JP2514181Y2 - 押圧機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、機械加工品等のワーク
にピンやリベット等の部品を圧入したり、リベット頭や
部材となる金属板の継ぎ目，縁等をカシメたりする押圧
機に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の押圧機は、ワークに設ける部品
や部材をシリンダの圧力によって圧入したり、カシメた
りするので、そのシリンダが動かないように定位置にし
っかりと支持して固定するのが一般的である。このた
め、各種ワークの所望箇所に部品を設ける場合は、個々
のワークをシリンダの位置に合わせるように動かして夫
々に位置決めするという面倒な制御が必要であった。ま
た、コンベアで搬送されるワークをコンベアに載せたま
ま動かして位置決めすることは困難であり、そのコンベ
アから一旦降ろさざるを得ないので、作業能率が悪い。
なお、各ワークを定位置に静止させてそのワークの所望
箇所にシリンダを移動させるようにすれば、位置決めの
制御が簡単であり、コンベアで搬送されるワークをコン
ベアに載せたままその所望箇所に部品を設けることも可
能になるが、この場合は、シリンダを移動させる機構部
をシリンダの圧力に耐えられるような頑丈な構造にしな
ければならないという問題がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】そこで本考案は、ワー
クを定位置に静止させてそのワークの所望箇所にシリン
ダを移動させるようにすると共に、そのシリンダを移動
させる機構部にシリンダの圧力が掛からないようにする
ことを技術的課題としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本考案は、ワークの所望箇所に設ける部品や部材を
シリンダの圧力で圧入したり、カシメたりする押圧機に
おいて、所定のストロークで伸縮する押圧ロッドの先端
を定位置に静止したワークに対向させるシリンダが、当
該シリンダをワークの所望箇所に移動させる位置決め用
アームに取り付けられ、当該位置決め用アームでシリン
ダが移動せられる領域に沿って、前記押圧ロッドを伸長
させながら前記部品や部材を押圧するシリンダの後端部
を当接させて支持する当て板が固設されていることを特
徴とする。

【０００５】

【作用】本考案によれば、位置決め用アームに取り付け
られたシリンダを定位置に静止したワークの所望箇所に
移動させて、その所望箇所に設ける部品や部材にシリン
ダの押圧ロッドの先端を対向させ、次に、その押圧ロッ
ドを伸長させて前記部品や部材を押圧する。このとき、
押圧ロッドを伸長させながら部品や部材を押圧している
シリンダの後端部が当て板に当接して支持されるので、
そのシリンダを移動させる位置決め用アームにはシリン
ダの圧力が掛からない。

【０００６】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面によって具体的
に説明する。図１は本考案による押圧機の一例を示す斜
視図、図２と図３は夫々その要部の動作を示す側面図で
ある。

【０００７】本例の押圧機は、ワーク１の所望箇所に穿
設された孔２にピン状の部品３を圧入するシリンダ４
が、所定のストロークで伸縮する押圧ロッド５の先端を
定位置に静止したワーク１に対向させた状態で、当該シ
リンダ４をワーク１の所望箇所に向かって移動させる位
置決め用アーム６に取り付けられると共に、当該アーム
６でシリンダ４が移動せられる領域に沿って、押圧ロッ
ド５を伸長させながらその先端で部品３を押圧するシリ
ンダ４の後端部を当接させて支持する当て板７が固設さ
れている。

【０００８】位置決め用アーム６は、シリンダ８のピス
トンロッドで成り、その先端にシリンダ４が上下動可能
に取り付けられている。また、シリンダ８は、位置決め
用アーム６となるピストンロッドの伸縮方向と直交する
方向に摺動せられるスライドベース９に搭載されて、位
置決め用アーム６の先端に取り付けたシリンダ４を前後
左右に移動させられるようになっている。

【０００９】当て板７は、シリンダ４を挟んでワーク１
を載置する盤台１０と平行に配設され、その盤台１０の
左右両側に固定して立設された一対の支柱１１及び１２
間に架設されている。

【００１０】なお、位置決め用アーム６の先端に取り付
けられたシリンダ４は、その後端部４ａが当て板７に接
触して移動が妨げられないようにするため、位置決め用
アーム６との間に介装されたコイルバネ１３によって、
当て板７との間に一定の間隙が生ずるように圧し下げら
れている。

【００１１】しかして、ワーク１が盤台１０の定位置に
載せられると、スライドベース９に搭載されたシリンダ
８を左右方向に摺動させると共に、そのシリンダ８のピ
ストンロッドでなる位置決め用アーム６を前後方向に伸
縮させることによって、当該位置決め用アーム６の先端
に取り付けられたシリンダ４を、押圧ロッド５の先端が
ワーク１の孔２と対向する位置まで移動させる。次に、
その位置で、ワーク１の孔２内に部品３を圧入させるよ
うにその部品３に向かって押圧ロッド５を伸長させる。
このとき、押圧ロッド５が、まず、部品３に当接し、そ
して、部品３に当接したまま更に伸長すると、その押圧
ロッド５によってシリンダ４全体がコイルバネ１３の弾
性に抗して圧し上げられ、そのシリンダ４の後端部４ａ
が当て板７に当接する。これにより、以後は、押圧ロッ
ド５の伸長によって生ずる圧力がそのまま部品３に加え
られて、その部品３がワーク１の孔２内に圧入される。

【００１２】このように、ワーク１を定位置に静止させ
てシリンダ４の方を動かす位置決め制御は、従来の如く
シリンダを定位置に固定してワークの方を動かす位置決
め制御よりも遥かに容易であり、また、ワーク１に設け
る部品３を押圧するシリンダ４が、その押圧を行ってい
る間だけ簡易な構造の当て板７によってしっかりと固定
され、当該シリンダ４を移動させる位置決め用アーム６
にはシリンダ４の圧力が全く掛からないので、その位置
決め用アーム６やこれを駆動するシリンダ８，スライド
ベース９の構造も簡素化できる。したがって、押圧機の
製造コストが大幅に低減される。

【００１３】なお、上記実施例では、ワーク１を盤台１
０に載置して静止させるようにしているが、本考案はこ
れに限らず、ワーク１をシリンダ４の下方までコンベア
で搬送して、そのコンベアに載せたまま定位置に静止さ
せるようにしてもよい。

【００１４】

【考案の効果】以上述べたように、本考案は、押圧機の
位置決め制御を容易にすると共に、その機構を簡略化し
て、押圧機の製造コストを大幅に低減することができる
という大変優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による押圧機の一例を示す斜視図。

【図２】押圧機の要部の動作を示す側面図。

【図３】押圧機の要部の動作を示す側面図。

【符号の説明】

１・・・ワーク ３・・・部品 ４・・・シリンダ ４ａ・・シリンダの後端部 ５・・・押圧ロッド ６・・・位置決め用アーム ７・・・当て板

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワーク（１）の所望箇所に設ける部品
   （３）や部材をシリンダ（４）の圧力で圧入したり、カ
   シメたりする押圧機において、所定のストロークで伸縮
   する押圧ロッド（５）の先端を定位置に静止したワーク
   に対向させるシリンダ（４）が、当該シリンダをワーク
   （１）の所望箇所に移動させる位置決め用アーム（６）
   に取り付けられ、当該位置決め用アーム（６）でシリン
   ダ（４）が移動せられる領域に沿って、前記押圧ロッド
   （５）を伸長させながら前記部品（３）や部材を押圧す
   るシリンダ（４）の後端部（4a）を当接させて支持する
   当て板（７）が固設されていることを特徴とする押圧
   機。