JP2511573B2 - 1―エチルアダマンタンの製造方法 - Google Patents
1―エチルアダマンタンの製造方法Info
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、高級な機能性高分子及び医薬品等の原料と
して有用な1−エチルアダマンタンの製造方法に関す
る。
して有用な1−エチルアダマンタンの製造方法に関す
る。
〈従来の技術〉 アルキル基のないアダマンタンを製造する方法は、19
56年にシュレイヤーらにより、エンド−テトラヒドロジ
シクロペンタジエンを無水塩化アルミニウムを触媒とし
て用いて異性化する方法(J.Am.Chem.Soc.,79,3292(19
57))が発見されて以来、各種の酸触媒を用い、炭素数
10以上の三環式飽和炭化水素を異性化する試みが為され
ている。しかし、初期においては、無水塩化アルミニウ
ムを触媒として用いるエンド−テトラヒドロジシクロペ
ンタジエンの異性化で得られるアダマンタンの収率は15
〜20%程度であり、かつ極めて多くの副生物が生成する
ので、この方法は、アダマンタンの工業的製法として有
利とはいえない。
56年にシュレイヤーらにより、エンド−テトラヒドロジ
シクロペンタジエンを無水塩化アルミニウムを触媒とし
て用いて異性化する方法(J.Am.Chem.Soc.,79,3292(19
57))が発見されて以来、各種の酸触媒を用い、炭素数
10以上の三環式飽和炭化水素を異性化する試みが為され
ている。しかし、初期においては、無水塩化アルミニウ
ムを触媒として用いるエンド−テトラヒドロジシクロペ
ンタジエンの異性化で得られるアダマンタンの収率は15
〜20%程度であり、かつ極めて多くの副生物が生成する
ので、この方法は、アダマンタンの工業的製法として有
利とはいえない。
その後各種の改良がなされ、エンド−テトラヒドロジ
シクロペンタジエンを原料として、フッ化硼素−フッ化
水素系化合物を触媒として用いることにより、アダマン
タンの収率を30%程度まで向上させる方法(USP.NO.2,9
37,211)、あるいは無水塩化アルミニウム−塩化水素を
触媒として水素加圧下で反応させることにより、アダマ
ンタンの収率を40%程度まで向上させる方法が提案され
た。
シクロペンタジエンを原料として、フッ化硼素−フッ化
水素系化合物を触媒として用いることにより、アダマン
タンの収率を30%程度まで向上させる方法(USP.NO.2,9
37,211)、あるいは無水塩化アルミニウム−塩化水素を
触媒として水素加圧下で反応させることにより、アダマ
ンタンの収率を40%程度まで向上させる方法が提案され
た。
しかし、その収率は、まだ十分高いとはいえない。ま
た、特公昭51−20508号公報には、エンド−テトラヒド
ロジシクロペンタジエンを原料として、無水塩化アルミ
ニウムを触媒として用い、さらに、溶媒として1,2−ジ
クロロエタンを用いると、アダマンタンの収率が50%に
上昇すると記載されている。しかし、この方法でも、無
水塩化アルミニウム/原料炭化水素の比は、モル比ある
いは重量比で1/1程度と、大量の触媒を用いる必要があ
るため、経済性が良くない。
た、特公昭51−20508号公報には、エンド−テトラヒド
ロジシクロペンタジエンを原料として、無水塩化アルミ
ニウムを触媒として用い、さらに、溶媒として1,2−ジ
クロロエタンを用いると、アダマンタンの収率が50%に
上昇すると記載されている。しかし、この方法でも、無
水塩化アルミニウム/原料炭化水素の比は、モル比ある
いは重量比で1/1程度と、大量の触媒を用いる必要があ
るため、経済性が良くない。
ところで、アダマンタン類の中でもファインケミカル
原料として特に有用なものは、メチル基やエチル基など
のアルキル基でアダマンタン骨格の一部が置換されたア
ルキルアダマンタン類であり、アルキルアダマンタン類
の製造方法としては、アダマンタンをオレフィンあるい
はパラフィンと反応させる方法と、三環式飽和炭化水素
を直接異性化する方法とが知られている。
原料として特に有用なものは、メチル基やエチル基など
のアルキル基でアダマンタン骨格の一部が置換されたア
ルキルアダマンタン類であり、アルキルアダマンタン類
の製造方法としては、アダマンタンをオレフィンあるい
はパラフィンと反応させる方法と、三環式飽和炭化水素
を直接異性化する方法とが知られている。
アルキルアダマンタン類を、アダマンタンとオレフィ
ンあるいはパラフィンとの反応で得る方法としては、開
始剤の存在下にオレフィンをアダマンタンに付加させる
方法(特開昭50−89355号公報)や、γ線照射させるこ
とによってオレフィンを付加させる方法(SU426988)が
あるが、目的とするアルキルアダマンタンの収率や選択
率が低く、実用に耐えるものではない。また、無水ハロ
ゲン化アルミニウムを触媒として用いてアダマンタンと
パラフィンとを反応させ、アルキルアダマンタンを得る
方法が開発されているが(SU302008)、得られるアルキ
ルアダマンタンは、種々のジメチルアダマンタンからテ
トラメチルアダマンタンまでの混合物であり、ファイン
ケミカル原料として用いることのできるアルキルアダマ
ンタンを得る方法としては満足できるものではない。
ンあるいはパラフィンとの反応で得る方法としては、開
始剤の存在下にオレフィンをアダマンタンに付加させる
方法(特開昭50−89355号公報)や、γ線照射させるこ
とによってオレフィンを付加させる方法(SU426988)が
あるが、目的とするアルキルアダマンタンの収率や選択
率が低く、実用に耐えるものではない。また、無水ハロ
ゲン化アルミニウムを触媒として用いてアダマンタンと
パラフィンとを反応させ、アルキルアダマンタンを得る
方法が開発されているが(SU302008)、得られるアルキ
ルアダマンタンは、種々のジメチルアダマンタンからテ
トラメチルアダマンタンまでの混合物であり、ファイン
ケミカル原料として用いることのできるアルキルアダマ
ンタンを得る方法としては満足できるものではない。
一方、各種の三環式飽和炭化水素を直接異性化してア
ルキルアダマンタン類を製造する方法では、塩素処理し
た白金/酸化アルミニウム触媒が各種の三環式飽和炭化
水素を異性化する際の触媒として有効であることが知ら
れているが(J.Am.Chem.Soc.,93,2798(1971))、この
方法は、触媒の調製が複雑な上に極めて触媒寿命が短
く、実用に耐えるものではない。また、特公昭52−1270
6号公報には、各種の三環式飽和炭化水素を異性化して
アダマンタン類を得るための触媒としてY型ゼオライト
系触媒が開示されているが、Y型ゼオライト系触媒を用
いた場合の原料炭化水素の転化率は40〜60%、目的とす
るアルキルアダマンタンの収率は10〜40%程度と低いば
かりでなく、原料の損失となる分解生成物の生成が20%
近くもあることから、これも、工業的製法に適用できる
水準にはない。
ルキルアダマンタン類を製造する方法では、塩素処理し
た白金/酸化アルミニウム触媒が各種の三環式飽和炭化
水素を異性化する際の触媒として有効であることが知ら
れているが(J.Am.Chem.Soc.,93,2798(1971))、この
方法は、触媒の調製が複雑な上に極めて触媒寿命が短
く、実用に耐えるものではない。また、特公昭52−1270
6号公報には、各種の三環式飽和炭化水素を異性化して
アダマンタン類を得るための触媒としてY型ゼオライト
系触媒が開示されているが、Y型ゼオライト系触媒を用
いた場合の原料炭化水素の転化率は40〜60%、目的とす
るアルキルアダマンタンの収率は10〜40%程度と低いば
かりでなく、原料の損失となる分解生成物の生成が20%
近くもあることから、これも、工業的製法に適用できる
水準にはない。
このような実状に鑑み、本発明者らは、アルキルアダ
マンタン類の工業的製法の検討を行なってきた。そし
て、先に、無水塩化アルミニウムを触媒として用い、高
収率で1,3−ジメチルアダマンタンを製造する方法(特
開昭63−159330号公報)、及び、炭素数13以上のアルキ
ルアダマンタン類を製造する方法(特開平2−4721号公
報)を開示した。しかし、アルキルアダマンタン類の中
でも1,3−ジメチルアダマンタン同様にファインケミカ
ル原料として特に重要な1−エチルアダマンタンの製造
方法については、未だ知られていない。
マンタン類の工業的製法の検討を行なってきた。そし
て、先に、無水塩化アルミニウムを触媒として用い、高
収率で1,3−ジメチルアダマンタンを製造する方法(特
開昭63−159330号公報)、及び、炭素数13以上のアルキ
ルアダマンタン類を製造する方法(特開平2−4721号公
報)を開示した。しかし、アルキルアダマンタン類の中
でも1,3−ジメチルアダマンタン同様にファインケミカ
ル原料として特に重要な1−エチルアダマンタンの製造
方法については、未だ知られていない。
〈発明が解決しようとする課題〉 以上述べたように、アルキルアダマンタン類の中でも
特に重要な1−エチルアダマンタンを高収率、高選択率
で製造できる方法は、未だ知られていない。従って、本
発明の目的は、1−エチルアダマンタンを高収率、高選
択率で与えるその工業的製造方法を提供することにあ
る。
特に重要な1−エチルアダマンタンを高収率、高選択率
で製造できる方法は、未だ知られていない。従って、本
発明の目的は、1−エチルアダマンタンを高収率、高選
択率で与えるその工業的製造方法を提供することにあ
る。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者らは、高収率、高選択率で1−エチルアダマ
ンタンを得るために、原料と触媒系および反応条件等に
ついて種々検討した。その結果、触媒系として特定量の
無水塩化アルミニウムと1,2−ジクロロエタンを用い特
定の異性化反応温度とすること、かつ、特定量の脂環式
オレフィンまたは芳香族炭化水素化合物を共存させるこ
とにより、原料であるパーヒドロアセナフテンより1−
エチルアダマンタンを高収率に得ることができることを
知見し、本発明を完成したものである。
ンタンを得るために、原料と触媒系および反応条件等に
ついて種々検討した。その結果、触媒系として特定量の
無水塩化アルミニウムと1,2−ジクロロエタンを用い特
定の異性化反応温度とすること、かつ、特定量の脂環式
オレフィンまたは芳香族炭化水素化合物を共存させるこ
とにより、原料であるパーヒドロアセナフテンより1−
エチルアダマンタンを高収率に得ることができることを
知見し、本発明を完成したものである。
すなわち本発明は、パーヒドロアセナフテンを異性化
して1−エチルアダマンタンを得るに際し、無水塩化ア
ルミニウムと1,2−ジクロルエタンとから成る触媒系を
用い、無水塩化アルミニウムをパーヒドロアセナフテン
の1/3〜1/8量(重量比)用い、脂環式オレフィン系炭化
水素化合物および芳香族炭化水素化合物から選ばれる1
種以上の化合物をパーヒドロアセナフテンに対し、0.1
〜10重量%共存させ、異性化反応を温度45〜55℃で行う
1−エチルアダマンタンの製造方法を提供するものであ
る。
して1−エチルアダマンタンを得るに際し、無水塩化ア
ルミニウムと1,2−ジクロルエタンとから成る触媒系を
用い、無水塩化アルミニウムをパーヒドロアセナフテン
の1/3〜1/8量(重量比)用い、脂環式オレフィン系炭化
水素化合物および芳香族炭化水素化合物から選ばれる1
種以上の化合物をパーヒドロアセナフテンに対し、0.1
〜10重量%共存させ、異性化反応を温度45〜55℃で行う
1−エチルアダマンタンの製造方法を提供するものであ
る。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる原料のパーヒドロアセナフテンは、通
常、コールタール中に含まれるアセナフテンを水素化す
ることによって得られるが、他の方法によって得たパー
ヒドロアセナフテンを用いることもできる。
常、コールタール中に含まれるアセナフテンを水素化す
ることによって得られるが、他の方法によって得たパー
ヒドロアセナフテンを用いることもできる。
本発明で用いる触媒系は、無水塩化アルミニウムと1,
2−ジクロロエタンの混合系である。無水塩化アルミニ
ウムは、加熱下(約45℃以上)で1,2−ジクロロエタン
と錯体を形成して1,2−ジクロロエタンに溶解するよう
になり、均一系に近くなるため、触媒として有効に働く
ものと考えられる。そして、その結果、触媒量が少なく
ても高収率で1−エチルアダマンタンが得られるのであ
る。
2−ジクロロエタンの混合系である。無水塩化アルミニ
ウムは、加熱下(約45℃以上)で1,2−ジクロロエタン
と錯体を形成して1,2−ジクロロエタンに溶解するよう
になり、均一系に近くなるため、触媒として有効に働く
ものと考えられる。そして、その結果、触媒量が少なく
ても高収率で1−エチルアダマンタンが得られるのであ
る。
無水塩化アルミニウムの量は、原料のパーヒドロアセ
ナフテンに対して重量比で1/3〜1/8とする。1/3よりも
多く用いると、反応の制御が困難となり、1−エチルア
ダマンタンの選択率が低下する場合がある。一方、1/8
未満では、反応は進行するが反応速度が極端に遅くな
り、経済的ではない。
ナフテンに対して重量比で1/3〜1/8とする。1/3よりも
多く用いると、反応の制御が困難となり、1−エチルア
ダマンタンの選択率が低下する場合がある。一方、1/8
未満では、反応は進行するが反応速度が極端に遅くな
り、経済的ではない。
溶媒であり、かつ触媒系の一成分である1,2−ジクロ
ロエタンは、1,2−ジクロロエタン/無水塩化アルミニ
ウム(重量比)で5以上、好ましくは10〜20用いる。1,
2−ジクロロエタンは、ある程度多い方が反応の面から
は有利であるが、回収、経済性の観点からは、上記の範
囲が妥当である。
ロエタンは、1,2−ジクロロエタン/無水塩化アルミニ
ウム(重量比)で5以上、好ましくは10〜20用いる。1,
2−ジクロロエタンは、ある程度多い方が反応の面から
は有利であるが、回収、経済性の観点からは、上記の範
囲が妥当である。
反応温度は45〜55とする。45℃未満では反応が極めて
遅く、従って経済的でなく、一方、55℃を超えると、反
応速度は大きくなるが、反応制御が困難になり、1−エ
チルアダマンタンの選択率が低下するため好ましくな
い。
遅く、従って経済的でなく、一方、55℃を超えると、反
応速度は大きくなるが、反応制御が困難になり、1−エ
チルアダマンタンの選択率が低下するため好ましくな
い。
反応時間は、パーヒドロアセナフテン/無水塩化アル
ミニウムの重量比や反応温度にもよるが、約1〜10時間
である。例えば、パーヒドロアセナフテン/無水塩化ア
ルミニウムの重量比を4とし、温度50℃で反応を行なう
場合、反応時間は1〜3時間が適当である。
ミニウムの重量比や反応温度にもよるが、約1〜10時間
である。例えば、パーヒドロアセナフテン/無水塩化ア
ルミニウムの重量比を4とし、温度50℃で反応を行なう
場合、反応時間は1〜3時間が適当である。
以上説明した方法により、高収率で1−エチルアダマ
ンタンを得ることができるが、また反応制御を容易にす
るためには、特定の炭化水素化合物を共存させて反応を
行なわせるとよい。
ンタンを得ることができるが、また反応制御を容易にす
るためには、特定の炭化水素化合物を共存させて反応を
行なわせるとよい。
ここで、特定の炭化水素化合物とは、自己重合性の小
さい炭化水素化合物を示す。従って、特定の炭化水素化
合物としては、例えばシクロヘキセン、テトラリン、ア
セナフテンなどの脂環式オレフィン系あるいは芳香族の
炭化水素化合物を挙げることができる。
さい炭化水素化合物を示す。従って、特定の炭化水素化
合物としては、例えばシクロヘキセン、テトラリン、ア
セナフテンなどの脂環式オレフィン系あるいは芳香族の
炭化水素化合物を挙げることができる。
これら特定の炭化水素化合物は、生成した1−エチル
アダマンタンの逐次的異性化反応を抑制し、選択率の低
下を防ぐ。
アダマンタンの逐次的異性化反応を抑制し、選択率の低
下を防ぐ。
なお、上記特定の炭化水素化合物のかわりに、スチレ
ンのような自己重合性の化合物を用いると、重質物が多
量に生成してしまい、1−エチルアダマンタンの収率が
低下する。
ンのような自己重合性の化合物を用いると、重質物が多
量に生成してしまい、1−エチルアダマンタンの収率が
低下する。
特定の炭化水素化合物は、原料であるパーヒドロアセ
ナフテンに対して0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜
5重量%の範囲で用いるとよい。0.1重量%未満では、
その効果に乏しく、10重量%を超えると、重質物の生成
が多くなり、好ましくはない。
ナフテンに対して0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜
5重量%の範囲で用いるとよい。0.1重量%未満では、
その効果に乏しく、10重量%を超えると、重質物の生成
が多くなり、好ましくはない。
本発明では、適当な反応条件と触媒量を選択すること
により、あるいはさらに特定の炭化水素化合物を共存さ
せることにより、比較的単純な組成の混合物として反応
生成物を得ることができる。従って、目的とする1−エ
チルアダマンタンを、減圧蒸留等の手段により、容易に
分離・生成することができる。
により、あるいはさらに特定の炭化水素化合物を共存さ
せることにより、比較的単純な組成の混合物として反応
生成物を得ることができる。従って、目的とする1−エ
チルアダマンタンを、減圧蒸留等の手段により、容易に
分離・生成することができる。
〈実施例〉 以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、
本発明は、これに限定されるものではない。
本発明は、これに限定されるものではない。
始めに、脂環式オレフィンまたは芳香族炭化水素を共
存させずに予備実験を行った。
存させずに予備実験を行った。
(予備実験) 無水塩化アルミニウム10gを1,2−ジクロロエタン40g
中で粉砕、混合したものを、予め40gの1,2−ジクロロエ
タンを入れ、冷却管、攪拌機、温度計を装着した300ml
の四つ口フラスコに入れた。この時、無水塩化アルミニ
ウムの粉砕に用いた乳鉢等の器壁に付着した無水塩化ア
ルミニウムをフラスコに洗い落とすために、更に25mlの
1,2−ジクロロエタンを使用した。
中で粉砕、混合したものを、予め40gの1,2−ジクロロエ
タンを入れ、冷却管、攪拌機、温度計を装着した300ml
の四つ口フラスコに入れた。この時、無水塩化アルミニ
ウムの粉砕に用いた乳鉢等の器壁に付着した無水塩化ア
ルミニウムをフラスコに洗い落とすために、更に25mlの
1,2−ジクロロエタンを使用した。
次に、39gの1,2−ジクロロエタンで希釈したアセナフ
テンの全水添によって得たパーヒドロアセナフテン40g
(無水塩化アルミニウム/原料=1/4)を攪拌しながら
ゆっくり加え、予め約60℃に加温されたオイルバス中に
上記フラスコを浸漬した。反応は、温度52±2℃で1.5
時間行なった。
テンの全水添によって得たパーヒドロアセナフテン40g
(無水塩化アルミニウム/原料=1/4)を攪拌しながら
ゆっくり加え、予め約60℃に加温されたオイルバス中に
上記フラスコを浸漬した。反応は、温度52±2℃で1.5
時間行なった。
反応停止後、約200mlの水中に反応液を注ぎ入れ、無
水塩化アルミニウムを加水分解させた後、油水分離して
油層を回収した。この油層の一部を採取し、ガスクロマ
トグラフにて分析したところ、パーヒドロアセナフテン
の転化率は100%、1−エチルアダマンタンの収率は69.
9%であり、かつ分解生成物や原料よりも高沸点の重質
物の生成はほとんど見られなかった。尚、生成物の同定
は、ガスクロマトグラフ−質量分析計により行った。
水塩化アルミニウムを加水分解させた後、油水分離して
油層を回収した。この油層の一部を採取し、ガスクロマ
トグラフにて分析したところ、パーヒドロアセナフテン
の転化率は100%、1−エチルアダマンタンの収率は69.
9%であり、かつ分解生成物や原料よりも高沸点の重質
物の生成はほとんど見られなかった。尚、生成物の同定
は、ガスクロマトグラフ−質量分析計により行った。
さらに、この反応生成物から1−エチルアダマンタン
を回収するために、溶媒の1,2−ジクロロエタンをロー
タリーエバポレーターによって減圧(200mmHg)留去し
た後、生成物全量を理論段数50段の精密蒸留塔に仕込
み、100mmHgで減圧蒸留を行なった。
を回収するために、溶媒の1,2−ジクロロエタンをロー
タリーエバポレーターによって減圧(200mmHg)留去し
た後、生成物全量を理論段数50段の精密蒸留塔に仕込
み、100mmHgで減圧蒸留を行なった。
その結果、塔頂温度150℃で1−エチルアダマンタンの
留出が始まり、純度98%以上の高純度品として1−エチ
ルアダマンタンを分離することができた。
留出が始まり、純度98%以上の高純度品として1−エチ
ルアダマンタンを分離することができた。
(実施例1) 無水塩化アルミニウム/パーヒドロアセナフテン/1,2
−ジクロロエタンの仕込み重量比を1/3.5/12とし、さら
にパーヒドロアセナフテンに対して2重量%のトルエン
を添加し、47±2℃で2時間異性化反応を行なった。予
備実験と同様にして触媒を加水分解させた後、油層を回
収して生成物の分析を行なった結果、パーヒドロアセナ
フテンの転化率は100%、1−エチルアダマンタンの選
択率は63.9%であった。
−ジクロロエタンの仕込み重量比を1/3.5/12とし、さら
にパーヒドロアセナフテンに対して2重量%のトルエン
を添加し、47±2℃で2時間異性化反応を行なった。予
備実験と同様にして触媒を加水分解させた後、油層を回
収して生成物の分析を行なった結果、パーヒドロアセナ
フテンの転化率は100%、1−エチルアダマンタンの選
択率は63.9%であった。
(実施例2) 無水塩化アルミニウム/パーヒドロアセナフテン/1,2
−ジクロロエタンの仕込み重量比を1/5/12とし、トルエ
ンに替ってパーヒドロアセナフテンに対して1重量%の
テトラリンを添加し、反応時間を4時間とした以外は、
実施例1と同様にして異性化反応を行なった。その結
果、パーヒドロアセナフテンの転化率は100%、1−エ
チルアダマンタンの選択率は70.8%であった。
−ジクロロエタンの仕込み重量比を1/5/12とし、トルエ
ンに替ってパーヒドロアセナフテンに対して1重量%の
テトラリンを添加し、反応時間を4時間とした以外は、
実施例1と同様にして異性化反応を行なった。その結
果、パーヒドロアセナフテンの転化率は100%、1−エ
チルアダマンタンの選択率は70.8%であった。
(実施例3) テトラリンに替ってシクロヘキセンを用い、反応時間
を5時間とした以外は、実施例2と同様にして異性化反
応を行なった。その結果、パーヒドロアセナフテンの転
化率は100%、1−エチルアダマンタンの選択率は69.7
%であった。
を5時間とした以外は、実施例2と同様にして異性化反
応を行なった。その結果、パーヒドロアセナフテンの転
化率は100%、1−エチルアダマンタンの選択率は69.7
%であった。
〈発明の効果〉 本発明によれば、1−エチルアダマンタンを従来にな
い新しい方法で、高収率、高選択率で得ることができ
る。
い新しい方法で、高収率、高選択率で得ることができ
る。
1−エチルアダマンタンのジカルボン酸やジオール
は、ポリエステル、ポリイミド等の高級な機能性高分子
の原料として、また、医薬品、触媒をはじめ各種ファイ
ンケミカルの原料として用いることができる。さらに、
1−エチルアダマンタンを脱水素して得られるビニルア
ダマンタンも、機能性高分子の原料として有用である。
しかしながら、従来は1−エチルアダマンタンを工業的
に有利に製造する方法がなかったため、その誘導体など
の開発が進んでいなかったが、本発明により、比較的安
価に1−エチルアダマンタンが提供されるようになるの
で、上記の点などで、その意義は大きい。
は、ポリエステル、ポリイミド等の高級な機能性高分子
の原料として、また、医薬品、触媒をはじめ各種ファイ
ンケミカルの原料として用いることができる。さらに、
1−エチルアダマンタンを脱水素して得られるビニルア
ダマンタンも、機能性高分子の原料として有用である。
しかしながら、従来は1−エチルアダマンタンを工業的
に有利に製造する方法がなかったため、その誘導体など
の開発が進んでいなかったが、本発明により、比較的安
価に1−エチルアダマンタンが提供されるようになるの
で、上記の点などで、その意義は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−4721(JP,A) 特開 昭54−81249(JP,A) 特開 昭51−100062(JP,A) 特開 昭50−25554(JP,A) 特開 昭63−159330(JP,A) 特公 昭44−2987(JP,B1)
Claims (1)
- 【請求項1】パーヒドロアセナフテンを異性化して1−
エチルアダマンタンを得るに際し、無水塩化アルミニウ
ムと1,2−ジクロルエタンとから成る触媒系を用い、無
水塩化アルミニウムをパーヒドロアセナフテンの1/3〜1
/8量(重量比)用い、脂環式オレフィン系炭化水素化合
物および芳香族炭化水素化合物から選ばれる1種以上の
化合物をパーヒドロアセナフテンに対し、0.1〜10重量
%共存させ、異性化反応を温度45〜55℃で行うことを特
徴とする1−エチルアダマンタンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2331503A JP2511573B2 (ja) | 1990-11-29 | 1990-11-29 | 1―エチルアダマンタンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2331503A JP2511573B2 (ja) | 1990-11-29 | 1990-11-29 | 1―エチルアダマンタンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04202143A JPH04202143A (ja) | 1992-07-22 |
JP2511573B2 true JP2511573B2 (ja) | 1996-06-26 |
Family
ID=18244367
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2331503A Expired - Lifetime JP2511573B2 (ja) | 1990-11-29 | 1990-11-29 | 1―エチルアダマンタンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2511573B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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JP3979795B2 (ja) * | 2001-06-13 | 2007-09-19 | 出光興産株式会社 | アダマンタン類の製造法 |
BRPI0611966B1 (pt) * | 2005-06-17 | 2022-05-03 | Apogee Biotechnology Corporation | Composto ou sal farmaceuticamente aceitável do mesmo e composição farmacêutica os compreendendo |
Family Cites Families (5)
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---|---|---|---|---|
JPS5245709B2 (ja) * | 1973-07-10 | 1977-11-17 | ||
JPS51100062A (en) * | 1975-02-28 | 1976-09-03 | Kao Corp | 1*77exoo torimechirenbishikuro * 3*2*1 * okutankara 11 mechiruadamantanoseizosuruhoho |
JPS5481249A (en) * | 1977-12-08 | 1979-06-28 | Kao Corp | Preparation of 1-methyl-adamantane |
JPS63159330A (ja) * | 1986-12-23 | 1988-07-02 | Kawasaki Steel Corp | 1,3−ジメチルアダマンタンの製造方法 |
JPH024721A (ja) * | 1988-06-23 | 1990-01-09 | Kawasaki Steel Corp | アルキルアダマンタン類の製造方法 |
-
1990
- 1990-11-29 JP JP2331503A patent/JP2511573B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04202143A (ja) | 1992-07-22 |
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