JP2514420B2 - レ―ザ光源の周波数安定化装置 - Google Patents

レ―ザ光源の周波数安定化装置

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JP2514420B2 JP2875689A JP2875689A JP2514420B2 JP 2514420 B2 JP2514420 B2 JP 2514420B2 JP 2875689 A JP2875689 A JP 2875689A JP 2875689 A JP2875689 A JP 2875689A JP 2514420 B2 JP2514420 B2 JP 2514420B2
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【発明の詳細な説明】 (発明の技術分野) 本発明は、レーザ光源の発振周波数を安定化するため
の装置に係わり、特に光共振器の共振周波数を基準とし
て安定化するレーザ光源の周波数安定化装置に関する。
(従来技術) 光共振器の共振周波数を基準としてレーザ光源の発振
周波数を安定化する装置では、光共振器を通過した光が
受ける強度変調成分を変調周波数で位相同期検波して光
周波数と共振周波数の周波数差が得られるように、安定
化する被安定化レーザ光源の出力光の周波数、あるいは
光共振器の共振周波数を適当な変調周波数で変調してお
く必要がある。光共振器の共振周波数を変調する方法
は、複数の被安定化レーザ光源の周波数を同時に安定化
することができる、周波数変調器が不用であるなど光の
周波数を変調する方法に比べて優れた点が多い。
レーザ光源の周波数安定化装置の精度は、光共振器の
共振周波数の安定度によって定まる。したがって、以下
では、光共振器の共振周波数の安定化について詳説す
る。
光共振器の平均共振周波数(ある時間で共振周波数を
平均化した周波数)を安定化する最も単純な方法として
は、安定な周波数基準を基にレーザ光源の発振周波数を
安定化し、そのレーザ光源の出力光の周波数を基準とし
て光共振器の共振周波数を安定化する方法が考えらる。
この方法では、被安定化レーザ光源の発振周波数を直接
変調するか、または外部変調する必要がある。ところ
が、前者では共振周波数が周期的に変化している共振器
の平均共振周波数を安定化するための手順が煩雑にな
る。また、後者は外部周波数変調器を要するが、現在の
ところ簡単に使用でき、良好な特性を有する光の周波数
変調器は手に入らない。従って、従来の周波数安定化装
置としては、光共振器を変調すると共に、被安定化レー
ザ光源を直接変調または外部変調している。
第1図は、従来の光共振器を用いたレーザ光源の周波
数安定化装置(以下、単に「装置」と称す)のブロック
図である。
図中、1はレーザ光源、2は制御回路、3は周波数基
準器で気体の吸収線のようなものであり、4は光分波
器、5は光共振器、6は光共振器制御回路、7a、7bは受
光器、8a、8bは位相同期検波器、100は被安定化レーザ
光源、101は被安定化光源制御回路である。また、実線
は電気信号の流れを、破線は光信号の流れを表わし、矢
印はその方向を表わしている。以後の図面でも、実線、
破線、矢印の意味は本図と同じとする。
図から明らかなように、装置は被安定化レーザ光源10
0及び被安定化制御回路101からなる被安定化部と、レー
ザ光源1,制御回路2,周波数基準器3,光分波器4,受光器7a
及び位相同期検波器8aからなる光源制御部と、光共振器
5,光共振器制御回路6,受光器7b及び位相同期検波器8bか
らなる光共振器制御部との3つに大別される。
L1sはレーザ光源1の出力光信号、Lfrは周波数基準器
3の出力光信号で出力光L1sが周波数基準器3を通過し
たもの、Lod1,Lod2は光分波器4の出力光信号で光信号L
frが同光分波器4によって2波に分割されたもの、Lor
は光共振器5の出力光信号で光信号Lod2のうち同光共振
器5を通過したものである。S1sは制御回路2がレーザ
光源1の周波数および出力光強度を制御するための信
号、S1cは制御回路2の出力信号でレーザ光源1の発振
周波数を変調しているものと同じ周波数の信号で、位相
同期検波器8aの参照信号となる。Sorは光共振器制御回
路6が光共振器5の共振周波数を制御するための信号、
S1a1,S1a2はそれぞれ位相同期検波器8a,8bの出力信号、
Spd1,Spd2はそれぞれ受光器7a,7bの出力信号である。
この装置の動作は、 レーザ光源1の周波数を周波数基準器3を基準として
安定化する制御部(以下、「光源制御部」と称す)、 安定化されたレーザ光の周波数を基準として光共振器
5の共振周波数を安定化する制御部(以下、「光共振器
制御部」と称す)、 の2つに分けて考えることができる。
光源制御部については周波数基準器3として気体の吸
収線の中心周波数を用いる一般的な手法であり、特に説
明を要しないと思われる。ただし、注意すべき点は、気
体の吸収線の中心周波数を基準としてレーザ光源1の発
振周波数を安定化するためには、気体を通過するレーザ
光の周波数を変調しておく必要があることである。
光共振器制御部の動作は、平均周波数<f1s>が周波
数基準器3の記述周波数frefに対して安定化された光信
号Lod2を光共振器5を通過させる。この平均周波数は共
振器5のある共振周波数frsの近傍にあるとする。通過
した光信号Lorは、その平均周波数<f1s>が共振周波数
frsに対してどの様な関係にあるかに応じて決まるもの
で振幅変調を受ける。つまり、光源制御系の場合と同様
に、光共振器5の周波数弁別作用によって瞬時周波数
(光共振器5の応答時間程度の間の平均)に応じて振幅
が変化を受ける。光信号Lorを受光器7bで受光して得た
信号Spd2を信号S1cを参照信号として位相同期検波器8b
で位相同期検波すると共振周波数frsと平均周波数<f1s
>の周波数差に関する情報を持つ信号S1a2が得られる。
光共振制御回路6は両者の周波数差が減少するように信
号Sorによって光共振器5の共振周波数frsを制御する。
(発明が解決しようとする問題点) この周波数安定化装置の問題点は、レーザ光源1の出
力光が強度変調されているために、光共振器5の安定度
を高くできないことである。
周波数基準器3の透過率が極値をとる周波数ffrを基
準としてレーザ光源1の周波数を安定化する場合、周波
数基準器3を通過する光が周波数変調と同時に強度変調
されていると、基準周波数ffrとレーザ光源1の周波数
には差が生ずる。
極値付近の透過率T(f)が適当な係数A1,A2を用い
て、 T(f)=A1+A2(fopt−ffr と表わされるとする。ここで、foptは光の周波数であ
る。このとき、平均周波数<f1s>と平均周波数<frs
の周波数差δfは、 となる。ここで、Popt,ΔPoptは周波数基準器3に入射
する光の強度とその変動分であり、Δfは光の周波数の
周波数偏移幅である。もし、強度変動分ΔPoptが周波数
偏移幅Δfに比例すると、つまり、適当な係数αを用い
て ΔPopt=α・Δf と表わされると、周波数差δfは周波数偏移幅Δfに無
関係に一定値になる。半導体レーザの駆動電流を微少に
変化させて発振周波数を変調する場合などにはこの関係
が近似的に成り立っているが、もし周波数偏移幅Δfと
強度変動分ΔPoptの間の比例定数が変化すると周波数差
δfも当然変化する。また、周波数差δfを一定に保つ
ためには、光強度Poptに対する変動分ΔPoptの比(ΔP
opt/Popt)を一定に保たなければならない。半導体レー
ザの閾値電流が経時的な変化あるいは動作温度の変化に
よって変化し、光強度が変動した場合には、周波数差δ
fが変化する可能性がある。
ここで注意しなければならないのは、係数A1に比べて
係数A2が大きいほど、つまり、周波数基準器3の透過率
の周波数選択度が高ければ高いほど周波数差δfが減少
することである。気体の吸収線などを周波数基準器3と
して用いる場合には、係数A1に比べて係数A2はそれほど
大きくはない。したがって、この場合、係数αが変化す
ると、周波数差つまりレーザ光源の周波数f1sが大きく
変化するため、光共振器5の共振周波数の安定度を良好
に保つことができないなどの問題点がある。
数値例を上げると、アンモニアガスの吸収線では係数
の比A2/A1は10-7MHz-2程度であり、1.5μm帯の分布帰
還半導体レーザでは係数αは10-4(mW/MHz)程度であ
る。半導体レーザの発光強度を3mWとすると、係数αの
変動Δαに対する周波数差δfの変化Δ(δf)は、 Δ(δf)=170・(Δα/α) MHz程度となる。仮に、係数αが1パーセント変化する
と発振周波数が1.7MHz変化する。
以上のように、従来のレーザ光源の周波数安定化装置
では、レーザ光源1を周波数変調するさいに強度変調も
必ず起こり、この強度変調に起因してレーザ光源1の発
振周波数がずれてしまうため、光共振器5の正確な基準
周波数が得られないという問題があった。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するため
になされたもので、レーザ光源の強度変調の影響を軽減
したレーザ光源の周波数安定化装置を提供することを目
的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明の特徴は、レーザ光源の発振周波数により共振
周波数が予め調整されている光共振器に被安定化レーザ
光源の出力光を通過させて被安定化レーザ光源の発振周
波数を安定化するレーザ光源の周波数安定化装置におい
て、前記レーザ光源の出力光を分岐する第1の光分波器
と、予め定められた周期により共振周波数が偏位されて
いる光共振器と、該光共振器の出射光を電気信号に変換
する第1の受光器と、該第1の光分波器の一方の分岐光
の一部を電気信号に変化する第2の受光器と、該第1の
受光器と該第2の受光器からの出力信号及び該予め定め
られた周期で与えられる共振周波数の偏移に関する偏移
情報のうち少なくとも一方の信号に基づいて前記レーザ
光源の発振周波数を制御する制御回路とを有する光源制
御部と、 前記光共振器の出射光を分岐する第2の光分波器と、
基準周波数となる吸収線を有し前記レーザ光源の発振周
波数と該吸収線の中心周波数との周波数ずれを監視する
周波数基準器と、該周波数基準器の出射光を受光して電
気信号に変化する第3の受光器と、該第3の受光器の出
力信号と前記予め定められた周期と位相で同期検波して
前記周波数ずれを検出するための位相同期検波器と、該
位相同期検波器の出力信号に基づいて前記光共振器の共
振周波数を制御する光共振器制御回路とを有する光共振
器制御部とを有し、 該光源制御部では前記レーザ光源の出力光の平均強度
と前記光共振器を通過した後の出射光との瞬時的な光強
度の比が一定となるように前記レーザ光源の発振周波数
を該制御回路で制御すると共に、該光共振器制御部では
前記光共振器通過後の光の周波数を適当な時間の間平均
した平均周波数が該周波数基準器の基準周波数と比較し
て両者の周波数差が減少するように前記光共振器の共振
周波数を制御するように構成されていることにある。
以下、図面を用いて本発明について詳細に説明する。
(実施例1) 第2図は本発明による第1の実施例であり、レーザ光
源の周波数安定化装置のブロック図である。
図中、1はレーザ光源、2は制御回路、3は周波数基
準器で気体の吸収線のようなものであり、4a,4bは光分
波器、5は光共振器、6は光共振器制御回路、7a,7b,7c
は受光器、8は位相同期検波器、9は信号発生器、100
は安定化される対象の被安定化レーザ光源、101は被安
定化レーザ光源100を制御する被安定化制御回路101(図
ではより安定な制御を行なうために信号発生器9から基
準信号をもらう場合の構成を図示しているが、必ずしも
必要でない)である。レーザ光源1の発振周波数は外部
から印加する信号によって制御できる。この際、レーザ
光源1の発光強度が変化してもよいが、例えば、半導体
レーザダイオードのように、発光強度の変化の大きさは
発振周波数の変化の大きさに対応して決まっているもの
とする。実線は電気信号の流れを、破線は光信号の流れ
を表わし、矢印はその方向を表わしている。
また、本発明による装置は被安定化レーザ光源100及
び被安定化制御回路101からなる被安定化部と、レーザ
光源1,制御回路2,光分波器4a,受光器7a,光共振器5,光分
波器4b及び受光器7bからなる光源制御部と、光共振器5,
光分波器4b,周波数基準器3,受光器7c,位相同期検波器8,
光共振器制御回路6及び信号発生器9からなる光共振器
制御部との3つに大別される。このうち、本発明の最も
特徴部分は、光共振器5の出力光Lorが光強度一定とな
るようにレーザ光源1の周波数が制御されていることで
ある。
L1sはレーザ光源1の出力光信号、Lod11およびLod12
は光分波器4aの出力光信号で光信号L1sが同光分波器4a
によって2波に分割されたもの、Lorは光共振器5の出
力光信号で光信号Lod12のうち光共振器5を通過したも
の、Lod12およびLod22は光分波器4bの出力光信号で光信
号Lorが光分波器4bによって2波に分割されたもの、Lfr
は周波数基準器3の出力光信号で出力光Lod22のうち周
波数基準器3を通過したものである。S1sは制御回路2
がレーザ光源1の周波数f1sおよび出力光強度Poptを制
御するための信号、Sorは光共振器制御回路6が光共振
器5の共振周波数frsを制御および変調するための信
号、S1aは位相同期検波器8の出力信号、Spd1,Spd2,S
Pd3はそれぞれ受光器7a,7b,7cの出力信号である。Smod
は信号発生器9の出力信号で、光共振器制御回路6はこ
の信号を基に光共振器5の共振周波数frsを変調する。S
refは同じく信号発生器9の出力信号で、位相同期検波
器8はこの信号を基に入力信号Spd3を位相同期検波す
る。したがって、信号Smodと信号Srefは同じ周波数の信
号である。
先ず、光源制御部の動作について説明すると、光共振
器制御回路6は予め信号発生器9の出力信号Smodにした
がって光共振器5の共振周波数frsを周期的に変調す
る。レーザ光源1の出力信号L1sは光分波器4aによっ
て、光信号Lod11とLod12に分割される。そのうち、光信
号Lod11は光共振器5に入射する光の平均強度(したが
って、光信号L1sの平均強度)を監視するために受光器7
aによって受光される。受光器7aは光信号Lod11の強度を
信号Spd1として制御回路2に伝達する。
一方、光信号Lod12は光共振器5を通過してLorとな
り、さらに、光分波器4bでLod21とLod22とに分割され
る。光信号Lod21は受光器7bで受光され、その強度は信
号Spd2として制御回路2に伝達される。制御回路2は光
信号Lod11の平均強度と光信号Lod21の瞬時強度の比が一
定になるように、レーザ光源1の発振周波数f1sを制御
する。発光強度Poptは、この周波数制御の結果として一
般に変化する。このときのレーザ光源1の発振周波数f
1sと光共振器5の透過率の関係について第3図を用いて
説明する。
光共振器5のある時刻での共振周波数frsがfrs0であ
り、透過率が図中の曲線C0で表わされるとする。このと
き、レーザ光源1の周波数f1sが曲線C0上の点P0対応す
るような周波数f1s0であったとする。すると、光共振器
5に入射した光に対する透過率は点P0に対応する透過率
Toとなり、光共振器5を通過する光の強度はPop0とな
る。次に、光共振器5の共振周波数frsがfrs1となり、
透過率が曲線C1で表わされるように変化したとする。こ
のとき、レーザ光源1の周波数f1sが変化しなければ、
透過率は図中の点P1′に対応する値に増大する。ところ
が、光共振器5を通過する前の光強度の平均値に対する
通過後の光強度の比が一定になるように制御回路2がレ
ーザ光源1を制御するように構成してあるために、レー
ザ光源1の発振周波数f1sは図中の点P1に対応するよう
な周波数f1s1に変化する。半導体レーザのように、発振
周波数の増加に対して発光強度が減少するような場合に
は、この周波数は曲線C1上で透過率が曲線C0上の点P0
の透過率と等しくなる共振周波数よりも低くなり、点P1
での透過率は点P0での透過率よりも高くなる。
一方、共振周波数frsが低くなり、透過率が曲線C2
表わされる場合は、逆に、曲線C2上で透過率が曲線C0
の点P0での透過率と等しくなる共振周波数よりもレーザ
光源1の発振周波数f1sは高くなり、共振周波数と透過
率は点P2に対応する値となる。レーザ光源1の発光強度
が発振周波数の変化に関わらず変化しない場合には、も
ちろん曲線C0,C1,C2の透過率が一定な点に対応する共振
周波数に発振周波数が変化する。
ここで、光共振器5の透過率Tor(f)が、 と表わされ、レーザ光源1の発振周波数f1sの変化Δf1s
に対して発光強度の変化ΔPoptが ΔPopt=α・Δf1s と表わされるとする。ここで、foptは光の周波数、Δf
rsは光共振器5の透過率の半値半幅、Toは光周波数fopt
=frsのときの光共振器5の透過率、αは適当な係数で
ある。最初、共振周波数frsがfrs0のときに、レーザ光
源1の発振周波数f1sがf1s0であり、発光強度がPopt
あったとする。次に、共振周波数frsがfrs0からfrs0
δfrsに変化したとすると、発振周波数f1sはΔf1s変化
する。ここで、 Δf1s=δfrs[1 +0.5(ζ+1/ζ)・(αΔfrs)/Popt] ζ=(f1s0−frs0)/Δfrs である。ただし、(αΔfrs)/Poptの絶対値が1に比べ
て充分小さいものとする。通常の半導体レーザとファブ
リーペロー共振器の組合せの場合には、この仮定は充分
に成立する。
ここで、光共振器5の共振周波数frsを平均周波数<f
rs>を中心として周期的に変調周波数fで変調すると、
レーザ光源1の発振周波数f1sの平均値<f1s>は、共振
周波数frsの平均値<frs>から光信号Lod11とLod21の強
度比で決まる周波数だけ離れた一定周波数に制御され
る。
本発明による装置の有用性を明らかにするために、第
1図の説明で行なったような数値例をあげて比較する。
第1図の場合と同じ特性の半導体レーザを用い、光共振
器5の透過率の半値半幅Δfrが25MHz、ζ=1(発振周
波数f1sが共振周波数からちょうど半値半幅Δfrsだけ離
れたところにある)、共振周波数の変化幅δfrsをかな
り大きくとって100MHzとした場合の、発振周波数f1s
変化分Δf1sの変動Δ(Δf1s)は Δ(Δf1s)=0.25・(Δα/α) MHzとなる。ここで、係数αが同じく1パーセント変化
したとしても発振周波数の変化は2.5KHzに過ぎない。こ
の値を第1図に構成を示した装置の場合と比べると約3
桁小さく、本発明による装置が安定度に関して格段に優
れていることがわかる。
さらに、この変化は、例えばある周波数から共振周波
数frsを変化させた場合の発振周波数f1sの変化の大きさ
に対するものであり、共振周波数frsが変化しない場合
には、係数αの変化は周波数の安定度に影響しない。
共振周波数frsが、ある周波数frs0を中心に時間的に
正弦波状に最大振幅δfrsで変化している場合には、発
振周波数の平均値<f1s>は、もし共振周波数frsがfrs0
で一定であるときの発振周波数f1s0から周波数δf
1sは、 δf1s=(ζ+1/ζ)ηΔfrs/(8ζ) η=αδfrs/2Popt だけ、離れた周波数に安定化される。変動Δ(Δf1s
を計算したと同じ条件のとき、係数αの変化に対してこ
の周波数のずれδf1sは、 1.5×10-4(Δα/α) MHzだけ変化する。これから明らかなように、発振周波
数の平均値<f1s>に対しては、係数αの変化の影響は
ほとんど無視できる。
また、本発明では、光共振器5の出射光である光信号
Lorは周波数変調されているが、強度変調はほとんど受
けていない。強度変調は、光信号Lorと光信号L1Sの強度
比を一定に保つための制御系の利得、帯域などによって
決まり、これらを十分に確保しておけば強度変調がほと
んど残留しないようにできる。
次に、光共振制御部の動作について説明する。光分波
器4bで分割された残りの光信号Lod22は周波数基準器3
を通過して光信号Lfrとなり、受光器7cで受光される。
周波数基準器3としては気体の吸収線のように、特定の
周波数の光を選択的に透過あるいは吸収し、透過あるい
は吸収の周波数両側で透過率が急峻に変化するようなも
のを想定している。光信号Lor、従って光信号Lod22の平
均周波数が周波数基準器3の基準周波数ffrの近傍にあ
れば、周波数基準器3の周波数弁別特性によって光信号
Lfrは強度変調を受ける。光信号Lfrが受ける強度変調
は、光信号Lorすなわちレーザ光源1の発振周波数f1s
平均周波数<f1s>が基準周波数ffrの高い側にあるかあ
るいは低い側にあるかによって位相が反転し、かつ両周
波数の周波数差の大きさに応じた振幅を持つ。受光器7c
の出力信号Spd3を信号発生器9の出力信号Srefを参照信
号として位相同期検波器8で位相同期検波すれば、同周
波数差に関する情報が得られる。この情報を担う信号S
1aを基にして、光共振器制御回路6は光共振器5のある
時間で平均化された平均共振周波数<frs>と基準周波
数ffrとの周波数差が一定となるように光共振器5を制
御する。この際、光信号Lod22はほとんど強度変調され
ていないから、レーザ光源1の平均発振周波数<f1s
は基準周波数ffrとほとんど一致する。したがって、同
じようにレーザ光源1の発振周波数f1sを変調している
にも関わらず、第1図の方式に比べて係数αの変動によ
る影響が格段に少ない。したがって、光共振器5の共振
周波数の係数αの変化に対する安定度もきわめて良好で
ある。
第1図の方式でも、レーザ光源1と周波数基準器3の
間に可変減衰器を挿入して振幅変調を取り除くこともで
きるが、余分な可変減衰器が必要になる。これに対し
て、本発明では、いわば、安定化すべき光共振器5が周
波数変調器兼可変減衰器の役割を果している。
(実施例2) 第4図は、本発明による第2の実施例であり、装置の
ブロック図を示している。但し、被安定化部は省略して
ある。
実施例1の構成との違いは、光源制御部における制御
信号として信号発生器9の出力信号Ssgを移相器10を用
いて位相を調整し、信号Spsとして制御回路2に入力し
ていることである。
信号Ssgは信号Smodと同様な信号である。位相調整さ
れた信号Spsを適当な振幅に調節してレーザ光源1に印
加すれば、信号Spd1,Spd2に基づく制御を行わなくても
光信号Lorの強度変調をかなり抑制することができる。
また、この構成では、信号Spsによる方法で取り除けな
かった強度変調を、信号Spd1,Spd2に基づく制御で取り
除けばよいために、発振周波数、発光強度の制御性が良
好になる。
第5図(a)及び(b)は制御回路2の具体的な構成
例である。図中、21,22及び23は振幅調整器、24,27は加
算器、25は割算器、26はレーザ光源1を制御無しでも適
当な強度で発光させておくためのバイアスを供給するた
めのバイアス回路である。Sk1,Sk2,Sk3はそれぞれ振幅
調整器21,22,23の出力信号、Sdivは割算器25の出力信
号、Sbiasはバイアス回路26の出力信号、Ssuは加算器27
の出力信号である。なお、信号Spsがない場合には振幅
調整器21は不用である。
第5図(a)の制御回路2では、信号Spd1と信号Spd2
の振幅比を割算器25で求めて信号Sdivとし、振幅調整器
22で振幅を調整して信号Sk2とし、信号Spsの振幅を振幅
調整器21で調整した信号Sk1およびバイアス回路26の出
力信号Sbiasとともに加算器24で加算して信号S1sとし、
レーザ光源を制御する。
第5図(b)では、割算器25を用いる代わりに振幅調
整器23と加算器27を用いている。入射する光の周波数が
一定であれば、光光共振器55の透過率は一定であるか
ら、光分波器4a,4bの分割比、受光器7a,7bの受光感度の
差などを振幅調節器23で補正して、信号Sk3と信号Spd1
の振幅が等しくなるようにしておけば、両者を加算器27
で加算した信号Ssuの振幅は、周波数が前記の一定値に
等しいときにはレーザ光源1の発光強度によらず零にな
る。したがって、この信号Ssuを用いれば割算器25を用
いたと同様な効果が得られる。
なお、振幅調整器21,22,23は、入力信号に対して一定
の振幅比を持つ信号を出力するものであるが、このうち
振幅調整器21を入出力信号の振幅比が入力信号の大きさ
に依存するような非線形なものとしておけば、適当な非
線形性をもたせることによって、周波数差δf1sをさら
に小さくでき、共振周波数の平均値の安定性をより高め
ることができる。
(発明の効果) ここで、本発明の利点をまとめると、次のようにな
る。
レーザ光源1の発振周波数f1sと発光強度Poptの間の
比例定数が変化しても発振周波数の平均値<f1s>、す
なわち、共振周波数の平均値<frs>がほとんど影響を
受けない。
周波数変調器が不用である。
制御するのが共振周波数の平均値であるために、共振
周波数を変調する変調周波数はかなり高くできる。例え
ば、光共振器5を共振器の機械的振動の機械共振周波数
近傍で動作させても差し支えない。このような周波数で
の光共振器5の共振周波数の制御は困難であるが、変調
自体は微弱な駆動入力で容易に行うことができる。
共振周波数が変調されているため、被安定化レーザ光
源100の周波数を周波数変調することなしに、光共振器
5の適当な共振周波数を基準として安定化することがで
きる。この場合、周波数変調器を全く用いずに、多数の
レーザ光源の周波数安定化を行うことが可能になる。
以上説明したように、本発明による方式を用いれば、
周波数変調器を用いずに光光共振器55の平均共振周波数
を高安定に保つことができるので、被安定化レーザ光源
の周波数を高安定に保つことが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来のレーザ光源の周波数安定化装置のブロッ
ク図、第2図は本発明によるレーザ光源の周波数安定化
装置のブロック図、第3図は本発明に用いる光共振器5
の透過率波長特性図、第4図は本発明による第2のレー
ザ光源の周波数安定化装置のブロック図、第5図(a)
(b)は本発明で用いる制御回路2の構成図である。 1……レーザ光源、2……制御回路、3……周波数基準
器、4a,4b……光分波器、5……光共振器、6……光共
振器制御回路、7a,7b,7c……受光器、8……位相同期検
波器、9……信号発生器、10……移相器、21,22,23……
振幅調整器、24,27……加算器、25……割算器、26……
バイアス回路、100……被安定化レーザ光源、101……被
安定化制御回路。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光源の発振周波数により共振周波数
    が予め調整されている光共振器に被安定化レーザ光源の
    出力光を通過させて被安定化レーザ光源の発振周波数を
    安定化するレーザ光源の周波数安定化装置において、 前記レーザ光源の出力光を分岐する第1の光分波器と、
    予め定められた周期により共振周波数が偏位されている
    光共振器と、該光共振器の出射光を電気信号に変換する
    第1の受光器と、該第1の光分波器の一方の分岐光の一
    部を電気信号に変化する第2の受光器と、該第1の受光
    器と該第2の受光器からの出力信号及び該予め定められ
    た周期で与えられる共振周波数の偏移に関する偏移情報
    のうち少なくとも一方の信号に基づいて前記レーザ光源
    の発振周波数を制御する制御回路とを有する光源制御部
    と、 前記光共振器の出射光を分岐する第2の光分波器と、基
    準周波数となる吸収線を有し前記レーザ光源の発振周波
    数と該吸収線の中心周波数との周波数ずれを監視する周
    波数基準器と、該周波数基準器の出射光を受光して電気
    信号に変化する第3の受光器と、該第3の受光器の出力
    信号と前記予め定められた周期と位相で同期検波して前
    記周波数ずれを検出するための位相同期検波器と、該位
    相同期検波器の出力信号に基づいて前記光共振器の共振
    周波数を制御する光共振器制御回路とを有する光共振器
    制御部とを有し、 該光源制御部では前記レーザ光源の出力光の平均強度と
    前記光共振器を通過した後の出射光との瞬時的な光強度
    の比が一定となるように前記レーザ光源の発振周波数を
    該制御回路で制御すると共に、該光共振器制御部では前
    記光共振器通過後の光の周波数を適当な時間の間平均し
    た平均周波数が該周波数基準器の基準周波数と比較して
    両者の周波数差が減少するように前記光共振器の共振周
    波数を制御するように構成されていることを特徴とする
    レーザ光源の周波数安定化装置。
  2. 【請求項2】前記光源制御部のレーザ光源の発振周波数
    が前記第1及び第2の受光器の電気信号がほぼ一致する
    ように制御されるように構成されていることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載のレーザ光源の周波数安定
    化装置。
  3. 【請求項3】前記光源制御部のレーザ光源の発振周波数
    が前記共振周波数の偏移に関する偏移情報により制御さ
    れるように構成されていることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載のレーザ光源の周波数安定化装置。
  4. 【請求項4】前記光源制御部のレーザ光源の発振周波数
    が前記第1の受光器と前記該第2の受光器からの出力信
    号及び前記共振周波数の偏移に関する偏移情報とを用い
    て制御されるように構成されていることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のレーザ光源の周波数安定化装
    置。
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