JP2512407C - - Google Patents

Info

Publication number
JP2512407C
JP2512407C JP2512407C JP 2512407 C JP2512407 C JP 2512407C JP 2512407 C JP2512407 C JP 2512407C
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrier film
green sheet
laminated
laminate
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
Other languages
English (en)
Publication date

Links

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は積層磁器コンデンサの製造法に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、積層磁器コンデンサを製造する方法の一つに枠張り方式によるものがあ
った。この枠張り方式による製造法とは、キャリアフィルム上に塗布形成した誘
電体グリーンシートをキャリアフィルムから剥離して、これを所定の大きさに切
り取り、ステンレスなどの金属フレームに張り付け、表面に電極を印刷した後に
打ち抜きを行い、得られたグリーンシートを積層するものであった。 【0003】 しかしながら、上記枠張り方式によると、フレームに張り付けられるグリーン
シートの厚みが薄いため、多少なりともダレやシワなどのゆがみが生じてしまい 、電極印刷時に精度ズレが起こりやすく、ときにはグリーンシート自体が破れる
こともあった。 【0004】 そこで、上記枠張り法の問題点の解決策として、キャリアフィルム上に形成し
た誘電体グリーンシートをキャリアフィルムごと所定の大きさに切り取り、その
キャリアフィルム側をフレームに張り付け、グリーンシート側に電極を印刷した
後キャリアフィルムごと所定形状に打ち抜き、キャリアフィルム側を上面にして
積層および圧着し、上面のキャリアフィルムを剥離することを繰り返して積層体
を形成する方法が考案されている。 【0005】 上記のように改善された枠張り法においては、積層されたグリーンシートはキ
ャリアフィルムの剥離強度以上の強さで圧着されていなければならない。 【0006】 しかしながら、積層時のグリーンシートは電極形成部と電極未形成部とで厚み
が異なるため、両部の圧着圧力に差が生じてしまい、圧着力が弱いとキャリアフ
ィルムを剥離した時、電極未形成部でシワやメクレが発生し(図12および図13)
、積層精度の悪化の原因となっている。 【0007】 積層したグリーンシートを圧着する際、圧着力を強めるために圧力や熱などの
圧着条件を増強させると、電極形成部は大きな歪を受けながら電極未形成部が接
着される。積層体を構成するグリーンシートのうち初期に積層されたものは、積
層枚数分圧着条件下にさらされることになる。そのため積層体構成グリーンシー
トのうち、初期に積層されたものは後期に積層されたものに比べて歪みなどが大
きく、極端な場合にはグリーンシートに形成された電極が延びてしまうこともあ
る(図10および図11)。逆に、圧着条件を低減させると、グリーンシートの剥離
強度がさらに弱くなり、ハンドリングが悪化する。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は上述従来の技術の問題点を解決し、積層体を構成するグリーンシート に発生する歪みおよび電極の延びを抑制し、しかもグリーンシートにシワやメク
レなどが生じることなく良好なハンドリングが行える積層磁器コンデンサの製造
法を提供することを目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】 本発明者等は上述従来の技術の問題点を解決するため鋭意研究したところ、グ
リーンシートの電極未形成部に熱可塑性樹脂成分からなる接着層を形成すること
により、積層体を構成するグリーンシートが高い剥離強度で圧着されることを見
い出し、本発明を提供することができた。 【0010】 すなわち、本発明はキャリアフィルム上に形成した誘電体グリーンシートをキ
ャリアフィルムごと所定の大きさに切り取り、そのキャリアフィルム側をフレー
ムに張り付け、グリーンシート側に電極を印刷した後キャリアフィルムごと所定
形状に打ち抜き、キャリアフィルム側を上面にして積層および圧着し、上面のキ
ャリアフィルムを剥離することを繰り返して積層体を形成する積層磁器コンデン
サの製造法であって、積層前の誘電体グリーンシートの電極形成部以外の部分ま
たは電極形成予定部以外の部分にグリーンシートに含まれるバインダーの構成成
分である樹脂のガラス転移点よりも低いガラス転移点を有する熱可塑性樹脂成分
からなる接着層を形成することによって、圧着後の積層体における電極形成部以
外の剥離強度を高め、積層されたグリーンシート同士の剥離強度が少なくともキ
ャリアフィルムの剥離強度以上の強度となるようにすることを特徴とする積層磁
器コンデンサの製造法である。 【0011】 本発明においてグリーンシートの電極未形成部に形成する接着層とは、圧着条
件下で優れた接着性を発揮する層であって、例えばグリーンシートの成分樹脂よ
りガラス転移温度(Tg)の低い樹脂などを用いて形成することである。 【0012】 【作用】 本発明の製造法によると、グリーンシートの電極未形成部に熱可塑性樹脂成分 からなる接着層を形成したため、少ない圧力で電極未形成部が接着される。前記
接着剤は、グリーンシートに含まれるバインダーの一構成成分である樹脂のガラ
ス転移点より、低いガラス転移点を有する熱可塑性樹脂成分から成るので、グリ
ーンシート同士を接着させる圧力より、少ない圧力で接着させることが可能にな
り、過剰な加圧によるグリーンシートの延び等の弊害を避けて、接着を確実に行
うことができる。また、接着層は弱い圧着条件下で接着性を発揮する成分から成
るため、圧着圧力を低減させても十分に圧着されるようになる。そのため圧着圧
力の増強に伴い、積層体を構成するグリーンシートに発生する歪みや電極の延び
を抑制し、かつキャリアフィルムを剥離する際に電極未形成部で発生していたシ
ワやメクレを防止することが可能となる。 【0013】 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。しかし本発明の範囲は以
下の実施例によって制限されるものではない。 【0014】 【実施例】 本発明の積層磁器コンデンサの製造法の一例を図1、図2、図3、図4、図5
、図6、図7、図8および図9を用いて説明する。 【0015】 図1〜図8は、本発明の積層磁器コンデンサの製造法を段階的に示した斜視図
であり、図9は、本発明の方法により2枚のグリーンシートを圧着し、その圧着
圧力および2枚のグリーンシートを剥離するために必要な荷重を示したグラフで
ある。 【0016】 本実施例では、まず粒径1μmのチタン酸バリウムを主体とするセラミック粉
体と、ポリビニルブチラールをベースとする市販の樹脂とをエタノール溶媒中で
混練したものを、市販の連続塗工機を用いて厚さ50μmのキャリアフィルム上に
塗工し、厚さ10〜11μmのセラミックグリーンシートを形成した。得られたキャ
リアフィルムとセラミックグリーンシートとのシート体は、10cm×15cmの大きさ
に切り取った後(図1)、外寸が14cm×20cm、内寸が8cm×12cmのステンレス製 のフレーム(図2)に接着剤でキャリアフィルム側を貼り付けた(図3)。 【0017】 次に、枠上のグリーンシート1の上に、2mm×4mmの長方形の内部電極4を縦・
横それぞれ1mmずつ間隔をあけてPdペーストを使用してスクリーン印刷した(
図4)。 【0018】 一方、接着層形成用溶液として、トルエンとメチルイソブチルケトン(1:1
)との混合溶媒中に、アクリル酸エステルを主体とし、ガラス転移温度(Tg)
が17℃の樹脂を、固形分率で30wt%濃度となるように溶解させた溶液を用意した
。用意した溶液は接着層9として、グリーンシート上に形成した内部電極パター
ン以外の部分に2cmの幅でスクリーン印刷した(図5)。印刷した内部電極4お
よび接着層9の乾燥後、フレームに張り付けた該シート体を打ち抜き機によりキ
ャリアフィルムごと7cm×10cmの大きさに打ち抜いた(図6)。その際同時に、
打ち抜かれたシート体の各縁辺から5mmずつ離れた4か所のコーナーに、3φの
位置出し用穴5を打ち抜いた。 【0019】 これとは別に、カバー用セラミックグリーンシート8として厚さ約100μmの
グリーンシートを、電極印刷工程を除去したこと以外は上記と同様に製造し、圧
着金型6の3φの位置出し用ピン7に該シートの位置出し用穴がはまるように重
ねて固定した(図7)。 【0020】 圧着金型6に固定したカバー用セラミックグリーンシート8の上に、上記シー
ト体のキャリアフィルム側を上にして圧着金型6の3φの位置出し用ピン7にシ
ートの位置出し用穴5がはまるように重ねて軽く圧着した。圧着後、最上層にあ
るキャリアフィルム2をセラミックグリーンシート1から剥離した(図8)。 【0021】 キャリアフィルムの剥離により表面に出たセラミックグリーンシート1の上に
、上記と同様に製造したシート体を、同様に重ねて圧着し、最上層にあるキャリ
アフィルムを剥離する操作を繰り返し行い、電極搭載セラミックグリーンシート を所定層数積層した。 【0022】 最後に上記と同様のカバー用セラミックグリーンシートを最上層として重ねて
圧着し、積層磁器コンデンサ素体を製造した。 【0023】 上記方法により積層磁器コンデンサ素体を製造した場合の評価を、以下のよう
に行った。なお、本発明の方法との比較のため従来法として、接着層形成工程を
除いたこと以外は上記方法と同様の方法で積層磁器コンデンサ素体を製造して同
様の評価を行い、その結果を併記した。 【0024】 まず、積層体における内部電極を形成していない部分、すなわち接着層形成部
分の剥離試験を行った。3通りの圧着圧力により50℃、5秒間圧着した2枚のグ
リーンシートの積層体を用意し、その一面をロードセルに取り付け、他面を一定
のスピードで引っぱり2枚の積層体が剥離し始めたときの荷重を測定し、その結
果を図9に示した。図9からも解るように本発明法によると積層体を20kg/cm2
の低圧力で圧着しても、15gwもの高荷重まで耐えることができ、圧着圧力の低減
化が可能であることが確認された。 【0025】 次に、積層圧着工程において、30kg/cm2の圧着圧力により50℃で5秒間とい
う圧着条件のもと、100枚のグリーンシートを積層圧着し、グリーンシートから
キャリアフィルムを剥離する時に発生したシワおよびメクレの数を測定し、その
結果を下記の表に示した。この表からも解るように、従来法ではシワの発生率が
20%、メクレの発生率が5%であったのに対して、本発明法ではシワ、メクレと
も発生せず積層精度の高い積層体が製造された。 【0026】 【0027】 さらに、10kg/cm2の極めて弱い圧着圧力により50℃で5秒間、50枚のグリー
ンシートを積層圧着し、製造された積層体の内部電極の圧着による延びを調べ、
その結果を下記の表に示した。なお、従来法では10kg/cm2の弱い圧着圧力では
圧着不可能であるため、この評価の比較は、最低圧着可能圧力の30kg/cm2で行
った。この表からも解るように、本発明法によると積層体中の内部電極の延びは
0.02mm以内でありコンデンサとして問題のない範囲であった。 【0028】 【0029】 【発明の効果】 本発明の積層磁器コンデンサの製造法の開発により、圧着後の積層体における
グリーンシートの剥離強度が著しく向上したため、低い圧力での圧着が可能とな り、内部電極の延びやグリーンシートの歪みが抑制された。また、グリーンシー
トからキャリアフィルムを剥離する際に発生するシワやメクレなどが防止できる
ようになり、積層精度が著しく向上した。
【図面の簡単な説明】 【図1】 キャリアフィルム上に誘電体グリーンシートを形成したシート体を示す斜視図
である。 【図2】 本発明の積層磁器コンデンサの製造法に用いるフレームの一例を示した斜視図
である。 【図3】 図2のフレームに図1のシート体を張り付けた状態を示す斜視図である。 【図4】 図3のシート体に内部電極パターンを形成した後の状態を示す斜視図である。 【図5】 図4のシート体に接着層を形成した後の状態を示す斜視図である。 【図6】 打ち抜かれたシート体を示す斜視図である。 【図7】 打ち抜かれたシート体を圧着金型に挿入した状態を示す斜視図である。 【図8】 シート体からキャリアフィルムを剥離している状態を示す斜視図である。 【図9】 本発明の方法により2枚のグリーンシートを圧着した場合の圧着圧力と、圧着
後2枚のグリーンシートを剥離するために必要な荷重との関係を示したグラフで
ある。 【図10】 従来法における積層体圧着時の態様を示す断面図である。 【図11】 従来法により形成された積層体の態様を示す断面図である。 【図12】 従来法においてシート体からキャリアフィルムを剥離している状態を示す断面
図である。 【図13】 従来法においてシート体からキャリアフィルムを剥離した後にシワおよびメク
レが発生した状態を示す断面図である。 【符号の説明】 1・・・・・・セラミックグリーンシート 2・・・・・・キャリアフィルム 3・・・・・・ステンレス製フレーム 4・・・・・・内部電極 5・・・・・・位置出し用穴 6・・・・・・圧着金型 7・・・・・・位置出し用ピン 8・・・・・・カバー用セラミックグリーンシート 9・・・・・・接着層 10・・・・・・シワ 11・・・・・・メクレ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 キャリアフィルム上に形成した誘電体グリーンシートをキャリ
    アフィルムごと所定の大きさに切り取り、そのキャリアフィルム側をフレームに
    張り付け、グリーンシート側に電極を印刷した後キャリアフィルムごと所定形状
    に打ち抜き、キャリアフィルム側を上面にして積層および圧着し、上面のキャリ
    アフィルムを剥離することを繰り返して積層体を形成する積層磁器コンデンサの
    製造法であって、積層前の誘電体グリーンシートの電極形成部以外の部分または
    電極形成予定部以外の部分にグリーンシートに含まれるバインダーの構成成分で
    ある樹脂のガラス転移点よりも低いガラス転移点を有する熱可塑性樹脂成分から
    なる接着層を形成することによって、圧着後の積層体における電極形成部以外の
    剥離強度を高め、積層されたグリーンシート同士の剥離強度が少なくともキャリ
    アフィルムの剥離強度以上の強度となるようにすることを特徴とする積層磁器コ
    ンデンサの製造法。

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3166251B2 (ja) セラミック多層電子部品の製造方法
JP2998503B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JPH05159966A (ja) セラミックグリーンシートの積層方法
JP4084385B2 (ja) 積層電子部品用の積層体ユニットの製造方法
JP3527667B2 (ja) セラミック電子部品の製造方法
JP4201882B2 (ja) 積層板の製造方法
JP3602368B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP3489445B2 (ja) 積層体の製造方法及び積層体の製造装置
JP2512407C (ja)
JP2512407B2 (ja) 積層磁器コンデンサの製造法
JPS62171107A (ja) 磁器コンデンサの製造方法
JPH08222474A (ja) セラミック電子部品の製造方法
JPH10112417A (ja) 積層セラミック電子部品及びその製造方法
JP2575339Y2 (ja) 積層セラミック電子部品の積層装置
JPH0396207A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP3925434B2 (ja) セラミック電子部品の製造方法
JP2759223B2 (ja) グリーンシートの積層方法
JP2003017357A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2001217140A (ja) 積層型電子部品およびその製法
JPS6159653B2 (ja)
JPH05315184A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JPH03190703A (ja) 電極形成セラミックグリーンシートの製造方法
JPH0793230B2 (ja) セラミックシートの積層方法
JP4142686B2 (ja) 積層電子部品用の積層体ユニットの製造方法
JP3527668B2 (ja) セラミック電子部品の製造方法