JP2515045B2 - 藺草検査装置 - Google Patents

藺草検査装置

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JP2515045B2 JP2183470A JP18347090A JP2515045B2 JP 2515045 B2 JP2515045 B2 JP 2515045B2 JP 2183470 A JP2183470 A JP 2183470A JP 18347090 A JP18347090 A JP 18347090A JP 2515045 B2 JP2515045 B2 JP 2515045B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、藺草を撮像した画像情報から藺草のみに対
応する領域を抽出する画像処理手段と、抽出された領域
の情報に基づいて撮像された藺草の良否を判別する良否
判別手段とを備えた藺草検査装置に関する。
〔従来の技術〕
例えば、藺草に裂けの不良がある場合には、裂けの発
生した箇所が他の部分より脹らんで藺草の太さが太くな
ったように見える。
そこで、従来では、撮像画像情報を明るさに基づいて
2値化して藺草に対応する領域を抽出し、抽出した領域
の幅が設定値以上ある場合には裂けの不良があると判別
させるようにしていた(本出願人が先に提案した特願平
1−257575号参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、藺草の太さにはばらつきがあり、又、
根本側と先端側とでは太さが異なることから、藺草に対
応する領域の幅の値に基づいて裂けの有無を判別させる
と、検査が不正確になる虞れがある。藺草に対応する領
域の幅に基づいて正確な検査を行うためには、藺草の太
さに応じて設定値の値を変更する必要があり、面倒であ
る。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、
その目的は、藺草の裂けの不良を的確に検出できるよう
にすることにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明による藺草検査装置は、単品の藺草を撮像した
画像情報から藺草のみに対応する領域を抽出する画像処
理手段と、抽出された領域の情報に基づいて撮像された
藺草の良否を判別する良否判別手段とを備えたものであ
って、その特徴構成は以下の通りである。
第1の特徴構成は、前記画像処理手段は、前記画像情
報をその明るさに基づいて2値化することにより前記領
域を抽出するように構成され、前記良否判別手段は、前
記領域において同一走査方向に連続して存在する画素の
ランレングス情報に基づいて藺草の良否を判別するよう
に構成されている点にある。
第2の特徴構成は、前記藺草の稈身方向と前記画像情
報の走査方向とがほぼ直交するように設定してある点に
ある。
第3の特徴構成は、前記良否判別手段は、前記同一走
査方向に連続して存在する画素の終点座標を結ぶ線に湾
曲がある場合に不良であると判別するように構成されて
いる点にある。
第4の特徴構成は、前記良否判別手段は、前記同一走
査方向に連続して存在する画素のランの個数が複数個あ
る場合には不良と判別するように構成されている点にあ
る。
第5の特徴構成は、前記良否判別手段は、前記藺草の
長手方向に沿う方向に向けて走査して、前記領域に属す
る画素のランレングス情報を求めるように構成されてい
る点にある。
〔作 用〕
第12図に示すように、単品の藺草を撮像した画像情報
をその明るさに基づいて2値化して藺草に対応する領域
(I0)を抽出して、例えば、藺草の幅方向に沿うx座標
方向に走査して、抽出した領域(I0)内に連続して存在
する画素のランレングス情報を求め、例えば、連続して
存在する画素の終点座標(第12図中、×印で示す)の並
びに着目すると、裂けの不良がない場合には図中右側に
示すように、終点座標が藺草の長手方向に沿って略一直
線上に並ぶ状態となるが、裂けの不良がある場合には図
中左側に示すように、裂けのある部分で藺草の側縁が外
側に脹らむために、終点座標の並びが湾曲することにな
る。
又、裂けの不良がない場合には、ランの個数は一個と
なるが、裂けの不良がある場合にはその裂けた部分に孔
があいたような画像となるために、複数個のランが存在
する状態となる。
つまり、第1の特徴構成で示すように、ランレングス
の情報を利用して、単品の藺草の良否判別を行うことが
できるのである。そして、ランレングスの情報に基づく
良否の判断は、藺草の太さには影響されないことから、
正確に藺草の良否を判別できる。
また、第2の特徴構成で示すように、単品の藺草を画
像情報の走査方向とほぼ直交させる状態で、ランレング
ス情報に基づく藺草良否の判断を行うようにすると、藺
草の幅に対応するランレングス情報を多数得ることがで
きるものとなり、そのランレングス情報の比較やその情
報に基づく藺草の良否の判断が容易なものにできるとと
もに、藺草の長手方向が幾分前記走査方向に対して傾い
ても良品の場合は藺草の幅方向のランレングス情報がほ
ぼ一定になるものである。
尚、ランレングスの情報としては、第3の特徴構成で
示すように、ランの終点座標の並びの湾曲の有無の情報
や、第4の特徴構成で示すように、ランの個数の情報を
用いることができる。
ところで、第12図に示すように、藺草の領域(I0)が
y座標方向に沿って画面を上下に貫通する状態で存在し
ている画像情報を、藺草の幅方向に沿うx座標方向に向
けて走査すると、y座標方向に並ぶ一画面分全部の画素
を走査する状態となるため、処理する情報量が多くなる
不利がある。
そこで、第5の特徴構成で示すように、単品の藺草の
長手方向に沿って走査させるようにすると、走査幅は、
画面の幅よりも狭い藺草に対応する領域(I0)の最大幅
内となり、藺草の幅方向に沿って走査させる場合より
も、処理情報量を削減できる(第13図参照)。
〔発明の効果〕
もって、第1の特徴構成では、ランレングスの情報を
利用して、単品の藺草の良否判別を的確に行えるに至っ
た。
又、第2の特徴構成で示すように、藺草の長手方向を
画像情報に対する走査方向とほぼ直交するようにして画
像情報を得るものにおいては、その藺草領域の幅情報の
みをランレングズ情報をして幅の変化を検出したりラン
の個数を幅方向で得ることができ、画像情報を得るとき
に走査と直交する方向より藺草が多少傾いても良好にラ
ンレングス情報を検出できることになる。
尚、ランレングスの情報としては、第3の特徴構成で
示すように、ランの終点座標の並びの湾曲の有無や、第
4の特徴構成で示すように、ランの個数を用いることが
できる。
又、第5の特徴構成では、処理情報量を削減できるの
で、良否判別に要する処理時間の短縮を図ることができ
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第6図に示すように、藺草検査装置は、藺草供給部
(A)、藺草搬送部(B)、検査部(C)、及び、藺草
格納部(D)とからなる。そして、藺草供給部(A)か
ら供給され、藺草搬送部(B)で長手方向に沿って藺草
格納部(D)に向けて一本毎に搬送される藺草を、その
搬送経路上の検査部(C)で横方向からクローズアップ
する状態で撮像したカラー画像情報に基づいて、色むら
の有無と折れや割れ等の形状の不良の有無とを自動的に
検査して、不良品と良品とに仕分けて前記藺草格納部
(D)に格納させるように構成されている。
前記藺草供給部(A)は、逆三角形状のホッパ(1)
の底部を狭めて形成された案内経路(1a)と、その案内
経路(1a)の近傍に設けられた上下一対の繰り出しロー
ラ(2),(3)とからなる。つまり、前記ホッパ
(1)に集積された藺草が一本づつ前記案内経路(1a)
に案内されて前記繰り出しローラ(2),(3)の間に
挟まれ、その繰り出しローラ(2),(3)の回転に伴
って間に挟まれた藺草が、その長手方向に沿う方向に配
置されている前記藺草搬送部(B)に向けて繰り出され
るようになっているのである。
前記藺草搬送部(B)は、前記繰り出しローラ
(2),(3)の送り出し側に設けられるエジェクタ式
のエアー吹き出しパイプ(4)と、それに圧縮空気を供
給するエアーポンプ(5)とを備え、前記繰り出しロー
ラ(2),(3)によって繰り出された藺草が、前記エ
アーポンプ(5)から供給された圧縮空気が前記エアー
吹き出しパイプ(4)から吹き出される際に生じる吸引
力によって、その入口に吸い込まれるようになってい
る。吸い込まれた藺草は、前記エアー吹き出しパイプ
(4)の内部を通って空気と共に反対側から前記検査部
(C)に向けて吹き出されることになる。
前記検査部(C)は、前記藺草搬送部(B)から送出
されて前記藺草格納部(D)に向けて搬送される藺草を
設定光量で照明する照明手段としてのストロボ発光装置
(6)と、撮像時に藺草の背景となる黒板(7)と、前
記ストロボ発光装置(6)によって照明される藺草を前
記黒板(7)を背景として撮像する撮像手段としてのカ
ラー式ビデオカメラ(8)と、この検査部(C)に藺草
が搬送されているか否かを検出して前記ビデオカメラ
(8)による撮像処理を起動するための光遮断式の近接
センサ(9)と、そのビデオカメラ(8)の撮像画像を
処理して藺草の良否を判別すると共に、各部の作動を制
御する画像処理装置(10)とが設けられている。
但し、一台のカメラ(8)で藺草の表裏両面の画像情
報を同時に得られるようにするために、前記ビデオカメ
ラ(8)の撮像視野内を通過する藺草の背面側となる箇
所に反射鏡(11)を配置して、前記ビデオカメラ(8)
の撮像画像の一画面を上下二分割して、藺草の表裏両方
から見た画像を同時に撮像できるようにしてある。
尚、詳しくは後述するが、前記一画面内の藺草の表裏
夫々の画像は、前記ビデオカメラ(8)の撮像画像から
設定範囲の画像情報を一画面毎に抽出する画像抽出手段
としてのウインドウ(W)の複数個を設定して、各ウイ
ンドウ(W)内の画像情報を一画面分の撮像情報から各
別に分離抽出できるようにしてある。但し、後述の如
く、前記ウインドウ(W)は一画面内に最大四個を設定
可能に構成されているが、本実施例では、第8図にも示
すように、画面を上下二分割した状態の二個のウインド
ウ(W)を設定して、一画面の上半分に藺草の表側を撮
像した画像が得られ、そして、下半分に藺草の裏面を撮
像した画像が同時に得られるようにしてある。
又、前記ビデオカメラ(8)は、藺草をクローズアッ
プする状態で横方向から撮像するように設置してあるた
め、第8図にも示すように、一回の撮像処理で撮像可能
な一画面内には、藺草一本分の画像全部を撮像できない
状態となる。そこで、藺草一本をその長手方向に沿って
複数画面に分割して撮像させるようにしてある。ちなみ
に、前記一画面内に撮像される藺草の長さは約10cmに設
定してある。
ところで、藺草は、その全体が製品として利用される
ものではなく、根本側と先端部分とを斬り捨てた残りの
中間部分を、例えば、畳表等に加工するための製品とし
て扱うことになる。従って、根本側から前記設定長さ
(X)となる箇所から先端に向けて設定長さ(Y)とな
る範囲に不良がなければ良品として扱ってよいことにな
る。
そこで、前記近接センサ(9)の情報に基づいて、一
本分の藺草を根本側から先端側に向けて連続する24個の
複数画面に分割する状態で撮像して、前記根本側から前
記設定長さ(X)となる範囲を撮像した画面(第8図中
に示す画像1から画像3までの三枚分)の情報と、その
画面以降で前記設定長さ(Y)の範囲外となる先端側を
撮像した画面の情報とは、検査対象から除外するように
してある。つまり、藺草一本分の画像を、検査対象とな
る設定長さ(Y)分の画面数分だけ連続して撮像した複
数画面の画像を順番に取り込んで、それら複数画面の画
像情報を連続した一画面の情報として扱うことができる
ようにしているのである。
第6図に示すように、前記藺草格納部(D)は、検査
に不合格になった藺草を収納する不良品コンテナ(12)
と、検査に合格した藺草を格納する良品コンテナ(13)
との二層構造になっている。そして、入口部分に、前記
不良品コンテナ(12)と前記良品コンテナ(13)との入
口を選択的に開放する仕切り板(14)が設けられてい
る。尚、この仕切り板(14)は、前記画像処理装置(1
0)による検査結果に基づいて自動的に切り換え操作さ
れることになる。又、前記仕切り板(14)の搬送手前側
箇所には藺草が格納されたか否かを検出するための光遮
断式の近接センサ(15)が設けられている。
第1図に示すように、前記画像処理装置(10)は、前
記ビデオカメラ(8)から出力されるカラー画像情報と
してのカラービデオ信号を色情報としての光の三原色に
対応する赤、緑、青の三つの色信号(R),(G),
(B)と明るさ情報としての輝度信号(Y)とに分離す
るNTSCデコーダ(16)と、それから出力される前記各色
信号(R),(G),(B)に基づいて藺草の色むらの
存否を検査するために入力画像の色に関する特徴抽出の
処理を実行する特徴色抽出手段としての色演算部(17)
と、前記各ウインドウ(W)内の輝度信号(Y)のレベ
ルを量子化して連続した複数画面の明るさ情報を連続し
た一枚の画面における明るさ情報として記憶する記憶手
段としてのウインドウ部(18)と、このウインドウ部
(18)に記憶された輝度信号(Y)に基づいて藺草の形
状に関する特徴としての折れの存否を検査するために明
るさの微分処理を実行する第1の特徴形状抽出手段とし
ての微分処理部(19)と、前記輝度信号(Y)に基づい
て藺草の形状に関する特徴としての割れの存否を検査す
るために形状に関する特徴としてのランレングス情報を
求める処理を実行する第2の特徴形状抽出部を構成する
と共に各部を制御する制御手段を構成する制御部(20)
と、各部での処理状況や処理結果をディスプレイ(22)
に表示するための処理を実行する画像表示部(21)とか
らなる。
つまり、前記制御部(20)を利用して、画像情報をそ
の明るさに基づいて2値化することにより、藺草を撮像
した画像情報から藺草のみに対応する領域(I0)を抽出
する画像処理手段(100)と、抽出された領域(I0)の
情報に基づいて撮像された藺草の良否を判別する良否判
別手段(101)とが構成されているのである。
但し、前記各部は、独立して同時に並行して処理を実
行可能に構成され、且つ、前記ウインドウ部(18)は、
各部に共通のデータバスを介して記憶情報を各部に同時
に且つ並列的に転送できるように構成されている。
検査行程の概略について説明すれば、前記藺草供給部
(A)から一本づつ長手方向に沿って搬送される藺草
を、前記ビデオカメラ(8)でクローズアップして横側
方から複数画面に分割される状態で撮像するようになっ
ている。そして、藺草の色むらの検査は、前記ビデオカ
メラ(8)からの撮像情報の入力に同期して実時間処理
で行わせ、且つ、藺草の折れや裂け等の形状の良否の検
査は、一旦、記憶した輝度情報(Y)に基づいて異なる
形状の良否検査を同時並行的に行わせるようになってい
る。但し、藺草が前記藺草供給部(A)から前記藺草格
納部(D)の入口に到着するまでに藺草一本に対する全
検査を完了して、その良否判別結果に応じて前記仕切り
板(15)を切り換えることにより、良品と不良品とが自
動的に仕分けされるようにしているのである。
次に、各部の構成について説明する。
第2図乃至第4図に示すように、前記色演算部(17)
は、前記NTSCデコーダ(15)から出力されるアナログ信
号の三つの色信号(R),(G),(B)の夫々を同時
並列的に量子化する量子化手段としての三つのA/D変換
器(23)と、それらA/D変換器(23)で量子化された色
信号間で演算処理を施して、藺草に対応する領域(I0
(第10図参照)を抽出するための演算部(24)と、その
演算結果と設定閾値とを比較することにより色むらのあ
る領域(I1)(第10図参照)を2値化画像情報として抽
出する比較部(25)とを備え、もって、量子化された色
信号の一画素毎に色むらの存否を判断して、その結果を
2値化した画像情報として出力するように構成されてい
る。
前記色むらの有無に対応する2値化画像情報(Si)
は、詳しくは後述するが、処理画像データが前記各ウイ
ンドウ(W)内にあるか否かを識別するために、前記ウ
インドウ部(18)から出力される四つのウインドウ信号
(Sw)の夫々と比較され、各ウインドウ内における処理
開始時点からの累積色むら個数を色むらレジスタ(26)
によって計数するようになっている。
但し、量子化した色情報を記憶することもできるよう
にするために、三つの色信号用メモリ(27)と、前記演
算部(24)の演算結果を記憶するためのメモリ(28)
と、2値化画像情報を記憶するためのメモリ(29)とが
設けられている。尚、第2図中、(30)は前記三つの色
信号(R),(G),(B)の間で除算を行う際に、直
接的に除算処理を行うと実時間処理が困難になることか
ら、予め除算処理を行った結果(各色信号のレベル比に
対応する値となる)を記憶させたルックアップテーブル
用のメモリである。又、各図中において(31)は入出力
バッファである。
第5図に示すように、前記ウインドウ部(18)は、前
記色信号を量子化するA/D変換器(23)と同様の構成に
なる前記輝度信号(Y)の量子化用のA/D変換器(23)
と、量子化された輝度信号(Y)を記憶する記憶手段と
しての四つのウインドウメモリ(32)と、フレームメモ
リのアドレス情報と前記各ウインドウ(W)(第8図参
照)の画面上の位置を示すアドレス情報とに基づいて、
入力される画像情報が前記ウインドウ(W)内にあるか
否かを識別するための四つのウインドウ信号(Sw)の夫
々を生成するための四組のコンパレータ(33)及びカウ
ンタ(34)を備えている。
尚、前記四つのウインドウ信号(Sw)は、前記ウイン
ドウ(W)内における色むらの情報を2値化した画像情
報(Si)として抽出するための情報として用いるよう
に、前記色演算部(17)における各ウインドウ用の色む
らレジスタ(26)(第4図参照)に入力されている。
従って、前記色むらレジスタ(26)では、前記ウイン
ドウ信号(Sw)と前記色演算部(17)において色むら領
域(I1)に対応する2値化画像の情報(Si)として出力
されるデータとの論理積を各ウインドウ毎の一画素毎に
求めた論理積が“1"となる個数を、前記各ウインドウ
(W)内において色むらがある画素が処理開始時点から
累積して存在する個数として計数することになる。
つまり、入力される画像情報の形状に関する藺草に対
応する領域を特定することなく、入力される一画素毎の
色が色むらがある場合に対応する設定色範囲の色である
か否かだけの処理を撮像画像の入力に同期して一画素毎
に実行させて、色むらがあった場合の処理開始時点から
の累積画素数となる前記色むらレジスタ(26)のカウン
ト数が設定閾値より大になるに伴って、検査対象の藺草
は色むらがある不良品であったと判断させるようにして
いるのである。
次に、第7図に示すフローチャートに基づいて、前記
画像処理装置(10)の動作について説明する。
制御作動が起動されると、先ず、前記ビデオカメラ
(8)の撮像画面の何れの領域の情報を入力するかを、
前述の如く、ウインドウ(W)(第8図参照)として設
定する。各ウインドウ(W)内の画像情報は、ウインド
ウ毎に複数画面の画像情報を連続した一つの画面の画像
情報として扱えるようにするために、藺草の長手方向に
沿って連続したアドレスを付与される状態で前記ウイン
ドウメモリ(32)の夫々に記憶されることになる(第9
図参照)。
前記ウインドウ(W)の設定が完了すると、前記近接
センサ(9)の情報に基づいて藺草の供給開始か否かを
判別し、供給開始である場合には、前記ビデオカメラ
(8)の撮像画像の取り込みを開始して、一画面分の画
像取り込みが終了するまで待機する。但し、この画像取
り込みの処理を行っている間に、前記色演算部(17)で
は、色むらのある画素の有無を検出し、且つ、検出した
色むらのある画素の個数を計数することになる。
一画面分の画像取り込みが終了すると、取り込んだ画
面番号に基づいて検査範囲か否かを判別し、検査範囲で
ない場合には、前記画像の取り込みの処理を繰り返すこ
とになる。
取り込んだ画像が検査範囲である場合には、色むらの
存否を判別するために、前記色演算部(17)の色むらレ
ジスタ(26)の値を読み込んで、その値(色むら個数)
が設定閾値を越えているか否かを判別する。
色むら個数が設定閾値を越えている場合には色むら有
りと判断して、検査対象となっている藺草を前記不良品
コンテナ(12)に収納するように前記仕切り板(14)を
切り換えることになる。
尚、色むら不良を検出した場合には、以降の形状不良
の検査を中止して、次の藺草の検査を行うようにしてあ
る。
前記色むら個数が設定閾値を越えていない場合には、
取り込んだ画面には色むら不良がなかったと判断して、
藺草一本分に対応する設定画面数分の画像を取り込んだ
か否かを判断して、藺草一本分に対応する設定画面数分
に達するまで、画像の取り込み処理以降の各処理を繰り
返すことになる。
尚、一画面分の画像取り込みの処理開始時点から藺草
一本分の画像を取り込んだか否かを判別するまでに要す
る処理時間は、前記ビデオカメラ(8)による撮像周期
(1/60秒)内に完了するようになっている。
取り込んだ画像が藺草一本分に達した場合には、色む
らがなかったと判断して、次の形状不良の検査に移行す
ることになる。
但し、この形状不良の検査では、折れ検出と裂け検出
の二種類の不良検査を同時に並行して行うようにしてい
る。
すなわち、前記ウインドウメモリ(31)に記憶した藺
草一本分の連続したアドレスを付された明るさ情報とし
ての輝度信号(Y)を、前記微分処理部(19)と、前記
制御部(20)の両方に同時に並行して転送することによ
り、折れ検出処理と裂け検出処理とを同時に並行して実
行させるようにしているのである。
先ず、折れ検出について説明する。
前記微分処理部(19)では、転送された画像情報を隣
接する画素間の明るさの差等に基づいて微分処理し、明
るさ変化が設定閾値より大なる部分があるか否かに基づ
いて折れの有無を判別するようにしている。
説明を加えれば、第11図にも示すように、藺草を照明
すると、折れがある場合には藺草の表面に陰影ができる
が、折れがない場合には陰影がほとんど生じない。従っ
て、藺草の長手方向に沿って明るさの微分値を求めれ
ば、陰影ができた箇所つまり折れのある箇所では、その
微分値が周囲の折れがない箇所よりも大きくなる。
そこで、藺草長手方向に沿って明るさの微分値を求め
て、求めた値が設定閾値より大であるものが存在する
と、折れの不良があると判別させるようにしているので
ある。
尚、折れ不良を検出した場合には、前述の色むら不良
の場合と同様に、検査した藺草を前記不良品コンテナ
(12)に収納させるように前記仕切り板(14)を切り換
えると共に、以後の処理を中止して、次の藺草の検査を
開始することになる。
但し、この折れ検出は、藺草の表裏両面に亘って行う
ようにしてある。つまり、前記藺草をその表裏両面から
同時に撮像した画像を、前記ウインドウ(W)の二個に
振り分けることにより各別に取り込んだのち、各ウイン
ドウ毎に折れ検出を実行させるようにしてある。そし
て、表裏いずれか一方に折れを検出すると不良品として
扱うことになる。
次に、裂け検出について説明する。
第12図に示すように、藺草を、その明るさに対応する
前記輝度情報(Y)を設定閾値で2値化した画像として
見ると、裂けの不良があると、その裂けた箇所で横幅が
太くなったり、裂けた箇所に孔があいた状態の画像とな
る。
この裂けの検出を、本実施例では2値化画像のランレ
ングスの情報を利用して行うようにしている。つまり、
前記ウインドウメモリ(31)に記憶されている画像情報
を2値化してその画像上を藺草の横幅方向に沿って走査
して、前記藺草に対応する領域(I0)のランレングスを
求め、求めたランの終点座標(第12図中、×印で示す)
の並びの凹凸の大小に基づいて裂けの有無を判別させる
ようにしてある。
説明を加えれば、裂けがない場合には藺草が略直線状
に見えるために、求めたランの終点座標は藺草の長手方
向に沿って略一直線上に並ぶことになるが、裂けがある
場合には、その裂けた箇所で藺草がその横幅方向におい
て外側に脹らむために、求めたランの並びが湾曲するこ
とになる。この湾曲の程度は、求めたランの終点座標の
値の偏差等に基づいて判断することができる。つまり、
求めたランの終点座標の値の偏差が設定範囲内にない場
合には、裂けがあると判断させることができるのであ
る。
裂けの不良を検出すると、折れの検出の場合と同様に
して、不良品として処理することになる。尚、裂けがな
かった場合には、前記折れの検出処理に分岐して、折れ
の検出処理が完了するまで待つことになる。
前記色むら、折れ、裂けの何れの不良も検出しなかっ
た場合には、良品として前記良品コンテナ(12)に収納
して、一本の藺草に対する良否検査を終了することにな
る。
〔別実施例〕
上記実施例では、裂けの検出を、求めたランの終点座
標の並びが湾曲しているか否かに基づいて行うようにし
た場合を例示したが、例えば、第12図にも示すように、
裂けがない場合には藺草に対応する領域(I0)は画面中
に一つしかないことからランの個数は一個となるが、裂
けがある場合には、その裂けた箇所で前記領域(I0)に
孔があいた状態となるためにランの個数が二個以上存在
する状態となる。
そこで、裂けの検出をランが複数個あるか否かに基づ
いて行わせるようにしてもよい。
又、上記実施例では、藺草の幅方向に沿って走査して
ランレングスを求めるようにした場合、つまり藺草の長
手方向を走査方向に対してほぼ直交するように設定して
ランレングスを求める場合を例示したが、第13図に示す
ように、藺草の長手方向に沿って走査して求めさせるよ
うにしてもよい。
説明を加えれば、藺草の横幅方向に沿って走査する
と、藺草の長さは一画面からはみ出すために複数画面に
分割して撮像していることからも、藺草の長手方向は一
画面一杯に撮像される状態となる。従って、藺草の横幅
方向に走査すると、藺草の長手方向に沿って一画面全体
に亘って走査する状態となり、処理情報量が多くなる
が、藺草の長手方向に沿って走査させるようにすると、
藺草の横幅は画面幅よりも狭いことから、藺草の幅に相
当する範囲だけ走査すればよいことになり、処理情報量
を削減できる。但し、分割した画面毎に検査してもよい
が、上記実施例におけるウインドウメモリ(32)には藺
草一本分の画像情報が時系列的に連続する情報として記
憶されているので、藺草の長手方向に沿って走査する場
合には、藺草一本分について連続して走査させることも
できる。
又、上記実施例では、画像抽出手段としてのウインド
ウ(W)を、一画面を上下方向に二分割することにより
設定するようにした場合を例示したが、画面上の任意の
範囲の画像情報を抽出できるように、任意の大きさで設
定できるようにしてもよい。又、三個以上のウインドウ
(W)を設定できるようにしてもよく、ウインドウ
(W)の形態や個数の具体構成は各種変更できる。
又、上記実施例では、一台のカメラ(8)で反射鏡
(11)とウインドウ(W)とを利用して藺草を異なる方
向から見た画像を同時に得られるようにした場合を例示
したが、複数台のカメラを用いるようにしてもよい。
又、上記実施例では、色むらと折れと裂けの三種類の
検査を行うようにした場合を例示したが、裂けの検出の
みに簡素化したり、更に多数の検査を行うようにしても
よく、各部の具体構成は各種変更できる。
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする
為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構
造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明に係る藺草検査装置の実施例を示し、第1
図は画像処理装置のブロック図、第2図乃至第4図は色
演算部のブロック図、第5図はウインドウ部のブロック
図、第6図は藺草検査装置の概略構成を示す説明図、第
7図は検査処理のフローチャート、第8図は画面分割の
説明図、第9図はウインドウメモリの記憶情報の説明
図、第10図は色むらの説明図、第11図は折れ検出の説明
図、第12図は裂け検出の説明図である。第13図は別実施
例における裂け検出の説明図である。 (I0)……領域、(100)……画像処理手段、(101)…
…良否判別手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−296145(JP,A) 特開 平1−189549(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単品の藺草を撮像した画像情報から藺草の
    みに対応する領域(I0)を抽出する画像処理手段(10
    0)と、抽出された領域(I0)の情報に基づいて撮像さ
    れた藺草の良否を判別する良否判別手段(101)とを備
    えた藺草検査装置であって、前記画像処理手段(100)
    は、前記画像情報をその明るさに基づいて2値化するこ
    とにより前記領域(I0)を抽出するように構成され、前
    記良否判別手段(101)は、前記領域(I0)において同
    一走査方向に連続して存在する画素のランレングス情報
    に基づいて藺草の良否を判別するように構成されている
    藺草検査装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の藺草検査装置であって、前
    記藺草の稈身方向と前記画像情報の走査方向とがほぼ直
    交するように設定してある藺草検出装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の藺草検査装置であって、前
    記良否判別手段(101)は、前記同一走査方向に連続し
    て存在する画素の終点座標を結ぶ線に湾曲がある場合に
    不良であると判別するように構成されている藺草検査装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の藺草検査装置であって、前
    記良否判別手段(101)は、前記同一走査方向に連続し
    て存在する画素のランの個数が複数個ある場合には不良
    と判別するように構成されている藺草検査装置。
  5. 【請求項5】請求項1、3及び4の何れか一つに記載の
    藺草検査装置であって、前記良否判別手段(101)は、
    前記藺草の長手方向に沿う方向に向けて走査して、前記
    領域(I0)に属する画素のランレングス情報を求めるよ
    うに構成されている藺草検査装置。
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