JP2512407B2 - 積層磁器コンデンサの製造法 - Google Patents
積層磁器コンデンサの製造法Info
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Description
造法に関する。
法の一つに枠張り方式によるものがあった。この枠張り
方式による製造法とは、キャリアフィルム上に塗布形成
した誘電体グリーンシートをキャリアフィルムから剥離
して、これを所定の大きさに切り取り、ステンレスなど
の金属フレームに張り付け、表面に電極を印刷した後に
打ち抜きを行い、得られたグリーンシートを積層するも
のであった。
フレームに張り付けられるグリーンシートの厚みが薄い
ため、多少なりともダレやシワなどのゆがみが生じてし
まい、電極印刷時に精度ズレが起こりやすく、ときには
グリーンシート自体が破れることもあった。
して、キャリアフィルム上に形成した誘電体グリーンシ
ートをキャリアフィルムごと所定の大きさに切り取り、
そのキャリアフィルム側をフレームに張り付け、グリー
ンシート側に電極を印刷した後キャリアフィルムごと所
定形状に打ち抜き、キャリアフィルム側を上面にして積
層および圧着し、上面のキャリアフィルムを剥離するこ
とを繰り返して積層体を形成する方法が考案されてい
る。
は、積層されたグリーンシートはキャリアフィルムの剥
離強度以上の強さで圧着されていなければならない。
電極形成部と電極未形成部とで厚みが異なるため、両部
の圧着圧力に差が生じてしまい、圧着力が弱いとキャリ
アフィルムを剥離した時、電極未形成部でシワやメクレ
が発生し(図12および図13)、積層精度の悪化の原因と
なっている。
着力を強めるために圧力や熱などの圧着条件を増強させ
ると、電極形成部は大きな歪を受けながら電極未形成部
が接着される。積層体を構成するグリーンシートのうち
初期に積層されたものは、積層枚数分圧着条件下にさら
されることになる。そのため積層体構成グリーンシート
のうち、初期に積層されたものは後期に積層されたもの
に比べて歪みなどが大きく、極端な場合にはグリーンシ
ートに形成された電極が延びてしまうこともある(図10
および図11)。逆に、圧着条件を低減させると、グリー
ンシートの剥離強度がさらに弱くなり、ハンドリングが
悪化する。
術の問題点を解決し、積層体を構成するグリーンシート
に発生する歪みおよび電極の延びを抑制し、しかもグリ
ーンシートにシワやメクレなどが生じることなく良好な
ハンドリングが行える積層磁器コンデンサの製造法を提
供することを目的としている。
技術の問題点を解決するため鋭意研究したところ、グリ
ーンシートの電極未形成部に熱可塑性樹脂成分からなる
接着層を形成することにより、積層体を構成するグリー
ンシートが高い剥離強度で圧着されることを見い出し、
本発明を提供することができた。
形成した誘電体グリーンシートをキャリアフィルムごと
所定の大きさに切り取り、そのキャリアフィルム側をフ
レームに張り付け、グリーンシート側に電極を印刷した
後キャリアフィルムごと所定形状に打ち抜き、キャリア
フィルム側を上面にして積層および圧着し、上面のキャ
リアフィルムを剥離することを繰り返して積層体を形成
する積層磁器コンデンサの製造法であって、積層前の誘
電体グリーンシートの電極形成部以外の部分または電極
形成予定部以外の部分に熱可塑性樹脂成分からなる接着
層を形成することによって、圧着後の積層体における電
極形成部以外の剥離強度を高めたことを特徴とする積層
磁器コンデンサの製造法である。
成部に形成する接着層とは、圧着条件下で優れた接着性
を発揮する層であって、例えばグリーンシートの成分樹
脂よりガラス転移温度(Tg)の低い樹脂などを用いて
形成することである。
極未形成部に熱可塑性樹脂成分からなる接着層を形成し
たため、少ない圧力で電極未形成部が接着される。前記
接着剤は、グリーンシートに含まれるバインダーの一構
成成分である樹脂のガラス転移点より、低いガラス転移
点を有する熱可塑性樹脂成分から成るので、グリーンシ
ート同士を接着させる圧力より、少ない圧力で接着させ
ることが可能になり、過剰な加圧によるグリーンシート
の延び等の弊害を避けて、接着を確実に行うことができ
る。また、接着層は弱い圧着条件下で接着性を発揮する
成分から成るため、圧着圧力を低減させても十分に圧着
されるようになる。そのため圧着圧力の増強に伴い、積
層体を構成するグリーンシートに発生する歪みや電極の
延びを抑制し、かつキャリアフィルムを剥離する際に電
極未形成部で発生していたシワやメクレを防止すること
が可能となる。
説明する。しかし本発明の範囲は以下の実施例によって
制限されるものではない。
を図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8お
よび図9を用いて説明する。
サの製造法を段階的に示した斜視図であり、図9は、本
発明の方法により2枚のグリーンシートを圧着し、その
圧着圧力および2枚のグリーンシートを剥離するために
必要な荷重を示したグラフである。
バリウムを主体とするセラミック粉体と、ポリビニルブ
チラールをベースとする市販の樹脂とをエタノール溶媒
中で混練したものを、市販の連続塗工機を用いて厚さ50
μmのキャリアフィルム上に塗工し、厚さ10〜11μmの
セラミックグリーンシートを形成した。得られたキャリ
アフィルムとセラミックグリーンシートとのシート体
は、10cm×15cmの大きさに切り取った後(図1)、外寸
が14cm×20cm、内寸が 8cm×12cmのステンレス製のフレ
ーム(図2)に接着剤でキャリアフィルム側を貼り付け
た(図3)。
mm×4mm の長方形の内部電極4を縦・横それぞれ1mmず
つ間隔をあけてPdペーストを使用してスクリーン印刷
した(図4)。
とメチルイソブチルケトン(1:1)との混合溶媒中
に、アクリル酸エステルを主体とし、ガラス転移温度
(Tg)が17℃の樹脂を、固形分率で30wt%濃度となる
ように溶解させた溶液を用意した。用意した溶液は接着
層9として、グリーンシート上に形成した内部電極パタ
ーン以外の部分に 2cmの幅でスクリーン印刷した(図
5)。印刷した内部電極4および接着層9の乾燥後、フ
レームに張り付けた該シート体を打ち抜き機によりキャ
リアフィルムごと 7cm×10cmの大きさに打ち抜いた(図
6)。その際同時に、打ち抜かれたシート体の各縁辺か
ら5mmずつ離れた4か所のコーナーに、3φの位置出し
用穴5を打ち抜いた。
ンシート8として厚さ約 100μmのグリーンシートを、
電極印刷工程を除去したこと以外は上記と同様に製造
し、圧着金型6の3φの位置出し用ピン7に該シートの
位置出し用穴がはまるように重ねて固定した(図7)。
グリーンシート8の上に、上記シート体のキャリアフィ
ルム側を上にして圧着金型6の3φの位置出し用ピン7
にシートの位置出し用穴5がはまるように重ねて軽く圧
着した。圧着後、最上層にあるキャリアフィルム2をセ
ラミックグリーンシート1から剥離した(図8)。
セラミックグリーンシート1の上に、上記と同様に製造
したシート体を、同様に重ねて圧着し、最上層にあるキ
ャリアフィルムを剥離する操作を繰り返し行い、電極搭
載セラミックグリーンシートを所定層数積層した。
リーンシートを最上層として重ねて圧着し、積層磁器コ
ンデンサ素体を製造した。
製造した場合の評価を、以下のように行った。なお、本
発明の方法との比較のため従来法として、接着層形成工
程を除いたこと以外は上記方法と同様の方法で積層磁器
コンデンサ素体を製造して同様の評価を行い、その結果
を併記した。
いない部分、すなわち接着層形成部分の剥離試験を行っ
た。3通りの圧着圧力により50℃、5秒間圧着した2枚
のグリーンシートの積層体を用意し、その一面をロード
セルに取り付け、他面を一定のスピードで引っぱり2枚
の積層体が剥離し始めたときの荷重を測定し、その結果
を図9に示した。図9からも解るように本発明法による
と積層体を20kg/cm2 の低圧力で圧着しても、15gwもの
高荷重まで耐えることができ、圧着圧力の低減化が可能
であることが確認された。
の圧着圧力により50℃で5秒間という圧着条件のもと、
100枚のグリーンシートを積層圧着し、グリーンシート
からキャリアフィルムを剥離する時に発生したシワおよ
びメクレの数を測定し、その結果を下記の表に示した。
この表からも解るように、従来法ではシワの発生率が20
%、メクレの発生率が 5%であったのに対して、本発明
法ではシワ、メクレとも発生せず積層精度の高い積層体
が製造された。
により50℃で5秒間、50枚のグリーンシートを積層圧着
し、製造された積層体の内部電極の圧着による延びを調
べ、その結果を下記の表に示した。なお、従来法では10
kg/cm2 の弱い圧着圧力では圧着不可能であるため、こ
の評価の比較は、最低圧着可能圧力の30kg/cm2 で行っ
た。この表からも解るように、本発明法によると積層体
中の内部電極の延びは0.02mm以内でありコンデンサとし
て問題のない範囲であった。
開発により、圧着後の積層体におけるグリーンシートの
剥離強度が著しく向上したため、低い圧力での圧着が可
能となり、内部電極の延びやグリーンシートの歪みが抑
制された。また、グリーンシートからキャリアフィルム
を剥離する際に発生するシワやメクレなどが防止できる
ようになり、積層精度が著しく向上した。
形成したシート体を示す斜視図である。
フレームの一例を示した斜視図である。
状態を示す斜視図である。
後の状態を示す斜視図である。
示す斜視図である。
態を示す斜視図である。
状態を示す斜視図である。
着した場合の圧着圧力と、圧着後2枚のグリーンシート
を剥離するために必要な荷重との関係を示したグラフで
ある。
面図である。
断面図である。
ムを剥離している状態を示す断面図である。
ムを剥離した後にシワおよびメクレが発生した状態を示
す断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 キャリアフィルム上に形成した誘電体グ
リーンシートをキャリアフィルムごと所定の大きさに切
り取り、そのキャリアフィルム側をフレームに張り付
け、グリーンシート側に電極を印刷した後キャリアフィ
ルムごと所定形状に打ち抜き、キャリアフィルム側を上
面にして積層および圧着し、上面のキャリアフィルムを
剥離することを繰り返して積層体を形成する積層磁器コ
ンデンサの製造法であって、積層前の誘電体グリーンシ
ートの電極形成部以外の部分または電極形成予定部以外
の部分に熱可塑性樹脂成分からなる接着層を形成するこ
とによって、圧着後の積層体における電極形成部以外の
剥離強度を高めたことを特徴とする積層磁器コンデンサ
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2412322A JP2512407B2 (ja) | 1990-12-20 | 1990-12-20 | 積層磁器コンデンサの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2412322A JP2512407B2 (ja) | 1990-12-20 | 1990-12-20 | 積層磁器コンデンサの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04219914A JPH04219914A (ja) | 1992-08-11 |
JP2512407B2 true JP2512407B2 (ja) | 1996-07-03 |
Family
ID=18521176
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2412322A Expired - Fee Related JP2512407B2 (ja) | 1990-12-20 | 1990-12-20 | 積層磁器コンデンサの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JPS61256659A (ja) * | 1985-05-09 | 1986-11-14 | Fujitsu Ltd | セラミツクシ−トの加工方法 |
JPS6263413A (ja) * | 1985-09-13 | 1987-03-20 | 株式会社村田製作所 | 積層セラミツクコンデンサの製造方法 |
-
1990
- 1990-12-20 JP JP2412322A patent/JP2512407B2/ja not_active Expired - Fee Related
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