JP2511771Y2 - 自動車用シ―トベルトのバックル格納構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シートベルトのバックル格納構造の
改良に関する。

（従来の技術） 従来、自動車シート、特にリヤシートでは、サイドド
ア側にシートベルトを巻取るリトラクターが配置され、
車室中央側にバックルが配置されている。

このバックルは、四角状の金属ブロック体であり、着
座時に当たる場合もあるので、不使用時には格納してお
くことが望ましい。

そこで、従来では、第６図に示すように、隣り合うシ
ートクッション１とセンタークッション２との間にスリ
ット３を形成して、バックル４を上方からスリット３に
押込んで格納するか、あるいは第７図に示すように、合
成樹脂製のベゼル５をシートバック６に取付けて、該ベ
ゼル５にバックル４を前方から格納するかしていた。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、前者（第６図）のタイプでは、バック
ル４の格納時にスリット３が膨らんで見栄えが悪いとい
う問題があり、後者（第７図）のタイプでは、成形品の
ベゼル５が必要でコストアップになるという問題があっ
た。

本考案は上記問題を解決するためになされたもので、
見栄えが良く、かつコスト安にバックルを格納できるよ
うにしたバックル格納構造を提供することを目的とする
ものである。

（課題を解決するための手段） このため本考案は、隣り合うクッションパッドのいず
れか一方の肩部に、シートベルトのバックルを格納可能
な凹部が形成され、該凹部のコーナ部分に溝が形成さ
れ、上記一方のパッドを覆う表皮に、凹部の内面を覆う
表皮片が縫着され、該表皮片の縦部分に上記凹部の溝に
差込み可能な樹脂プレートが縫着され、上記表皮片の底
部分が他方のパッドを覆う表皮の縦部分に縫着され、該
他方のパッドの縦部分の端部は、両パッド間のスリット
を通って、いずれかのパッドの底部に止着されているこ
とを特徴とするものである。

（考案の作用・効果） 本考案は、一方のパッドに形成した凹部を覆う表皮片
の縦部分の樹脂プレートを、パッドの溝に差込むと共
に、該表皮片の底部分を縫着した他方の表皮の縦部分の
端部を、両パッド間のスリットを通してパッドの底部分
に止着したものである。

したがって、樹脂プレートの差込みと端部の止着とに
より、表皮片が凹部に密着して、凹部形状が保持される
ようになる。

そして、この凹部にバックルを格納できるので、上記
従来の前者のように、スリットが膨らんで見栄えが悪く
なるという問題がなくなり、また、上記従来の後者のよ
うな成形品のベゼルが不要で、板状の樹脂プレートのみ
であるからコスト安になる。

さらに、表面に表皮以外が見えないため、上記ベゼル
のような違和感が生ぜず、この点でも見栄えが向上す
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細に説明
する。

第１図〜第３図に示すように、第１実施例の自動車用
リヤシート10は、左側のシートクッション11（第１図で
は右側に位置する。）と、右側のシートクッション（不
図示）と、中央のシートクッション12とに３分割され、
各シートクッション11,12にはシートバック13,14が設け
られている。左側のシートバック13と中央のシートバッ
ク14との間からは、短いシートベルト15に取付けられた
バックル16が引き出されて、該バックル16には、左側の
サイドドア側のシートベルトのタングプレートが係脱す
る。

同様に、右側のシートバックと中央のシートバック14
との間からもバックルが引き出されて、該バックルに
は、右側のサイドドア側のシートベルトのタングプレー
トが係合する。

以下では、左側のバックル16についてのみ説明し、右
側のバックルについては同様の構造であるから、説明は
省略する。

上記中央のシートクッション12のパッド18の左肩部に
は、バックル16を格納可能な凹部19が形成されている。

上記パッド18は表面が表皮20で覆われて、該表皮20
に、凹部19の内面を覆う表皮片20a,20bが糸21a,21bで縫
着されている。なお、表皮片20a,20bは一枚もの（一
体）であってもよく、この場合には糸21bでの縫着が不
要である。

縦部分の表皮片20aの裏側には、上記凹部19の細溝19a
に上方から差込み可能な板状の樹脂プレート22が表皮片
20a,20bの縫着部付近で糸21cで縫着されている。

また、底部分の表皮片20bの端部は、左側のシートク
ッション11のパッド23を覆う表皮24の縦部分の表皮片24
aに糸21dで縫着されている。

そして、該表皮24の表皮片24aの端部は、両パッド18,
24間のスリット25〔該スリット25の実際の幅は表皮片24
a（第２実施例の場合には表皮片20b,24bとシートベルト
15）が差込める程度の細幅である。〕を通して、パッド
23の底部にクリップ26で止着される。

上記のような構成であれば、中央のパッド18の凹部19の
細溝19aに樹脂プレート22を差込み、左側の表皮片24aの
端部を、スリット25を通してパッド23の底部にクリップ
26で止着する。

これにより、各表皮片20a,20b,24aが凹部19に引っ張
り状態で密着して、凹部形状が正確に保持され、この凹
部19にバックル16が格納できるようになる。

したがって、特に上記従来の後者のようなベゼルが不
要となり、コスト安になると共に、凹部19は表皮片20a,
20b,24aで覆われているので、リヤシート10の各表皮2
0、24と一体感が生じ、見栄えも向上するのである。

第４図及び第５図は第２実施例であり、第１実施例と
同一構成、作用の箇所は、同一番号を付して説明は省略
する。

第２実施例では、底部分の表皮片20bの端部を下方に
延長し、スリットを通して、パッド18の底部にクリップ
26で止着する。

そして、このスリット25の間から短いシートベルト15
に取付けられたバックル16を上方に引き出している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る第１実施例のバックル格納構造の
斜視図、第２図は第１図のI-I線拡大断面図、第３図は
バックル格納時の第１図のI-I線拡大断面図、第４図は
第２実施例のバックル格納構造の斜視図、第５図は第４
図のI-I線拡大断面図、第６図及び第７図は従来のバッ
クル格納構造の斜視図である。 10……リヤシート、11,12……シートクッション、16…
…バックル、18,23……パッド、19……凹部、19a……細
溝、20,24……表皮、20a,20b,24a……表皮片、22……樹
脂プレート、25……スリット、26……クリップ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】隣り合うクッションパッドのいずれか一方
   の肩部に、シートベルトのバックルを格納可能な凹部が
   形成され、該凹部のコーナ部分に溝が形成され、上記一
   方のパットを覆う表皮に、凹部の内面を覆う表皮片が縫
   着され、該表皮片の縦部分に上記凹部の溝に差込み可能
   な樹脂プレートが縫着され、上記表皮片の底部分が他方
   のパッドを覆う表皮の縦部分に縫着され、該他方のパッ
   ドの縦部分の端部は、両パッド間のスリットを通って、
   いずれかのパッドの底部に止着されていることを特徴と
   する自動車用シートベルトのバックル格納構造。