JP2512899B2 - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射装置

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JP2512899B2
JP2512899B2 JP61116477A JP11647786A JP2512899B2 JP 2512899 B2 JP2512899 B2 JP 2512899B2 JP 61116477 A JP61116477 A JP 61116477A JP 11647786 A JP11647786 A JP 11647786A JP 2512899 B2 JP2512899 B2 JP 2512899B2
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和夫 榧野
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は主としてディーゼルエンジン等の加圧燃焼方
式の内燃機関の燃料噴射装置に関するものである。
(従来の技術及び発明が解決しようとする問題点) 従来からこの種の燃料噴射装置は機械式のものが主体
であり、一部電子制御化されたものがある。
機械式のものは、噴射特性を確保するため部品のバラ
ツキを極く小さく抑えており、高価であった。また、電
子制御化されたものも含め、いずれも制御性が不十分で
あった。
例えば、ディーゼルエンジンの燃料噴射装置として、
特公昭46−39729号公報に開示されたものがある。この
燃料噴射装置においては圧力室とポンプ作業室に燃料を
供給する電磁弁がユニットインジェクタ内に設けられ、
その電磁弁を切り換えて、燃料噴射工程の開始と終了と
を制御する構造になっている。
また、別タイプの燃料噴射装置として、特開昭59−15
5568号公報に開示されたものがある。この燃料噴射装置
は、ユニットインジェクタに電磁開閉弁と燃圧制御手段
を設ける一方、ユニットインジェクタの外部に圧力制御
手段を設け、燃圧制御手段を圧力制御手段のリニアモー
タによって調圧するものである。前記電磁開閉弁は噴出
時期と噴射量とを制御し、燃圧制御手段は噴射率を制御
するようになっている。
ところが、前記いずれの燃料噴射装置も構造的に複雑
なため部品点数が多く、大型になり、ひいてはコスト高
になり、実際のディーゼルエンジンに搭載するには問題
があるだけでなく、噴射特性の制御も必ずしも充分とは
いえない。
本発明の目的は、構造が簡単で、しかも燃料の噴射特
性が良好な噴射装置を安価に提供することにある。
発明の構成 (問題点を解決するための手段) そこで、本発明は前記問題点を解決するために、ポン
プシリンダとポンプピストンとによって形成された高圧
室と、該ポンプピストンと連動するプランジャを受圧面
とする圧力室と、前記高圧室からの燃料を内燃機関の燃
焼室に噴射するための噴射ノズルであって、そのニード
ル弁がスプリングの押圧力によって噴射口を閉塞するよ
うに付勢されている噴射ノズルとを備えてユニットイン
ジェクタと、 前記高圧室に燃料をその供給源から供給する燃料供給
用通路と、 前記高圧室内の燃料の圧力を可変制御して燃料噴射率
を制御する第一圧力制御手段と、 前記圧力室に対して燃料を供給するプランジャ駆動用
通路と、 前記プランジャ駆動用通路に設けられるとともに、同
プランジャ駆動用通路を開閉可能であり、その開閉タイ
ミングによって燃料噴射時期及び燃料噴射量を制御する
第二圧力制御手段と、 前記二つの圧力制御手段に圧力制御司令を出力する制
御装置とからなる装置とする。
(作用) 制御装置が第一圧力制御手段に所望の噴射率を得るた
めの圧力制御司令を出力すると、第一圧力制御手段はそ
の司令に応じた所定圧力の燃料を燃料供給通路を介して
高圧室に供給する。又、制御装置が第二圧力制御手段に
所望の燃料噴射時期及び燃料噴射量を得るための開閉タ
イミング制御司令を出力すると、第二圧力制御手段はそ
の司令に応じた開閉タイミングでプランジャ駆動用通路
を開閉し、その開閉タイミングに対応した燃料を圧力室
に供給する。すると、圧力室内の燃料によりプランジャ
が押圧されて高圧室のポンプピストンにより高圧室内の
燃料を加圧する。その結果、ユニットインジェクタの構
造,燃料の通路構成及び制御のための構成が極めて簡単
であるにもかかわらず、燃料の噴射時期,噴射量,噴射
率をフレキシブルに設定することができ、しかもそれを
確実に行なうことができ、更には、燃料を高圧化させた
り、応答性を速くしたりすることも容易に実現できるの
で、アイドル回転の安定化,低騒音化,低振動化を図る
ことができる。
(実施例) 以下、本発明をディーゼルエンジンの燃料噴射装置に
具体化した実施例を第1〜4図に従って説明する。
最初に、第1図、第2図に基づいてこの実施例の構成
を説明すると、燃料噴射装置は燃料1の供給源Aと、該
供給源Aから燃料供給用通路2により送られる燃料1を
前記燃焼室内に噴射するためのユニットインジェクタB
と、該ユニットインジェクタBの噴射圧を制御するため
の第一圧力制御手段Cと、該ユニットインジェクタB内
に設けられたプランジャ3の駆動を制御する第二圧力制
御手段Dと、該第一、二圧力制御手段C、Dの作動を制
御する制御装置Eの各要素から主として構成されてい
る。
前記供給源Aは燃料1を貯留するためのタンク4と、
前記燃料1を吸引して前記燃料供給用通路2を通じて気
筒数に相当する個数のユニットインジェクタBに供給す
るためのポンプ5とから構成される。前記ユニットイン
ジェクタBはディーゼルエンジンの燃焼室近くの適当な
場所において設置される。
前記燃料供給用通路2の途中には燃料圧コントロール
用通路6が分岐しており、その燃料圧コントロール用通
路6に圧力センサ(図示なし)と、前記燃料供給用通路
2内の圧力を制御する第一圧力制御手段Cとが設けられ
ている。
なお、前記第一圧力制御手段Cとして比例ソレノイド
等外部からの電気信号等で燃料1が通る通路の断面を変
化させる構造の制御手段が使用される。
前記ユニットインジェクタBにおけるインジェクタ本
体7の上部側には上面に開口するポンプシリンダ8が形
成され、そのポンプシリンダ8にポンプピストン9が摺
動可能に挿入されている。
そして、両者によって容積可変の空間である高圧室10
が形成され、その高圧室10内で前記燃料供給用通路2か
ら供給された燃料1の圧力が前記ポンプピストン9の作
用により一層高められるようになっている。
前記ポンプピストン9の上部にはプランジャ3が一体
的に設けられている。このプランジャ3の横断面積はポ
ンプピストン9のそれより大きく、両者の比は燃料の噴
射率等を考慮して決定されている。
前記プランジャ3の下面とインジェクタ本体7の上面
との間にはスプリング11が圧縮した状態で挿入され、ポ
ンプピストン9を常には上方に付勢している。
前記インジェクタ本体7の上面にはプランジャ3を摺
動可能に内蔵するプランジャ用シリンダ12が装着され、
そのプランジャ用シリンダ12内において前記プランジャ
3の下面とインジェクタ本体7の上面との間は低圧室13
になっている。この低圧室13に溜まった燃料1はプラン
ジャ用シリンダ12の側部に設けられたタンクポート14及
びそのタンクポート14に接続されるリーク用通路15を通
ってタンク4に排出される。
また、プランジャ3上においてプランジャ用シリンダ
12内にはプランジャ3の上面を受圧面とする圧力室16が
形成されている。この圧力室16に対してはプランジャ3
を押圧するための燃料1が導入される。そのために、前
記プランジャ用シリンダ12において前記圧力室16の側部
にはインレットポート17が形成されており、このインレ
ットポート17に前記燃料供給用通路2から分岐して延び
るプランジャ駆動用通路18が接続されている。
前記プランジャ駆動用通路18の途中には第二圧力制御
手段としての電磁弁Dが設けられており、この電磁弁D
を切り換えて、同電磁弁Dから延びる排出用通路19から
燃料1をタンク4に排出することによって、前記高圧室
10を低圧にすることが可能になっている。
前記電磁弁Dは制御装置Eの司令により前記プランジ
ャ駆動用通路18を通じて燃料1を前記圧力室16に供給し
たり、同圧力室16から燃料1を排出したりする構造を有
している。
前記ユニットインジェクタBにおけるインジェクタ本
体7の側部には前記燃料供給用通路2が接続されるイン
レットポート20が設けられている。このインレットポー
ト20は前記燃料供給用通路2から送油された燃料1の逆
流を防止して前記高圧室10を加圧できるようにするチェ
ック弁21と通路22に続いて前記高圧室10と連通してい
る。
前記通路22の途中には1本の通路23が分岐し、その先
端に圧力センサ24を取り付けることが可能な圧力検出孔
25が形成され、高圧室10の圧力を検出できるようになっ
ている。検出された圧力は電気信号として前記制御装置
Eに入力され、そこで、該信号単独もしくはこの信号と
前述のコントロール用通路6に設けられた圧力センサ
(図示なし)からの信号との2種の信号から第一圧力制
御手段C及び前記電磁弁Dの作動信号として処理され
る。
前記インジェクタ本体7の下部には下方に開口するシ
リンダ状のニードル弁押圧室26が形成され、その中にス
プリング27によってニードル弁(後述)を付勢するため
のリテーナ28が挿入されている。
また、このニードル弁押圧室26と前記低圧室13とは通
路29によって連通され、ニードル弁押圧室26にリークさ
れてくる燃料1を低圧室13に導いてタンク4に排出でき
るようになっている。
前記ニードル弁押圧室26の下端には噴射ノズル30が保
持筒31によって装着されている。前記噴射ノズル30はノ
ズル本体32と、そのノズル本体32に内蔵されるニードル
弁33と、該ニードル弁33の上動位置を規制するスペーサ
34とから構成されている。
前記ノズル本体32の下部には前記ニードル弁33の先端
部よりわずかに広い噴射口35が形成され、その上部に該
噴射口35より拡径された受圧室36が、さらに、その受圧
室36に続いて上方に前記ニードル弁33の摺動部37がそれ
ぞれ形成されている。
前記ニードル弁押圧室26、スペーサ34及びノズル本体
32の側部に1本の通路38が共通に形成されており、その
通路38を通じて前記受圧室36に対して、高圧室10から高
圧化された燃料1が供給される。そして、高圧化された
燃料1はニードル弁33を前記コイルスプリング27の付勢
力に抗じて押し上げ、噴射口35からディーゼルエンジン
の燃焼室に噴射されるようになっている。
前記ニードル弁33の基端部にはリテーナ28の下部が連
接しており、両者は一体的に上下動する。
以上のように構成された実施例につき、次にその作
用、効果を第2〜4図に基づいて説明する。
ディーゼルエンジンを起動し、そしてポンプ5が駆動
させると、燃料1が燃料供給用通路2中を通りチェック
弁21を開けて低圧、例えば、数kg/cm2でユニットインジ
ェクタBの高圧室10に供給される。
この状態では、第2図に示すようにプランジャ駆動用
通路18の電磁弁Dは圧力室16に燃料1が圧送されないよ
うに閉止されている。
次に、ディーゼルエンジンの回転が回転角センサ等の
検出手段により検出されて、制御装置Eに入力される。
制御装置Eはこの情報に基づいて電磁弁Dに燃料1の噴
射時期を設定して信号を送り、電磁弁Dを作動させる。
すると、第3図に示すようにプランジャ駆動用通路18
からユニットインジェクタBの圧力室16に燃料1が供給
される。プランジャ3の横断面積がポンプピストン9の
横断面積より大きいので、プランジャ3はポンプピスト
ン9を押し下げ、高圧室10、通路38及び受圧室36内の燃
料1を加圧する。ニードル弁33は受圧室36で推力を受
け、スプリング27の付勢力に抗じて上方に押し上げられ
る。その結果、噴射ノズル30の噴射口35が開口して、燃
料1が燃焼室に噴射される。
燃料1が噴射されるこの過程において高圧室10内は圧
力センサ24によりモニタリングされ、そのモニタリング
情報が制御装置Eに送られる。
該制御装置Eからの司令で第一圧力制御手段Cは圧力
室16に圧送される燃料1の圧力を制御する。従って、こ
の圧力によりポンプピストン9の圧縮力、ひいては圧縮
速度が制御されることから燃焼室に対しては所望の燃料
圧、すなわち、所望の噴射率で燃料1の噴射が可能にな
る。
燃料1の噴射を終えるときは、前回回転角センサから
の信号をもとに第4図に示すように制御装置Eから電磁
弁Dに閉鎖信号が送られ、圧力室16の燃料1が排出用通
路19を経てタンク4に排出される。すると圧力室16の圧
力が低下してポンプピストン9が上昇し、高圧室10の圧
力も低下する。
高圧室10の圧力が低下すると、受圧室36の圧力も低下
するから、スプリング27の補助力によりニードル弁33が
押し下げられ、噴射口35が閉塞される。
このようにして燃料噴射行程の1サイクルが終了する
が、この燃料噴射行程は各気筒においてサイクル的に行
なわれる。
この実施例は、構造が簡単なユニットインジェクタB
を使用して、燃焼室に対する燃料1の噴射時期及び噴射
量を第二圧力制御手段である電磁弁Dにより、そして噴
射率を第一圧力制御手段Cにより制御するようにしたの
で、構造面及び燃料噴射の制御面で種々の作用、効果が
発揮される。
すなわち、構造面ではポンプピストン9を作動させる
カム機構をユニットインジェクタBに組み込む必要がな
く、ポンプピストン9に対する動力伝達部品が不要にな
り、それだけディーゼルエンジンをコンパクトに小型化
でき、かつ部品点数を少なくでき、ひいてはディーゼル
エンジンを低廉にすることができる。
また、燃料1が送油される通路系をシンプルにして、
ユニットインジェクタBと第二圧力制御手段Dとを別体
にしたので、メンテナンスがし易く、それだけユーザに
対するサービス性がよくなり、また、第二圧力制御手段
Dに噴射圧力等の高圧が加わらないので、第二圧力制御
手段Dの耐久性がよい。
制御面では燃料1の噴射時期、噴射量、噴射率をフレ
キシブルに設定して燃料の噴射を制御でき、しかもそれ
を確実に行なうことができ、ひいては、断続噴射、間欠
噴射、不整噴射等を防止できるとともに、高圧化させた
り、応答性を速くしたりすることも可能になり、アイド
ル回転の安定化、低騒音化、低振動化が可能になる。
さらに、この実施例では圧力センサ24を使用して燃料
1の圧力を第一圧力制御手段C等にフイードバックする
ようにしているので、この実施例は特に噴射率を制御し
易い。
本発明は前記実施例に限定されることなく、例えば、
第一圧力制御手段Cとして電磁弁を使用することがで
き、また、電磁弁以外の圧力制御手段を使用する場合は
電圧に応じて高速に変形して燃料1が通る通路の断面を
制御可能な圧電素子を組み込んだ制御手段を使用するこ
ともできる。
発明の効果 以上詳述したように、本発明はユニットインジェクタ
の構造,燃料の通路構成及び制御のための構成が極めて
簡単であるにもかかわらず、燃料の噴射時期,噴射量,
噴射率をフレキシブルに設定することができ、しかもそ
れを確実に行なうことができ、更には、燃料を高圧化さ
せたり、応答性を速くしたりすることも容易に実現でき
るので、アイドル回転の安定化,低騒音化,低振動化を
図ることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例のユニットインジェクタの縦断面図、第
2図は実施例の回路図、第3図は燃料の噴射開始過程を
示す回路図、第4図は燃料噴射終了過程を示す回路図で
ある。 1……燃料、2……燃料供給用通路、3……プランジ
ャ、8……ポンプシリンダ、9……ポンプピストン、10
……高圧室、16……圧力室、18……プランジャ駆動用通
路、19……排出用通路、30……噴射ノズル、A……供給
源、B……ユニットインジェクタ、C……第一圧力制御
手段、D……第二圧力制御手段、E……制御装置

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポンプシリンダとポンプピストンとによっ
    て形成された高圧室と、該ポンプピストンと連動するプ
    ランジャを受圧面とする圧力室と、前記高圧室からの燃
    料を内燃機関の燃焼室に噴射するための噴射ノズルであ
    って、そのニードル弁がスプリングの押圧力によって噴
    射口を閉塞するように付勢されている噴射ノズルとを備
    えているユニットインジェクタと、 前記高圧室に燃料をその供給源から供給する燃料供給用
    通路と、 前記高圧室内の燃料の圧力を可変制御して燃料噴射率を
    制御する第一圧力制御手段と、 前記圧力室に対して燃料を供給するプランジャ駆動用通
    路と、 前記プランジャ駆動用通路に設けられるとともに、同プ
    ランジャ駆動用通路を開閉可能であり、その開閉タイミ
    ングによって燃料噴射時期及び燃料噴射量を制御する第
    二圧力制御手段と、 前記二つの圧力制御手段に圧力制御司令を出力する制御
    装置とからなる内燃機関の燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】前記第二圧力制御手段は電磁弁である特許
    請求の範囲第1項記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】前記燃料供給用通路はその途中に燃料の逆
    流を防止するチェック弁を備えている特許請求の範囲第
    1項記載の内燃機関の燃料噴射装置。
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