)は封油シール、(20)はデイスクプレート、(30)
は電動機、(34)はプレート制動装置、(35a),(35
b)はブレーキライニング、(42)は電磁マグネット、
(50)、(60)は室、(50a),(50a)はドレン、(6
1),(51)は封油リングである。 なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乗かごとつり合い錘を主索を介して摩擦駆
    動する綱車を歯車減速機の低速側となる出力軸と結合す
    るとともに、歯車減速機の高速側となる入力軸に電動
    機、デイスクブレーキを配し、かつ歯車減速機の入力軸
    支承部の外側に減速機内油を密封するための接触形の封
    油シールを設けて成るエレベータ巻上機において、 上記封油シールとデイスクブレーキとの間に、上記入力
    軸に嵌着し、かつ減速機ケースに固定したドレン付室内
    にて該ドレン付室とは非接触状態で回動する封油リング
    を設けたことを特徴とするエレベータ巻上機。
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