JP2569155B2 - アルキルアダマンタンの製造方法 - Google Patents

アルキルアダマンタンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、三環式のナフテン系炭化水素を異性化して
アルキルアダマンタンを製造する方法の改良に関する。
[従来の技術] アダマンタンはユニークな化学構造をもつ安定な化合
物であるため最近注目を集め、その合成法、用途等に関
する数多くの研究がなされている。
特に、その誘導体からパーキンソン氏病治療薬をはじ
めとする医薬品、耐熱性高分子材料、プラスチック製光
学用材料、合成潤滑油等の用途が開発されるに至り、ア
ダマンタン誘導体の工業的に有利な製造方法の開発が大
いに期待されている。
アダマンタンは、水にも油にも難溶であり、高い融点
を有する昇華性物質であるのに対し、アルキルアダマン
タン類は、通常液体で有機溶媒に易溶で、昇華性を有し
ていない。
このため、アダマンタン誘導体の合成原料としては、
取扱い易いアルキルアダマンタン類が有用である。
従来、アルキルアダマンタン類の製造方法としては、
ジシクロペンタジエンとオレフィンとのディールス・ア
ルダー反応によりテトラシクロドデセン類及びその誘導
体を合成し、これを水素化することによって得られるテ
トラシクロドデカン類を水素と反応させる方法および、
目的とするアルキルアダマンタンと同数の炭素原子を有
する三環式のナフテン系炭化水素を異性化する方法が広
く採用されていた。
そのうち前者については例えば特定のゼオライト触媒
の存在下で行なう方法がある(特公昭55−23258公
報)。しかしこの方法は、使用する原料物質のテトラシ
クロ[6・2・1・13.6・02.7]ドデカン類を合成す
るのに、数段の工程を必要とするので、必然的に高価と
なるばかりでなく、アルキルアダマンタン類の収率は最
高でも1,3−ジメチルアダマンタン54.5%、1−エチル
アダマンタン12.5%であって、経済的に有利な方法では
ない。
また三環式のナフテン系炭化水素の異性化による方法
として、例えば1,3−ジメチルアダマンタンを製造する
には、アセナフテンを完全に水素添加したパーヒドロア
セナフテンと臭化アルミニウム−臭化水素−分枝状パラ
フィン系炭化水素からなる泥状の錯体触媒とを、35℃で
6〜8時間接触させる方法(英国特許第1,068,518号[1
967]、米国特許第3,128,316号[1964])あるいは臭化
アルミニウム−t−ブチルブロマイドの錯体触媒を用
い、50〜60℃で1時間接触させる方法(テトラヘドロン
レターズ[Tetrahedron Letter]No.15〜7頁、196
8)等が知られている。
しかしながら、これら異性化反応によるいずれの方法
も、収率は60〜70%の成績を示すものの、副反応生成物
が多く発生し、また、触媒が反応中に重質分と錯体を形
成するため、触媒の再生が困難である等の欠点を有して
いる。
さらに、炭素数12以上の三環式飽和炭化水素と、触媒
として希土類金属及びアルカリ土類金属からなる群から
選ばれた1種または2種以上の金属イオンでイオン交換
されたゼオライトを用いて異性化を行ない、アルキルア
ダマンタン類を製造する方法(特公昭52−2909号公報)
も提案されている。しかし、この方法は、収率が極めて
低く、例えば、パーヒドロアセナフテンを用いた場合、
1,3−ジメチルアダマンタン及び1−エチルアダマンタ
ンの収率は、それぞれ24.9%、35.0%にすぎない。
また、Johnston等は、白金−アルミナ触媒をパーヒド
ロアセナフテンの異性化反応として用い、触媒を充填し
た169℃の管中に塩化水素と原料蒸気を通過させ、収率8
6%で1,3−ジメチルアダマンタンを得たと報告している
(Journal of the American Chemical Society]
第93巻、第2798頁、1971年)。しかしながら、この方法
によれば、触媒7.5重量部に対して1重量部のパーヒド
ロアセナフテンを通過させており、触媒の使用量が多く
なるばかりでなく、触媒を活性化するためにH2、HCl及
びSOCl2での連続処理が必要であり、かつ、触媒失活時
の再生には500℃で酸素を流通させねばならず、薬剤費
及び設備費が高くつくという欠点がある。
また最近無水塩化アルミニウム/1,2−ジクロロエタン
系錯体触媒を用いてパーヒドロアセナフテンの異性化に
より、1,3−ジメチルアダマンタンを製造する方法が開
示されている(特開昭63−159330号公報)。
しかしながらこの方法においても収率は最高82%であ
って充分高いとは言えず、また錯体触媒の調製に使用さ
れる1,2−ジクロロエタンが水に溶解すること、および
水と共沸するため、反応混合物の水による分解生成物か
らの1,2−ジクロロエタンの回収操作に問題がある。
[発明が解決しようとする課題] 以上の如く三環式のナフテン系炭化水素を異性化して
アルキルアダマンタンを製造する従来の方法において
は、副生物が多く生成し、目的物の収率が十分高いとは
言えなかった。また触媒は反応中に重合物と結合して失
活し、それを再生して循環使用することは困難であっ
た。本発明は、従来の方法における上記問題点を解決し
て、副反応生成物及び重質物の生成を抑え、三環式のナ
フテン系炭化水素を異性化してアルキルアダマンタンを
高収率で製造できる方法を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、三環式のナフテン系炭化水素を異性化
し、高収率でアルキルアダマンタン類を合成する方法に
ついて、鋭意試験研究を重ねた結果、触媒として無水塩
化アルミニウムを、0−ジクロロベンゼンまたはモノク
ロロベンゼンに溶解した複合触媒、あるいは無水塩化ア
ルミニウムを0−ジクロロベンゼンまたはモノクロロベ
ンゼンに溶解せしめた後塩化水素を吹込んで活性化した
複合触媒を使用すれば、副反応が抑制されてアルキルア
ダマンタン類が高収率で得られることを見い出し、本発
明に到達した。
すなわち、本発明は、 炭素数が12以上の三環式ナフテン系炭化水素を異性化
してアルキルアダマンタンを製造する方法において、触
媒として塩化アルミニウムを0−ジクロロベンゼンまた
はモノクロロベンゼンに溶解した複合触媒を使用し、70
℃〜110℃の温度範囲で異性化せしめることを特徴とす
るアルキルアダマンタンの製造方法、および 炭素数が12以上の三環式ナフテン系炭化水素を異性化
してアルキルアダマンタンを製造する方法において、主
触媒として塩化アルミニウム、助触媒として塩化水素な
らびに溶媒として0−ジクロロベンゼンまたはモノクロ
ロベンゼンの3成分よりなる複合触媒を使用し、70℃〜
110℃の温度で異性化せしめることを特徴とするアルキ
ルアダマンタンの製造方法。
である。
本発明方法において異性化反応に供する原料は、炭素
数12以上の三環式ナフテン系炭化水素であり、このよう
な炭化水素としては、パーヒドロアセナフテン、パーヒ
ドロフルオレン、1,2−シクロペンタノパーヒドロナフ
タレン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアント
ラセン等を挙げることができる。
これら三環式ナフテン系炭化水素は、相当する三環式
芳香族炭化水素、例えばアセナフテンをニッケル系触媒
の存在下、水素添加する公知の方法によって容易に得る
ことができる。
本発明方法で用いる複合触媒は、主触媒である無水塩
化アルミニウムと溶媒である0−ジクロロベンゼンまた
はモノクロロベンゼンとを混合し、加熱溶解することに
よって得られる。溶媒としては0−ジクロロベンゼンま
たはモノクロロベンゼンを用いることができるが、異性
化反応が高収率で得られる点および反応後の溶媒の回収
が容易である点において、0−ジクロロベンゼンの方が
より好ましい。
無水塩化アルミニウムと0−ジクロロベンゼンまたは
モノクロロベンゼンとを混合し70℃〜110℃に保持して
0.5〜1時間攪拌すれば、塩化アルミニウムは流動性を
帯びてきて、ついには溶媒に溶解する。
この溶媒に溶解した複合触媒はそのままで使用するこ
ともできるが、さらに助触媒として乾燥塩化水素を吹込
み、3成分よりなる複合触媒とすれば、一層触媒活性が
向上し、所望の反応が高収率で得られる。
使用する無水塩化アルミニウムの量は、原料である三
環式ナフテン系炭化水素1モルに対して、0.3ないし1.5
モル、好ましくは0.5ないし1.0モルの範囲が適当であ
る。
塩化アルミニウム量が原料である三環式ナフテン系炭
化水素1モルに対して、0.3モル以下では、異性化反応
がスムースに進行せず、アルキルアダマンタンを高収率
で合成することができない。逆に1.5モル以上となる
と、反応速度が非常に大きくなり、異性化が進行しすぎ
て、生成したアルキルアダマンタンが分解し、収率の低
下を招来するばかりでなく、主触媒である塩化アルミニ
ウムを溶解させるための溶媒量が増加し、経済的に得策
ではない。
溶媒として用いる0−ジクロロベンゼンまたはモノク
ロロベンゼン量は、70℃〜110℃で無水塩化アルミニウ
ムを溶解させるのに充分な量が必要で、この量は、塩化
アルミニウム1モルに対して1モルないし10モル、好ま
しくは2モルないし5モルの範囲が適している。
塩化水素ガスを添加し3成分系触媒とする場合、塩化
水素ガスの量は、上記塩化アルミニウム1モルに対し
て、0.5モル以上、好ましくは1〜2モルで、これを15
分間〜1時間程度で吹込めば、塩化アルミニウムの活性
化を十分に行なうことができる。塩化水素ガスの吹込み
は、無水塩化アルミニウムが溶媒の0−ジクロロベンゼ
ンまたはモノクロロベンゼンに溶解し始めた時に開始し
てもよいが、全量溶解した後吹込む方が塩化アルミニウ
ムの活性化をより短時間で行なうことができる。
原料の三環式ナフテン系炭化水素は、前記複合触媒の
溶解した0−ジクロロベンゼンまたはモノクロロベンゼ
ン中へ溶媒を用いずにそのまま添加するか、あるいは複
合触媒の生成に用いたと同じ溶媒の0−ジクロロベンゼ
ンまたはモノクロロベンゼンで希釈して添加しても良
く、また無水塩化アルミニウムと0−ジクロロベンゼン
またはモノクロロベンゼンと共に最初から添加して混合
攪拌することもできる。
異性化反応温度は70℃〜110℃、好ましくは80℃〜90
℃が適当であり、三環式ナフテン系炭化水素を添加した
後、上記の温度に保持することによって異性化が円滑に
進行する。
反応温度が70℃以下では、反応速度が小さすぎて反応
を完結させるのに長時間を要し、非効率的となる。
逆に110℃以上となると、反応速度が大きくなりすぎ
て反応の制御が困難となる。
反応時間は、反応温度により若干異なるが、例えば、
80℃〜90℃の適正温度範囲では、2時間で十分である
が、好ましくは3時間から5時間が適当である。
反応終了後、反応生成物に水を加え、塩化アルミニウ
ムを水に溶解させた後、油水分離し、ついで蒸留により
油層から溶媒を留去してアルキルアダマンタンを得るこ
とができる。本発明で用いられる0−ジクロロベンゼン
またはモノクロロベンゼンはいずれも水に不溶であり、
また0−ジクロロベンゼンは水と共沸しないので、油水
分離および蒸留によって容易に回収することができる。
[作用] 本発明においては、触媒として無水塩化アルミニウム
を0−ジクロロベンゼンまたはモノクロロベンゼンに溶
解した複合触媒、あるいはさらに塩化水素ガスを吹込ん
で塩化アルミニウムを活性化せしめた複合触媒は均一な
溶液状態の触媒でありこの触媒を用いることにより異性
化反応が円滑に進行し、副反応が抑制され、アルキルア
ダマンタンを高収率で得ることができる。
また溶媒として用いた0−ジクロロベンゼンまたはモ
ノクロロベンゼンは水に不溶であり、また0−ジクロロ
ベンゼンは水と共沸しないので、反応終了後に触媒を分
解し、油水分離および蒸留を行なうことによって効率よ
く溶媒を回収することができる。
[実施例] 次に実施例によりこの発明を詳細に説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。
実施例1 還流冷却管と攪拌装置を取り付けた300mlの三ツ口フ
ラスコに無水塩化アルミニウム50g(0.37モル)と0−
ジクロロベンゼン147gを仕込み、80℃で30分間攪拌混合
して塩化アルミニウムを溶解せしめた。
引き続き80℃で攪拌しながら、パーヒドロアセナフテ
ン(純度97.5%)84.1gを徐々に滴下した。摘下終了
後、80℃にて攪拌しながら3時間異性化反応せしめた。
そして反応混合物を室温まで冷却した後、約500mlの
水中に加え、塩化アルミニウムを水に溶解させた後、油
水分離して油層を分離した。分離した油層を減圧下に蒸
留して0−ジクロロベンゼンを留去し、アルキルアダマ
ンタン生成物83.5gを得た。このアルキルアダマンタン
生成物は、1,3−ジメチルアダマンタン濃度87.2%で、
1,3−ジメチルアダマンタンの収率は88.8%であった。
実施例2 実施例1で使用したと同じ三ツ口フラスコに無水塩化
アルミニウム40gと0−ジクロロベンゼン118gを混入
し、攪拌しながら80℃で塩化水素ガスを、1分間に200c
cの速度で30分間吹込み、塩化アルミニウムを溶解せし
めた。
引き続き80℃で攪拌しながらパーヒドロアセナフテン
(純度97.5%)67.3gと0−ジクロロベンゼン29.0gの混
合物を徐々に滴下した。摘下終了後、80℃で攪拌しなが
ら3時間異性化反応せしめた。そして反応混合物を室温
まで冷却した後、約400mlの水中に加え、塩化アルミニ
ウムを水に溶解させた後、油水分離して油層を分離し
た。分離した油層を減圧下に蒸留して0−ジクロロベン
ゼンを留去し、アルキルアダマンタン生成物66.1gを得
た。
このアルキルアダマンタン生成物は、1,3−ジメチル
アダマンタン濃度90.5%で1,3−ジメチルアダマンタン
の収率は91.2%であった。
実施例3 実施例1で使用したと同じ三ツ口フラスコに無水塩化
アルミニウム50gと0−ジクロロベンゼン147gを仕込
み、90℃で30分間攪拌混合して、塩化アルミニウムを溶
解せしめた。
引き続き、90℃で攪拌しながらパーヒドロフルオレン
(純度98.0%)90.8gを徐々に滴下した。適下終了後90
℃にて攪拌しながら4時間異性化させた。そして反応混
合物を室温まで冷却した後、約500mlの水中に加え、塩
化アルミニウムを溶解させた後、油水分離して油層を分
離した。
分離した油を減圧下に蒸留して、0−ジクロロベンゼ
ンを留去し、アルキルアダマンタン生成物89.5gを得
た。このアルキルアダマンタン生成物は1,3,5−トリメ
チルアダマンタン濃度75.2%であり、1,3,5−トリメチ
ルアダマンタンの収率は75.6%であった。
実施例4 実施例1で使用したと同じ三ツ口フラスコに無水塩化
アルミニウム40gと0−ジクロロベンゼン147gを混入
し、攪拌しながら、90℃で塩化水素ガスを1分間に200c
cの速度で30分間吹込み、塩化アルミニウムを溶解せし
めた。
引き続き90℃で攪拌しながらパーヒドロフルオレン
(純度98.0%)72.6%を徐々に滴下した。適下終了後90
℃にて攪拌しながら、3時間異性化反応を行なった。
そして反応混合物を室温まで冷却した後、約400mlの
水中に加え、塩化アルミニウムを溶解させた後、油水分
離して油層を分離した。分離した油層を減圧下に蒸留し
て、0−ジクロロベンゼンを留去し、アルキルアダマン
タン生成物71.5gを得た。このアルキルアダマンタン生
成物は、1,3,5−トリメチルアダマンタン濃度80.2%で
1,3,5−トリメチルアダマンタンの収率は80.6%であっ
た。
比較例1 実施例1で使用したと同じ三ツ口フラスコに無水塩化
アルミニウム68gとジメチルヘキサン200gを混入し、攪
拌しながら55℃で塩化水素ガスを1分間500ccの速度で
1時間吹込み、室温まで冷却した後塩化アルミニウム、
塩化水素及びジメチルヘキサン錯体触媒層と、未反応の
ジメチルヘキサンを分離した。
そしてこの錯体触媒層40mlにパーヒドロアセナフテン
49.2gとメチルシクロヘキサン20gの混合物を、徐々に滴
下した。
適下終了後、攪拌しながら0℃で3時間保持した後、
さらに35℃で5時間異性化反応を行なった。
この反応混合物を300mlの水に投入して15分間攪拌
し、塩化アルミニウム錯体触媒を失活させ、油層と水層
を分離した。
油層からジメチルヘキサン、メチルシクロヘキサンを
減圧下、蒸留により留去し、アルキルアダマンタン生成
物48.5gを得た。このアルキルアダマンタン生成物中の
1,3−ジメチルアダマンタン濃度は71.3%、収率は70.3
%であった。
比較例2 実施例1で使用したと同じ三ツ口フラスコに無水塩化
アルミニウム20gとイソオクタン200mlを混入し、攪拌し
ながら80℃で1時間保持したが、塩化アルミニウムは溶
解しなかった。
次にパーヒドロアセナフテン50.5gを徐々に滴下し
た。適下終了後、攪拌しながら80℃で6時間異性化反応
せしめた。
この反応混合物を室温まで冷却した後、イソオクタン
層を分離した。
分離したイソオクタン層を水洗浄した後、イソオクタ
ンを減圧下、蒸留により留去し、釜残油を得た。
この釜残油をガスクロマトグラフィーにより分析した
ところ、1,3−ジメチルアダマンタンの生成は認められ
なかった。
比較例1および比較例2から明らかなように、塩化ア
ルミニウム−分枝状パラフィン系炭化水素からなる複合
触媒では1,3−ジメチルアダマンタンが全く生成せず、
また塩化水素を添加した3成分系触媒としても収率は高
くない。
実施例5 実施例1で使用したと同じ三ツ口フラスコに無水塩化
アルミニウム50gとモノクロロベンゼン112gを仕込み、8
0℃で30分間攪拌混合して塩化アルミニウムを溶解せし
めた。引き続き、80℃で攪拌しながら、パーヒドロアセ
ナフテン84.1gを徐々に滴下した。滴下終了後80℃にて
攪拌しながら4時間異性化させた。
次に反応混合物を室温まで冷却した後約500mlの水中
に加え塩化アルミニウムを溶解させた後、油水分離して
油層を分離した。
分離した油層を減圧下に蒸留して、モノクロロベンゼ
ンを留去してアルキルアダマンタン生成物83.4gを得
た。
このアルキルアダマンタン生成物は1,3−ジメチルア
ダマンタン濃度が75.8%であり、1,3−ジメチルアダマ
ンタンの収率は77.1%であった。
[発明の効果] 本発明方法によれば、三環式のナフテン系炭化水素の
異性化によるアルキルアダマンタン類の製造において、
塩化アルミニウム触媒を0−ジクロロベンゼンまたはモ
ノクロロベンゼンに溶解した複合触媒を使用することに
よって、副反応生成物および重質分の生成が少なく、ア
ルキルアダマンタン類が高収率で合成できる。
さらに、塩化アルミニウムを0−ジクロロベンゼンま
たはモノクロロベンゼンに溶解して塩化水素ガスを吹込
み、活性化させて使用することによって、より高収率で
アルキルアダマンタンを合成できる。
本発明により得られる1,3−ジメチルアダマンタン
は、有機合成中間体、合成潤滑油、潤滑油添加剤、医薬
品原料あるいは高分子原料等として有用な物質であり、
広範囲な用途に利用することができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数が12以上の三環式ナフテン系炭化水
    素を異性化してアルキルアダマンタンを製造する方法に
    おいて、触媒として、塩化アルミニウムを0−ジクロロ
    ベンゼンまたはモノクロロベンゼンに溶解した複合触媒
    を使用し、70℃〜110℃の温度で異性化せしめることを
    特徴とするアルキルアダマンタンの製造方法。
  2. 【請求項2】炭素数が12以上の三環式ナフテン系炭化水
    素を異性化してアルキルアダマンタンを製造する方法に
    おいて、主触媒として塩化アルミニウム、助触媒として
    塩化水素ならびに溶媒として0−ジクロロベンゼンまた
    はモノクロロベンゼンの3成分よりなる複合触媒を使用
    し、70℃〜110℃の温度で異性化せしめることを特徴と
    するアルキルアダマンタンの製造方法。
  3. 【請求項3】複合触媒が塩化アルミニウムと0−ジクロ
    ロベンゼンまたはモノクロロベンゼンを混合したのち、
    塩化水素ガスを吹込み、塩化アルミニウムを活性化せし
    めたものであることを特徴とする請求項2に記載のアル
    キルアダマンタンの製造方法。
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