JP2512302Y2 - 屋上パラペットの廻り部材 - Google Patents

屋上パラペットの廻り部材

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JP2512302Y2
JP2512302Y2 JP1991102598U JP10259891U JP2512302Y2 JP 2512302 Y2 JP2512302 Y2 JP 2512302Y2 JP 1991102598 U JP1991102598 U JP 1991102598U JP 10259891 U JP10259891 U JP 10259891U JP 2512302 Y2 JP2512302 Y2 JP 2512302Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の技術分野】本考案は、鉄骨造建物、鉄筋コンク
リート建物などの屋上のパラペットに防水層を敷設する
ための屋上パラペットの廻り部材に関する。
【0002】
【考案の技術的背景】鉄骨造建物、鉄筋コンクリート建
物などの屋上に、防水層(防水シート)を敷設し、これ
により、建屋内への水分の浸入を防止するようにしてい
る。一方、屋上端部には、この周囲を囲繞する外壁が設
けられていることが多く、この外壁を一般にパラペット
と呼んでいる。上記防水層は、このパラペットの内方側
にも敷設してあるが、以下のように、この敷設に際して
種々の問題がある。
【0003】このパラペットへの防水シートの敷設の一
例として、図8に示すように、床面1に敷設された防水
シート2の端部2aをパラペット3に沿わせて立設し、
この防水シート2の端部2aに当て板4をあてがい、当
て板4を介してパラペット3に釘5等を打ちつけてい
る。これにより、防水シート2の端部2aをパラペット
3に固定している。なお、パラペット3の上部には、笠
木6が敷設してある。
【0004】しかしながら、パラペットの材料としてA
LC(軽量気泡コンクリート)パネル、セメント押出板
などを用いた場合には、この側壁自体がもろいためパラ
ペット3に釘5を多数打ち込むと、破損する虞れがあ
り、防水シート2の端部2aを固定できないことがあ
る。また、パラペット3の肉厚が薄い場合にも、防水シ
ート2の端部2aを釘5により固定することが困難な場
合がある。
【0005】この図6に示すような例により、防水シー
ト2の端部2aをパラペット3に取り付けることが困難
である場合には、図9に示すような例を用いているのが
一般的である。
【0006】すなわち、図9に示すように、側壁3に沿
わせて立設した防水シート2の端部2aの内方側に、レ
ンガ7、あるいはレンガに代えコンクリート等を押え部
材としてあてがい、これにより防水シート2を押さえる
ようにしている。
【0007】しかしながら、コンクリートにより押さえ
る場合には、乾燥するまでの養生期間が必要であり、ま
た、レンガ7等で押さえる場合であっても、モルタル8
で端面を押さえるため、このモルタル8が乾燥するまで
養生しなければならない。したがって、いずれの場合も
工期が長引く問題がある。また、モルタルなどの使用は
作業が煩雑で、熟練者の手作業が必要であった。
【0008】また、図8および図9に示す例では、床面
1とパラペット3とで形成される直角の角部Aで防水シ
ート2が急激に折曲がり破損する恐れがあるため、この
角部Aを埋める必要があり、施工作業が煩雑化すること
になる。さらには、図8に示す例では、当て板5部分が
笠木6に覆われていない場合には、雨水等が防水層2の
内側に侵入することがあるため、笠木6の垂下部6aの
下端が必ず当て板5より下方に位置するようにしなけれ
ばならず、その位置合わせも面倒であった。
【0009】したがって、このような現状から、屋上パ
ラペット3の内側に容易に敷設でき、かつ納まりが良好
であるとともに、防水層の破損あるいは防水層の裏側へ
の雨水等の侵入を容易に防止できるようにし得る屋上パ
ラペット廻りの施工方法あるいは施工用部材の開発が強
く要請されている。また、壁及びその一部であるパラペ
ットと屋上スラブとの模力(地震等)による動きの差の
ために、パラペット立上り部が損傷するため、パラペッ
トとスラブの動きを絶縁する必要がある。
【0010】
【考案の目的】本考案は、このような事情に鑑みなされ
たものであって、屋上パラペットが脆く若しくはその肉
厚が薄く、防水層を固定できない場合であっても、納ま
り良く容易・簡易、かつ短期間に防水層の取り付けを行
なうことができ、またパラペットと屋上スラブの動きを
絶縁する機能をもち、これに加えて、防水層の破損、防
水層端部の押さえ部分からの雨水の侵入を適宜防止でき
るようにし得る屋上パラペットの廻り部材を提供するこ
とを目的としている。
【0011】
【考案の概要】この目的を達成するため、本考案に係る
第一の屋上パラペットの廻り部材は、屋上パラペットの
内側に配設され、防水層を敷設するための屋上パラペッ
トの廻り部材であって、屋上パラペット近傍の床面に沿
わせて防水層下側に設置される床板部と、屋上パラペッ
トに沿わせて防水層内側に配設される立上り部とを具備
する断面L字状に発泡合成樹脂から形成されており、さ
らにこれを本体とし、この本体の床板部の底面に嵌合す
る嵌合台部材を備えることを特徴としている。
【0012】このように構成した廻り部材によれば、屋
上パラペットの肉厚が薄い場合若しくは材料自体が脆い
場合であっても、パラペットの廻り部材の立上り部に釘
などを挿通することができるため、肉厚、材料の如何に
拘らずに、防水層を固定することができる。また、防水
層の固定に際し、モルタル、コンクリートなどを使用し
ないので、養生に必要であった工期が不要となり、工期
の短縮を図ることができると共に、熟練者の手作業が無
用となり、容易・簡易に行なうことができるなどの作用
・効果を有する他、本体の床板部に連続して屋根断熱材
を敷設する場合には、床板部上面と断熱材上面との高さ
合わせを厚さの異なる台部材を用いることで調節できる
ため納まりが良く、廻り部材の床板部と断熱材との継ぎ
目に形成される段部での防水層の屈曲、破損等の不具合
を有効かつ容易に防止できる。
【0013】本発明に係る第二の屋上パラペットの廻り
部材は、上記床板部と立上り部とを備えた断面L字状に
発泡合成樹脂から形成され、前記床板部の上面は、前記
立上り部側が高くなるように傾斜していることを特徴と
している。
【0014】このように構成した廻り部材によれば、上
記第一の廻り部材と同様に、パラペットの肉厚、材料に
関わらず容易・簡単かつ短期間で防水層を固定でき、さ
らに廻り部材の床板部に連続して屋上断熱材を敷設する
場合には、例えば断熱材の廻り部材側の側端面を廻り部
材の床板部上面に添うような下向き傾斜面とするか、あ
るいは廻り部材の床板部を断熱材の高さと同じになる部
分で切断して用いることにより、廻り部材の床板部と断
熱材との継ぎ目に段部が形成されるのを防止できるた
め、納まり良く施設でき、このような段部での防水層の
屈曲、破損等の不具合を有効かつ容易に防止できる。ま
た、廻り部材の床板部上面の傾斜面が屋上の床面に連続
するようにすれば、屋根断熱材を敷設しない場合にはそ
のまま用い、あるいは断熱材を敷設する場合にも断熱材
上に載置して用いることにより、同様の効果を期待でき
る。
【0015】本発明に係る第三の屋上パラペットの廻り
部材は、前記床板部と立上り部とを備えた断面L字状に
発泡合成樹脂から形成され、前記床板部と立上げ部との
間に、該床板部の上面と該立上げ部の前面とを連続する
湾曲面を有するキャント部が設けてあることを特徴とす
る。
【0016】このように構成した廻り部材によれば、上
記第一の廻り部材と同様に、パラペットの肉厚、材料に
関わらず容易・簡単かつ短期間で防水層を固定できる
他、床板部の上面と立上げ部の前面とを湾曲面で連続し
たため、床板部および立上げ部の境目で防水シートが急
激に屈曲せず、その破損が発生することがない。
【0017】また、本発明に係る第四の屋上パラペット
の廻り部材は、前記床板部と立上り部とを備えた断面L
字状に発泡合成樹脂から形成されており、前記立上げ部
の上端縁に、該立上げ部の前面に張出すとともに、その
下面の立上げ部側が高くなった庇部が設けてあることを
特徴とする。
【0018】このように構成した廻り部材によれば、上
記第一の廻り部材と同様に、パラペットの肉厚、材料に
関わらず容易・簡単かつ短期間で防水層を固定できる
他、庇部によって雨水があたらない部分にて防水層端部
を止めるようにすれば、笠木の配設位置、形状に関わら
ず、防水層端部からの雨水の侵入を有効に防止できる。
【0019】さらに、本発明に係る第五の屋上パラペッ
トの廻り部材は、前記床板部と立上り部とを備えた断面
L字状に発泡合成樹脂から形成されており、この廻り部
材を隣接して敷設するに際して、隣接する廻り部材同士
が嵌合して接続されることを特徴とする。
【0020】このように構成した廻り部材によれば、上
記第一の廻り部材と同様に、パラペットの肉厚、材料に
関わらず容易・簡単かつ短期間で防水層を固定できる
他、隣接する廻り部材同士が隙間、段等がないように接
続できるため、納まり良く施設でき、このような隙間、
段部での防水層の屈曲、破損等の不具合を有効かつ容易
に防止できる。
【0021】
【考案の具体的説明】以下に、本考案の一実施例を図面
を参照しながら詳細に説明する。図1は、本考案の一実
施例に係る屋上パラペットの廻り部材が配設された状態
を示す部分切欠斜視図である。図2は、図1に示した屋
上パラペットの廻り部材単品を拡大して示す斜視図であ
る。
【0022】図1に示すように、屋上には、コンクリー
トスラブ、ALC板などの床面11が設けてあり、この
屋上の端部の周囲を囲繞するように、外壁、即ち、パラ
ペット10が床面11から立設してある。なお、床面1
1の一般床面には、発泡合成樹脂などからなる断熱材1
2が敷設してあり、この断熱材12の上に、防水層13
が敷設してある。この防水層13は、種々のものでよ
く、例えば、アスファルト防水、シート防水である。
【0023】上記パラペット10の内側に、本実施例に
係るパラペットの廻り部材20が複数個順次並列してあ
る。この廻り部材20は、図2に拡大して示すように、
屋上の床面11に沿わせて配設される床板部21と、こ
の床板部21からほぼ垂直に立ち上がった立上り部22
と、この床板部21と立上り部22とのコーナー部で斜
めに(例えば、45°に)傾斜したキャント部23とか
らなる本体Xを有している。また、本体Xは床板部21
の底面に条溝24を有しており、この床板部21の底面
は、床板部21の下方に敷設されかつその上面に凸条2
5を有する台部材Yと嵌合するようになっている。な
お、立上り部22は、パラペット10が幾分斜めであれ
ば、これに対応して傾斜(鈍角で又は鋭角で)していて
もよい。
【0024】このようなパラペットの廻り部材20の本
体Xおよび台部材Yは、以下のような材質から形成して
ある。 ポリスチレン発泡体 このポリスチレン発泡体を用いた場合には、軽量であ
り、コストが安いという利点があるが、反面、非溶剤系
(例えば、ゴム系)の接着剤を用いることができず、硬
化時間がかかり、施工期間が長くなるという欠点があ
り、また、比較的硬い材質であるため、スラブ上の不陸
に対応できないという問題もあり、さらに、紫外線によ
り劣化されるという問題もある。
【0025】 ポリオレフィン発泡体 ポリオレフィン発泡体、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどの発泡体の場合には、軽量であると共に、
非溶剤系の接着剤を用いることができ、施工時間を短く
することができる。さらに、ポリスチレンに比べて軟質
であるため、スラブ上の不陸にも対応することができ、
しかも、紫外線により劣化されるという問題もない。但
し、コストに関しては、ポリスチレンよりも若干である
が高価であるが、それ程高価とも言えず、コスト面での
問題もない。
【0026】 ゴムの発泡体 ゴムの発泡体の場合には、比較的軟質であるため、スラ
ブの不陸に対応できるという利点はあるが、発泡率が比
較的低く、コストが高価になる、重い、硬質であるとい
う欠点がある。
【0027】以上を総合すると、のポリオレフィン発
泡体が最も好ましく、次いで、のポリスチレン発泡体
およびのゴムの発泡体が好ましい。但し、このパラペ
ットの廻り部材の材質は、これらのものに限定されず、
種々のものであってもよいことは勿論である。また、こ
の場合の発泡倍率は、10〜80倍が好ましく、更に好
ましくは40〜50倍である。
【0028】さらに、このパラペットの廻り部材20の
本体Xおよび台部材Yを成形するに際しては、型内発泡
成形、押出発泡成形など種々の成形法が可能である。ま
た、条溝24,凸条25は、成形の際に一体成形しても
よく、後加工により形成してもよい。
【0029】次に、このパラペットの廻り部材の作用を
説明する。図1に示すように、複数のパラペットの廻り
部材20を、パラペット10に沿わして並列した後、防
水層13の端部をこれらの廻り部材20に沿わして敷設
する。この防水層13の端部に当て板31を当てがい、
これに釘32などにより、この防水層13の端部を廻り
部材20およびパラペット10に固定している。なお、
これら廻り部材20およびパラペット10の上には、笠
木33を取付けている。
【0030】このように、パラペット10の肉厚が薄い
場合若しくは材料自体が脆い場合であっても、パラペッ
トの廻り部材20の立上り部22に釘32などを挿通す
ることができるため、肉厚、材料の如何に拘らずに、防
水層13を固定することができる。また、防水層13の
固定に際し、モルタル、コンクリートなどを使用しない
ので、養生に必要であった工期が不要となり、工期の短
縮を図ることができると共に、熟練者の手作業が無用と
なり、容易・簡易に行なうことができる。
【0031】しかも、これに加えて、図2に示すよう
に、廻り部材20を、上記本体Xと、この本体Xの床板
部21の底面に嵌合する嵌合台部材Yとで構成している
ため、床板部21上面と断熱材12上面との高さ合わせ
を、厚さの異なる台部材Yを用いることでおこなうこと
ができる。したがって、この廻り部材20は、断熱材1
2の厚さに関わらず納まりが良く敷設でき、床板部21
と断熱材12との継ぎ目に段部が形成されることがない
ため、このような段部での防水層の屈曲、破損等の不具
合を有効かつ容易に防止できる。
【0032】さらに、廻り部材20は、そのキャント部
23で、斜めに傾斜して形成してあるため、このキャン
ト部23に防水層13を沿わして配設することができ
る。そのため、防水層13が急激に折れ曲がることを防
止でき、防水層13の劣化を防止できる。
【0033】なお、本考案は、上述した実施例に限定さ
れないのは勿論であり、特に、明細書中に限定されない
と記載してある事項は、特に種々に変形可能である。し
たがって、例えば、本考案に係る屋上パラペットの廻り
部材は、図3〜図7に示されるように構成されていても
よい。
【0034】即ち、図3〜図5は本考案の第二〜第四の
実施例に関わる屋上パラペットの廻り部材単品を拡大し
て示す斜視図であり、図6は、図5に示した屋上パラペ
ットの廻り部材が配設された状態の断面図であり、図7
は、本考案の第五の実施例に関わる屋上パラペットの廻
り部材単品を拡大してしめす斜視図である。
【0035】図3に示される屋上パラペットの廻り部材
30は、屋上パラペット近傍の床面に沿わせて防水層下
側に設置される床板部31と、屋上パラペットに沿わせ
て防水層内側に配設される立上り部32とを具備する断
面L字状に上述したような発泡合成樹脂から形成されて
おり、前記床板部31の上面31aは、前記立上り部3
2側が高くなるように傾斜している。そして、この傾斜
した上面31aは、廻り部材30の載置面S、たとえば
屋上の床面あるいは断熱材上面に連続するようになって
いる。なお、図中33は、キャント部である。また、こ
の廻り部材30は、上述した材料および方法により製造
することができる。
【0036】このように構成した廻り部材30によれ
ば、上記第一の廻り部材と同様に、パラペットの肉厚、
材料に関わらず容易・簡単かつ短期間で防水層を固定で
る他、以下のような作用・効果を奏する。すなわち、こ
の廻り部材30では、廻り部材30の床板部31に連続
して屋根断熱材を敷設する場合には、例えば断熱材の廻
り部材側の側端面を廻り部材30の床板部上面31aに
添うような下向き傾斜面とするか、あるいは廻り部材3
0の床板部31を断熱材の厚さh同じになる部分(図中
一点鎖線部)で切断して用いることにより、廻り部材3
0の床板部31と断熱材との継ぎ目に段部が形成される
のを防止できるため、納まり良く施設でき、このような
段部での防水層の屈曲、破損等の不具合を有効かつ容易
に防止できる。また、廻り部材30の床板部上面31a
の傾斜が,廻り部材30の載置面Sに連続しているた
め、断熱材を敷設する場合には断熱材上に載置して用
い、屋根断熱材を敷設しない場合にはそのまま用いても
同様の効果を期待できる。
【0037】図4に示される屋上パラペットの廻り部材
40は、屋上パラペット近傍の床面に沿わせて防水層下
側に設置される床板部41と、屋上パラペットに沿わせ
て防水層内側に配設される立上り部42とを具備する断
面L字状に上述したような発泡合成樹脂から形成されて
おり、床板部41と立上げ部42との間に、床板部41
の上面41aと立上げ部42の前面42aとを連続する
湾曲面43aを有するキャント部43が設けてある。こ
の廻り部材40は、上述した材料および方法により製造
することができる。
【0038】このように構成した廻り部材43によれ
ば、上記第一の廻り部材と同様に、パラペットの肉厚、
材料に関わらず容易・簡単かつ短期間で防水層を固定で
る他、床板部41の上面41aと立上げ部42の前面4
2aとを湾曲面43aで連続したため、床板部41およ
び立上げ部42の境目で防水シートが急激に屈曲しない
ため、床板部41と立上げ部42との間での防水シート
の破損が発生することがない。
【0039】また、図5および図6に示される屋上パラ
ペットの廻り部材50は、屋上パラペット10近傍の床
面に沿わせて防水層13下側に設置される床板部51
と、屋上パラペット10に沿わせて防水層13内側に配
設される立上り部52とを具備する断面L字状に上述し
た発泡合成樹脂から形成されており、立上げ部52の上
端縁に、立上げ部前面52aに張出すとともに、その下
面54aの立上げ部52側が高くなった庇部54が設け
てある。なお、図中53は、キャント部であり、この廻
り部材50は、上述した材料および方法により製造する
ことができる。
【0040】このように構成した廻り部材53によれ
ば、上記第一の廻り部材と同様に、パラペット10の肉
厚、材料に関わらず容易・簡単かつ短期間で防水層13
を固定でる他、以下のような作用・効果を奏する。すな
わち、この廻り部材50では、庇部54によって雨水が
あたらなくなった部分で、釘55および当て板56を用
いて防水層13端部を止めるようにすれば、笠木6の配
設位置、形状に関わらず、例えば図6に示すように笠木
6の垂下部6aが短い場合でも、庇部54によって防水
層13端部からの雨水の侵入を有効に防止できる。
【0041】さらに、図7に示される屋上パラペットの
廻り部材60は、屋上パラペット近傍の床面に沿わせて
防水層下側に設置される床板部61と、屋上パラペット
に沿わせて防水層内側に配設される立上り部62とを具
備する断面L字状に上述したような発泡合成樹脂から形
成されておいる。そして、この廻り部材60の一方側端
面には、立上り部62の厚み方向に形成される2条の条
溝64,64が形成されており、他方側端面には、立上
り部62の厚み方向に形成される2条の凸条65,65
が形成されている。そして、この廻り部材60は、隣接
して並設される際に、隣接する廻り部材60同士が、条
溝64および凸条65によって嵌合される。
【0042】このように構成した廻り部材60によれ
ば、上記第一の廻り部材と同様に、パラペットの肉厚、
材料に関わらず容易・簡単かつ短期間で防水層を固定で
る他、隣接する廻り部材同士60が、条溝64および凸
条65によって、隙間、段等がないように接続されるた
め、納まり良く施設でき、このような隙間、段部での防
水層の屈曲、破損等の不具合を有効かつ容易に防止でき
る。
【0043】
【考案の効果】以上述べたように、本考案では、屋上パ
ラペットの廻り部材が上記床板部と立上げ部とで構成さ
れているため、屋上パラペットの肉厚が薄い場合若しく
は材料自体が脆い場合であっても、パラペットの廻り部
材の立上り部に釘などを挿通することができるため、肉
厚、材料の如何に拘らずに、防水層を固定することがで
き、防水層の固定に際し、モルタル、コンクリートなど
を使用しないので、養生に必要であった工期が不要とな
り、工期の短縮を図ることができると共に、熟練者の手
作業が無用となり、容易・簡易に施工を行なうことがで
きる。
【0044】しかも、これらに加えて、床板部の底面に
嵌合する嵌合台部材を設け、或いは前記床板部の上面
は、前記立上り部側が高くなるように傾斜することによ
り、床板部上面と断熱材上面あるいは屋上の床面との高
さ合わせが可能であり、廻り部材の床板部と断熱材、床
面との継ぎ目に形成される段部での防水層の屈曲、破損
等の不具合を有効かつ容易に防止できる。
【0045】また、本考案では、前記床板部と立上げ部
との間に、該床板部の上面と該立上げ部の前面とを連続
する湾曲面を有するキャント部を設ければ、床板部およ
び立上げ部の境目で防水シートが急激に屈曲せず、その
破損が発生することがない他、前記立上げ部の上端縁
に、該立上げ部の前面に張出すとともに、その下面の立
上げ部側が高くなった庇部が設ければ、庇部によって防
水層端部からの雨水の侵入を有効に防止できる。
【0046】さらに、本考案では、この廻り部材を隣接
して敷設するに際して、隣接する廻り部材同士が嵌合し
て接続することにより、隣接する廻り部材同士が隙間、
段等がないように接続できるため、納まり良く施設で
き、このような隙間、段部での防水層の屈曲、破損等の
不具合を有効かつ容易に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本考案の一実施例に係る屋上パラペッ
トの廻り部材が配設された状態を示す部分切欠斜視図で
ある。
【図2】図2は、図1に示した屋上パラペットの廻り部
材単品を拡大して示す斜視図である。
【図3】図3は、本考案の第二実施例に係る屋上パラペ
ットの廻り部材単品を拡大して示す斜視図である。
【図4】図4は、本考案の第三実施例に係る屋上パラペ
ットの廻り部材単品を拡大して示す斜視図である。
【図5】図5は、本考案の第四実施例に係る屋上パラペ
ットの廻り部材単品を拡大して示す斜視図である。
【図6】図6は、図5に示した屋上パラペットの廻り部
材を設置した状態を示す断面図である。
【図7】図7は、本考案の第五実施例に係る屋上パラペ
ットの廻り部材単品を拡大して示す斜視図である。
【図8】図8は、従来の一例に係る屋上パラペットの構
造を示す部分切欠斜視図である。
【図9】図9は、従来の他例に係る屋上パラペットの構
造を示す部分切欠斜視図である。
【符号の説明】
20,30,40,50,60 屋上パラペッ
トの廻り部材 21,31,41,51,61 床板部 22,32,42,52,62 立上げ部 23,33,43,53,63 キャント部 X 本体 Y 台部材 31a 床板部上面 41a 床板部上面 42a 立上り
部前面 43a 屈曲面 52a 立上り部前面 54 庇部 54a 庇部下面 64 条溝 65 凸条

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋上パラペットの内側に配設され、防水
    層を敷設するための屋上パラペットの廻り部材であっ
    て、 屋上パラペット近傍の床面に沿わせて防水層下側に設置
    される床板部と、屋上パラペットに沿わせて防水層内側
    に配設される立上り部とを具備して断面L字状に発泡合
    成樹脂から形成される本体、および前記床板部の底面に
    嵌合する嵌合台部材を備えることを特徴とする屋上パラ
    ペットの廻り部材。
  2. 【請求項2】 屋上パラペットの内側に配設され、防水
    層を敷設するための屋上パラペットの廻り部材であっ
    て、 屋上パラペット近傍の床面に沿わせて防水層下側に設置
    される床板部と、屋上パラペットに沿わせて防水層内側
    に配設される立上り部と、を具備して断面L字状に発泡
    合成樹脂から形成されるとともに、 前記床板部の上面は、上記立上り部側が高くなるように
    傾斜していることを特徴とする屋上パラペットの廻り部
    材。
  3. 【請求項3】 屋上パラペットの内側に配設され、防水
    層を敷設するための屋上パラペットの廻り部材であっ
    て、 屋上パラペット近傍の床面に沿わせて防水層下側に設置
    される床板部と、屋上パラペットに沿わせて防水層内側
    に配設される立上り部と、を具備して断面L字状に発泡
    合成樹脂から形成されるとともに、 前記床板部と立上げ部との間に、該床板部の上面と該立
    上げ部の前面とを連続する湾曲面を有するキャント部が
    設けてあることを特徴とする屋上パラペットの廻り部
    材。
  4. 【請求項4】 屋上パラペットの内側に配設され、防水
    層を敷設するための屋上パラペットの廻り部材であっ
    て、 屋上パラペット近傍の床面に沿わせて防水層下側に設置
    される床板部と、屋上パラペットに沿わせて防水層内側
    に配設される立上り部と、を具備して断面L字状に発泡
    合成樹脂から形成されるとともに、 前記立上げ部の上端縁に、該立上げ部の前面に張出すと
    ともに、その下面の立上げ部側が高くなった庇部が設け
    てあることを特徴とする屋上パラペットの廻り部材。
  5. 【請求項5】 屋上パラペットの内側に配設され、防水
    層を敷設するための屋上パラペットの廻り部材であっ
    て、 屋上パラペット近傍の床面に沿わせて防水層下側に設置
    される床板部と、屋上パラペットに沿わせて防水層内側
    に配設される立上り部と、を具備して断面L字状に発泡
    合成樹脂から形成されるとともに、 前記廻り部材は隣接して敷設され、かつ隣接する廻り部
    材同士が嵌合して接続されることを特徴とする屋上パラ
    ペットの廻り部材。
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